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酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

厳冬期の雑感~オミクロンと母、スーパーボウルと北京五輪、そしてグリーンズジャパン

2022-02-18 23:40:24 | 独り言
 先週、ケアハウスから電話が入った。母がオミクロンに罹患したという。高齢者は重症化しやすいといわれるが、95歳の母に基礎疾患はない。俺よりはるかに健康体なのだ。日々発表される新規感染者数は他人事だったが、ぐっと距離は縮まる。ようやく通じた電話で「最初は風邪だと思った」と母は話していた。喉が痛い俺も、罹っているかもしれない。

 「国際報道2022」(NHK・BS)によると、新規感染者が5万人超のデンマークで、コロナ関連の規制が全て解除された。街行く人もマスクを着用していないし、学校も通常の体制で授業が進んでいる。<オミクロン株はインフルエンザと同じで、ワクチンさえ接種していれば大丈夫>というのが政府の見解で、ワクチン追加接種率は約62%(日本は11%)だ。コロナ禍の対応で、国の形が見えてくる。

 今季はNFLをしっかり見た。ディビジョナルプレーオフ4試合、チャンピオンシップ2試合の密度の濃い内容に魅せられたし、ロサンゼルス・ラムズVSシンシナティ・ベンガルズのスーパーボウルも息詰まる接戦だった。ラムズが23対20で22年ぶりに制覇を果たす。セントルイスに本拠を置いた当時のラムズの記憶が鮮明に甦った。

 QBのカート・ワーナーは前年のスーパーボウルをバイト先の倉庫で見ていた。そのワーナーが幾つもの奇跡が重なってラムズの先発QBとしてチームを頂点に導き、シンデレラボーイともてはやされた。その後も2度スーパーボウルに出場し、リーグMVPにも計3度輝いたワーナーは慈善活動でも知られている。

 今回のスーパーボウルのハイライトというべきはハーフタイムショーではなかったか。LAという土地柄、ヒップホッパーたちがステージに立ったが、エミネムはコリン・キャパニックへのリスペクトを込め、ステージで長い間ひざまずいた。キャパニックは49ersのQBで、<黒人や有色人種への差別がまかり通る国には敬意を払えない>と国歌斉唱時の起立を拒否した。

 事実上、この一件で解雇されたと見做されているが、ブラック・ライヴズ・マターの先駆けになった。NFLのファン層は保守派が多く、今季限りで引退したトム・ブレイディもトランプ支持者である。今回のスーパーボウルはNFLを取り巻く空気を変えるきっかけになるかもしれない。

 スポーツといっても、冬季五輪はチラ見している程度だが、中国における羽生結弦の人気には驚かされた。中国の金メダリストを称えるドローンのイベントで、他国の選手で唯一、羽生への祝意も表現されていた。フィギュアで世界を震撼させたのはカミラ・ワリエワのドーピング問題だ。15歳の彼女に責任を被せるには無理があるし、10代の原石を使い捨てにするロシアのフィギュア界の体質が背景にある。

 政治とスポーツが不可分の関係であることが浮き彫りになったのは、ロシアのウクライナ侵攻問題だ。俯瞰すれば米国とEU、ロシアと中国との対立と捉えることも出来るが、民主主義、自由の価値、そして自然と人間の調和について考える時機に来ている。そんな折、グリーンズジャパンの総会がリモートで開かれた。

 これまでも総会について記したことは何度かある。2014年入会の俺は、何度も挙手して発言したこともあった。だが、コロナ禍と年齢、そして体の不具合で様々な活動に接することがなくなった。会員発の映画や音楽のイベント、研究会や講演会も激減した。だから、気分も引き気味になっている。

 EUではフランスが原発稼働に大きく舵を切り、再生可能エネルギーを志向するドイツと亀裂が生じている。<原発は二酸化炭素削減に効果的>との主張は、日本にも飛び火している。こんな時こそ、グローバルグリーンズの力が試されるのだ。GDPに縛られない脱成長と<コモン=共有材>に価値を置く試みは、バルセロナなど欧州の各都市で実践されているが、グリーンズジャパンで意見の一致を見たわけではない。

 欧州の自治体選では<グリーン&レッド連合>が支持を伸ばしている。ドイツでは緑の党=左派と位置付けるメディアもある。参院選に向け、維新+国民民主+都ファの自民党亜流グループが形成され、立民も揺さぶられている。グリーンズジャパンは軸足をどこに置くべきなのか。今月いっぱいで仕事も終了するので、少しずつ体をならし、発言する場にも加わっていきたい。
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今年の目標は<自由かつアナーキーに>

2022-01-03 21:27:01 | 独り言
 あけましておめでとうございます。人生の分岐点になる今年、健康に気を配りながら乗り切りたいと思います。

 寒い日々が続いた年末年始は帰省せず、部屋でゴロゴロして過ごした。録画しておいた映画やドラマを大量に消化したが、リアルタイムで見た「相棒元日スペシャル 二人」から……。今シーズンはいまいち感が拭えなかったが、同作は貧困や格差など「相棒」独特の社会性を盛り込んでおり、エンディングにも満足出来た。

 最近放映された「岸辺露伴は動かない」と「いりびと-異邦人」は、ともに現実と異界を行き来する濃密な空気を堪能出来た。他にもHDDで埃をかぶっていたドラマを消化する。連続ドラマW「プラチナタウン」(全5回)は2012年制作で、3年ほど前にスカパーでオンエアされた時に録画しておいた。老人問題と過疎に焦点を当てた内容は、今こそ自分自身のテーマと受け取れる。楡周平原作、大泉洋主演で、豪華な助演陣がエキサイティングな展開を支えていた。

 テレ朝チャンネルで録画しておいた「京都迷宮案内」第1~第3シリーズをまとめて見た。舞台は京都日報で、杉浦記者(橋爪功)、橘キャップ(野際陽子)を軸に京都の歴史や伝説を織り交ぜて進行する。キャラはシリーズによって変わるが北村総一朗演じる大洞と、杉浦、橘とのユーモアたっぷりのやりとりに心が和んだ。秀作揃いなのは西岡琢也担当の脚本が優れているからだろう。

 映画も何本か見たが、そのうちの一作が「三度目の殺人」(17年、是枝裕和監督)である。役所広司、福山雅治、広瀬すずの豪華なキャスティングによる法廷ドラマだが、是枝作品となるとおのずと高いハードルを設定してしまう。とはいえ、人間の心の奥に迫る佳作で、見る者に鋭く問いかける結末だった。

 前稿に記した通り、俺は3月に年金生活になる。無能な俺に、格好の目標が見つかった。東京大賞典で3着に入ったウェスタールンドで、10歳の今年も現役を続けるという。騸馬というのも俺に似つかわしい。同馬は死んだふりして最後方を走りながら、ゴール前で突っ込んでくる。型にはまりながら自由というのは理想ではないか。

 慎ましく生きざるを得ないが、<自由かつアナーキーに>が今年の目標だ。このテーマに沿って紀伊國屋で昨年末、3冊を買い揃えた。ブログでおいおい紹介していきたい。
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ウイズコロナの一年を振り返る

2021-12-30 19:46:15 | 独り言
 オミクロン株の蔓延もあり、コロナウイルスとの密な関係は来年も続きそうだ。仮にコロナが終息しても、自然破壊に歯止めが掛からない以上、新たなウイルスは確実に人間界に下りてくる。もともと非社交的な俺でさえ、他者と接する機会が減り、鬱とまではいわないけれど、引きこもりの日々を過ごしている。

 来年3月に年金生活者になる。生き方をオープンにして仕事を探さないと干上がってしまうだろう。迫り来る危機を前に暢気に構えているのは、芯から楽観的に出来ているからだが、ベースになるべき健康に不安がある。今夏は脳梗塞で10日、11月下旬には心臓の検査で3日入院した。循環器内科の担当医によると〝楽観出来ない〟症状らしい。イエローカード1枚持ちで、もう1枚出れば人生から〝退場〟しても不思議はない。

 中国による香港弾圧が続いている。民主派メディアの元編集長、歌手のデニス・ホーが先日、相次いで逮捕された。ミャンマーでは国軍兵士に大勢の市民が殺されたが、その中にNGO「セーブ・ザ・チルドレン」の職員2人が含まれていた。2021年に相応しいニュースに暗澹たる気分になった。

 香港やミャンマーでは多くの市民が声を上げたが、日本では時代閉塞が極まった。「バルセロナ・イン・コモン」を率いるバルセロナ市長が公平と平等を求める市民と歩調を合わせて改革を推進している。EU圈では水道の再公営化に向けた運動が広がるなど、コモン(共有財)に価値を置くグループが社会の空気を変えつつある。

 〝資本主義の総本山〟アメリカでも、民主党支持の若者の間で資本主義より社会主義に価値を見いだす傾向が顕著になっている。格差が拡大する現状で、社会主義、左翼に支持が広がるのは当然だが、日本では逆のことが起きている。膨大な供託金と、候補者の手足を縛る公選法で、日本の国会は貴族院の如くだ。連合(労働貴族)は立憲民主党に共産党と手を切るよう脅しを掛けている。<グリーン&レッド連合>が勢力を伸張しているEU圈とは好対照だ。

 この一年、さすがにロックファンは引退したが、数々の映画と書物が生きる糧だった。大谷翔平の規格外の活躍も驚きの連続だったし、藤井聡太4冠の鋭く鮮やかな差し手にも感銘を覚えた。来年もAI超えの妙手に魅せられるだろう。

 我田引水、牽強付会の駄文に付き合ってくださった皆さんに心から感謝しています。良いお年をお迎えください。
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師走の雑感あれこれ~ソダシ、藤井聡太、コロナ、立民、そして短期入院

2021-12-04 14:48:35 | 独り言
 あすのチャンピオンズカップに注目している。多士済々なので当たる可能性は極めて低い。ならば白毛の桜花賞馬ソダシに一票を投じたい。歴戦の兵の壁に跳ね返されてもしょうがない。同馬に重ねているのはかつてのダート女王ホクトベガだ。ちなみに両馬の共通点は、27年を経て札幌記念を制したことだ。

 藤井聡太4冠がB級1組で近藤誠也七段を下した。無敗の佐々木勇気七段が敗れたためトップに立ち、A級昇級は確定的だ。リードして終盤に向かうパターンが増えた藤井だが、今回は近藤の工夫が上回った。耐えながらマジックをちりばめ大逆転した藤井に驚嘆するしかない。師匠の杉本昌隆八段が<目先の結果より将棋の内容を追求している>と評する藤井は、10代にして仙人の高みに達しているのか。

 ヘソ曲がりの俺は、コロナ感染者数が激減した10月末にワクチン接種を受け、2度目が先日終了した。ところが今、世界で感染が爆発しており、南アフリカ発のオミクロン株の脅威が懸念されている。東京は昨日も新規感染者は14人だったが、1カ月後は未知数だ。ウイズコロナ時代、人類がマスクを手放す日は来るのだろうか。

 泉健太衆院議員が立憲民主党新代表に決まった。労働貴族(連合)に共産党との連携に釘を刺されているが、〝日本の常識〟は先進国レベルから逸脱している。EU圏では<グリーン+レッド連合>が自治体選挙を席巻しており、ドイツ緑の党も左派の枠組みで語られるようになった。

 格差の拡大を見据えると、公正・公平を主張する左派に支持が集まるのは当然だ。アメリカでもバーニー・サンダース、そのフォロワーの民主党プログレッシブの影響で、民主党支持の若い世代は資本主義より社会主義に価値を見いだすようになっている。普通選挙法(1925年)以降の負の遺産を引き継ぐ供託金制度のを廃止こそ民主主義への第一歩と、俺は繰り返し主張してきた。日本の左翼アレルギーにペシミスティックにならざるを得ない。

 前稿末に記した通り、2泊3日で検査入院した。8月下旬に脳梗塞では10日間だったが、当時の検査で心臓が十分に機能していないことが判明した。自覚症状はないが、冠動脈造影検査を受けた。診断は<心臓の機能は低下しているが、一発アウト(心筋梗塞など)の可能性は低い>だった。

 前回時の低カロリー、薄味、少量の〝糖尿食〟に辟易したが、この間、HbA1cの数値は低下したこともあり、今回は〝一般食〟だった。体重は5㌔ほど減り、血圧も120強と高血圧の範疇を下回るケースもあった。〝人間万事塞翁が馬〝というが、入院したことで節制に目覚め、少し健康になった気がする。

 4人部屋で、医師や看護師との会話から、平均年齢は俺ぐらい(65歳)だろう。俺を含めてそれぞれ肩、首、腰、膝などに痛みを抱えているようだ。検査の後、左手は伸ばしたまま、右手は点滴で本も読めなかった。恥と失敗だらけの無数の汚点が甦り、眠気が消えてしまった。

 体調が急変した父が召されたのは1990年代前半だった。当時は年金や保険が充実しており、安定した老後を過ごせたが、この30~40年、人々(99%)は明らかに貧しくなった。1%の支配が続くこの国の未来を考えて暗い気分になった。
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京都であれこれ~65歳、藤井風、「相棒」&「ドクターX」、将棋NHK杯

2021-10-19 23:14:54 | 独り言
 週末にかけて京都に帰省した。老人施設は面会禁止なので、母がタクシーで従兄宅を訪ねる形で2年ぶりの再会になった。母は耳がさらに遠くなっているので、筆談がコミュニケーションの軸になる。余計な心配はかけたくないので、脳梗塞で入院したことは伏せておいた。

  30年近く前の話だが、父は突然、心身が衰え、3カ月もしないうちに召された。当時は謎めいていたが、脳梗塞ではなかったかと推察している。帰宅しない父を心配し、母が警察に届を出した数時間後、京都市内をグルグル回っている不審車が発見された。運転席に座っていたのは父だった。

 その頃、俺は勘当状態にあった。一報を聞いて、俺の責任ではないかと少し反省する。意識が混濁し、呂律が回らないという症状は、まさに重度の脳梗塞だ。俺の発症は親不孝の報いかもしれないが、今のところ小康状態を保っている。帰省中に65歳になり、リタイア時期が迫っている。世知辛いご時世、年金だけに頼るのは厳しい。東京砂漠にとどまるか、帰郷するのか決めていないが、〝営業力〟を持ち合わせていない以上、まず体の現状維持が必要だ。

 昭和期の映画を見て感じるのは、男たちの老成と落ち着きだ。俳優で挙げれば笠智衆や志村喬あたりだが、彼らと比べて自分のガキっぽさに唖然とする。かつて60歳といえば悠々自適の晩年だが、今や死ぬまで働くのが当たり前になった。これは一種の奴隷制で、後の世代には更なる苦しみが待ち受けている。今回の選挙が流れを変えるきっかけになれば……というのは夢想に過ぎない。

 帰省中、「MUSIC SPECIAL~藤井風」(NHK総合)を見た。藤井は24歳のシンガー・ソングライターで、先月14日に無料配信された無観客ライブ"Free"の舞台裏に密着していた。65歳の俺はなぜか、藤井の奏でる音楽に魅せられた。メロディーと歌詞に、イベントタイトル"Free"に相応しい奔放さを感じたからである。

 3歳の頃から喫茶店を経営する父にキーボードを習い、その後も弾き語りで曲を作り続けた。英語も堪能で、声量も豊かだ。配信によって海外でも人気は広がっているという。アメリカの女性ファンが「エド・シーランより素晴らしい」と褒めていたが、個の視点を克服し、普遍性と多様性を自然体で表現している。〝日本のピアノマン〟の可能性は無限に広がっている。
 
 テレビ朝日系の看板ドラマ、「相棒」と「ドクターX」の新シリーズ初回を見た。「相棒」は前シリーズ後半の流れを受け継いでいるが、俺のように物忘れが激しいとうまく繋がってこない。消化不良と感じたのは、ボケた俺のせいだ。「ドクターX」はシンプルで荒唐無稽だがエンターテインメントに徹している。その差が視聴率にも表れているようだ。

 将棋のNHK杯では2週続けて大逆転で勝敗が決した。先々週は飯島八段が一手の緩手で形勢を損ね、先週は八代七段が勝利寸前の角打ちが失着だった。画面上部のAI評価が5%から一気に95%にドラスチックに揺れる。飯島、八代の両者は落胆を隠せなかった。

 羽生、森内の両九段(ともに永世名人の称号獲得)でさえ、タイトル戦で3手詰め、5手詰めを見落として敗れたことがある。現在の藤井3冠は「わたし、失敗しないので」級の詰め将棋解答者だ。だから終盤、決して焦らず、時にAI超えの手を発見する。一度ぐらい〝人間〟藤井を見てみたい気もするが……。

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秋の雑感~鬼城、一之輔&文菊、マニックス、フジロック、藤井聡太3冠、スノーフォール

2021-10-02 16:02:00 | 独り言
 中国不動産最大手の恒大集団が経営危機に陥っている。NHK・BS1でオンエアされた「廃墟になったマイホーム~中国〝鬼城〟住民の闘い」を見て、サブプライム住宅ローン(2009年)を連想してしまう。入居費を払った後に建設会社が破綻し、廃墟になったマンションが中国全土に林立している。計画倒産の悪徳業者もおり、中国共産党や自治体幹部も絡んでいるから根が深い。

 習近平主席は「紅い遺伝子継承」を思想統制の軸に据えているが、その実、自身の神格化を進めているだけで、格差に喘ぐ国民など顧みない。日本だけでなく米中でも、権力者は腐臭を放っている。塗炭の苦しみを味わうのは常に庶民だが、仏サルコジ元大統領への実刑判決(禁錮1年)に救いを覚えた。

 「春風亭一之輔&古今亭文菊二人会」(かめありリリオホール)に足を運んだ。同会は3回目で、型破りな一之輔と、正統派の文菊の好対照が魅力だが、昨年は様子が少し違った。一之輔が「あの人は変わった」と枕で漏らしたように、文菊がキレと毒(自虐)をペーストしていたからだ。今回は以前の〝均衡〟に戻ったように感じた。

 一之輔「七段目」→文菊「笠碁」→仲入り→文菊「目黒のさんま」→一之輔「浜野矩随」の進行で、終演は9時を過ぎていた。文菊の演目は聞いたことがあったが、一之輔の2題は初めてだった。前から3列目だったので、文菊のこまやかな表情と所作に感嘆する。全身を躍動させる一之輔の「七段目」はお囃子入りで、「浜野矩随」は独自の解釈だったらしい。

 今年初めて購入したCDは、マニック・ストリート・プリーチャーズの14th「ジ・ウルトラ・ヴィヴィッド・ラメント」で、〝シルバーコレクター(全英チャート2位5回)〟のマニックスが久しぶりに1位に輝いた。骨のある侠気バンドのマニックスにしては柔らかくポップで、クチクラ化した俺の細胞に染み通るメロディーに瑞々しさを感じた。

 ♯1の「スティル・スノーイング・イン・サッポロ」は1993年の札幌を振り返った曲。公演は秋だったので、個人的な旅行の思い出かもしれない。最後に日本語の会話が録音されていた。♯2「オーウェリアン」に出てくる♪オーウェル的な時代を生きる俺たちの歌詞は、「1984年」的状況を示唆しており。本作を貫くテーマにもなっている。監視と分断によって絶望に苛まれる社会に異議を唱えている。同曲のみならずエコー&ザ・バニーメンを彷彿させる曲調も多い。五十路男の悔恨、孤独、メランコリーが滲むハイクオリティーなアルバムだ。

 フジロック21の2日目ダイジェストをスカパーで見た。お目当てはAJICO、クロマニヨンズ、The Birthdayの3組である。とりわけ20年ぶりに復活したAJICOは気になっていた。浅井健一(ベンジー)とUAのユニットで、傑作「深緑」を発表したが1年で活動を休止する。ベンジーはいつものようにシャープで、アラフィフのUAはスリムで若く、シャーマンの如きオーラを放っていた。

 俺はもう現役ロックファンではないから、アンテナが錆び付いている。唯一発見したのはTHE ALEXX(ジ・アレックス)だった。トリップホップ、ダブにカテゴライズされるダウナーでサイケデリックな音は、まさに俺のピンポイントで、4ADのアーティストやポーティスヘッドに重なった。

 この2カ月、藤井聡太3冠について言及することはなかった。強豪相手に高勝率を上げる藤井は、序中盤を整備し、勝負どころではAIも気付かぬ手を指す。俺はB級1組に注目している。自身の連勝を29で止めた佐々木勇気七段が6連勝でトップを走り、千田翔太七段と藤井が5勝1敗で追う。順位の差で頭ハネを食らう可能性もあるから、安閑としていられない。直接対決の結果でA級入りが決まるだろう。

 最後に、凱旋門賞(日本時間3日夜)の予想を。100回の節目になる今回は、3歳馬の精鋭が顔を揃えるハイレベルな一戦だ。俺が応援するのはライアン・ムーア騎乗のスノーフォール(3歳・牝馬)だ。日本生まれのディープインパクト産駒だが、アイルランドに渡り、英愛オークスを制した。俺の目に留まった理由は次稿の枕で記したい。レインフォールの下、季節外れの雪は降るか。
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10日間の入院で終活を考えた

2021-09-05 22:11:30 | 独り言
 前稿でお知らせしたように、10日間入院した。ブログを見てメールをいただいた皆さんに感謝している。病名は脳梗塞である。先週火曜(24日)、家を出ると左右のバランスが悪く視界がぼやけている。仕事先に着くと強烈な吐き気に襲われる。同僚たちの助言で早退し、行き着けの総合病院に向かい、脳神経内科を指定する。診断は想定通り脳梗塞で、いったん帰宅して入院の運びになった。

 脳梗塞といえば長嶋茂雄、西城秀樹、辺見庸の顔が浮かぶが、桜井和寿と星野源(くも膜下出血)は30代前半で発症している。個々人によって違いはあるが、俺は減量と血圧降下を主治医に指示された。糖尿の数値も芳しくなく、消化器内科の先生にも注意されていたが聞き流していた。事ここに至り、遂に節制に取り組むことを決意する。

 来月に65歳になる俺は、人生の分岐点を迎えている。年金生活者にとって最大の問題は健康で、少しでも医療費を抑えたい。飽きるほど退屈なベッドの上で終活プランを練るだけでなく、消しゴムで消去したいような来し方の愚行の数々が甦ってくる。とっくに東京砂漠で埋もれていたはずの俺が生き長らえてきたのは、周りの皆さんの温情があったからだ。

 大部屋生活は煩わしさもあるが、慣れると悪くはない。俺が恐らく一番若く、5人の平均年齢は70歳超か。このご時世、患者同士の交流はないが、看護師との会話で人となりが滲んでくる。面会禁止ゆえ、患者たちは一様に寂しいから、看護師は体へのケアのみならず傾聴力を問われる。延々と自慢話をする患者にも相槌を打つ看護師たちに、他者に<癒やしと和み>を与えることの意味を考えさせられた。

 主治医は女性で、脳梗塞の恐ろしさを指摘された。脳梗塞は突然死するケースは希で、アルツハイマー型認知症の要因にもなる。今回は初期の段階で社会復帰出来たが、2度目を発症すれば深刻な状態に陥る可能性大で、周囲に負担を強いることになる。しっかり節制していきたい。

 視野がぼやけると、仕事のみならず読書や映画観賞も覚束なくなるが、俺は生き方を変えるつもりだ。仕事で<効率とスピード>を重視してきたことは、斎藤幸平流にいえば<「モモ」に登場する時間泥棒(資本主義)に洗脳された証し>だ。これからはスロー&ステディーで、<共生とシェアする精神>を実践していきたい。

 もっと前に紹介するはずだったが、生と死の狭間を静謐に描いた「ライオンのおやつ」(NHK・BSプレミアム/全8回)に感銘を覚えた。余命宣告を受けた海野雫(土村芳)は家族に告げず、ホスピス「ライオンの家」を終の住処に選ぶ。代表のマドンナ(鈴木京香)、入居者、島で明日葉を栽培するタヒチらと交流しながら、穏やかな時を過ごす。今回の入院はともかく、死との向き合い方を考える機会になった。
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57年前の東京五輪の真実に迫る「東京 夢と幻想のプレミアム」

2021-07-31 19:05:53 | 独り言
 五輪開催には反対だったが、テレビで観戦している人は多い。俺もそのひとりで、チャンネルを回すうち見入ってしまうこともある。27日2848人、28日3177人 29日3865人、30日3177人、31日4058人……。日本のメダルラッシュと感染者急増に、パラレルワールドを行き来している感がする。

 前回の東京五輪が開催された1964年、前年までのキューバ危機に代わり、世界はベトナムを注視していた。トンキン湾事件への報復を口実に、米ジョンソン大統領は北ベトナムを攻撃する。日本でも南ベトナムに肩入れする政府に反対する動きが広がった。

 世界の寵児になったのがモハマド・アリ(当時カシアス・クレイ)とビートルズだった。豊潤な文化の時代、同年に刊行された「他人の顔」(安部公房)、「荒魂」(石川淳)、「絹と明察」(三島由紀夫)、「日本アパッチ族」(小松左京)、「個人的な体験」(大江健三郎)に感銘を覚えた。

 映画では「砂の女」(勅使河原宏)、「飢餓海峡」(内田吐夢)、「怪談」(小林正樹)、「赤い殺意」(今村昌平)、「かくも長き不在」(アンリ・コルビ)、「突然炎のごとく」(フランソワ・トリュフォ)、「博士の異常な愛情」(スタンリー・キューブリック)あたりが記憶に残っている。

 「映像の世紀プレミアム15~東京 夢と幻想のプレミアム」を見た。東京が焦土と化した1945年から19年後の開催は奇跡といってよく、国家予算の3分の1(1兆円)が投入された。東京は様々な問題を抱えていた。交通事情は最悪で、渋滞した車は排ガスをまき散らしていた。解決策は首都高速と地下鉄網の充実だった。

 都民は衛生観念が乏しく、公衆トイレはゴミの山だった。都は<一千万人の清掃作戦>を掲げ、婦人会どころか自衛隊まで動員して街を大掃除する。東京浄化の過程でホームレスの姿が消えた。<破壊と創造>が進行し、〝水の都東京〟の光景は一変する。一掃された伝統への野坂昭如の〝弔辞〟が紹介されていた。

 「東京砂漠」にクールファイブの名曲を思い出すが、史実に基づいていることを知る。無計画な膨張と雨不足でダムは渇水し水飢饉になるが、旱天の慈雨で危機は回避された。五輪への関心は低く、知識層は大きな犠牲に疑義を呈していた。本作では東京を〝筆のオリンピック〟と評し、作家たちの言葉を伝えている。中でも五輪前後と〝祭りの後〟までルポルタージュした開高健と、開会式について綴った杉本苑子に感銘を覚えた。

 3月に太股を刺された米ライシャワー駐日大使は、手術用輸血で血清肝炎に感染する。貧しかった時代、輸血用血液の多くは日雇い労働者の売血で賄われていた。彼らを取材した開高は労災病院に赴き補償金を調査する。<命の値段はインドよりましだが、デンマークとは比べものにならない。どこが先進国なのか>と日本の現実を穿っていた。

 杉本は開会式に、43年の学徒出陣式を重ねていた。「あすへの祈念」と題された一文を以下に紹介する。

 <二十年前のやはり十月、同じ競技場に私はいた。女子学生のひとりであった。出征してゆく学徒兵たちを秋雨のグラウンドに立って見送ったのである。(中略)  暗鬱な雨空がその上をおおい、足もとは一面のぬかるみだった。私たちは泣きながら往く人々の行進に添って走った。きょうのオリンピックはあの日につながり、あの日もきょうにつながっている。私にはそれが恐ろしい。私たちにあるのは、きょうをきょうの美しさのまま、何としてもあすにつなげなければならないとする祈りだけだ>……。杉本の言葉は57年後の今をも貫いている。

 本作に感じたのは戦争の記憶だ。五輪招致の推進役だった田畑政治は聖火リレーの開催場所に、日本軍の爪痕が癒えぬアジア各国を選んだ。沖縄を経てつながれたリレー最終走者の坂井義則は原爆投下の45年8月6日、広島で生まれた。アメリカへの気遣いを説く声に田畑は「アメリカにおもねる必要はない」と毅然と反論する。IOCとNBCに首根っ子を掴まれた現政権とは対照的な矜持を覚えた。

 閉会式は語り継がれるハイライトになった。整然と行進する〝日本的〟な光景とは真逆に、日本選手団に各国のアスリートが乱入するお祭り騒ぎになった。小学2年だった俺も大人たちと一緒に競技を見ていた。フランスの水泳選手に心が時めいた。あれは初恋だったのだろうか。

 本作を結んだのは開高だった。<(前略)一人の人間が自己を発見するには、一生かかってもまだ足りないくらいなのだというから(中略)いよいよわからなくなるのが当然かも知れない。もし、しいて答えを見つけようとするなら、問いつづけることのなかにしか答えはないはずであると答えるよりしかたあるまい>……。

 人生というレースの最終コーナーに差し掛かった俺に、〝問いつづける〟時間はどれほど残されているのだろう。
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梅雨明け間近の雑感あれこれ~EURO2020、大谷翔平、藤井聡太、そして甲斐バンド

2021-07-15 22:03:22 | 独り言
 EURO2020 決勝はPK戦の末、イタリアがイングランドを破り13大会ぶりに優勝した。準決勝でスペインに支配されていたイタリアと対照的に、デンマークを圧倒したイングランドに分があると思っていたから、ウェンブリーに詰め掛けたファンも残念だったはずだ。試合後、PKを外したイングランドの3選手を誹謗中傷する書き込みが投稿される。後味の悪い出来事は、サッカーのみならずスポーツ界全般の深層を抉っている。

 イングランドリーグのみならず、世界のサッカーを紹介したのが「三菱ダイヤモンド・サッカー」で、関西でも近畿放送(当時)が放送していた。サッカー通の知人は「両ウイングがタッチライン沿いに走り、ゴール前にセンタリングしてヘッドで決めるのがイングランド流」と話していた。半世紀近く前の話だが、フィジカルにスピードとセンスをペイストした現在のイングランドは、遠からずW杯で優勝するだろう。

 大谷翔平が規格外の活躍で世界を震撼させている。前稿のサブタイトル風にいえば<内なるモンスターがいつ、大谷の皮膚を食い破ったのか>に関心を抱いている。高校時代、花巻東高の監督は「目標達成シート」提出を大谷に課した。目標を設定し、実現に向けて何を成すべきか……。大谷は肉体、頭脳、精神を10年以上に鍛え続けたことで現在に至る。といっても、凡人には遠い世界の出来事だけど。

 大谷以上に注目しているのは藤井聡太二冠だ。藤井が内なるモンスターを育てたのは、三段昇段を15年秋に決めてから三段リーグ編入まで待ちぼうけを食らった半年間、そしてコロナ禍で対局が延期になった昨年春の2回のブランクだったかもしれない。藤井の快進撃は続くが、最大の壁は対戦成績が1勝7敗だった豊島将之竜王だ。

 王位戦第1局で豊島に完敗した藤井は、先日の第2局もリードを奪われていた。そこで珍しく豊島の失着(6九銀)が出たと解説されていたが、実は少し前の段階でかなり難解な局面だったという。1勝1敗のタイに戻した藤井は同時並行で叡王戦、そして挑戦者決定戦を制したら竜王戦と、豊島と19連戦の可能性もある。AIも迷わせるような人知の極限に達した闘いに注目している。

 WOWOWでオンエアされた「甲斐バンド45周年ファイナルライブ」(横浜赤レンガ倉庫前)を見た。雨予想だったが好天に恵まれ、全23曲が演奏される。甲斐よしひろは3歳年上だが、老いを嘆く俺とは対照的な2時間半のパフォーマンスに感嘆した。1970~80年代、甲斐バンド日本屈指のライブバンドだったが、68歳の甲斐は声を振り絞り、当時と変わらぬアクションでステージを駆け抜ける。

 甲斐バンドは俺が高3の秋、「バス通り」でデビューする。俺が口ずさんでいると、好きだった女の子が笑いながらハミングしてくれた。青春の一ページを飾るこの曲もセットリストに入っていた。初期の甲斐バンドは多感な俺にフィットする叙情的な曲を発表していた。20歳を過ぎると洋楽ロック派になるが、ピートとリズムでセンチメンタルを漉し取っていたのだろう。還暦を過ぎて濾過したものが内部に沈潜し、感情の乱高下が激しくなった。

 WOWOWは来月、甲斐バンドのピーク時のライブ映像をオンエアする。それに合わせ甲斐バンド論を記したい。俺にとって今回のハイライトは「きんぽうげ」~「氷のくちびる」~「ポップコーンをほおばって」の流れだった。コンパクトな名曲の数々に、俺は時空を超え、青春期の思い出(殆どは愚行)が甦って涙腺が熱くなる。先祖返りしてすっかりセンチな初老男だ。
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初夏の雑感~老化、三島バブル、健さん、ダービー、藤井聡太2冠

2021-05-29 20:45:01 | 独り言
 65歳まで4カ月半、老化を実感する日々だ。気力の衰えは甚だしく、いつも眠い。先週は総合病院で眼底検査を受けた。白内障、緑内障とも現状では措置の必要なしという診断だった。我が身同様、国の老化も進んでいる。いったん決めたら突き進む日本の〝病根〟は戦時中と変わらない。五輪を巡るこの間の経緯に暗澹たる気分を覚える。

 前々稿で映画「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実」を紹介したが、想定外のバブルが起きた。昨年の今頃は〝ステイホームバブル〟のさなかで3カ月ほど高止まりしたが、この数日間、訪問者数が急上昇したのだ。ブログの内容はいつも通り平凡だが、三島の神通力に驚かされた。

 緊急事態宣言下、BSやCSで映画を見る機会が増えた。先日は日本映画専門チャンネルで「現代任侠史」(1973年、石井輝男監督)を観賞する。同年、「仁義なき戦い」が封切られた東映は実録物に舵を切った。「現代任侠史」を最後の任侠映画と位置付ける声もあるが,橋本忍の脚本により、テンポ良く物語は進行する。

 高倉健演じるのは松田組元幹部の島谷だ。訳あって堅気になり寿司屋の主人になっているが、今もかつての同業者に慕われている。戦死した父の形見の刀をアメリカで入手したという設定で、その件を取材したジャーナリストの克子(梶芽衣子)と結婚の約束をする。任侠映画に不可欠な悲恋の要素たっぷりで、今更ながら梶のシャープな表現力に圧倒された。

 橋本の脚本には戦争について、人の生き死についての考察が込められている。義理と人情を守る者が利を追求する者に蹂躙され、怒りに震えた男がたった一人で斬り込んでいく……。予定調和の美学に浸ってしまった。安藤昇、小池朝雄らの目の演技をカメラが捉えていた。本作の起点はノミ屋の利権を巡る抗争で、作品中にもダービーのシーンが出てくる。総売り上げの2~3割がノミ屋を通して暴力団に流れていたとの台詞があったが半世紀後、壊滅状態という。

 あした開催のダービーは良血馬が揃ったが、皐月賞圧勝の①エフフォーリアがダントツ人気だ。俺が応援する⑭タイトルホルダーの生産者は、先日亡くなった〝マイネル軍団の総帥〟岡田繁幸氏の弟・牧雄氏が代表を務める岡田スタッドだ。2160万円で取引されたタイトルホルダーはかなりお得だが、セリ当時、体が小さかったからだという。ちなみに姉メロディーレーンは340㌔台で中長距離を走り続けている。

 タイトルホルダーはドゥラメンテ産駒で、父系にはノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、キングカメカメハのトップサイアーの血が流れている。母系も欧州の重厚な血脈だ。鞍上の田辺は37歳。実績は十分で初クラシックを手にしても不思議はない。皐月賞2着ながら人気薄で、馬連①⑭1点。3連単は両馬にグレートマジシャンら2、3頭絡めて買うことにする。

 将棋の名人戦は渡辺明名人が斎藤慎太郎八段を4勝1敗で防衛を果たした。ひと区切りついた感はするが、棋界は熱い夏を迎える。6、7月は棋聖戦、王位戦が耳目を集めることになる。ともに藤井聡太2冠がタイトルを保持し、棋聖戦は渡辺が、王位戦は〝藤井キラー〟で知られる豊島将之竜王が挑戦する。

 棋界を代表する2大実力者との熱闘を制したら、藤井時代が確立する。世間では大谷翔平が耳目を集めているが、藤井の天才ぶりを言い当てる言葉が見つからない。藤井の20連勝を阻止した深浦康市九段は、その後の解説で「藤井さんは地球の生まれとは思えない」と語っていた。〝将棋星人〟藤井の指し手に注目する夏になるだろう。
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