東京多摩借地借家人組合

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調布市で学習交流会開催 借地の改築事例を映像で解説

2014年08月28日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 7月12日午後6時半から調布市文化会館たづくりで今年5回目の学習交流会を開催しました。当日は地元の調布市からの参加者は1名でしたが、役員5名と生協・消費者住宅センターの小野清氏も参加しました。地元の組合員からは、借家の明渡しで家主の代理人の弁護士と交渉した経験等が具体的に報告され、現在は調布市の多摩川住宅に転居し、家賃も安くなって快適に生活しているとの報告がありました。

 住宅センターの小野氏からは、借地で公道に接道していない私道の奥の借地の改築の事例が、プロジェクターを使いながら映像で詳しく説明がされました。近隣住民から「違法建築」ではとクレームが入っても、自治体との折衝を通じて、安全な建物にすることで事実上黙認してもらい、近隣住民との説明会を通じて建築ができた経験が報告されました。(東京多摩借組ニュースより)
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「国民に分かりやすい民法」へ前進 法制審部会が改正要綱原案を大筋承認

2014年08月27日 | 法律知識
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140826/trl14082620080005-n1.htm
法相の諮問機関「法制審議会・民法(債権関係)部会」は26日、賃貸契約の「敷金」の定義などを盛り込んだ改正要綱の原案を大筋で承認した。改正内容の骨格がほぼ固まったことになり、法務省は条文の整備作業に入る。日常生活での契約ルールを定める民法の債権分野の改正は制定以来120年間ほとんどなかったが、法相が諮問した「社会・経済の変化への対応」と「国民への分かりやすさ」の実現へ向け大きく前進することになりそうだ。
 法務省が示した原案によると、主な改正内容は、(1)賃貸契約の「敷金」を定義(2)企業融資で求められる個人保証を「原則禁止」(3)消滅時効を5年に統一(4)法定利率を3%に引き下げた上で変動制導入(5)インターネット取引などで使用される「約款」の効力を明確化-など。消費者保護の視点も重視し、日常生活でみられるトラブル対策となる条文が多数盛り込まれている。
 約款部分については、一部の経済団体が「自由な経済活動を阻害する可能性がある」などと反対。この日の部会でも合意にいたらなかった。法務省は「約款部分を除く原案について部会の承認を得た」としており、約款の扱いは継続審議となった。
 明治29年に制定された現行民法については、情報化社会の進展と取引の複雑化に伴い積み重ねられた多数の判例法理や学説を平易に明文化する必要があるとして、平成21年10月に法相が法制審に諮問していた。
 改正対象は当初500項目にのぼったが、2回にわたるパブリックコメントと、各界を代表する部会委員らによる5年間の議論をへて約200項目に絞られた。法務省は今後、原案の条文整理など詰めの作業を進める。法制審は来年2月をめどに改正要綱として法相に答申。政府は来年の通常国会への民法改正案提出を目指している。



【用語解説】民法

 憲法や刑法などと並ぶ重要法令で、いわゆる六法のうちのひとつ。明治29年に制定。総則、物権、債権、親族、相続の5編で構成され、全体で約1千の条文がある。今回、改正されるのは主に契約のルールを定めた分野で、総則と債権部分約400条が対象。

民法改正要綱原案の骨子

(基本方針)
・社会・経済の変化に対応
・国民一般にわかりやすいものとする

(主な改正項目)
◎敷金ルールの明確化
◎個人保証の「原則禁止」
◎債権消滅時効の統一化
◎法定利率の引き下げと変動制導入

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アパートの明渡しで家主が条件提示

2014年08月26日 | 明渡しと地上げ問題
 昨年11月に立川市高松町のアパートの明渡しを請求された東市さんと渡辺さんは、今年の1月に組合から明渡しを拒否する通知を家主のアパートを管理する不動産業者に提出しました。

 7月に入り、不動産業者が組合事務所に訪問し、移転の条件を聞かせてほしいと言ってきました。組合では賃借人両名と打合せを行い、移転の補償金額を提示したところ、家主の返答として7月28日に金額として東市さんには57万円、渡辺さんには52万円を提示してきました。追伸として「本金額は近隣相場等々を考慮した金額であり、今後交渉においてお互いに歩み寄りができるのであれば再度検討したい」と言ってきました。家主の提示額は低額で賃借人両名は納得できないため、今後も組合を窓口に粘り強く交渉していくつもりです。(東京多摩借組ニュースより)



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総務省が平成25年住宅・土地統計調査を発表

2014年08月25日 | 最新情報
 総務省は7月29日に「平成25年住宅・土地統計調査」の速報集計の調査結果を発表しました。

   東京は10軒に1軒が空家

 この調査は5年に1回実施されています。総住宅数は6063万戸と5・3%上昇している一方で、空家数も63万戸(8・3%)増加し、空家率は全国平均で13・5%と過去最高となりました。とりわけ賃貸住宅の空家が52・4%を占め、空家率全国一位は山梨県の17・2%で、東京都は10.9%で10軒に1軒は空家となっています。

   公共住宅が少なく狭い借家の面積

 住宅の状況は、共同住宅数が2209万戸で、住宅全体に占める割合は増加し、住宅全体の42・4%を占めています。関東都市圏では共同住宅の割合は56・7%全国を大きく上回っています。持ち家住宅数は3224万戸で、住宅全体の61・9%が持ち家住宅です。民営借家は27・9%、公営・公社等が5・3%で公共住宅が低い割合を示しています。
 住宅の規模では、持ち家では1住宅当りの居室数は5・69室、延べ面積120.62㎡、一方借家では2・69室で47.42㎡と、持ち家の5割以下で大変狭く、持ち家ではヨーロッパと肩を並べる水準ですが、借家は異常に狭いのが特徴です。これは、日本の借家政策がいかに貧困であるかを示しています。

 また、持ち家のうち、耐震診断が行われた住宅は272万戸で、8・4%ですが、耐震改修工事が行われた住宅は69万戸で7・2%と低い割合です。
世帯の年間収入階級別で持ち家率をみると、収入が高い人ほど持ち家世帯数の割合が高くなり、1500万円~2000万円未満では97・7%が持ち家です。
100万円~200万円未満の世帯では50・8%に持ち家率が下がります。

      関東の家賃全国平均の1.4倍

 借家の家賃に関しては、専用住宅の借家の1畳当りの家賃は3017円に対して関東大都市圏は4167円と最も高く、全国平均の約1・4倍となっています。借家のうち木造の民営借家3836円、非木造の民営借家5001円と高額です。なお、三大都市圏の最低居住面積水準(単身で25㎡)以上の民営借家はの割合は77%で、23%が最低居住水準面積以下の住宅に住み続けている実態があります。借家に関しては家賃が高い上に、狭い家に暮らしている状況は何ら改善されていません。私たちは、あらためて民営借家の住居条件を改善し、家賃の負担を抑えるために「家賃補助制度」を創設しない限り、公営住宅の家賃や持ち家世帯に対する住宅ローン減税などによる支援との不均衡は改善されないと考えます。
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東借連が夏季研修会9月7日に開催 

2014年08月25日 | 東京借地借家人組合連合会
 東借連常任弁護団会議が7月14日に開催され研修テーマについて打合せを行なった。今年も昨年大変好評だった相談事例についてA・Bの2択の回答について参加者がどちらの回答が正しいかAとBのボードを上げて回答し、最後に正しい回答を行い、法律の根拠を説明する形式で実施する。今年は弁護団から3名の若手弁護士が参加する。

■日時 9月7日(日)午後1時開場、1時30分開会
■会場 豊島区勤労福祉会館(池袋駅西口徒歩10分)
■研修テーマ「借地借家の身近な相談事例」
■回答判定 常任弁護団
■申込み 東借連及び各組合 定員50名

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法律豆知識 建物買取請求権とは

2014年08月22日 | 法律知識
 旧借地法4条2項及び借地借家法13条の「建物買取請求権」とはどのような権利でしょうか。建物買取請求が行使できる要件としては、①借地権が消滅し、更新がないこと。②借地上に建物が存在することが必要とされています。①は地主が土地明け渡しを求め裁判で明渡しが認められ契約が更新されなかった場合等が想定されます。地主と借地人が合意解除した場合とか借地人の方から土地を明け渡したいと言った時は建物買取請求権を認めないとする判決(最高裁昭和29年6月11日他)もあり、借地人から土地を返すというと建物買取請求権も放棄したものとみなされます。

買取請求権が認められる建物の時価とは、建物が存在したままの状態における価格とされ、判例でも借地権価格は加算されていませんが、「建物の存在する場所的環境は参酌すべきものである」として、更地価格の12%を場所的環境利益として認めています(東京地裁平成3年6月20日)。建物買取請求権は行使を求めると売買契約が成立したと同一の法律効果を発生させるものとされています。行使するかは借地人次第です。
(東京多摩借組ニュースより)


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更新料を分割で支払う契約には要注意

2014年08月19日 | 契約更新と更新料
 足立区内で30数坪の宅地を賃借している星加(仮名)さんは、母親が存命中の3年前、更新時支払い約束の無い更新料を分割で支払う約定書を地主と交わした。星加さんは更新料を支払うのが当たり前と考えていた。

 今年になり、息子が新事業を立ち上げるため金融機関に融資を依頼したところ担保にする予定の借地権付建物は、地主が顧問弁護士に相談した結果、不承諾になった。

 今月は地代と約定書の更新料支払があるが、息子に資金の一部を提供したため更新料の工面ができないと相談。組合は実情を話し、支払いの意思があるので、猶予を申し出るよう助言した。

(東京借地借家人新聞より)
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明確な合意のない更新料の支払いを拒否

2014年08月18日 | 契約更新と更新料
板橋区小豆沢に住む南さん(仮名)は今から40年前の契約で更新料を支払うという特約のある契約書を締結していた。

20年目は二百数十万円の更新料請求を約3分の1にして支払った。来年1月に更新時期を迎えるにあたって代理の不動産会社から更新の有無と更新料が請求された。

前回更新時の半分の更新料請求であったが、年金生活をしている南さんにとっては多額の請求でしかも前回解決した金額よりも高く、どうしたらよいもんかと組合に相談した。

組合では契約書の更新料支払い特約について説明するとともに最高裁判決やその他の判決事例から明確な合意でないので更新料については支払いを拒否するということもできる説明をした。

南さんは、今後、交渉し、建替え承諾も含む承諾料として支払うか、拒否するか子供と相談することにした。(東京借地借家人新聞より)

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あきれた家主 家賃1万5千円アップし、話し合いも拒否

2014年08月08日 | 地代家賃の増減
大田区南六郷地域に所在の共同住宅に入居の母親が家賃5万5千円を持参したところ、家主に7万円でなければ受領しないと拒否された。

神奈川県と埼玉県に居住する娘さんらは、アパートと隣接する家主宅を訪ねるが、玄関ドア越しに「帰れ帰れ」と連呼され話し合いにもならない。2度目は何度も呼びかけるが返事もなく途方にくれ、ネットと知人の紹介で組合に入会した。

 この不況の折、月額1万5千円と大幅な値上げである。家主の不誠実な対応で、家賃を供託することにした。供託を内容証明郵便で通告するが家主は返送。供託通知書も同様だ。

村山さんら親子は、家主の呆れた不誠実な行為にも、根負けせずに権利を守ると決意している。
(東京借地借家人新聞8月号より)


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8月9日~16日まで夏季休暇
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判例紹介 ●自動改定特約による地代増額が不相当な場合地代増額の効果は生じない

2014年08月06日 | 最高裁と判例集
 地代等自動改定特約において、地代等の改定基準を定めるに当たって基礎とされていた事情が失われることにより、同特約によって地代等の額を定めることが借地借家法11条1項の規定の趣旨に照らして不相当となった場合には、同特約の適用を争う当事者は同特約に拘束されず、同項に基づく地代等増減請求権の行使を妨げられないとした事例(最高裁平成15年6月12日第一小法廷判決)。

 借地人は、東京都板橋区内の私鉄駅前の土地に大規模小売店舗用建物を建築して大手スーパーを誘致することを計画し、昭和62年7月に地主との間で期間35年間の土地賃貸借契約を締結しました。この際、大手スーパーが入居する昭和63年7月以降の地代を月額633万余円と定めるとともに、当初地代額を3年後に15%増額し、その後も3年毎に10%ずつ増額するという地代自動改定特約が合意されました。この特約が合意された昭和62年7月当時は、バブル経済で東京都23区内の土地の価格が急激な上昇を続けていた時期です。

 借地の地代は、特約に基づいて3年後の平成3年には15%、平成6年にはさらに10%増額されましたが、平成9年7月1日には、借地の価格は契約時の半額以下になっていました。そこで、借地人は、地代をさらに増額するのは不合理と考え、従前の地代額の支払いを続けるとともに、平成9年12月には従前の地代を20%減額するよう請求した、というものです。

 最高裁は、冒頭のとおり述べたうえ、地価の動向が下落に転じ、当初の半額以下になった平成9年7月時点では、特約の適用を争う借地人はこの特約に拘束されず、地代増額の効果が生じたということは出来ない、と判断しました。

 本判決は、借地借家法11条1項との関係から地代等自動改定特約の効力を論じた初めての最高裁判決です。なお、地代が不相当となった後、特約に基づいて増額された地代を支払った借地人が地主に対して不当利得として返還を求めることができるか、という問題が残りますが、特約の適用を争うことなく増額された地代等を支払ったときには不当利得になるとはいえないとの考えも示されており、今後の議論が待たれるところです。(弁護士 大浦郁子)

(東京借地借家人新聞8月号より)
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