<3615>「大和の花」追記(1164) シコクママコナ(四国飯子菜) ハマウツボ科 ママコナ属
深山の明るい林縁や草地に生えるミヤマママコナ(深山飯子菜)の変種に当たる半寄生の1年草で、草丈は20センチから50センチほどになる。葉は狭卵形または長楕円状披針形で、上部の葉ほど小さく、短い柄があり、対生する。
花期は8月から9月ごろで、上部の葉腋ごとに1花をつける。また、茎頂に4、5センチの花序を出し、花をつける。花は細長い筒状で、先が唇形になり、花冠の内側に黄色の斑紋が広がり、萼には毛が生える。ミヤマママコナによく似るが、ミヤマママコナでは黄色の斑紋が下唇の喉奥の両側にある程度で、目立たない。また、ミヤマママコナでは苞の縁に鋸歯が見られないが、シコクママコナでは刺毛状の歯牙が散生する。
本州の東海地方から中国地方東部、四国、九州に分布する日本の固有種として知られ、大和(奈良県)でも紀伊山地の深山で見かける。ママコナの名は花の内側の斑紋が米粒に似ることによる。 写真は群生するシコクママコナ(左)と花茎のアップ(右)。花冠の内側が黄色を帯びるのでシコクママコナと見た。(十津川村の玉置山)。
動物にしても
植物にしても
それらはみな
神秘な存在だ
そして思うに
それらはみな
生きるに適い
存在している
嗚呼益川博士