東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

地代現行地代の4倍増額 駐車場で貸している土地の一部が借地 

2023年07月19日 | 地代家賃の増減
 文京区内に土地約40㎡を賃借している本多さん(仮名)は地主から法外な賃料増額請求を受け、困って組合に相談に来た。
現行地代は23区内では平均的な値段で、決して不相当であるとは感じなかった。
地主が請求してきている額は現行地代の4倍で、とても納得できる金額ではない。
代理人弁護士を立て調停を申し立ててきている。
根拠として公租公課の上昇を課税証明で提出してきているが、本多さんが賃借している土地は分筆されておらず地主の土地総面積約1000㎡の課税証明を根拠にしている。
地主の一筆の土地は最近駐車場にした部分がありそれで公租公課が上昇したと考えられる。
本多さんは早速組合に入会し引き続きアドバイスを受けることにした。
調停には1回出席し、借りていない部分の公租公課が上昇したという根拠での賃料増額は受け入れられない。
満額は応じられないと主張し、地主側の反応を見て対応することにした。なぜこんなに急に値上げをするのか不思議に思っていた本多さんだが、確固たる根拠と言えないことがわかりこんな地主もいることに驚いていた。(東京借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京都市開発株式会社が地代増額で裁判 値上げの理由は公租公課の5倍 値上げの根拠説明せず

2023年07月18日 | 地代家賃の増減
 三鷹市上連雀で約38坪の宅地を借りている山本さん(仮名)は、地主の千代田区永田町に本社がある東京都市開発株式会社から地代増額の訴状が武蔵野簡易裁判所から送られてきました。同社は地上げ業者の大手で、社員は関西出身で、これまでに組合でも2000年代以降多くの方から相談を受けています。この会社から独立して地上げ業者になっている会社が多数あり、悪質な嫌がらせ行為もあり、国土交通省に申しれを行ったり、2015年には東借連の弁護団で「ブラック地主・家主対策弁護団」を設立するきっかけになりました。

 そんな東京都市開発の脅しに負けず頑張っている山本さんに対し、令和3年8月分以降の地代を公租公課の5倍に突然値上げを請求し、山本さんは組合と相談し地代の増額を拒否し、法務局に供託しています。その後、同社は令和4年8月に令和4年の公租公課の5倍に値上げを求め、簡易裁判所に調停を申立ててきました。山本さんは、調停の中で公租公課の3倍の譲歩案を出しましたが、同社はあくまで5倍を主張し、今年4月に調停は不調となりました。

 同社は弁護士を代理人に立てず、同社の社員一人が支配人として裁判所に出向き、同社の訴訟案件を全て担当し、今回の訴訟ではどういうわけか令和3年以降の値上げは請求せず、令和5年5月分以降の地代の増額を請求してきました。

 山本さんは父親の代から土地を借りていますが、旧地主は農協の紹介で平成27年1月に同社に土地を売却し、「底地を買うか、借地権を売るか」二者択一を求められ、どちらも拒否し組合に加入して頑張ってきました。同社は公租公課の5倍が適正地代である根拠を全く示しておらず、山本さんは裁判所に対し、専門委員に適正地代の査定を求めていきます。他の組合の情報では、裁判所も地代増額の根拠も示せないため、訴訟を進められず、訴訟取り下げになる事例も起きているようです。
(東京多摩借組ニュース7月号)

地上げ底地買いにお悩みの方は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

賃貸借契約の期限付解約合意が無効になった事例

2023年07月14日 | 最高裁と判例集
賃貸借契約の期限付解約合意をめぐって

賃貸借契約の期限付解約合意(例「10年後に解約する合意」「賃借人が死んだら解約する合意)は、賃借人に不利な合意であるとして、旧借地法11条又は旧借家法6条に反し無効であると主張して紛争となるケースがあります。この期限付解約合意については、合意に際し、「賃借人が真実土地賃貸借を解約する意思を有していると認めるに足りる合理的客観的理由があり、しかも他に右合意を不当とする事情の認められない限り」は有効とされます(最判昭和44年5月20日)。しかし、具体的にどういった場合有効になるのか明確とは言いがたく、そのため、実務では、明渡猶予付合意解約(合意時に解約して、○年間明渡しを猶予する)が使われることが多いです。
期限付合意解約が問題となった裁判例を2つ紹介します。

1つ目は、調停における合意を無効とした事例(大阪高判昭和55年11月14日)です。これは調停において「賃貸借契約期間10年」「賃借契約終了と同時に建物を収去して土地を明け渡す」旨が合意されていたところ、同調停合意に基づく、賃貸人からの建物収去土地明渡請求の是非が問題となりました。判決では、この「10年」は残存賃貸借契約期間を確認したものに過ぎないとし、この調停合意は期限付解約合意ではなく、かつ、賃借人の有する更新請求権を否定するものではないことを理由に、旧借地法11条により調停調書の明渡条項を無効として、賃貸人からの建物収去土地明渡請求を否定しました。これは上記のとおり、結論こそ期限付解約合意ではないとされていますが、賃貸人側は期限付解約合意を主張しており、期限付合意解約として肯定されなかった事例といえると思います。
2つ目は、賃貸人と賃借人の間で、賃借人が死亡したときは土地賃貸借契約が失効する旨を合意した事例で、賃貸人が賃借人の死亡後にその相続人に対して建物収去土地明渡を求めた事例(東京地判昭和57年3月25日)です。判決は、この合意は、賃借人が更新料全額を支払う資力がなかったことからやむを得ず一代限りで借地を明渡す旨の不確定期限付合意解約に応じたものであって、真に一代限りで解約となる結果の生ずることまでも認識していたとはいえず、賃借人が真実解約する意思を有していたと認めるに足りる合理的理由がないとして、上記合意は旧借地法11条に該当するため無効としました。
今後の参考にして下さい。(弁護士 西田穣)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公営住宅入居の保証人、不要にしても「特に支障ない」 規定削除した県内8自治体が回答 事務の円滑化や負担軽減のメリットも

2023年07月05日 | 最新情報
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1729581.html

 公営住宅入居の際に保証人を必要とする条例の規定を削除した自治体へ県司法書士会(上原修会長)が調査したところ、回答した8
自治体全てが、規定削除による支障について「特に生じていない」と回答した。上原会長は「規定を削除していない自治体は、家賃収
納率が低下することなどを懸念している。今回の調査で実態が明らかになり、(条例改正への)後押しとなると思う」と話した。同様
の調査は初めてという。
 司法書士会によると、現在県内では県と13市町村が保証人規定を削除している。調査は今年3月28~4月30日にかけて、県と11市町村
を対象に実施。県と国頭村、那覇市、豊見城市、与那原町、八重瀬町、名護市、糸満市から回答を得た。県は、支障について「その
他」も選び「滞納家賃の納付について、連帯保証人からの納付が期待できない」と答えた。
 規定を削除したことによる効果について、名護市と与那原町が「保証人を確保できないことによる入居辞退などの解消」と答えた。
那覇市など5市町が、審査事務の軽減などによる自治体側の事務の負担軽減、円滑化をメリットに挙げた。
 上原会長は「保証人がいることで長期間滞納を放置してしまうケースもあった。保証人をなくすことで、滞納者に会って福祉につな
げたり悪質な場合は厳しく対応したりという適正な管理につながる」と話した。
 単身の入居者が死亡した際に残された家財などの移動や処分などに関する事務処理要領については、8自治体全てが「定めていな
い」と回答した。
 保証人の問題に取り組んできた県司法書士会総務部長の安里長従氏は「離婚して最初に困るのは住まい。保証人がおらず受け付けて
もらえないという相談を受けたことがある」と話し、「保証人が不要な自治体は増えているが、まだまだ周知が不足している。住まい
の貧困の解消に向けて、さらに関心を持ってほしい」と話した。
 (沖田有吾)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住居の確保が困難な単身高齢者などの支援策を国が検討  秋に中間とりまとめ発表

2023年07月04日 | 住宅セーフティネット
住む場所の確保が困難な単身高齢者などを支援 具体策提示へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230703/k10014117091000.html

単身の高齢者が賃貸住宅に入居しようとした際、孤立死のおそれを理由に断られるケースが少なくないことなどから、国はこうした住
む場所の確保が難しい人たちへの支援について、ことし秋にも具体的な対策の方向性を示すことになりました。
一人暮らしの高齢者が賃貸住宅に入居しようとした際、孤立死が起きた場合に残される遺品の処分が難しいことを理由に、大家が入居
を断るケースも少なくないことなどから、国は対策を話し合う検討会を設置することになりました。
検討会は国土交通省と厚生労働省、それに法務省が合同で設置し、3日、都内で開かれた初回の会議には、住宅や福祉の専門家などが
出席しました。
会議では、多くの高齢者が賃貸住宅に住むようになっている一方で、住人が亡くなった後の遺品などの対応に困るケースが実際に出て
いることや、住む場所を確保するための支援の担い手の確保などが課題になっていることが報告され、出席した委員からは、大家の側
が安心して住宅を貸せる仕組みが必要だと指摘する声が相次ぎました。
検討会では今後、空き家を活用した住まいの確保や、賃貸住宅に入居後の生活支援の在り方などについて話し合いを重ね、秋ごろまで
に具体的な対策の方向性をとりまとめ、提示することにしています。

住宅確保要配慮者への居住支援拡充へ検討会
https://www.re-port.net/article/news/0000073005/

 国土交通省及び厚生労働省、法務省の3省は3日、「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」(座長:
大月敏雄東京大学大学院工学系研究科教授)の初会合を開いた。
 同検討会は、生活困窮者、高齢者、障害者、ひとり親世帯、刑務所出所者などの住宅確保要配慮者が安心して生活を送るために生活
の基盤となる住まいの確保や居住支援の仕組みを検討するもの。これまでにも実施してきた住宅セーフティネット制度や生活困窮者自
立支援制度等の一層の強化を目指す。制度強化に向けて、住宅と福祉政策が一体となった居住支援機能の在り方を検討していく必要が
あることから、住宅分野を所管する国土交通省、福祉介護分野の厚生労働省、刑事司法分野の法務省の関係各局が合同で検討会を設置
した。不動産業界団体や居住支援に関する専門家、大学教授らで構成する。
 もともと、国交省と厚労省では局長級による連絡協議会を設置していた。2022年度には、法務省も加わって「住まい支援における課
題の把握に関するWG」を設置して意見交換を実施。住宅確保要配慮者に対する「住まいに関する相談」「住宅の確保」「入居中の居住
支援」という3段階での課題が抽出された。
 検討会の初回の会合では、現状把握および論点整理を中心に検討を進めた。居住支援関連政策の現状と課題について、3省の担当者
が現状の取り組みや課題認識についてそれぞれ説明したのち、(一社)北海道総合研究調査会理事長の五十嵐 智嘉子氏から、居住支
援に関する調査結果について説明が行なわれた。
 その上で、前述したWGの結果等も踏まえ、同検討会においては(1)住宅確保要配慮者のニーズに対応した住宅を確保しやすくする
方策、(2)住宅確保要配慮者が円滑に入居でき、かつ適切な支援につなげるための方策、(3)入居後の生活支援まで含めた居住支援
機能の在り方、(4)大家等が安心して貸せる環境整備、の4点を中心に検討していくことを確認した。
 これらの議論を受け、委員からは、「居住支援法人の多くは赤字経営を強いられている。彼らが安定的に経営できるようにする方策
を考えたい」「借地借家法をはじめとした現行の法制度の課題についても検討してはどうだろうか」「オーナーも高齢化しており、そ
うしたオーナーも安心して貸せる仕組みが必要」「刑務所出所者も高齢かつ障害を持っている人が多く、対策が必要だ」などといった
意見が挙がった。
 なお、今後については8月に2回、9月に1回のペースで会合を開き、23年秋ごろをめどに中間とりまとめを行なう予定。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする