大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年07月30日 | 植物

<3845>奈良県のレッドデータブックの花たち(252)ミズオオバコ(水大葉子)       トチカガミ科

                        

[学名] Ottelia alismoides

[奈良県のカテゴリー]  希少種(環境省:絶滅危惧Ⅱ類)

[特徴]  水田や浅い池沼、溝などに生える沈水植物の1年草で、水中に沈む柄のある葉が広披針形から広卵形になり、オオバコ(大葉子)の葉に似るのでこの名がある。緑色の幼葉は成長とともにくすんだ紫褐色になり、枯葉のように見えるところがある。深いところに生える個体ほど葉が大きくなるという。

 花期は8~10月。水底の葉の間から花茎を伸ばし、水面に白色もしくは淡紅紫色を帯びた1花を上向きに開く。花は両性の3弁花で、萼片は3個、雄しべは3~6個、雌しべは6個。ともに黄色で、見分け難い。実は核果で、種子は果肉の粘液によって浮遊するが、粘液が劣化して来ると、種子は沈水して実を結ぶ。

[分布]  本州、四国、九州。国外ではアジア、オーストラリア。

[県内分布]  奈良市、天理市、桜井市、宇陀市、葛城市、明日香村、高取町、大淀町。

[記事]  全国的に減少傾向にあり、環境省も注目している。大和地方(奈良県域)でも減少が著しく、レッドデータブックは「生育地の開発や埋め立て・ため池や用水路の改修・圃場整備・耕作放棄などによる自生地の消失、水質汚濁などにより減少の傾向にある」という。 写真はヒシと混生して花を見せるミズオオバコ(左)と枯れ色の葉を有する個体の花(右)。

   この世の中は想定内にできている

   にもかかわらず想定外を主張するのは

   自らの至らなさを言うほかならない


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