弁理士の日々

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日本の農業改革が止まっている?

2011-12-07 22:04:11 | 歴史・社会
12月6日の日経朝刊に掲載された記事です。
TPP農業対策、具体案遠く 「参加前提とせず」で両すくみ
2011/12/6付 情報元 日本経済新聞 朝刊
『原則10年以内の関税撤廃を求める環太平洋経済連携協定(TPP)。参加に備え、国内農業の体力強化策が欠かせない。強い農業の育成へ、いつどんな対策を打ち出すか――。ところが「賛成派も反対派も口をつぐむ不思議な均衡」(財務省幹部)が広がっている。』

日本の農業は、TPPに参加しようがしまいが、抜本的に改革する必要があることは目に見えています。
現在は基本的に自作農しか認めず、その結果として大部分は兼業農家で農業従事者の平均年齢は67歳という高齢化です。当然能率は悪く、生産原価が高くなるのは当然です。また、農村地帯を電車で通れば、減反だか耕作放棄だかわかりませんが、雑草が生い茂った農地が広がっています。
日本の農業を強くしなければならない。

TPPに参加することになれば、10年間で農業の体質改善を実現する必要に迫られるので、むしろ日本の農業にとって追い風になるのではないか、とすら思います。

ところが、上記日経記事によると、農業改善の議論がすくみ上がっているというのです。
『農業強化策やそのための予算措置が必要な点ではTPPの推進派、反対派とも一致している。具体的な対策造りを阻んでいるのが、「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」という野田首相の玉虫色の表現だ。
ある農林水産省幹部は「いま動けば参加前提に転じたと受け止められる」と身をすくめる理由を明かす。
身動きが取れないのは推進派も同じ。首相が「交渉参加」まで踏み込まなかった以上、下手に反対派を刺激して事態を悪化させたくない。今後の交渉次第で必要な対策は変わるため、現時点での予算要求はそもそも時期尚早という面もある。』
『日本のコメ市場の開放が焦点になったウルグアイ・ラウンド交渉(1986~93年)。農水省の有力OBは「米を一粒たりとも入れるなという旗印の下で対策造りが後手に回り、6兆円もの予算が無駄になった」と自戒する。』

新聞紙面でも、一時はあれだけ賑わったTPPに関する報道がめっきり減っています。TPP加盟国、交渉国との間で、日本の交渉参加を認めてもらうための議論が始まっているはずなのですが、どうなっているのでしょうか。
そして、日経記事のように、かえって農業改革の勢いが削がれるようなことにならないよう、願いたいものです。
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