弁理士の日々

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鉢呂大臣発言事件

2011-09-14 21:54:41 | 歴史・社会
鉢呂経産大臣は、放射能つけちゃうぞ発言が元で辞任に追い込まれました。
最初に報道に接したときには、「これはとても持たない」と感じましたが、その通りになりました。
一方で、今になって、「鉢呂大臣はマスコミにはめられたのではないか」という疑惑がわき起こっています。

高橋洋一氏の『あえて「失言辞任」に異論を唱える。なぜ新聞、テレビは自分たちが知っているはずの「鉢呂発言」の事実を報じないのか』で紹介されているように、新聞毎に鉢呂大臣の発言が異なっています。
「放射能をうつしてやる」(産経新聞 9月9日 23時51分)
「放射能をうつしてやる」(共同通信 9月10日 00時07分)
「放射能をつけちゃうぞ」(朝日新聞 9月10日 01時30分)
「放射能をつけたぞ」(毎日新聞 9月10日 02時59分)
「ほら、放射能」(読売新聞 9月10日 03時03分)
「放射能をつけてやろうか」(日経新聞 9月10日 13時34分)
「放射能を分けてやるよ」(FNN 9月10日 15時05分)
発言の現場は記者たちによる囲み取材です。記者自身が直接に発言を聞いているのに、何で報道がこんなに異なるのか。さらに鉢呂氏自身は発言を「記憶にない」と言っています。

この問題について、長谷川幸洋氏がおそらくはじめて、鉢呂議員本人に単独インタビューしました。
長谷川幸洋「ニュースの深層」9月14日『当事者が初めて語った「放射能失言」の裏側!鉢呂経産大臣は原発村を揺るがす~「原発エネルギー政策見直し人事」の発表寸前だった
問題となった8日夜の記者懇談について、
「あの夜、視察から赤坂の議員宿舎に戻ってくると、記者さんが5,6人待っていた。みんな経済部の記者さんだと思うが、私はそれまで経済部と付き合いがなかったので、顔見知りはだれもいなかった。後ろのほうに政治部の記者さんが2人いたと思う。こちらは知っている」
フジテレビの記者(女性)は鉢呂議員が記者の顔と名前を知っているのですが、その場にはいなかったとの認識です。

今回、放射能発言を最初に報道したのはフジテレビです。そのフジテレビが、問題発言の現場に居合わせていないのです。伝聞事実を第一報として報道したわけですが、普通はよっぽど自信がない限り、このような報道はしないと言います。

エネルギー政策について、経産省の『総合資源エネルギー調査会』で検討する段取りとなっていました。この調査会は法律に基づく会議です。この調査会の委員は鉢呂氏が着任する前に内定しており、全部で15人のうち3人が原発反対派で残り12人が賛成派でした。鉢呂氏は、せめて賛成派と批判派が半数ずつでないと、国民の理解は得られないと思ったことから、あと9人から10人は反対派を加えて、反対派を合計12、3人にするつもりでした。
役所は『分かりました』という返事であり、鉢呂氏が出した委員候補リストを基に人選を終えて、後は記者発表するばかりのところだったというのです。

『以上の点を踏まえたうえで、フジの第一報に戻ろう。
もし鉢呂の話が真実だとしたら、フジはなぜ自分が直接取材していないのに、伝聞情報として「放射能を分けてやる」などという話を報じられたのか。』
『経産省は鉢呂が原発エネルギー政策を中立的な立場から見直す考えでいることを承知していた。具体的に調査会の人選もやり直して、発表寸前だった。そういう大臣が失言で失脚するなら当然、歓迎しただろう。』

現段階(14日22時)に長谷川氏の記事を読み直したら、末尾に「追記」がありました。フジテレビ広報から抗議があり、「鉢呂氏との懇談にフジテレビの記者は出席していた」ということです。そこで長谷川氏が鉢呂氏に追加取材したところ、女性記者はいなかった。顔を知らない男性記者もいなかったと思う、という返答だったそうです。

ps 9/15 11:00 長谷川幸洋氏の上記評論の「いいね!」カウント
昨日この記事をアップするときの「いいね!」カウントは4000に達していました。それもすごいと思ったのですが、15日11時段階で「いいね!」カウントは1万になっていました。この評論の評判は凄いことになっています。私は4000の段階で「いいね!」クリックしました。
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