東京多摩借地借家人組合

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更新料断ると、地主が国に物納したいと契約書の作成提案

2006年04月30日 | 契約更新と更新料
板橋に住む、西郷さんの家は板橋区と豊島区の区界で、昔は、目の前を川が流れており、今は暗渠になって遊歩道と公園になっている。昨年の夏に、西郷さんの自宅に地主の代理人の不動産会社が訪問してきた。内容は、法定更新中の契約を更新したいので、更新料の支払と地代の値上げ、そして契約書を取り交わしたいと言ってきた。昔、借地借家人組合に相談した事がある西郷さんは、知り合いの人を通じて組合事務所に相談に来た。組合では、直ちに地主宛てに「更新料については法的根拠がないこと。地代の値上げについても、経済事情の動向、公租公課の増減、近隣の相場のいずれもとっても値上げの要因がないこと」との断りの通知書を出した。この通知書に対して代理人は更新料と値上げをあきらめ財務省に物納したいので契約書の作成に応じて欲しいと言ってきた。財務省に提出予定の契約書案は増改築特約や更新料支払などの内容で認められないと返答。最終的には借地人に不利な条項を全て削除した契約で文書が出来上がった。

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国土交通省 偽装マンション建て替えでローン利子負担分を助成

2006年04月29日 | 最新情報
国土交通省は、耐震偽装が行なわれたマンションの建て替えを促進するため、建て替え後のマンションを取得する際、新たに住宅ローンを借り入れる人に対し、利子負担相当分の助成を行なうことを決定した。

 所得に応じ、災害復興住宅融資の金利低減(10年間~35年間)と、阪神・淡路大震災の利子補給制度など、自然災害被災者への助成策と同様の考えで助成するもの。住戸面積70平方メートル相当、それに対応した借入額2,000万円の利子負担相当分、公庫融資金利を引き下げる。最大助成額は、603万円となる。

 なお、この制度利用には、国および地方公共団体による危険な分譲マンション売り主への求償への協力が条件となる。

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国土交通省
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父親が死亡し、借地権を相続するが地主の承諾は必要か

2006年04月28日 | 借地借家の法律知識
(問)父が亡くなり、私が借地権を相続することになりました。相続に当たり地主の承諾は必要ですか。地主は契約書の書換えと、名義書換料を要求してきています。それと、その建物を人に貸すことは出来ますか。建物を人に貸す場合は、地主の許可が必要ですか。(新宿区 会社員)

(答)借地権も他の遺産と同様に法的に当然相続人が相続する。親が死亡すると相続が開始され、親の有していた法律的地位が当然に相続人に一体として移転することを包括承継と言う(民法第896条)。包括承継は相続法の基本原理とされ、遺産中の不動産・動産のみならず債権や債務を承継するもので、被相続人の地位の承継とも解される。従って相続人は死亡した親の借地権を承継し、地主に対する権利・義務も一切引継ぐことになる。地主との賃貸借契約の内容を誠実に履行していれば何らの問題も惹起されない。「土地を借りた本人が死亡したのだから、土地を返してもらいたい」と地主に要求されても、それに応じることはない。
 まず、相談者の場合は、相続で借地権を譲り受けたので、名義書換の問題は発生しない。よって、地主の承諾は必要ない。名義書換料要求は不当であり、拒否しても何ら問題はない。勿論、契約書を新しく作り直す必要もないので、今まで通りでいい。相談者は、地主に「私が相続人になりました」と通知すればそれでいい。
 次に、借地上の建物を人に貸すことについてであるが、何ら問題ない。借家を無断で他人に貸した場合は、転貸ということで契約解除の理由になる。しかし、借地人が地主から賃借しているのはあくまで土地であり、その土地上の建物は借地人の所有物であり、自由に使用収益することが出来る。借地契約は、借地人に建物を所有させることを目的とする契約だから、借地人が所有建物を貸して収益を上げることは借地契約の目的に反するものではなく、転貸にはならない。万が一、地主が「無断転貸をしている。契約違反だから承諾料を払え」等と言ってきても文句を言われる筋合いは無い。拒否すればいい。
 但し、借地上の建物を第三者に売却する場合は、借地の無断譲渡または無断転貸の問題が起きるので注意したい。

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契約更新時に定期借家契約を押し付ける家主

2006年04月27日 | 賃貸借契約
豊島区大塚駅前で、美容室を営業しているAさんは、昨年、貸主から契約更新に際して、「定期借家契約にして更新したい」と言われました。
 その上、「いまは店舗契約が定期借家が常識」「期間が満了しても、基本的に再契約をするから」などと説明されました。
 しかし、しつこく定期借家契約にしたいといわれ、逆に心配になって組合事務所に相談に来ました。組合では、「定期借家契約は期間がきたら、退去するのが原則であること。貸主が再契約するといっても、再契約するには貸主の言いなりにならなければならないこと。」などを説明した。
 説明をうけたAさん「定期借家契約は拒否します。家賃の値下げや保証金の返還を請求してみます」と話していました。

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少額訴訟の手続きの流れはどうなるのか

2006年04月26日 | 裁判と調停
Q.少額訴訟の手続の流れはどうなるの?

A.少額訴訟手続による審理を求める訴状が裁判所で受け付けられると,最初の期日が決められ,当事者双方にその通知がされます。訴えられた相手方には,訴状の副本と一緒に口頭弁論期日呼出状,少額訴訟手続の内容を説明した書面,答弁書用紙,事情説明書といった書面が同封されていますから,確かめた上,まず,少額訴訟手続の内容を説明した書面をよく読んでください。その上で,相手方は答弁書で自分の言い分を書いて反論することができます。また,事情説明書は,少額訴訟手続により,原則として,最初の期日に裁判が終わるよう,双方から裁判所に対し,事前に必要な事情を伝えてもらう書面です。
 次に,裁判の前に準備することを御説明します。
 少額訴訟では,裁判所が最初の期日に当事者双方の言い分を聞いたり,証拠を調べたりして判決をします。訴訟では,双方の言い分に食い違いがある場合,証拠に基づいてどちらの言い分が正しいかを判断することになりますから,自分の言い分の裏付けになる証拠は,最初の期日に提出できるように準備してください。
 主な証拠としては,契約書,領収書,覚書のほか,交通事故の場合の事故証明などの証拠書 類や,人証といって証人や当事者本人などの供述があります。証拠の提出について分からないときは,担当の裁判所書記官にお尋ねください。
 また,判決以外にも,訴訟の途中で裁判所で話合いをして,相手方との間で分割払の約束をするなど,和解の方法により解決することもできます。
 最後に,期日にどうしても裁判所に出向けない場合については,「期日にどうしても裁判所に出向けない場合はどうしたらいいの?」を御覧ください。
(簡易裁判所民事事件Q&A)

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米海兵隊グアム移転経費の日本負担7000億円

2006年04月26日 | 最新情報
在沖縄米海兵隊のグアム移転費の負担は、米国領の米軍基地建設のために日本政府が国民の税金を使って巨額の費用を支出するもので、歴史的にも国際的にも例がありません。

 日本側負担のうち無償の資金提供は二十八億ドル(三千二百四十八億円)。このほか、「民活方式」で新たに設立する機関への出資が十五億ドル(千七百四十億円)、国際協力銀行などを通じた融資が十七億九千万ドル(約二千七十六億円)です。出資、融資ともに返済期間は五十年で、原則無利子としました。

 米海兵隊の司令部庁舎や隊舎、学校などの建設費は無償提供で、家族住宅は出資と融資、電気や水道などインフラ整備は融資で行います。一方、米側は軍用滑走路や訓練施設、周辺道路などの建設費を負担します。

 防衛庁当局者は、それぞれの費用は「すべて米側の現時点での見積もりで、変わる可能性もある」と述べ、今後さらに膨らむことも否定していません。

 海兵隊の移転に要する期間はこれまで、二〇一二年までの六年間としていましたが、日本政府関係者は七―八年かかるとの見通しを示しました。

 日本政府は今回の合意を受け、五月の大型連休明けに日米間の特別協定締結や必要な国内法制定の作業に着手する方針です。(しんぶん赤旗4月25日)



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藤原正彦著「国家の品格」を読んで

2006年04月25日 | 政治経済
 藤原正彦氏著の「国家の品格」が100万部を突破した。

 バブル崩壊後、日本では政府ばかりか国民までもが「経済を回復させるためなら何をしてもいい」と考えるようになり、アメリカからの要求に従うような改革が次々と断行され、貧しい者や弱者、地方が泣かされ非常な格差社会が日本にも生まれたと氏はいう。市場原理で代表されるアングロサクソンの「論理と合理」を許し続けると世界がめちゃくちゃになると警告する。

 藤原氏の「武士道精神」の復活はともかく、弱者を思いやる「品格ある国家」を目指すべきとの主張には共感すべきものがある。
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住生活基本法案の国会審議で参考人の意見が真っ向対決

2006年04月24日 | 国民の住まいを守る全国連絡会
住生活基本法案の審議が衆議院国土交通委員会で4月18日、21日、28日の3日間行われた。21日の参考人質疑は、国際基督大学教養学部国際関係学科教授の八田田達夫氏、前法政大学大学院研究科教授の本間義人氏が出席した。住居法実現実行委員会に結集する住宅団体から多数の傍聴者があり、衆院国土交通委員会の傍聴席は立見者が出るほど盛況だった。東京借地借家人組合連合会から21日には佐藤会長、細谷専務理事、桜井会計理事が参加した。

 参考人の質疑で意見が対立
 
 21日の午前中に行われた参考人質疑では、政府の社会資本整備審議会住宅宅地分科会会長で政府側の代弁者の八田氏と元毎日新聞の記者で、居住者側の立場に立つ本間氏と真っ向から対立する質疑となった。
 八田氏は、住生活基本法案の目的について、これまでのトップダウン式に政府が住宅建設戸数を決めるのではなく、少子高齢化など社会情勢の変化に対応して「住宅の量から質」の転換めざすとし、政府の役割は民間市場で住宅を建設するシステムを援助し、市場でできない環境の整備等を行い、住宅弱者にはセーフティネットを整備すべきであると市場原理優先の政策を論じた。
 
 公的住宅こそ 住宅政策の柱

 これに対して本間氏は、憲法25条で示している居住権保障を明記しない政府の法案はあいまいであり、居住改善の具体的な計画が基本法に盛り込まれてこそセーフティネットとして機能する。住宅格差が拡大する一方で、最低居住水準未満世帯が首都圏で13%強あり、これらの居住者の居住水準が放置され、家賃の支払いも困難な人達がいる。経済的視点より社会政策的視点に立った法案となるように審議してもらいたい。社会政策的視点とは公的住宅をいかに保障するかであり、これをセーフティネットの柱とすべきであると主張した。

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国交省 欠陥住宅の補償強化で研究会を発足

2006年04月23日 | 最新情報
耐震強度偽装事件を受け、国土交通省は、欠陥住宅への補償の強化に向けた研究会を省内に発足させる。マンションや戸建て住宅の売り主に対する保険加入や銀行保証の義務化を念頭に課題を検討し、夏までに結論を出す。今回の事件で、販売会社が倒産した偽装マンションでは住民への補償がほとんどなされず、国交相の諮問機関も早急な制度の改善を求めていた。

 同省の住宅生産、不動産業、建設業の3課を中心に「住宅瑕疵(かし)担保責任研究会」(仮称)を設け、18日に初会合を予定。金融庁や法務省、公正取引委員会もオブザーバーとして加わり、制度の問題点を詰める。

 保険制度のほかに、売り主があらかじめ金銭を確保しておく供託金制度や、銀行などによる保証の仕組みも検討。故意の偽装を支払い対象とするかどうかや、保険料率、再保険制度、政府関与の必要性の有無などが、課題として話し合われる。

 今回の事件を受け、国交相の諮問機関、社会資本整備審議会の専門部会は、2月の中間報告で保険加入などの義務化を求めたが、国交省は、関係省庁との調整に時間が必要として、今国会での制度改正を見送った。 (アサヒコム4月13日)

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空家対策は「家賃値下げ」が一番効果がある

2006年04月22日 | 最新情報
東京都農住開発協会はこのほど、「賃貸住宅家賃・資産管理等実態調査」の結果を発表した。JA組合員を対象にアンケートを行い、3587部の回答を得た。
 それによると、集合住宅の専用面積空家率は、91㎡以上のタイプが10・5%で最も高かった。その他のタイプを見ると、37㎡未満は8・3%、55㎡未満は9・2%、75m未満は7・7%、91㎡未満は7・8%。
 賃貸住宅や土地などの資産を管理する上で困っていることは、「賃貸住宅の空室が埋まらないこと」(32・5%)、「固定資産税の増加」(30・9%)、「老朽した賃貸住宅の修繕費の負担増」(28・5%)の3つが目立った。
 また、「賃貸住宅の空室対策で効果があった方法」では、「家賃の引き下げ」という回答が80%を超えて最多だった。次いで、「住居内の修繕・改修」(47・4%)、「敷金・礼金の引き下げ」(43%)だった。金銭面の対応が効果が大きいことがうかがえる。そのほか、「建物の外観などの修繕・改修」(38・2%)、「設備(インターネット回線、床暖房など)の充実」(19・3%)、「防犯対策(オートロック、ピッキング対応など)の強化」(13・0%)なども行っている。
 入居者のトラブルになる問題としては、「家賃滞納」(34・3%)が最も多い。次いで「賃料値下げ」(19・6%)、「敷金精算」(11・1%)と続く。
 また、入居者募集の委託先を聞いたところ「地元不動産業者」が6割で突出している。次いで「大手不動産業者」が25・3%。地元不動産業者への入居者募集の委託は、前々回(6年前)、前回(3年前)と低下してきており、大手への委託が前々回から前回にかけて急増した。全体として大手への委託増加傾向が明確になった。(住宅新報4月17日)

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敷金を返還しない家主に対してどのような手続きをとればよいか

2006年04月21日 | 敷金と原状回復
1、少額訴訟手続
簡易裁判所では90万円までの金額の事件を扱っています。うち30万円以下の金額の事件については少額訴訟手続があります。
  訴状を簡裁に提出し、少額訴訟手続をすることに家主(被告)が同意すれば、1回の期日で裁判官が双方の主張と証拠を調べて原則として即日に判決する手続です。
  しかし、家主がこの手続に同意しない場合やこの判決に異議申立(原告も当然出せます)をしたときは簡裁での通常の訴訟手続になります。 この手続では、証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐ調べることができるものに限られます。ですから、契約書や補修見積書、明渡時の写真など「自然損耗」であることを立証する資料が乏しく何人もの証人を詳しく調べる必要のあるようなときにはこの手続でするのは困難でしょう。 申立手数料(印紙代)は、請求額が30万円の場合は3,000円です。

2、通常訴訟手続  
90万円以下は簡裁、これを超えるときは地裁に通常の裁判を起こすことになります。

3、調停手続
簡易裁判所の調停手続は調停申立(口頭で申立てもできます)をしたうえで、裁判所から連絡のあった調停期日に双方が出席し、調停委員立会の下で話し合いで解決していくことになります。調停の場で、双方の合意ができないときは1か2の手続になります。

4、本人でも訴訟はできるでしょうか

裁判は勿論本人でもできます。しかし、敷金の裁判は既に述べたとおり、
①「自然損耗」も借主の負担とする特約の効力は認められるか

②「自然損耗」とは何か

をめぐって必ずしも判例上明確な決着はついていません。また立証についても、使用前、使用後の写真があって「自然損耗」であることが明らかであるケースは少ないでしょう。 当研究会では皆様の選択で弁護士が代理人として訴訟をするケースと、本人で自ら訴訟することにつき当会のメンバーが相談するとともに訴状等を作成するケースとを考えています。

【一斉説明会資料】から   

【敷金問題研究会編】 2002.9.17 
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偽装マンション建て替えで住民負担がが再建の大きな障害に

2006年04月20日 | 最新情報
耐震強度偽装事件は、昨年十一月の発覚から五カ月がたち、「木村建設」(熊本県八代市、破産)、姉歯秀次元一級建築士らの刑事責任を追及する動きが本格化しています。しかし著しく強度が不足し、使用禁止命令がでた十一棟の分譲マンションでは、建て替えなどによる新たな住民負担が、再建の大きな障害になっています。いまだ再建計画も固まらず、十一棟あわせて三百九戸のうち二十三戸(十七日現在)が入居したままです。(阿曽 隆)


 使用禁止命令が出ているのはいずれもヒューザー(東京都大田区、破産手続き中)が建築主。姉歯元一級建築士が強度を偽装し、耐震強度は基準の50%未満で、震度5強の地震で倒壊する危険があります。

11戸がとどまる
 十一棟の一つ「グランドステージ(GS)池上」(東京都大田区)。姉歯元一級建築士が最初に偽装した物件です。二十一戸のうち十一戸がとどまっています。耐震強度は最も弱い部分で45%でした。

 「偽装マンションと確認された時のショックは、まるでがんを宣告されたようでした。建築主のヒューザー、木村建設、偽装を見抜けなかった大田区。怒りは収まらない」と語るのは、同マンションの管理組合理事も務めた男性(51)です。妻と三人の子ども、父の六人家族。近くに手ごろな広さの一軒家が見つかり、十六日までにようやく移転を終えました。家賃は十八万円。

 GS池上が完工した一九九九年。家族が多い男性は、その広さに魅力を感じて即決。月十万円で三十五年の住宅ローンを組みました。

 しかし入居半年でベランダや壁のひびなど、手抜き工事の影響が目に付くようになりました。

 何度も内容証明郵便でヒューザーに問いただしましたが、その都度「違法なものはありません」と木で鼻をくくったような回答をするばかりでした。

病気が一番心配
 建て替えによる追加負担は約二千万円。これまでの月々十万円のローン支払いを三十万円に引き上げ、支払い年数は十五年に短縮します。

 「自分の年齢を考えると支払い年数は延ばしたくなかった。大変ですが生活を切りつめて何とか頑張ります。妻も自分も病気になることが一番心配です」

 二十四戸すべてが退去した「GS稲城」(東京都稲城市)。追加負担は現在のところ二千万円程度の見込みですが、追加負担をより少なくするための模索が続いています。住民からは「姉歯や木村を法に基づいて罰するのは当然。しかしそれでわれわれが助かるわけではない。被害住民の感情とは、かけ離れたことをやっている」という声が出されました。

 強度偽装問題では、「イーホームズ」など、国指定の民間確認検査機関が偽装を見落としたことも明らかになり、国民の命を守る国の責任も問われています。被害住民には「支援」ではなく「賠償」を求める声も強い。

 住民らは、偽装マンションを買った元のローンの元本減免をしてほしいと訴え、再建支援策を国や政党などに求める行動を予定しています。

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家主が修繕を履行しなかった場合に家賃が減額できるとした事例

2006年04月20日 | 最高裁と判例集
家主が修繕義務を履行しなかった場合その分家賃が減額できるとした事例
 賃貸人の修繕義務不履行により建物の一部が使用できなくなった場合、賃借人は家賃の減額請求権を有する(名古屋地裁昭和62・1・30判決。判例時報一二五二号)

(事案の概要)
 1 Yは昭和55年6月1日、Xから二階部分を居宅、一階部分をお好み焼屋店舗として使用する目的で本件建物を賃料月額10万円で賃借した。
 2 二階部分には三つの居室があったが、56年9月前からいずれの部屋にも雨漏りがし、特に南側と真中の部屋の雨漏りは、雨天の場合バケツで受けきれず、畳を上げて洗面器等の容器を並べ、Yらが椅子の上に立って、シーツやタオルで天井の雨漏り部分を押さえざるを得ない程であり、押入に入れたふとんが使用不能になったこともあり、本件建物二階部分は、同年9月以前からその少なくとも三分の二以上が使用不能となった。
 3 YはXに対し、しばしば雨漏りの修繕を求めたが、Xはこれに応じず、右の使用不能状態は、Yが本件建物を明渡した昭和58年7月31日まで続いた。なお、一階店舗部分は、右の雨漏りにより使用不能となることはなかった。
 4 これに対し、Yは56年9月分から賃料の支払を拒絶し、Xに対し、右使用不能部分の割合に応じて賃料を減額する旨意思表示した。
 5 しかし、Xは減額に応じず、Yに対し、56年9月分から明渡し済みの58年7月分までの賃料二三○万円の支払を求めた。

(判決)
 本件建物の二階部分の少なくとも三分の二が56年9月1日以降58年七月末日までXの修繕義務の不履行により使用できない状態にあつたことが認められるところ、修繕義務の不履行が賃借人の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、賃借人は当然には賃料支払義務を免れないものの、民法六一一条一項を類推して、賃借人は賃料減額請求権を有すると解すべきである。
 本件の場合、右減額されるべき賃料額は、右使用できない状態の部分の面積の本件建物全面積に対する割合、本件賃貸借契約は一階店舗部分とその余の居宅の使用収益を目的としていたところ、Yの右店舗部分自体の使用収益にはさしたる障害は生じなかったこと及び雨漏りの状況等の諸般の事情に鑑み、本件賃料額全体の25㌫をもつて相当とする。

(寸評)
 判決はもとより妥当である。家主が修繕義務を履行しなかった場合、二つの対応がある。一つは賃借人側で修繕しその費用を家賃と相殺する方法で、組合がよく利用する。もう一つは本件のように民法六一一条一項を類推適用する方法である。いずれの方法が良いかは事案によって異なってくる。

(弁護士 白石光征)


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東京都都市整備局による東借連の要請項目に対する回答

2006年04月19日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 東京借地借家人組合連合会が提出した2006年度予算要求に対する東京都都市整備局の回答は以下

(要請項目)
居住者賃貸物件仲介の際の仲介手数料は、宅地建物取引業法では賃料の1ヶ月以内の額で、貸主・借主双方の0・5ヶ月以内の額と定められていますが、ほとんどの仲介事例で不動産業者は借主の承諾を受けずに1か月分の手数料を借主から受領しています。不動産業者は事務所内の公衆が見やすい場所に宅兼業法46条第4項の報酬額の掲示を必ず行い、仲介の手数料については原則貸主0・5ヶ月以内の額とするよう徹底してください。
 また、借主から仲介手数料1ヶ月分を受領する際には、必ず借主の承諾を受けるように指導を徹底してください。

(回答)仲介手数料については、国土交通省告示(昭和45年建設省告示第1552号、平成9年建設省告示37号)で定められています。
 そして、告示では、居住用建物の仲介について、宅地建物取引業者の受け取る手数料は、仲介の依頼を受けるときにその依頼者の承諾がある場合を除いて、依頼者の一方から受け取る手数料の上限が月額家賃の2分の1以内となっています。今後とも、行政庁として業者に対する講習会等の機会を捉え、宅建業法の趣旨に則った業務の執行を行うよう指導してまいります。

(要請項目)
契約の更新時に、特約で更新料の支払いを強要する契約が横行しています。法定更新されれば更新料更新料の特約は無効との裁判例も出ており、合理的な説明の出来ない更新料や礼金など悪い慣習をなくすために、不動産業界や貸主に対し啓蒙活動を強めてください。

(回答)「東京ルール」のもう一つの柱として公表された、礼金・更新料のない運動の推進については、珍阿智住宅紛争防止条例の定着を見ながら、関係団体との連携のもとに検討してまいります。

(要請項目)
都民の住宅問題の解決のために、安くて住みよい公共賃貸住宅の役割はますます重要になっています。
 東京の全住宅に占める公共住宅の比率を欧米住宅並みに拡大するため、東京都は、6年連続の新規供給ゼロ、建替え据え置き、住宅改善の抑制計画を改め、公営・公共住宅の大量建設など必要な措置を講じてください。

(回答)住宅マスタープランに基づき、将来の人口・世帯の動向や区市町村の役割の拡大を踏まえ、都営住宅については、厳しい財政状況の中、経費の節減に努めるとともに、建替えやスーパーリフォームなど、現在あるストックの維持・管理・更新に重点を移していきます。
 建替えにあたっては、地元自治体からの要望、役割分担を踏まえ、福祉施設を一体的に整備する等、地域まちづくりを考慮しながら進めていきます。
 また、都営が真に住宅に困窮する方に供給され、都民共通のセーフティネットとして一層有効に機能するよう、都営住宅の抜本的見直しを進めております。
 併せて、高齢者円滑入居賃貸住宅制度等により、高齢者の入居を拒まない民間賃貸住宅の普及を促進していきます。
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管理会社のインチキな見積もり見破り、敷金全額返還させる

2006年04月18日 | 敷金と原状回復
東久留米市柳窪の鉄筋コンクリートのマンションを平成11年1月に借りて入居した兼田さんは、昨年6月に裁判所から借りている建物が競売になるとの連絡が入った。家主は江戸川区に住んでいるが一度も会ったこともなく全く寝耳に水の話。犯罪にも関係しているらしく警察まで調査に来た。
 兼田さんは、なんとなく住んでいることがいやになって今年の6月に転居した。ところが1週間後に不動産管理会社から原状回復に伴う見積書が送られてきた。クロスの張替え等で敷金16万円を上回る34万55円の請求にビックリ。引越しにお金が沢山かかった上に、修理代を請求され困っていたところ、引越し先の調布市の便利帖で組合の存在を知った。
 相談を受けた組合では、早速管理会社に通知を出し「本件貸室は裁判所に差し押さえがされた競売物件となっており、今後賃貸することができない物件でリフォームすることは疑問があり納得できない」と述べ、敷金を至急返金するよう請求した。インチキな見積書を見破られ観念したか、管理会社は数日後に敷金16万円全額を兼田さんの銀行口座に振り込んできた。

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