Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

2011年02月18日 | Weblog
化学調味料、食品添加物、ポストハーベスト、
まぁ、今日の食は、惨憺たることになっていると思う。

魚の干物だって、
天日で干したものではなく、
温風で乾燥させたものが主流を占めている。

安価な本物は、
一体どこに行ったのだろうと嘆きたくなる。

和食の基本のダシにしても、
化学調味料だらけである。

沢山の食品メーカーは、
最初は、安く、本物に近づけて、
大勢の人たちの食卓を豊かにしようと考えたのだとは思う。
それはそれで良い考えだと思う。

しかし、今や、その志とは、
はるかにずれた地点にまで来てしまったのではないか。
ふと気がつけば、
グロテスクな正体を、
見てくれだけ着飾って
誤魔化している食品が溢れかえっている。

そんなものに慣らされた子どもの味覚は、
本物の方に違和感を覚えるところまで来ているのではないか。

子どもや、孫、ひ孫の世代に、
それがどのような影響を及ぼすのか・・・。
考えてみただけで恐ろしい。

「身土不二」という言葉がある。
自分の体と、食物を育んでくれる大地は、
不可分のものであり、
住んでいる土地でとれたものを、
新鮮なうちにいただくのが良いという考えである。

あまり生真面目なのもどうかと思うが、
今の悲惨な状態に無神経ではいたくないと思う。

先日、会社のキッチンで、
アゴだしを煮出していたら、
「あぁ、良い香り!」と言って、
大きく深呼吸をしてくれた教え子に、
心救われる思いがした。

その感覚を、
私たちは子どもたちに伝えていきたいと思う。

その感覚こそが、
心身を守り、
次の世代への命のバトンを
健やかに繋いでいくための、
宝物なのである。
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