東京多摩借地借家人組合

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安心・安全ナビ:賃貸住宅の敷金や礼金、不当な請求でも、うのみにするしかないの。

2007年12月31日 | 敷金と原状回復
◆賃貸住宅の敷金や礼金、不当な請求でも、うのみにするしかないの。

 ◇損傷「自然に」?「過失」? 明け渡し時に家主と確認を

 賃貸住宅に入居する時にかかる敷金や礼金は高額に上ることもあり、借り主にとって大きな負担となる。「出る時に返してもらえる」と思っていた敷金がほとんど戻らず、トラブルになるケースも少なくない。しかし、必ずしも家主側の言い分をうのみにする必要はなさそうだ。


家主から女性に送られた請求書。フローリング補修など6項目が並ぶ 大阪市旭区の女性(34)は10月、7年半住んだ区内の賃貸マンションを引き払った。契約時の保証金(敷金)は70万円で「解約引(敷引き)」が45万円。敷引きは、契約時に「解約時は敷金の一定額を返還しない」という特約がつくことで、大阪や兵庫、福岡などでみられる制度だ。

 女性は「それでも25万円は返ってくる」と期待し、振り込みを待っていたが、2カ月後に届いたのは、補修費25万9350円の請求書だった。明細にフローリング補修やクロス、畳表の張り替えなど6項目が並び、「差引返却金額(9350円)が不足しておりますが、当社負担といたしました」と記されていた。

 長年住む間に、壁のクロスや畳表は自然に日焼けし、床には家具の跡が残る。網ガラスも室内外の温度差でひび割れることがある。こうした「自然損耗分」の補修費までは請求できないことが、最高裁の判例にあり、定着している。ただ、損傷を「自然損耗」とするか「故意や過失による」とするかは一概に言えず、明け渡す時、家主に立ち会ってもらって確認した方がいい。

 もう一つの問題は敷引き。敷金の全額、あるいは9割近くが敷引きという物件さえある。最近の判例では、敷引きも「消費者の利益を一方的に害する」とされ、消費者契約法違反となる。女性の事例のように、敷引きしたうえ、自然損耗分とみられる補修費まで請求するのは問題外だ。

 ◇「礼金に法的根拠なし」

 不動産契約にまつわる慣習や用語は地域によって異なる。関東や京都では礼金制度が一般的で、契約時に敷金とは別に家賃の1~2カ月分を要求される。貸主への謝礼の意味のようだが、解約時に戻らない点では敷引きと同じ。大阪などでも、物件の表示が「敷金40万、敷引き30万」から「敷金10万、礼金30万」などへ変わり始めているという。

 礼金に関する訴訟例はまだないが、大阪の弁護士や司法書士でつくる「敷金問題研究会」の増田尚弁護士は「家主は部屋を貸し、借り主は家賃を支払う。これで契約の対価関係は成立している。(礼金に)法的根拠は何もない」と指摘する。

 旭区の女性はインターネットで敷引きを違法とする判例などの情勢を知り、家主に「納得できない。補修費は敷引きの45万円から出すべきだ」と抗議した。家主側はいったん「床や壁の補修代は当社で負担します」とし、数日後に「25万円全額返します」と態度を一転させたという。

 違法な請求には泣き寝入りせず、強い姿勢で交渉する必要がある。【遠藤孝康】

==============

 ■判例などで示された負担の例

◆家主側が負担すべき補修費

・壁や天井のクロスの日焼けや電気焼け

・床や畳についた家具の跡

・室内外の温度差による網ガラスのひび割れ

・通常使用での障子やふすまの汚れ

◆借り主が負担すべき補修費

・ペットの飼育による損傷

・喫煙による床やクロスの焦げや落ちないヤニ汚れ

・故意や過失で割れたガラス

・落書きされた壁のクロス

※注 状態にもより、すべてが当てはまるとは限らない


 (毎日 12月19日)
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地主の代理人弁護士が作成した更新借地契約書の中身とは

2007年12月30日 | 契約更新と更新料
 八王子市本郷町で74坪を借地している加藤さんは、昭和26年に契約書を結んで法定更新している。地主の代理人の弁護士から昨年11月に契約書の締結をしたいと、契約書の案文が送られてきた。

 「期間満了による契約更新の際には、甲は乙に対し、更新料を支払わなければならない。更新料の額は甲及び乙の協議により定めるものとし、協議が出来ない場合は、甲の指定する不動産鑑定士の鑑定により、更新料を定める。この場合の鑑定費用は、甲乙の折半とする」等々とんでもない内容だ。さらに今回更新するので更新料まで請求。加藤さんは組合と相談し、直ちに契約書の作成を拒否した。


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支払義務のない高額な借地更新料の支払いを拒否

2007年12月29日 | 契約更新と更新料
台東区千束で永年雑貨商を営む野口さんは16坪を借地している。先月末に3軒先に住む地主に地代を持参した折り、突然地主から「来月10日に契約が満了になる。契約を更新するのであれば更新料として500万円支払って頂きたい」と言われ、慌ててしまった。家に帰り、家族と更新料について話し合った。だが昨今の景気動向では、とても高額な更新料を支払うことは出来ない。

 困り果て、近所の人から借地借家人組合があることを知り早速組合に相談し、加入した。組合の説明では、野口さんの借地契約書には「更新料支払特約」が書き込まれていない。このように更新料の支払い約束の無い場合は、法律的に更新料の支払義務がないことは判例上確定している。従って更新料を支払わなくても借地の更新は問題なく出来る。また建替えも組合の指導に随えば問題なく行えるという説明であった。

 後日組合が準備した「借地法」4条に基づく「借地契約の更新請求」を地主に配達証明付内容証明郵便で通知した。 

借地法4条は借地権が消滅した場合でも借地人からの請求によって一方的に更新を認め、地主は原則としてこれを拒めない。借地契約は地主と合意しなくても前の契約と同一条件の借地権が設定されたものとみなされ、木造建物の場合は借地期間20年と法定される。契約書が無くても借地契約は自動更新される。

 「次回、地主宅に地代を持参する時は地主に更新料は法定されていないし、判例上も支払義務がないことは確定していることを説明し、更新料支払い拒否の意思を明確に伝える積りである。今ままでは地主の要求に言われるままに応じて来た。これからは借地法を勉強して根拠の無い要求には一切応じない決心を固めた。これからは組合とともに頑張りたい」と語った。(台東借地借家人組合提供)


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 本年はありがとうございました。1月7日より組合事務所開業いたします。



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建築基準法改正:審査厳しく倒産も 国交省は回復を楽観

2007年12月28日 | 国と東京都の住宅政策
耐震偽装事件を受け、建築基準法改正に伴い厳格になった建築確認審査の影響を受けた住宅着工件数の減少が止まらない。国土交通省が27日発表した11月の新設住宅着工数は前年同月比27%減の8万4252戸で、7月から5カ月連続で前年を下回った。関連業界では倒産する会社も出始め、景気全体への悪影響を懸念する声も上がっている。【高橋昌紀、辻本貴洋】

 負債総額約37億円で、駐車場製造・販売の「東京パークエンジニアリング」(東京都中央区、従業員55人)が、民事再生法の適用を受けたのは今年10月だ。3月期の売り上げは約36億円と業界では名を知られた存在だった。民間調査会社「帝国データバンク」の調査に、担当者は「製品を納入するマンションなどの着工が遅れ、資金繰りに行き詰まった」と語ったという。

 帝国データバンクによると、6月施行の改正法の影響による倒産(負債額1000万円以上)は10月に始まり10件。建築工事6、駐車場製造など2、不動産・建築販売1、建築部材1で、総額は約158億円に上る。

 改正法では、建築確認の際に1級建築士や大学教授が務める「適合性判定員」が、耐震偽装事件で表面化した構造計算が偽装されないようチェックする。判定員は2人以上だが、それぞれが同じ作業を繰り返したり、誤字・脱字程度のミスでも再申請を要求するケースがあり混乱した。日本建築士事務所協会連合会の三栖邦博会長も「改正法の運用について、判定員の解釈がばらばら。国交省の指導不足だ」と指摘する。

 国交省は▽9月に判定員のための相談窓口を設置し運用方法の周知徹底を図る▽11月には判定員に対して、再申請が不必要なケースを具体的に示す▽12月から小規模で単純構造の建築物には判定員1人でも可能とする--などの対策を打った。

 住宅着工は、9月は6万3018戸、10月が7万6920戸と、11月まで連続で増えた。このため、国交省は先行きを楽観するが、07年度の住宅投資は前年度比12.7%減の見通しだ。新日本製鉄が10月から3カ月間で建築用鋼材を10万トン減産するなど関連産業への影響も広がる。日銀は11月の金融政策決定会合で、「住宅投資の減少が長期化すれば、心理的な面も含めて(マクロ経済全体に)影響が広がる」と分析している。

 ◇11月の住宅着工は34.6%減

 国交省によると、11月の新設住宅着工戸数は、改正基準法施行後の7月から5カ月連続で減少している。この間の住宅着工数は36万9000戸で、前年同期比34.6%減だ。

 分野別の着工戸数は、マンションが同63.9%減の8331戸。法改正で導入された構造計算適合判定は、11月の申請1833件に対し、合格は10月比557件増の1430件。12月も増加傾向だが、国交省が標準的な件数として想定する月5000件には届いていない。

 福田康夫首相は26日の日本経団連の会合で、「反省している。(国交省に)積極的に建築許可が出るようにするようにとお願いした」と陳謝した。【辻本貴洋】

(毎日新聞 12月27日)
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事業用借地権の設定期間、「10年以上50年未満」に/改正借地借家法1月1日施行

2007年12月27日 | 最新情報
 国土交通省は26日、第168回国会にて成立した「改正借地借家法」が、2008年1月1日施行されると発表した。

 改正法では、事業用定期借地権を(1)10年以上30年未満、(2)30年以上50年未満、の2タイプに区分している。
 (1)では、従来の事業用定期借地権の条件が適用される。(2)は、契約が更新できると共に、建物築造による存続期間の延長や建物買取請求権がないこととする特約を結んで事業用定期借地権を設定することが可能になる。

 効果として、(1)設定期間の長期化に伴い、税法上の償却期間とのミスマッチがなくなる、(2)土地所有者にとって、土地の貸し出しが容易になり有効活用につながる、(3)土地の有効活用を通じた地域活性化にも資する、等が見込まれている。

(不動産ニュース)
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公営住宅、入居基準枠を縮小へ 月収上限15.8万円

2007年12月26日 | 国と東京都の住宅政策
2007年12月26日13時33分(朝日)

 公営住宅の入居収入基準を初めて引き下げる改正公営住宅法施行令が27日、公布される。上昇が続く応募倍率を現在の半分程度まで引き下げるのが狙いで、国土交通省は「住宅困窮度の高い人への的確な供給」を強調する。しかし、低家賃で入居できる住宅の量的な不足が改善されていないのが現状で、関係者の間では、抜本的な対策を求める声が高まっている。

 新基準は09年4月から適用される。国交省によると、96年制定の現行基準は、全世帯(単身を除く)の収入分布の中で低い方から4分の1の水準にあたる月20万円を、入居できる収入の上限とした。当時の全国平均の応募倍率は3.0倍だったが、年金生活世帯の増加などにより低所得者層が拡大。倍率は05年度で9.9倍にまで跳ね上がった。

 新制度では、同様に4分の1の水準を04年の収入分布に当てはめ直し、入居基準を月収15万8000円に下げる。既存入居者のうち約14%は新基準を上回ることになり、一定期間後段階的に市場価格に近い家賃が適用される。倍率は「5倍程度にまで下がる見込み」(国交省)という。

 全国の公営住宅の応募状況(05年度)は、新築と空き家を合わせた9万6030戸の募集に対し、応募者数が94万9675人。中でも00年以降新規の建設がない東京都は32.1倍と突出。大阪府(15.7倍)、神奈川県(15.2倍)、埼玉県(14.7倍)、福岡県(12.1倍)など都市部は軒並み10倍以上。

 今回の措置について、公営住宅入居者の団体などでつくる「国民の住まいを守る全国連絡会」は「異常な高倍率を見かけ上多少落ち着かせるだけで根本的な解決にはならない」と批判する。

 社会保障や住宅政策に詳しい大本圭野・東京経済大教授は「新基準により、低所得の高齢者ばかりでコミュニティーとして機能しない団地が増える恐れがある。家賃補助による民間アパートの活用など、実効性のある総合的な対策が緊急の課題だ」と警鐘を鳴らす
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マンション備付けのエアコン故障 家主が修繕を拒否した場合の対策

2007年12月26日 | 増改築と修繕
私は2DKのマンションを借りています。

 先日このマンションに最初から設置してあったエアコンが故障して効かなくなりました。家主に修繕を頼んだところ「うちでは修繕はみんな借りている人にやってもらっています」といわれてしまいました。

 私は、貸家の修繕は家主がやるものとばかり思っていましたが、家主の考え方次第で借家人に押し付けられるものなのでしょうか。
 なんとか家主に修繕させる方法はないものでしょうか。
 (新宿区・会社員46歳)

(回答)賃貸住宅の修繕問題の基本は、民法六○六条一項の「賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要なる修繕をなす義務を負う」とする規定です。貸家の修繕義務は家主にあることが明確に規定されています。

 家主がこの法律の規定する義務を免れるためには、あらかじめ契約で「エアコンの修繕は借家人の負担とする」との特約(特約とは法律の定めに反する約定)を交わしておかなければなりません。

 あなたの場合は右の特約はないので、言うまでもなく修繕義務は家主にあります。以下は家主の負担で修繕をする方法です。

 まず内容証明郵便(配達証明付)で家主に対して通知をします。その内容は「エアコンが故障したので本書到達後一〇日以内に修繕してください。もし右期日までに直していただけない場合は、私が業者に依頼して修繕し、その修繕費用は後日請求しますのでお支払いください。万一お支払いくださらない場合は、やむをえず月々の家賃から差し引きます」。 この通知を出した上で、その内容のとおり実行すればいいのです。修繕費用が月額家賃の半分以上になる場合は二ヶ月に分けて差し引きます。

 ここで、内容証明郵便を出す段取りを省略して、修繕費を家賃から差し引くと家賃の一部不払いとして契約解除の原因にされるおそれがあります。

 借家の修繕問題の解決法には別の方法もあります。それは、家主は完全な物を貸す義務がありますから、エアコンの故障という不完全な度合いに応じて家賃を減額し、直ったら元に戻す方法です。しかし、これではいつ直るか分からず、前の方が現実的です。





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通常の損耗は貸主の負担 2005年12月16日最高裁判決

2007年12月25日 | 敷金と原状回復
建物賃貸借で普通に暮らしていて生じた床や壁の汚れ、傷等の所謂「通常損耗」を賃借人の費用負担で行なう「原状回復特約」が有効かどうかで争われた敷金返還請求訴訟で最高裁は、通常損耗の修繕費用を賃借人に負担させる特約は原則として許されないという画期的な判断を示した。
 最高裁の判決は、通常損耗に関して「建物の賃貸借においては賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行なわれている」と指摘し、通常損耗の修繕費用は家賃に含まれるという原則が確認された。
 この原則に反して、これらの修繕費用を賃借人に負担させる特約を「原状回復特約」という。賃借人にとっては、この特約は家賃の二重払いを強いるものであり、賃借人には不利益な特約と言える。
 最高裁は、この「原状回復特約」が認められる条件として「賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸契約書では明らかではない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である」とされた。最高裁は、それらの条件が認められない場合は通常損耗を含む原状回復義務を賃借人に負担させることが出来ないという初判断を示した。
 これらに関しては従来からか下級審で通常損耗を含む明文化された「原状回復特約」が成立するためには、(1)客観的理由の存在が必要(2)特約による修繕義務を負うことを認識していること(3)義務負担の意思表示をしていること、以上の要件を具備し、自由意思に基づき契約をしたことが必要であるとしていた。このような意思表示論によって「特約」の成立に制約を設け、これらの要件を充たしていない場合は「特約」の有効性を否定し、その特約を無効とした。
 今回の最高裁の判決は、これら下級審の判例理論を追認したものであるが、更に特約の成立に厳しい制限を加えた例外的な基準を設け、不当な「原状回復特約」による費用負担から賃借人を幅広く救済する効果が期待される。



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住宅構造の欠陥、09年10月から業者に保険義務付けに

2007年12月24日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 耐震偽装事件を受けて制定された「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」の施行期日を定める政令が12月21日、閣議決定された。

 保険や供託の仕組みを活用した資力確保の義務づけは、09年10月1日から施行される。

 これにより宅建業者や建設業者に、保険契約の締結や保証金の供託が義務づけられる。構造に欠陥のある住宅を引き渡した業者が倒産したような場合でも、保険金や供託金から被害者の救済が図られるようにする。

 なお、保険の引き受けを行う法人の指定や保険契約にかかる住宅の紛争処理体制の整備は、08年4月1日から先行して行う。(住宅新報 12月21日)



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車庫証明書の発行申請に地主・家主の事前承認は不要

2007年12月22日 | 借地借家の法律知識
大阪府住宅供給公社新千里西町A団地自治会は、公社の一方的な立替計画に反対し係争中ですが、居住者のDさんは、自家用車の買替えのために、豊中警察署へ車庫証明書の発行を申請したところ、公社の承諾印が必要であることを理由に拒否されました。

 同時期に、東淀川区に住む借地人のNさんからも、東淀川警察署が地主の承諾印がなければ車庫証明は発行しないと拒否されたとの問い合わせがありました。

 大借連(全大阪借地借家人組合連合会)は、1980年10月2日に大阪府警本部と面談し、次のことを確認しました。
 「新車を購入する際、民法や借地借家法から車両の保管場所が確保され、その確認が出来れば車庫証明の発行は出来る。そのために、賃貸契約書、賃料の領収書、供託書のいずれかと借地人の場合は土地の、借家人の場合は建物の「登記簿謄本」が必要である。また、紛争中であっても書面さえ整えばよい」。

 このことを豊中警察署は知っているのかと照会すると、同署の窓口担当者は「そんな難しいことをいわれてもわからないので、府警本部へ確認してほしい」と対応するばかりです。

 そこで、大借連は船越康亘会長と狩俣寛敏副会長が大阪府警本部、交通部駐車対策課へ出向き、「1980年10月2日に面談し確認した車庫証明書の発行にあたっては、車両の保管場所が確認出来れば地主・家主の事前の承諾は必要ない」との確認事項は現在も変更ないものと考えているが、その変更はしていないかとの確認を求めました。

 府警本部の対応した取締指導係長の前窪一幸警部補は、「従来どおり地主・家主の承諾が得られなくとも、車両が保管できる場所と賃貸契約を証明できるものがあれば車庫証明書の発行はしている」と回答しました。その上で、豊中警察署と東淀川警察署へは発行するよう連絡することを確約しました。

 その後、豊中警察署へ車庫証明書の発行を申請したDさんからは、「警察は、何も言わずにすぐ車庫証明書を発行した。本当に有難うございました」と述べています。


全国借地借家人新聞より



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東京圏アパート家賃、2DK、2期連続で微増 住宅新報社調べ

2007年12月21日 | 最新情報
住宅新報社が東京・大阪・名古屋・福岡の4大都市圏を対象に年2回実施している賃貸アパート家賃調査(9月1日時点)がまとまった。
 それによると、東京圏は1K~1DK(単身向け)が平均でわずかに値下がりし3期連続の下落となった。
 2DK(小家族向け)は反対に2期連続で微増。平均家賃は単身向けが6万3,230円、小家族向けは8万5,230円だった。
 単身向けには老朽化した木造アパートが多く含まれるため、空室率のアップが影響している。
 エリア別では全体的に東京都の城南、城北地区、横浜市が堅調だった。間取りタイプ別にみると、単身向けが堅調だったのは東京都の城東・城北、横浜市で、小家族向けは東京都の城南・城西、千葉県総武地区となっている。
 個別ポイントを見ると、単身向けで、最も上昇していたのがJR根岸線港南台駅の9.3%。以下、JR京浜東北線浦和駅とJR埼京線戸田駅が同率で4.9%、東急東横線反町駅4.4%と続く。上位20位を見ても郊外地域が多いのが特徴だ。
 反対に下落率が最も大きかったのは意外にも東急東横線自由が丘駅の7.1%だった。以下、新京成線鎌ヶ谷大仏駅5.5%、丸の内線新高円寺5.4%と続く。都内と郊外が混在している状況だ。
 一方、小家族向けで最も上昇していたのはJR東海道線茅ヶ崎駅の7.9%だった。以下、JR京浜東北線川口駅の6.9%、東急大井町線大岡山駅の6.5%と続く。上位20位内には人気住宅地が数多く並んでいる。
 反対に、最も下落していたのはJR中央線立川駅で5.8%だった。以下、京成線押上駅5.0%、丸ノ内線方南町駅4.7%と続く。下落率上位を見ると、5位から8位までは神奈川県内が続いた。
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借家人の相続人と家主が合意解約しても借家人の内縁の夫は住み続けることができる

2007年12月20日 | 最高裁と判例集
借家の相続人が家主との間で借家契約を合意で解除しても、原則として借家人の内縁の夫は依然住み続けることができる (東京地裁昭和63年4月25日判決、判例時報1327号)

 (事案)
 B子は子供3人と共に借家に居住。昭和23年C男と再婚。C男がB子の家族共同体の一員として借家に住むようになった。子供達は結婚するなどして家を出ていき、Bは53年に死亡した。BとCは世間一般の夫婦と何ら異ならなかったが、事情があって入籍しない、いわゆる内縁の夫婦であった。

 したがって、この夫CはBの相続人になれず(内縁を何10年続けても絶対に相続人になれない。内縁の配偶者に何か残したいと思えば遺言するしかない)Bと先夫との間に出来た子供達がBの相続人でありこの子供達がB名義の借家権を相続した(借家権も相続されることは周知のとおり)。

 しかし、子供達は家主Aとの間で、相続した借家権を合意で解除してしまった。そこでAは、Bが死亡したあとも1人で居住し続けているCに借家の明渡を求めた。Cは立退く必要があるのか。

 (判決要旨)
 このような場合、Cは、Bの相続人(右の子供達)が相続した借家権を「援用」して建物に居住し続ける権利を家主Aに対抗することができる(ということは、Cは立退かなくてもよいということ)。では、相続人がこの借家権をAと合意で解除してしまった場合はどうか。Cは「援用」すべき対象を失い、結局立退かなければならないか。判決は、次のような理由でCを救った。

 「相続人と家主とが合意解除した以上、常にCは立退かなければならないとすると、借家権援用者Cの立場ははなはだ不安定なものになる。また合意解除の濫用を招いたりする。そうすると借家権の援用を認めた意味がなくなるおそれがある。したがって、合意解除があっても家主は、借家権の援用者Cに立退を求めることはできないというべきである。ただし、援用者Cに不信行為があるなど、相続人と家主とが合意解除することに特段の事情がある場合は、家主は合意解除を理由にCに立退を求めることができる。本件では右の特段の事情はないからAのCに対する立退請求は認められない」。

 (短評)
 結婚の届出をしないという形式的理由だけで内縁の配偶者に一切の権利を認めないというのはいかにも不合理である。本件でもCが立退かなければならなとすれば酷である。そこでCの権利を保護するためにいろいろな学説がとなえられてきた。

 この判決は「援用」の対象たる借家権そのものが合意解除されても原則としてCの立場には影響はないとしたものである。妥当な考え方である。一旦自分の上に合法的に他人の権利が直接又は間接にでも乗った以上、やたらその他人の権利を無視することはできないということである。  1990.04.


(東借連常任弁護団)



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事業用定期借地権の期間延長に 

2007年12月19日 | 最新情報
事業用の定期借地権の設定期間を柔軟にするための改正借地借家法が14日午前の参院本会議で可決、成立した。「10年以上20年以下」に限っていたが、上限を撤廃。投資回収に時間がかかる大型商業施設などにも適用可能となる。施行は来年1月1日。自民、公明両党が提出した議員立法に民主党が歩み寄り、衆院法務委員長が提案した形での決着となった。(日経)


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相続による所有権取得登記前の賃貸人の地位の継承は賃借人に対抗できない

2007年12月18日 | 最高裁と判例集
相続による所有権取得登記前においては賃貸人の地位の継承を賃借人に対抗できず、賃料の不払を理由とする契約解除は効力が生じないとした事例 (東京地裁昭和63年10月3日民事第40部判決、未掲載)

 (事案)
 AはYに建物を賃貸していたが、この契約では、賃料の支払を2ヶ月でも怠った場合には何等のの催告を要せず契約を解除しうる約定が存していた。

 Yは昭和57年8月以降の賃料を支払わずにいたところ、Aは建物をXに譲渡し、Xは昭和61年10月2日に賃貸人の地位の継承により前記賃料不払を理由にYに対し契約解除の通知をなし建物の明渡しを求めて本訴に及んだ。

 YはAの所有権取得につき相続登記を経由していないから、家賃の支払を留保していたのであって、Aの賃料支払の催告は、右登記を経由していない間のものであるからYに対抗しえず、効力がないと争った。

 Xは、Yは相続登記前からAに建物の修繕要求をし、Aがこれを拒絶したため賃料を支払わないのであり、YはAが本件建物を相続したことを知った上でAの被相続人死亡後も3年間にわたりAに賃料を支払ってきたのであり、登記のないことを争うYの主張は理由がないと争った。


 (判示)
 「不動産を相続又は売買により取得した者は、その所有権移転登記を経由しない間、及び右の登記を経由した後であってもこれを賃借人が知らない間は、同人に対し、その所有権を取得したことにより賃借人の地位を継承したことを対抗することができないところ・・・・・・

 Aは被相続人の共同相続人の1人にすぎなく、Aが本件建物の全部を相続したのは昭和60年以降に共同相続人で協議した結果であること、昭和57年7月頃AがYに賃料を請求したのに対し、Yの弁済しなかった理由の1つが、Aが相続登記を経ていなかったことであること、ならびにYが前示のAおよびXの各所有権移転登記のなされていることを知ったのは昭和62年1月頃であることがそれぞれ認められる。

 YがAの本件建物の相続による賃貸人の地位の継承を認めて昭和57年8月から昭和61年9月分までの賃料及び遅延損害金の合計として79万8256円を供託したのは、Xから契約解除の通知のあった昭和61年10月2日以降であることが認められる。

 また、Aの被相続人死亡後も、Yが昭和57年7月分までAに本件建物の賃料を支払っていた事実は・・・・・被相続人の生前、Aが被相続人の代理人として賃料を集金していたので、同人の死亡後も同様に集金に来たAを共同相続人の代理者として同人に賃料を支払っていたにすぎず、Yが相続によるAの本件建物の賃貸人の地位を承認したものではない」として、Xの請求を棄却。


 (寸評)
 判旨に異論のない原則問題そのものであるが、日常の運動の中で忘れてはならない法律上の原則問題を思い起こしてもらう意味であえて紹介した。同種の紛争は多いので念のため。  1989.09.


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より



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店舗の無断改装工事が重大な義務違反に当たらず、契約解除がむこうと

2007年12月17日 | 最高裁と判例集
店舗賃貸借契約の特約条項に違反して無断で改装工事をしたことが、背信的かつ重大な義務違反に当らず、解除が無効とされた事例 (東京地裁平成5年9月27日判決)


 (事案)
 Y(賃借人)はX(賃貸人)から地下ショッピングセンター街の1部を賃借し(①)(②)(③)の3店舗を経営していたが、右賃貸借契約の特約条項(ショッピングセンター街の多数の賃借人を集団的に規律するための手続条項)に違反して無断で改装工事をしたため、Xは特約条項違反を理由に賃貸借契約を解除し店舗の明渡を求めた。

 裁判所は、無断改装工事が特約条項に違反することは認めたが、右義務違反の内容・程度は背信的かつ重大なものとは言えないとしてX(賃貸人)の請求を棄却した。


 (判決)
 本判決は、
 先ず、①賃借人が特約条項に違反したとして契約の解除を認めるためには、当該業務違反が背信的かつ重大なもので、地下ショッピングセンターの店舗という特殊性を正当に考慮したうえで賃貸人と賃借人との信頼関係を破壊するものでなければならず、単なる集団的規律のための手続条項違反では直ちに契約を解除することはできないとし、
 さらに、②本件の賃料及び諸経費が高額で、解除に伴って生じる経済的効果も大きいから、解除原因となりうる義務違反の程度もそれに相応した重大なものでなければならないとしたうえで、本件について次のように判断した。

 ①(①)の店舗の内装工事はラーメン店を同一系列の飲食店である中華料理店としての内装にふさわしいものに変更したにすぎないこと、

 ②右内装工事の着工後とはいえ、YはXの求めに応じて(1)(2)の店舗につき改装工事の承認申請書を提出し、Xも条件付ながら一旦は承認しており、内装工事自体に承認を拒否する合理的な理由はなかったと考えられること、

 ③Yは右条件を履行していないが、条件を迫るXの態度は性急で強引であること、

 ④(3)の店舗の改装工事は美観その他の点で格別の問題は生ぜず、予め承認申請していればXが拒絶すべき合理的理由はないこと、

 ⑤その他の無届休業・「防火管理確認標」の提出懈怠・店長会議への欠席などは賃貸借契約にとっては必ずしも重大な義務違反とはいえないこと等に照らすと、

 Y(賃借人)の義務違反の内容・程度は、賃貸借契約の解除原因を構成するする程度には背信的かつ重大なものとは言えない。


 (寸評)
 建物賃貸借契約において無断改装などの契約違反があっても、それが背信行為に当らない場合には契約解除は認められないとするのが確定した判例である

 本判決はショッピングセンターの賃貸借についても2つの法理が適用されることを確認するとともに、その背任性の存否についての詳細な認定は、通常の建物賃貸借における背信性の程度を判断するにあたって参考になるものである。  1994.09.


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より



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