<3393> 奈良県のレッドデータブックの花たち(45) オオヒナノウスツボ (大雛臼壷) ゴマノハグサ科
[学名] Scrophularia kakudensis
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種(旧絶滅寸前種)
[特徴] 日当たりのよい明るい山地や丘陵の草地に生える多年草で、断面が四角形の茎が肥大した根茎から直立し、大きいもので高さが1メートルを越す。葉は長さが6~10センチの広披針形または長卵形で、先が尖り、縁には鋸歯が見られ、質はやや硬く、対生する。花期は8~9月で、茎の上部で多数の小枝を出し、その枝先に暗赤紫色の小さな壷形の花をつける。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島。
[県内分布] 北中部の一帯に見られ、南部では確認されていない。
[記事] ヒナノウスツボ(雛臼壷)の名は小さい壷形の花に由来する。本種の方が大きいのでこの名がある。奈良県のレッドデータブック『大切にしたい奈良県の野生動植物』2016改訂版には「産地が少なく、個体数も少ない。産地数が増加したので絶滅寸前種から絶滅危惧種に変更する」とある。ところで、産地の一つである奥宇陀の曽爾高原ではススキ原の縁で出会えるが、シカの食害と思しき被害が見られるようになった。 写真はオオヒナノウスツボ。
良し悪しはともかく
生きとし生けるものは
自らの都合によって
生を営み育んでいる
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