東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

シェアハウス(ゲストハウス)の退去を申し出たら、高額な解約料の請求が!!

2011年01月31日 | 消費者トラブルと消費者契約法
(Q) 2~3カ月住む予定で、家賃が安く、敷金・礼金も無く、家財道具がそろっている1人当たり家賃8万円の一軒家を4人で共有するシェアハウスをインターネットで見つけました。気に入ったので、貸主に連絡を取り、実印と印鑑証明書などを持参した上で、駅の近くの喫茶店で会うことになりました。相手の言うままに「契約書」と「白紙の用紙」に署名すると、捺印は貸主がしました。契約書は読ませてもらえず、受け取ることもできませんでした。入居後も渡されず不審が募りました。また、ほかの入居者がルールを守らないことでも住みにくくなり、翌月には退去を申し出ました。貸主から1カ月前の退去予告が必要、翌月の家賃も支払ってもらうと言われました。また、退去間際になり、賃貸契約書と5年間の定期借家契約をしたという公正証書が送られてきた上、30万円という高額な解約料が請求されました。支払わなければならないのでしょうか。


(A) 最近、一人一人は個室に暮らすが、キッチンやリビングが共有というシェアハウス・ゲストハウスなどが若者の間で人気になっています。マンスリーマンションと同様に敷金・礼金が無く、ベッドや収納などの家具もついており気軽に入居が可能なうえ、共同生活の楽しさも味わうことができるのが特徴です。しかし、間に不動産会社が入っておらず、契約の際にきちんとした契約書の取り交わしや契約条件の説明がされず、退去時にトラブルになることも多いのです。

 今回の相談事例では、後から送られてきた契約書や公正証書を見て初めて、5年間の定期借家契約であること、半年前に退去予告が必要であることが分かりました。30万円の解約料は半年分の家賃相当額のようです。また、公正証書は白紙委任状を利用され、貸主により公証人役場で知らないうちに作成されたものでした。
 この契約書は、借主の承諾が一切無く、一方的に作られたため無効と言えます。センターが助言し、相談者はそのことを書面で貸主に伝え、解約料の請求には応じないことにしました。しかし、今後、公正証書を利用され、強制執行を起こされたりする可能性もあります。

 もともと日本に住む外国人向けに提案されたシェアハウスは、一人暮らしの良さと、他人とのコミュニケーションの両方を得られる新しい住み方(居住形態)と言えるでしょう。しかし、一方で、直接貸主と契約するため、契約条件が明らかにされないまま安易に契約してしまうリスクもあります。契約にあたっては、部屋の内見をした上で、契約書の内容をよく確認し、不明な点は説明を受けた上で自ら署名捺印をし、必ず契約書を受け取るようにしましょう。(東京暮らしネット 2月号より)





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 追い出し屋被害問題から改め... | トップ | 借地借家法見直す必要はない... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

消費者トラブルと消費者契約法」カテゴリの最新記事