<59> 秋の草花 (高原)
生きるとは あるひは持続 花をして言へば 咲き継ぎ ゆく姿なり
<56>の「秋の草花」は平野部のもので、高原部も見てみたいと思い、奥宇陀の曽爾高原に出向いた。平野部の花は大和の北西部に当たる平群の里であったが、今回の高原部は北東部に当たる。高原は標高七〇〇メートル前後の草原で、ススキの名所として知られ、平野部とはかなり植生の異なることが花の比較でわかる。撮影した花をあげてみると次のようになる。
アキノキリンソウ、リンドウ、ウメバチソウ、ヤマジノギク、リュウノウギク、センブリ、スズカアザミ?、チカラシバ、コマツカサススキ。ススキはもちろんであるが、これは別格で、以前に紹介しているので、今回は説明を加えず写真のみとした。
これに山地と山岳部の花を加えて比較すれば、大和における凡その垂直分布を見ることが出来ると思う。そして、四季を通じてこの比較に当たれば、大和の植生の全体像が見えて来ることになる。これはかなりの期日を要するが、やる価値はあるだろう。
今日は月曜日であったが、ススキの名所だけあって、訪れる人が多かった。高原はこれから徐々に冬に向かい、花も終わりになる。しんがりの草花はリンドウ科のリンドウとセンブリではなかろうかと思うが、終わりはことの始まりであることを花はみんなその中に秘めている。ということで、冒頭の歌が生まれた。
写真は左からアキノキリンソウ(大和では高低を問わず見られる)、リンドウ(アキノキリンソウと同じく分布域が広い)、ウメバチソウ(減少傾向にあり、希少種)、ヤマジノギク(大和では絶滅危惧種)、リュウノウギク(葉に独特のにおいがある)、センブリ(薬用植物の代表格)、スズカアザミ?(アザミの仲間で、近畿の東部以東に分布する)、チカラシバ(山野に見られる)、コマツカサススキ(湿地植物)、ススキ。
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