大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

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2021年12月04日 | 植物

<3608> 奈良県のレッドデータブックの花たち(145) シコクハタザオ(四国旗竿)       アブラナ科

                

[別名] フジハタザオ(富士旗竿)

[学名] Arabis serrata var.sikokiana

[奈良県のカテゴリー]  希少種

[特徴] ヤマハタザオ(山旗竿)の仲間の多年草で、深山の岩場や砂礫地に生える。茎は株状に固まって立つことが多く、草丈は大きいもので、高さが30センチほどになる。根生葉があり、広倒披針形で、縁に粗い鋸歯が見られる。茎葉は長楕円形で、矢じり形の基部が茎を抱いてつく。

 花期は7~8月で、茎頂に総状花序を出し、直径2センチ弱の白い4弁花を開く。写真は5月末に大台ケ原の標高1450メートル付近で撮影したもので、フジハタザオ(富士旗竿)の変種とされ、フジハタザオの花期より1カ月早いようであるが、ここでは地域によるという見方の奈良県版レッドデータブックに従った。

 なお、シコクは四国に因み、フジは富士山に因むもの。ハタザオは直立する茎と花の姿を旗竿と見たことに因む。

[分布] 本州の関東地方南部以西、四国、九州。国外では韓国の済州島。

[県内分布] 川上村、上北山村、天川村。

[記事] 奈良県の2016年版のレッドデータブックは「大峰山脈などの石灰岩地のみみられ、岩場やガレ場などに生育する」という観察結果が示されている。生育地はシカの出没の多いところで、シカの食害が大きく影響している植生の1つと考えられている。

            この世の世界は みんなの世界

    強いもいれば 弱いも見える

    千差万別 それぞれに

    みんな生きてる 暮らしてる

    強いもなく 弱いもなく

            それなりの働き 努力を重ね

            それなりの彩を 叶えつつ

    みんな生きてる 暮らしてる