「虫よ虫よ 五節草の 根を絶つな 絶たば己も 共に枯れなん」
「虫」とは、藩庁の税を納める役人のこと。「五節草」とは、稲のことであり農民のことです。
税金を重くすれば、一時しのぎは出来ても、結果的には農民を苦しめ、藩の力を弱めることになると警告した歌です。
迫田太次右衛門という情け深い武士が、貧しい農家に泊まってその窮乏ぶりを知ったときに詠んだ歌ですが、西郷隆盛はこの教えをずっと大事にし続けます。
こうした仁の心が失われぬ世の中が実現するようにと思います。同時に、敬の気持ちや、孝の気持ちが失われぬようにと思います。