<2965> 大和の花 (1004) ハナミョウガ (花茗荷) ショウガ科 ハナミョウガ属
暖地の樹林内に生える常緑の多年草で、高さは30センチから70センチほどになる。葉は長さが15センチから40センチほどの広披針形で先が尖り、両面にはビロード状の軟毛が生える。茎は葉が鞘状になって重なったもので、偽茎と呼ばれる。
花期は5月から6月ごろで、偽茎の先に長さが10センチから15センチの穂状花序を立て、小さな唇形花を多数つける。花被は紅白のツートンカラーで、上下に2裂し、上唇は紅色で3裂する。下部の唇弁は雄しべ1個が花弁状になったもので、白色に紅色の筋が見られる。雌しべも1個で、柱頭が葯の間から突き出る。実は蒴果で、熟すと赤くなる。
本州の関東地方以西、四国、九州(奄美諸島まで)に分布し、国外では中国南部、台湾に見られるという。葉がミョウガ(茗荷)に似て、花が艶やかなためこの名がある。なお、熟した種子を粉末にして服用すれば、腹痛や下痢に効能があり、芳香性のある健胃薬としても知られる。 写真は樹林内に群生し、花を咲かせるハナミョウガ(左)と花序のアップ(右)。ともに天理市の石上神宮付近。 二月とは春を待つ月法隆寺
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