Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

木簡とツイッター

2011年02月08日 | Weblog
下田で古代の木簡を見た。
当たり前の話だが、
木の板に墨で文字が書かれている。

よくも長い年月を経て、
残っていたものである。

そこで、ふと思った。
例えば、今、大津波に日本が飲み込まれたとしたら、
一体、何が後世に残るのだろうかと。

電子媒体であれば、データは当然消失するだろう。
データが残ってもパソコンなどの端末は使えない。

看板は残るかも知れないが、
鉄板を使っている物は錆びて朽ち果てるだろうし、
そうでなくとも、
会社のPRや宣伝の文言が書かれているだけで、
文化的価値はほぼないに等しい。

そう考えると、
私たち現代人の文化は、
あるいは言葉は、
果たして、
どれほどの重みを持ち得ているのだろうかと思った。

科学が脳の機能を解明し、
様々な科学技術が発展しても、
あるいは、
様々な教育理論が確立されても、
無気力な若者たちや、
いじめ、暴力事件は後を絶たない。

分析が論理的に正しく進むのは良いとして、
それが人を育てる手立てにならなければ、
一体それは何のための学問なのだろうか?

それを本当に進歩というのであろうか?

流行のツイッターにしても、
そこでやりとりされる言葉に、
一体どれほどの重みと必然性があるのだろうか。

ふと思い出されたのは
宮大工棟梁の西岡常一氏のことである。

宮大工に代々受け継がれてきた口伝は、
木に書き記すでもなく、
電子媒体に記すのでもなく、
人間の記憶に直接書き付ける形で
受け継がれ続けてきた。

「塔組は木組。
木組は木の癖組。
木の癖組は人組。
人組は人の心組。
人の心組は棟梁の工人への思いやり。
工人の非を責めず己の不徳を思え。」

実に深いメッセージである。

少なくとも、口から口へ伝えたとき、
言葉の温度を二人は確認しながら
伝え合ったのであろうと思う。

声の強さ、トーン、息づかい、表情、眼差し、
あらゆるものから、
弟子は師匠の長年の経験や苦労を感じ取り、
師匠は弟子がどれだけのことを掴み取れるかを量りながら、
五感でお互いの全人格を感じ取って
コミュニケーションをしていたことだろう。

そんなことをあれこれと思っていると、
消化不良の言葉を発信し続けるより、
少しは考える方が良いのではないかと、
木簡を前に考えさせられた。

勿論、私がこうして
ささやかなメッセージを発信できているのは、
IT化の恩恵を受けてのことだということは
十分に理解している。

軽さとスピード感も、
1つのコミュニケーションであることもわかっている。

だからこそ、
流行に左右されず、
頑固にこだわり続ける人間も
多少は必要なのではないかと、
改めて思った次第である。
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旅は学び

2011年02月08日 | Weblog
旅をしていると、
やはり、旅は学びだと思います。

多くの先人たちが旅をすることで、
新たな発見をし、

また、自分自身を深く掘り下げ、
自分の思想と感性を深めていきました。

デスクワークに埋没していると、
そうした視点を見失ってしまいます。

まして、パソコンでのデスクワークをすることの多い
現代社会においては、
なおさら、
自然や文化に触れ、
感覚的に自分をブラッシュアップする機会が
大切になってくると思います。

どんな仕事であれ、
私たちは、自然の中で生かされている存在である
ということを忘れてしまえば、
その仕事はうまくいかなくなると思うからです。

限られた人生という時間の中の今日一日を
大切に過ごそうと思います。




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下田 弁天島

2011年02月08日 | Weblog
伊豆の下田に来ています。
吉田松陰が金子重之輔と共に、
ペリーの黒船に乗り込み、
海外密航を企てた場所です。

その場所に来ると、
歴史はただの知識ではなく、
生きた人間の思考と行動の残滓として、
新たな感触を私たちに伝えてくれます。

深夜ですが、
先ほどまで風が強く、
波音が聞こえていました。

今は静かです。

この暗い海に
吉田松陰はどんな気持ちで
小舟をこぎ出したのだろうかと思います。
その勇気を想像すると、
何とも言えぬ気持ちになります。

弁天島のすぐ近くには、
日本最初のアメリカ領事館となった玉泉寺があります。

アメリカやロシアとの外交史の第一歩を
しっかりと振り返り、見つめていくにはとても良い場所です。

新たな研修プログラムを作ります。

グローバル・シティズン育成のために・・・。












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