東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

賃貸の有料老人ホームの敷金 少額訴訟で戻る

2010年08月26日 | 敷金と原状回復
 Iさんは、父親と母親が有料老人ホームに入居するときの保証人になっていた。母親が特養ホームに入居することができ、今年の3月下旬に退去した。貸主の介護事業者の「楽ちん株式」は退去後の内装等修繕工事費用としてかかった23万円のうち値引きするので20万円を支払えと請求、Iさんは請求されたクロス・襖・床のCFの張替は自然損耗や経年劣化部分であり、居住年数の負担割合でも合理性を欠いた請求であるとして支払を拒否した。楽ちん株式会社は、父親の名前で回答した内容証明郵便は見ないまま返却するなど誠意のない態度に終始し、組合から敷金返還の通知を出したところ、突然修理代請求の少額訴訟を立川簡易裁判所に起こしてきた。

 Iさんは、しっかりと答弁書で反論した。7月20日の少額訴訟では、もっぱら楽ちん側が裁判所の司法委員に説得され、敷金17万4千円のうち、11万1千円を7月末限りIさんの父親の銀行口座に返金することで和解が成立した。高齢者向けの賃貸住宅で、不動産業者ではない介護事業者との間で起きたはじめてのトラブルだったが、いろいろな事業者が介護ビジネスに参入してくるとこのようなトラブルの増加が今後予想される。


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東借連各組合の行事予定

2010年08月23日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
■城北借組「西武デパート相談会」
 9月15日(水)・16日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
 「無料法律相談会」
9月17日(金)午後2時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「借地借家問題市民セミナー」
 10月16日(土)午後1時30分からルミエール府中参加無料。連絡・042(526)1094。
■江東借組「法律相談」
 毎月第2水曜日午後6時から大島総合区民センター。連絡・(3882)0055。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。連絡(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。連絡・(3908)7270。
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住宅政策の転換をめざす学習交流集会 9月11日に開催

2010年08月13日 | 東京借地借家人組合連合会
 日本の高度成長とあわせて住宅がどんどん建って、景気も良くなった時代は終わろうとしています。今や核家族も日本では崩壊し、単独世帯が37%と夫婦と子世帯を抜いてトップとなったそうです。今後高齢化が進むと、高齢単独世帯が急激に増えることが予想されます。これまでの景気対策や家族優先の住宅政策も限界を迎え、住宅政策の大転換が必要な時代になってきました。

 日本の賃貸住宅政策は外国と比べても大変後れています。誰もが受けられる家賃補助制度もありません。政府も住宅政策に予算を振り向けないために、国民も住宅問題に関心もなく、選挙の争点にもなりません。国の住宅政策を転換させるためには、わたしたち自身が住宅政策について学習することです。みなさん積極的にご参加下さい。

◎日時 9月11日(土)午後1時半
◎会場 豊島区東部区民事務所(JR大塚駅徒歩5分)(参加は無料です。組合員の方は資料代は東借連負担 それ以外は資料代500円)
◎テーマ 提言「住宅政策の転換」を学ぶ
◎講師 塩崎賢明・神戸大学教授
◎申込み 組合事務所まで9月1日までに。

 042(526)1094  8月14日~22日まで夏季休暇 

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公租公課が大幅に上昇?、公租公課の8・5倍の地代値上げ

2010年08月12日 | 地代家賃の増減
 足立区小台に42坪の借地をしている鈴木さんに1月に地主から次のような通知が送られてきた。「平成21年度の都の税制見直しにおきまして、土地の公租公課が大幅に上昇しております。……かようなる実情の下、誠にもって申し訳ありませんが、今般下記の如く価格改定をお願い申し上げます」と記載され、現行地代月額720円を130円増額して850円に改定するとの内容だった。

 早速鈴木さんは組合と相談して、土地の評価証明書を取って調査したところ、坪100円の税金しかかかっていなかった。鈴木さんは「現行地代額で振込む。地主の要求額で支払えというやり方は納得できない。賃料は双方の合意で決まることと理解しております」と書面で通知した。一方的な値上げに通知には簡単には応じないという。  

(東京借地借家人新聞より)

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地代月額坪当り1500円から5000円の異常な値上げ請求

2010年08月11日 | 地代家賃の増減
 文京区関口に住む東山(仮名)さんは親の代から借地し、階下を事務所や倉庫として貸し、階上に住んでいる。都心ということもあり、バブルのころは地上げ屋に追い出しを迫られたりしたが、がんばって借地していた。数年前に、ある不動産会社が底地を地主から買い取り、出ていくか買い取るかという話もあったが、金額で話にならず、そのままとなった。今年に入り、地代の値上げ請求をされた。坪当り1300円を5000円にせよという請求であった。多少の値上げならば検討してもよいと考えていたが今回の請求は到底認めることができないとし、拒否したところ調停をおこされた。地主は埼玉の不動産鑑定士の鑑定を調停の場に提出し、この鑑定をベースに話をすすめようとしたが、借地人側は、共同で近隣の借地人から地代の額を聞き取り坪当り概ね1000円から千数百円の結果を出すと調停委員もびっくりし話は振り出しに戻った。東山さん、今後とも、裁判も辞さずとがんばる決意を語っていた。(東京借地借家人新聞より)


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<アパート追い出し>家賃集金代行会社に賠償命令 東京地裁

2010年08月10日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
1カ月分の家賃滞納を理由にアパートから追い出したのは違法だとして、東京都の男性(26)が不動産会社や家賃集金代行会社などに計約240万円の賠償と敷金15万円の返還を求めた訴訟で、東京地裁(甲斐哲彦裁判長)は代行会社に40万円の支払い、不動産会社に敷金全額の返還を命じる判決を言い渡した。判決は7月30日付で、原告弁護団が9日、明らかにした。

 判決によると、男性は05年に杉並区のアパートに入居。昨年2月分の家賃7万7000円の支払いが遅れたところ、代行会社の従業員らは玄関ドアを施錠具で固定、室内の荷物を撤去した。甲斐裁判長は「居住する利益を一方的に奪ったもので違法」と代行会社の使用者責任を認定。こうした経緯を知らなかったとして不動産会社の賠償責任は否定した。【和田武士】 (8月9日 毎日)
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高額な立退き料を提供されたにもかかわらず正当事由が認められなった事例

2010年08月09日 | 最高裁と判例集
土地賃貸借期間満了に伴う建物収去土地明け渡し請求について、賃貸人の自己使用のためのビル建築計画があり、更地価格の約83パーセントに相当する立退料が提供されたにもかかわらず、正当事由が認められなかった事例(東京高裁平成4年6月24日判決)

【事案の概要】
Y(賃借人)は、昭和23年に、本件土地上にある借地権付き建物を購入し、当時の地主から本件土地を賃借することになった。その後、賃貸人は本件土地の譲渡や相続にともない転々と変更し、X会社が昭和62年に本件土地を譲り受け、賃貸人の地位を承継した。本件賃貸借契約は昭和43年8月に約定期間20年として更新され、そして昭和63年8月に期間が満了した。
X会社は前賃貸人の債務の保証していた。その保証債務を支払ったため、前賃貸人はX会社に本件土地を譲渡(代物弁済)した。本件土地の賃貸人となったX会社は本件賃貸借契約が期間満了となる前に、更新を拒絶する旨をYに通知した。
 X会社は他のビルを賃借していたが、同ビルの明け渡しを求められており、本件土地に自社ビルの建築を予定していた。他方、Yは昭和23年に本件土地を賃借して以来約40年、同所で靴の販売店を妻、子どもの3人で営んでおり、既に高齢であった。所有建物は木造二階建てで昭和33年ころ改築したもののかなり老朽化していた。本件土地は都心の商業地に所在し防火地域に指定されていたため建て直す際は耐火建築物にしなければならないところ、Yにはその計画はなかった(注:本件では元賃貸人との間で堅固建物の建築を認められていた事情がある。)。
 Xは、Yに賃貸借契約の更新拒絶にあたり、更地価格の83パーセントの立退料を提供した。

【判旨】
 Xが本件土地を自己使用する必要性は一応認められる。また、本件建物がかなり老朽化した木造建物であるうえ、本件土地は都心の商業地域で、防火地域内にあるから、ビル建築が適切とも思われる。しかし、Xは本件土地に賃借権があることを知りつつ本件土地を取得したこと、本件土地に自社ビルを建築することになったのは前賃貸人の債務を肩代わりしたことから偶然入手したものであるから、Xの本件土地使用の必要性はそれほど強くない。他方、Yは約40年にわたり同所に居住し、店舗を営んできており、既に高齢であることから、本件土地を使用する必要性は切実である。Xが提供する立退料ではほぼ同じ条件の借地を求め店舗を開店することは困難であるから、立退料の提供は正当事由を補完するとは認められない。

【寸評】
正当事由の判断は「土地の使用を必要とする事情」を比較することが中心的な考慮要素であり、立退料の申出はあくまで補完要素である。借地借家法6条は、「土地の使用を必要とする事情」「従前の経過」「土地の利用状況」「財産上の給付の申出」を考慮して正当事由がなければ更新拒絶は認められないと定めているが、各考慮要素の関係が必ずしも明らかではないので改めて紹介する。 (弁護士 大竹寿幸)

(東京借地借家人新聞より)

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店舗の原状回復工事で架空請求

2010年08月06日 | 敷金と原状回復
Sさんは立川市若葉町の2階建店舗95㎡を平成13年に借り、今年の1月に閉店し明渡した。

入居時も自分で内装工事を行い、2階の住居部分も何らの修理もしていなかったのにもかかわらず、次の入居者に市の学童保育所が決まったからと、80万円ほどの原状回復工事費用を請求された。

 Sさんは何とか減額してもらおうと交渉したが、埒が明かず組合に相談した。内装工事の会社と家主の代理の不動産業者が組合事務所に来て、説明して帰っていった。不動産業者は74万円に減額してきたが、Sさんが預けた敷金52万円を上回る金額で納得できなかった。

 Sさんは、店舗をのぞいてみると、予定していた原状回復工事はほとんどやられていなかった。組合が内装工事業者に尋ねたところ、学童保育所が現状のままで入居し、家主が負担したのは2階の住居部分だけであると告白した。組合では不動産業者に「架空請求は認められない、敷金は返還せよ」と求めたところ、業者は連絡もよこさず何にも言ってこなくなった。


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経団連が借地借家法の正当事由の見直しで政府に圧力

2010年08月02日 | 借地借家法改悪
 政府の行政刷新会議の規制・制度に関する分科会(分科会会長・大塚耕平・内閣府副大臣)は、6月15日に第1次報告書をまとめました。

検討の中間段階で対処方針の1つとして借地借家法における正当事由制度の明示(建物の老朽化、耐震性)を規制改革の検討事項に掲げ「借家人保護の配慮を十分に行なった上で、建物の老朽化、耐震性、再開発等を理由とした建て替えの必要性がある場合において、借家人から円滑な明渡しを受けることを可能とする方策について、住宅・都市行政を所管する国土交通省と密接な連携の下、検討し、早期に結論を得る。」。

また、「マンションの区分所有法の建替え決議があったことなどの一定の要件を備えた場合には、借地借家法第28条を適用せず、期間途中でも賃貸借契約を終了させることができる措置を講ずるなどの方策の検討し、一定の結論を得るべきである。」との対処方針を打ち出しました。

 法律を所管する法務省は「(老朽化・耐震性による)建て替えの必要性等を常に正当事由とした場合、高齢者や零細企業等、正当事由により保護されるべき借家人が一方的に立退きを強制されることとなり、その保護の要請に反すること、正当事由という柔軟な判断枠組みが硬直化することとなり、借家人との適切な利害調整を図ることができなくなるなどの問題が生ずるため、現行の正当事由を維持することが適当と考える。」と回答し、規制改革要望・意見に対して「対応困難」と拒否しました。結局、法見直しについての法務省との合意は得られず問題提起するにとどまりました。 

今年4月に日本経済団体連合会(経団連)は、「豊かで活力ある国民生活を目指して~経団連成長戦略2010」の「成長を阻害する規制の例」として、「老朽化した建築物の建替え促進」の中で「借地借家法における正当事由制度の見直し」、「定期借家制度見直し」などの要望を発表し、規制・制度改革に関する分科会について、「精力的な調査・審議を期待する」、「わが国経済を活性化する様々な課題に果敢に挑戦し、改革を断行すべき」として大企業の事業活動を行う上で阻害する規制を見直すよう求めています。

 今回の正当事由の見直しの要望理由の中で「新成長戦力(基本方針)(平成21年12月30日閣議決定)でも『老朽化し、温室効果ガスの排出や安全性の面で問題を抱えるオフィスビル等の再開発・建替えや改修を促進するため、必要な規制緩和措置や支援策を講じる』とされていることから、政治主導により早急に検討し、措置すべきである」と、担当課として法務省民事局参事官室に対して圧力をかけています。

 経団連は、消費税を来年より毎年2%ずつ引き上げ少なくとも10%まで引き上げ、2020年代半ばまでに10%後半それ以上引き上げ、法人税の国際水準までの引き下げの早期実施を提言しています。参議院選挙での菅首相の突然の消費税増税発言も自民党の消費税10%増税公約も実は経団連など財界・大企業の要望に沿ったものです。菅民主党政権が財界・大企業の圧力に屈しないよう借地借家法改悪反対の運動を今まで以上に強化することが重要です。


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