<2421> 大和の花 (584) ギンバイソウ (銀梅草) ユキノシタ科 ギンバイソウ属
山地の渓谷沿いなど日蔭になった湿潤なところに生える多年草で、高さは40センチから80センチほどになる。葉は長さが15センチから20センチほどの楕円形で、先が大きく2裂する独特の葉身により、花がなくてもギンバイソウとわかる。縁には鋸歯が見られ、全体に短毛が生え、柄を有して対生する。
花期は7月から8月ごろで、茎の先から数本の花柄を出し、10個から20個の直径2センチほどの白い5弁花を次々に咲かせる。両性花と装飾花からなり、両性花の方が大きい特徴がある。この両性花が白梅の花を思わせるところからこの名が生まれたという。両性花は花の中央に立つ1個の雌しべの花柱を囲むように雄しべが多数取り巻く。
本州の関東地方以西、四国、九州に分布する日本の固有種で、大和(奈良県)では吉野郡を中心に見られ、自生地は多いものの、近年、シカの食害によって急激に減少しているという報告があり、絶滅危惧種にあげられている。天川村洞川の山中では大群落が見られたが、今は淋しい状況に置かれている。 写真はギンバイソウ。左は谷筋の群落。右は両性花のアップ。下の5個は苞に包まれた両性花のつぼみ(上北山村の無双洞ほか)。 廃れゆく棚田は日本の形而上 昭和平成 そして僕らは
<2422> 大和の花 (585) キレンゲショウマ (黄蓮華升麻) ユキノシタ科 キレンゲショウマ属
ブナ帯や石灰岩地に稀に自生する多年草で、高さは80センチから120センチほどになる。葉は長さが10センチから20センチほどの円心形で、掌状に浅裂し、裂片は三角状で鋸歯が見られる。下部の葉には柄があり、上部の葉には柄がなく対生するので、下部と上部では葉の姿が違って見えることがある。
花期は7月から8月ごろで、対生する苞葉の腋から柄を出し、円錐状の集散花序に黄色の筒状鐘形の花を斜め下向きに開く。花は5個の花弁が螺旋状に重なり厚く見える。雄しべは15個、雌しべは3個で、実は蒴果。
本州の紀伊半島、四国、九州に自生し、国外では朝鮮半島、中国東北部に分布するという。徳島県の剣山が自生地としてよく知られる。大和(奈良県)では大峰山系の石灰岩地に自生するが、シカの食害などによって激減し、今ではシカ避けの防護ネット内で命脈を繋ぐ極めて乏しい存在になっている。このため、奈良県では特定希少野生動植物に指定、絶滅寸前種にあげられ、保護が呼びかけられている。
また、西大台の大台教会の裏庭では環境省による植栽が見られ、毎年花を咲かせている。全国的に稀な植物で、環境省は絶滅危惧Ⅱ類にあげ、注目されている。なお、キレンゲショウマの名はキンポウゲ科のレンゲショウマ(蓮華升麻)に因み、花が黄色であることによるという。 写真はキレンゲショウマ。左のつぼみの写真は大峰山脈の尾根上の石灰岩地に自生する個体。右の開花の写真は大台教会の裏庭で撮らせてもらった植栽起源の個体。 暑は峠越えしか尽く尽くつくつくぼうし
<2423> 大和の花 (586) クサアジサイ (草紫陽花) ユキノシタ科 クサアジサイ属
山地の湿潤な林内に生える多年草で、高さは20センチから70センチほどになる。葉は長さが8センチから20センチの広披針形乃至は楕円形で、先はやや尾状に尖り、縁には鋭い鋸歯が見られ、互生する。また、葉の両面には毛が生え、触れるとざらつく。
花期は7月から9月ごろで、茎頂に苞葉をともなった集散花序を出し、多数の両性花と両性花の周辺に幾らかの装飾花をつける。両性花はミリ単位の大きさで、普通白色か淡紅色の5個の花弁が平開する。雄しべの花糸は20個、雌しべの花柱は3個で、雄しべが目立つ。雄しべも雌しべも退化した中性花の装飾花は花弁状の萼片3個からなり、白色または淡紅色で、両性花より大きく花序の周辺に見られ、目につく。クサアジサイ(草紫陽花)の名は根茎が木質化するものの草本で、花が紫陽花に似ることによる。実は蒴果。
本州の太平洋側では宮城県以南、日本海側では新潟県以南、四国、九州の大隅半島以北に分布する日本の固有種で、大和(奈良県)では登山道などでよく見かけられる。写真は花期のクサアジサイ(左)と両性花を囲むように装飾花がつく花序(右・金剛山ほか)。
子供が少なくなってゆくという国は
どういう国なのだろう
人口が減少してゆく国とは
どういう国なのだろう
どこかおかしい
どこか狂っている
そのようにしか思えない
その国とは日本 日本という国
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