酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

人生の再チャレンジへ~更生保護の持つ意味

2008-09-11 00:27:11 | 独り言
 普段から素行不良だったとはいえ、若ノ鵬、露鵬、白露山への一発レッドには驚いた。向精神作用、筋力増強を問わず、禁止薬物使用のケースは1~3年の謹慎が、プロアマ限らず世界標準ではないか。

 A級戦犯だった岸信介、造船疑獄に関与したものの指揮権発動で逮捕を免れた池田勇人と佐藤栄作、炭鉱国管疑獄で収監された田中角栄、昭和電工疑獄に連座した福田赳夫、数々の疑獄で名が挙がった中曽根康弘……。一再ならず躓いた彼らは、後にすべて首相に登り詰めた。

 大麻所持で逮捕された井上陽水、萩原健一、内田裕也、錦野旦、研ナオコ、美川憲一は、禊ぎを経て世間に受け入れられた。かくも優しい日本人の国技が大相撲である。3力士が外国人ではなかったら、どのような処分が下っただろうか。

 政治家や芸能人の過ちには寛大な日本人だが、罪を犯した者への眼差しは厳しい。一昨日(9日)、更生保護フォーラム主催「第17回チャリティ寄席 花の会」(国立演技場)に足を運んだ。現在6600社ある協力雇用主の更なる増加を呼びかけるイベントで、一竜斎貞花一門らが話芸を披露した。

 慈善など似合わぬ俺だが、仏教界を代表してパネラーを務めた従兄弟に誘われ参加した。国会議員を経て、知恩院広報担当として法話をこなす従兄弟は、巧みな話術で満員御礼の客席の笑いを取っていた。

 更生保護とは道を踏み外した者の<人生の再チャレンジ>を支援する試みだ。出所者を偏見から守り、その権利に留意して再犯防止に努めている。関連官庁の調査では、職を得た出所者の再犯率7・6%に比べ、無職者は40・4%に達するという。更生保護に携わる保護司、協力雇用主は犯罪防止に大きく寄与している。

 俺は幸いにも塀の外にとどまった境界線の人間だ。非行に走らなかったのは両親がしっかりしていたからだし、若くして自分の<歪んだ資質>に気付いたことも大きかった。教師や銀行員のような堅い仕事に就いていたら、ストレスで確実に社会面を賑わせただろう。痴漢、それとも万引? もっと危険な行為に及んだ可能性さえある。

 サラリーマン時代の末期、俺は兆しを自覚していた。管理職という裃(かみしも)が俺を蝕み、キレて言葉を荒らげことが何度かあった。かつての同僚にこの場を借りて謝りたい。

 過去を反省し、枯れた後半生を送るのが今の俺の目標だ。11月下旬のインド旅行は、煩悩を削ぎ落とすきっかけになるかもしれない。俺はいつの間にか従兄弟が企画したツアーの員数に入っていた。

 釈迦が悟りを得たブッダガヤも旅程に含まれている。朝日が煌くガンジス河で沐浴し、人生の新たな地平を開ければいいのだけれど……。



コメント (6)
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