<3619> 奈良県のレッドデータブックの花たち(150) シモツケソウ(下野草) バラ科
[別名] クサシモツケ(草下野)
[学名] Filipendula multijuga var. multijuga
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種(旧絶滅危惧種)
[特徴] 日当たりのよい山岳高所、冷温帯域の岩場や礫地に生える多年草で、草丈は20~100センチになる。葉は奇数羽状複葉で、互生する。長い柄を有する頂小葉は普通5裂するので掌状葉に見える。小葉の裂片は先が鋭く尖り、縁には不揃いの鋸歯が見られる。茎の下部には根生葉がある。
花期は6~8月で、茎頂に散房花序を出し、紅色から淡紅色、稀に白色の小さい花を密につける。花弁は3~5個、多数の雄しべが花弁より長く、基部と葯の部分が濃紅色のため、花弁が白くても、全体的には淡紅色に見えるところがある。
[分布] 日本の固有種。本州の関東地方以西、四国、九州。
[県内分布] 五條市、川上村、天川村、上北山村、十津川村の山岳高所。
[記事] シモツケソウ(下野草)の名は、花が落葉低木のシモツケ(下野)によく似ることによるもので、クサシモツケ(草下野)とも呼ばれる。奈良県のレッドデータブック2016改訂版は「本県では大峰山脈、大台ケ原の山岳地帯のみに分布していたが、シカによる食害を受け極端に少なくなった。防鹿柵の外では、生育が確認できた場合でも小個体がほとんどで、開花・結実する個体はきわめて稀となっている」として絶滅危惧種から最悪レベルの絶滅寸前種に変更した。
写真は崩れやすい岩崖地に群落を見せるシモツケソウの花群(左・シカの食害にも安心なところの感)と花序のアップ(右)。
安心は幸せの基なれば
安心を好まないものはない
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