Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

いつかわかること

2010年10月13日 | Weblog
世の中では「わかりやすさ」が求められています。
しかし、本物は「わかりにくさ」を
時として身にまとっていることもあります。

例えば、
小学生が魯山人の器に
感嘆の声を上げるというのも変でしょうし、
また、横山大観の絵画から滲み出てくる
大観の人間性に感動するのも少し変かもしれません。

しかし、本物が本物である以上、
一度でもそれに触れておくことの大切さを私は信じます。

今はわからなくとも時を経て、
本物の陶芸や絵画に再び出会ったときに、
明らかにその人にとっての見え方が変わってくることを信じます。

「文化立国」ということを考えた時に、
私たち一人一人が、芸術や文化を大切にする
心の豊かさを持たなければなりません。

そして、それには本物の自然に触れ、
本物の文化に触れ、本物の人の生き様に触れることが
とても大切だと思います。

本物とは時代を超えて常に新しいもの。
常に人の心に訴えかける力を持つものだと思います。

芸術家たちが人生の全てをかけて創り、
魂の込もった作品と向き合うときに、

自分の底の浅さを棚に上げて、
「わかりやすさ」を物差しとして芸術や文化に接することは、
あまり品のない行為だと私は思うのです。

作家は「それぞれの好きに見てくれたらいいよ。」
そう言うでしょう。

しかし、作家の深さに少しでも迫れるように、
見る側は、謙虚な気持ちで作品に向き合うことが
大事なのではないかと思います。

すぐにわかろうとする必要はないのだと思います。
ただ、一瞬一瞬を大切にしていくことが、
大切なのではないでしょうか。
そう思います。

正解など無い世界に身を置くと
共通一次世代、センター試験世代の人間たちは
すぐに不安になります。

しかし、
答えのない問題を解こうとする姿勢を持ち続けること。
それもまた、私は人間としてとても大切なことだと思っています。
コメント
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