Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

真の学び

2010年10月25日 | Weblog
ある芸術家の方と話をしていて
はっとさせられたことがあった。

それは、世の中には、
様々な、セミナー、宗教、その他の団体があるが、
それらが本物であるかどうかは、
「その団体なり、学び舎から、世界に通じるような、
優れた芸術家が生まれているかどうかを見ればわかる。」
という一言であった。

確かに、
キリスト教絵画にしても、
仏教絵画にしても、
後世に残っていくものには、
実に深い精神性を感じる。

芸術は、深い思索のもとに成立している。
文学であれ、絵画であれ、陶芸であれ、
間違いなくそうである。

それは、正解のない世界に、
自分なりの答えを見出していくような、
自己の精神との格闘を前提としたものである。

しかし、多くの大衆を扇動するような学びは、
わかりやすく答えへの道筋を示してくれると同時に、
リーダーや組織に、服従または同化することを要求する。
つまり、考えないことを要求するのである。

本物は考え抜くことを要求する。
そして、
偽物は考えないことを要求する。
これが真贋を見極める術である。

残念ながら、多くのものは誤魔化しが効く。
しかし、芸術だけは誤魔化し得ない。

その世界が深ければ深いほど、
誤魔化しはきかなくなっていく。

私がなぜ、
教育の世界にあって、
芸術を志向し続けてきたのか。
そして、なぜ、わかりやすさに向かおうとしなかったのか。
その謎が解けたように思えた。

コメント
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