弁理士の日々

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復興支援地図で見る津波の広がり

2011-09-19 10:58:31 | 歴史・社会
ダイヤモンドオンラインの『この夏は東北へ行こう! 百聞は一見に如かず。「被災地を自分の目で確かめる」本当の意味』で竹井善昭氏は、「観光でもいいから被災地に行って現場を見てきてほしい」と訴えています。
私も7月末に釜石を訪問し、ほんの3時間ほど市内を歩いたのみですが、その様子は脳裏に刻まれています(釜石訪問(1)釜石訪問(2))。実際に自分の目で見ない限り、書物や写真による見聞の印象は時々刻々と薄れていきます。「実際に自分の目で見て、記憶を確かなものにしてほしい」という竹山氏の勧めは良く分かります。

竹井氏の記事の中で勧められている被災地の地図が、以下の地図です。
東日本大震災 復興支援地図
クリエーター情報なし
昭文社

北は青森県八戸市から、南は千葉県銚子市まで、太平洋沿岸が41枚の5万分の一地図で網羅されています。津波浸水地域が黄土色に着色されており、一目で分かります。

私が7月末に訪問した釜石市について、私が歩いてまわった地域は下記の地図の領域です。


この釜石市は、復興支援地図の5万分の一地形図によると以下のように示されます。

釜石市の場合、海からすぐに山が迫っているため、津波浸水地域(黄土色着色部分)が海岸から山裾までの領域であってさほど広くありません。
一方で、石巻市は、5万分の1地図で下のように表現されています。

釜石市と比較して、津波浸水地域(黄土色着色部分)の圧倒的な広さに驚かされます。この広大な被災地の様子は、おそらく現場に自分が立たないと実感できないでしょう。
釜石市を見ただけでは十分とはいえない、石巻市もぜひ訪れて自分の目で見たい、と思いつつ、その機会は訪れそうもありません。

竹井氏の上記記事によると、1泊2日で被災地を訪問する場合、石巻市を中心に回るコースを推奨しています。新幹線で仙台に到着してレンタカーを借り、石巻市へ向かいます。
『カーナビの設定を「石巻市門脇町5丁目」あたりに設定しておくと、ほとんど全てが流された町が現れる。初めて被災地を訪れた人は、その光景を見るだけで津波被害がどれほどのものだったかを実感できるだろう。』
石巻市から女川町に向かいます。
『女川町にたどり着く。町の全てが流された光景に愕然とする。
石巻市は人口15万人ほどの大きな都市なので津波の被害も甚大だったが、被害を免れた地区は普通に機能しているように見える。女川町のように小さいけれど町のほとんどが流された光景は、津波の恐ろしさをより強く感じさせると思う。被害は数字だけでは語れないのだ。』
この日は石巻市に宿泊し、翌日は南三陸町を訪れます。
『南三陸町も町全体を流された地区だが、ほとんど何もない光景の中心部あたりに鉄骨だけが残された2階建ての建物が見つかる。ここが24歳の南三陸町職員・遠藤未希さんが、最後まで防災無線で町民に避難を呼びかけ殉職した防災対策庁舎だ。』

被災地の一日も早い復興を願ってやみません。
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