<1647> 夏の装い
家々が夏を装ふ奈良大和白く輝く雲に照らされ
七月に入って晴天が続き、気温もぐっと上がって奈良大和もいよいよ梅雨明けか、夏本番を思わせる。大和は周囲を山に囲まれた盆地状の平野の土地柄にあり、周囲の山並は青垣と呼ばれ、夏になるとその青垣の山並の上に湧きあがる雲が見られるようになる。その雲の白く輝く峰々に照らされて軒を連ねる家々は装いを新たにする観がある。
ザクロの朱を打ったような鮮やかな花が咲き、ノウゼンカズラも勢いを増して這い上がり、漏斗状の花を咲かせている。キョウチクトウもそろそろだろう。ムクゲもサルスベリも。戸外に出るときは日傘が必要なほどの日差しである。日向が好きな猫も日陰で寝そべっているというふうである。
家の中は夏本番に備えるため模様替えをした。扇風機はオール、いつでも使えるように物置から出した。布団は夏布団に切り替えて久しいが、いよいよ本格使用ということになる。寝床に敷く茣蓙も万端整えた。今夏は猛暑になるという長期予報の判断が伝えられている。熱中症にはくれぐれも注意したい。という次第で、諸兄諸氏にも抜かりなきよう夏本番に備えて頂きたいと思う。ご自愛のほどを――。写真は夏本番を迎えた大和。