東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

賃貸住宅の相談Q&A

2024年09月20日 | 法律知識
Q 賃貸借契約締結に当たって、家賃の支払い方法を指定されました。従う義務はありますか。
A 賃貸借契約はあくまでも貸主と借主の合意が原則となります。当該物件の賃貸借契約を締結するためには、その家賃の支払い方法には従わなくてはならないと考えられます。
解説 家賃の支払い方法は、賃貸借契約の履行方法についての当事者の合意となり、契約自由の原則によって、債務の履行方法に関する合意も有効であると考えられます。従って、現金持参、口座振込みといった家賃の支払い方法に関して合意している場合は、当該方法に拘束されます。
 入居する際に、クレジットカード払いでしか家賃の支払いを受け付けられないと言われた場合には、納得がいかなくてもクレジットカードに申込み、手数料も借主が負担することになります。(賃貸借トラブルに係る相談対応研究会『民間賃貸住宅に関する相談対応事例集』)

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最後のとりでの生活保護 未払いのウラに何が?

2024年09月20日 | 法律知識

いま、生活保護の申請数が増加しています。去年は全国で25万件を超え、この10年で最多となりました。そして、受給する世帯数は現
在、約165万世帯に上っています。最後のセーフティーネットと言われる生活保護ですが、群馬県桐生市では、保護費の未払いなど不
適切な対応が発覚しました。取材を進めると、生活保護からの自立に向けた行政側の対応に、課題が見えてきました。
(クローズアップ現代 取材班)

生活保護費が未払い 男性の訴え

「生活にあてる保護費は1日1000円の支給で、未払いの月もありました」
こう話すのは桐生市の60代の男性です。
建設関係の仕事をしていましたが、持病の糖尿病が悪化して合併症を発症。いまもインシュリンの注射が欠かせません。仕事を続けら
れなくなり、去年7月、市に生活保護を申請しました。
生活保護は認められて、男性は日常生活に必要な費用「生活扶助費」として月7万円余りを受け取ることになりました。しかし市の担
当者に思いもよらないことを告げられたといいます。
男性
「ハローワークへ毎日行って確認のハンコを見せてもらえたら1000円渡しますよと言われました。『行けないときはどうなるのです
か』と尋ねると『1000円はもらえませんよ』と言われ、受け入れるしかありませんでした」
男性は、毎日、地元のハローワークに通い続け、そこでもらったハンコを市役所で見せて1000円を受け取る生活が約2か月続いたとい
います。月に換算すると3万円あまりにしかなりませんでした。本来の金額のおよそ半分でした。
男性
「物価も上がっているなか、1日1000円では野菜は買えず、スーパーで半額になった揚げ物やカップラーメンを買って食べていまし
た。また、害虫を駆除するための殺虫剤も買えませんでした。生活は苦しいなんてものではありませんでした。でも、市に逆らってお
金がもらえなくなると、生活ができないので我慢していました」
男性が頼ったのは、生活に困窮する人の支援活動を長年続けてきた地元の司法書士・仲道宗弘さんです。男性は仲道さんと一緒に市と
交渉し、ようやく未払い分を受け取れました。
「桐生市の生活保護行政がおかしい」と訴え続けた仲道さん。去年11月に会見を開き、実態を告発しました。仲道さんに頼った男性も
「仲道さんがいなかったらいまだに1000円で生活していたと思います」と話していました。

市は自立支援を重視するあまり…

仲道さんらの指摘などを受けて、去年12月になって、桐生市は複数の不適切な対応があったことを公表して、謝罪しました。
市によりますと、2018年以降、市内で生活保護を受給する11世帯に対して保護費を分割で支給した上で全額を支払っていなかったとい
うことです。
なぜ市はこのような対応をとったのでしょうか。
市は去年12月の市議会で、「国が出した通知にのっとった」と回答しています。
その通知には、「就労可能な受給者に対しては集中的な自立支援を行い、生活保護の脱却を目指す」方針が示されていました。市はこ
の通知をもとに、働くことができると判断した人は、男性のようにハローワークに通ってもらうなど、自立支援を行ったと説明してい
ます。そして、ことし9月、NHKの取材に対して、この通知の受け止め方に課題があったと答えました。
桐生市保健福祉部 宮地敏郎 部長
「国の方針の受け止め方という部分では、自立支援を頑張らないといけないというところに重きを置きすぎたことが、結果的に受給者
の意に反した対応になったと思っている。面談で働けると判断された人は、『頑張ってやろう』というやりとりがあったときに、アグ
レッシブに指導したというようなところはあったのかと思う」
この不適切な対応をめぐっては裁判になっています。
桐生市側は、男性に対して保護費を全額支給していなかったことの違法性は認めているものの、保護費の分割支給については男性との
間で合意があり、ハローワークでの求職活動を支給の条件にはしていなかったと主張しています。
一方、男性側は、1日1000円の支給も求職活動が条件だったなどと主張しています。

支援団体に相次ぐ情報提供

桐生市の実態を告発した仲道さんはことし3月、くも膜下出血のために亡くなりました。その仲道さんの思いを受け継ぎ、生活困窮者
を支援する団体が調査に乗り出しています。
団体は情報提供を呼びかけるチラシを作り、市内で4000枚以上配ると、ことし8月までに50件以上の声が寄せられました。
保護費の未払いのほか、生活保護の申請を拒否された、受給後に辞退を迫られたという訴えもありました。なかには「ほかの自治体の
介護施設に入り、そこで生活保護の申請を」と告げられたという声や、「家計簿をつけるように言われ、『レシートがないぞ』『何に
使った』と執ように責められた」という訴えもありました。
「反貧困ネットワークぐんま」町田茂さん
「桐生市では、生活保護を申請させないように力を入れていた疑いや、生活保護の受給ができた人も、そのあと辞退や廃止に追い込む
ような働きかけが行われていた疑いがある。いまわかっていることは、まだまだ氷山の一角ではないかと思う」
このように支援団体が主張する背景にあるのが、桐生市の人口に占める受給者の割合を示す保護率です。国や県の傾向とは異なり、桐
生市では年々減少。世帯数も過去およそ10年で最も多かった902世帯から、490世帯に半減しているのです。

“申請を拒否された”という訴え

群馬県がことし6月に公表した、桐生市に対しての特別監査の結果でも、窓口を訪れた市民が生活保護を申請しようとしても受け付け
なかった「申請権の侵害」が疑われる対応が複数あったと指摘されました。また、今後の生活の見通しについて確認ができないまま、
廃止としたケースも複数あったとしています。
実際、生活保護を申請しようとして市に拒否されたと支援団体に訴える別の男性が取材に応じてくれました。男性は、5年前に難病を
発症し、当時働いていた会社を退職せざるを得なくなりました。生活に困窮したため、3年前から繰り返し、市の窓口に行きました
が、生活保護の申請書をもらえなかったといいます。
男性
「障害年金はもらっているのですが、どうしてもそれだけではきついということで申請に行きました。しかし、全然申請書も出しても
らえず、こちらが意見を言おうとすると『何を言っているんだ』という高圧的な態度を取られて心が折れました。最後のとりでだと
思って、こっちは頼っていたわけなのですが…」
こうした訴えについて、桐生市の担当者は取材に対して次のように述べました。
桐生市保健福祉部 宮地敏郎 部長
「申請の拒否については、県の特別監査の指摘でも疑われている部分ではある。そのため、私たちの方から『無かった』とも申し上げ
られない。また、生活保護の辞退の強要はしていなかったと考えていて、本人の意思で辞退されたと受け止めている。ただ、もしその
ように相手に取られるような対応があったとすれば、改善していきたい」
そして、公務員としての規範意識を低下させるような組織体制や職場風土があったことなどが、不適切対応をした一因であったことも
否定できないと説明しました。
今月、桐生市は再発防止に向けた対応策を発表しました。
生活保護費は全額支給を基本とし、分割で支給する場合は受給者の生活を最優先に考え回数を最小限にとどめ、月内に全額を渡すこと
を徹底するとしています。また、職員向けのマニュアルや事務処理の手引きを作成し、生活保護の申請の際に説明にばらつきがでない
よう取り組むことにしています。

取材を終えて

司法書士 仲道宗弘さん
今回、私たちが取材する中で一番印象に残ったのは、桐生市で起きた生活保護費の未払い問題を告発した、司法書士の仲道宗弘さんの
姿勢です。
桐生市の実態を告発したあと亡くなった仲道さん。
家族によりますと、仲道さんは「国家資格を持つ者は国民のために働くんだ」と、たびたび口にし、生活に困窮した人たちに最後まで
向き合い続けたといいます。家に帰って寝られる日は少なく、週の半分ほど職場の机の前で寝ていたといいます。
病気や障害などで生活が苦くなった人たちにどのように向き合っていくべきか。
仲道さんの姿勢に大きなヒントがあるように感じました。
桐生市の第三者委員会の検証は続いています。
再発防止に向けて、その結果にも注目したいと思います。
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借地借家問題市民セミナー  10月12日 武蔵野公会堂で開催

2024年09月19日 | 法律知識
借地借家人のためのやさしい法律の学習会と相談会 相談しておけばよかった!………というケースが必ずあります。

こんな問題で悩んでいませんか?
◎賃貸借契約の更新、更新料の請求
◎大地主の死亡や地主の相続で発生する問題
◎地代・家賃の増額請求の対応
◎賃貸住宅の老朽化・耐震不足を理由とする明渡し
◎ブラック地主問題(借地の底地の不動産業者への売却)
◎賃貸住宅の原状回復、敷金の返還
◎大規模災害が起きた場合の借地権・借家権

日時 10月12日(土)午後1時30分開会

会場 武蔵野公会堂・第5会議室(JR吉祥寺駅南口徒歩2分)

※組合役員が親切に相談にのります。 借地借家人の権利は借地借家法・消費者契約法などで守られています。

東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094


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住宅セーフティネット法の改正で高齢者の居住の安定は大丈夫か

2024年09月19日 | 法律知識
 住宅セーフティネット法の一部改正法と生活困窮者自立支援法の一部改正案が先の通常国会で可決成立しました。
 法改正の背景としては、単身高齢者の増加や保証人が立てられない、高齢者・障害者・低額所得者に対する賃貸人の入居拒否感が強く、賃貸住宅が借りられない。自治体の自立支援相談機関にアパートが借りられない。住まいはネットカフェなど不安定である。家賃が高く生活が困窮している等の住宅に関する切実な相談が増えていることがあるようです。
 とくに、高齢者の場合は、賃借人が亡くなった後の賃借権の相続問題、残置物処分などが障害となっています。昔は賃借人の相続人や親せき等がこうした問題に対応できましたが、現在は身寄りもなく、親戚があっても頼れなくなっています。
 病気で入院する場合にも保証人がいないと、病院から入院を拒否されることがあるようです。住まいも同様で、今後60歳以上の単身者が賃貸住宅に入居に当たって、入居者死亡時の契約の解除や残置物の処分について居住支援法人等に委任契約が必要となります。
 法案では、家賃債務保証業者の認知制度を創設し、高齢者や低額所得者など要配慮者の保証を拒否しない。また、居住サポート住宅認定制度を創設し、居住支援法人が要配慮者のニーズに応じて、安否確認・見守り、病気になった場合に適切な福祉サービスへのつなぎを行う住宅を積極的に供給する制度となっています。住まいに関する相談窓口から入居前、入居中、退去時の支援まで。住宅と福祉が連携した地域における総合的・包括的な居住新体制を整備するとしています。法律は来年秋から施行することですが、本当に実効性のある内容になるかどうか今後とも検証が必要です。


































































































































































 









ます。昔は賃借人の相続人や親せき等がこうした問題に対応できましたが、現在は身寄りもなく、親戚があっても頼れなくなっています。
 病気で入院する場合にも保証人がいないと、病院から入院を拒否されることがあるようです。住まいも同様で、今後60歳以上の単身者が賃貸住宅に入居に当たって、入居者死亡時の契約の解除や残置物の処分について居住支援法人等に委任契約が必要となります。
 法案では、家賃債務保証業者の認知制度を創設し、高齢者や低額所得者など要配慮者の保証を拒否しない。また、居住サポート住宅認定制度を創設し、居住支援法人が要配慮者のニーズに応じて、安否確認・見守り、病気になった場合に適切な福祉サービスへのつなぎを行う住宅を積極的に供給する制度となっています。住まいに関する相談窓口から入居前、入居中、退去時の支援まで。住宅と福祉が連携した地域における総合的・包括的な居住新体制を整備するとしています。法律は来年秋から施行することですが、本当に実効性のある内容になるかどうか今後とも検証が必要です。
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「部屋が借りられない」1人暮らしの高齢者 苦しい賃貸事情 100歳時代の生き方

2024年09月06日 | 法律知識

1人暮らしの高齢者が賃貸住宅への入居を断られるケースが後を絶たない。国土交通省の調査によると、大家の約7割が高齢者に住宅を
貸すことに拒否感があるという。孤独死などのリスクへの懸念があるとみられる。1人暮らしの高齢者は増加の一途で、対策は急務
だ。
東京都内の分譲マンションに賃貸で住んでいた自営業の74歳の男性は昨年6月に妻に先立たれ、1人で暮らしていた。今年4月、部屋の
所有者から「売却する」と立ち退きを求められた。男性は不動産会社で部屋を探したが、希望した3つの物件はいずれも断られた。
「都営住宅も条件に合う物件は空きがないようで、もうだめだと思った」
男性は役所に紹介された居住支援法人「高齢者住まい相談室こたつ」(東京都立川市)に駆け込んだ。
居住支援法人は都道府県から指定を受け、住まいの確保が困難な高齢者などの入居を支援する。高齢者住まい相談室こたつは、デイ
サービスなどを運営する「こたつ生活介護」が平成29年に開設。松田朗室長は「身寄りのない1人暮らしの高齢者の住居探しはハード
ルが高い」と話す。
1人暮らしの高齢者は令和2年時点で738万人。22年までには1千万人を超えるとの推計もある。国交省の調査によると、高齢者に対して
拒否感がある大家は66%。高齢者の入居を制限する理由は「居室内での死亡事故などに対する不安」が約9割と圧倒的に多かった。孤
独死のほか、残された物の処理などの懸念もあるとみられる。日本少額短期保険協会の調査では、孤独死で残された物の処理に平均23
万7218円、原状回復に平均39万7158円かかるという。
高齢者ならではのハードルもある。高齢者などの住宅探しを支援する、東京都台東区の「家や不動産」の會田雄一代表取締役による
と、年金暮らしや歩行困難のため「家賃5万円以内」「1階またはエレベーター付き」など、条件が厳しくなりがちだという。會田さん
は「大家さんや管理会社も生活がかかっている。誰が悪いわけではない。高齢者の住まい探しには公的な支援も必要だ」と話す。
冒頭の男性は介護保険制度を利用しておらず、親族もいないため、まず民間の身元保証サービスを利用。見守りサービスがついた家賃
債務保証も契約し、部屋を借りることができた。
松田室長は「1人暮らしでもデイサービスやホームヘルパーなど、福祉と緊密につながりを持つことが大切だ。しっかりした見守り体
制があれば、大家さんの理解を得られることもある」と話す。
東京都内で賃貸業を営む水澤健一さんは、1人暮らしの90代男性に部屋を貸した経験を持つ。「緊急連絡先が家族で、ヘルパーが毎日
訪問するため不安はなかった。今後も見守りサービスなどを活用することで、1人暮らしの高齢者を受け入れていきたい」と話す。
水澤さんは大家仲間と勉強会を開いている。空き部屋の増加が深刻で、高齢者に貸すことに抵抗がない大家も多いそうだ。「身元保証
や見守りのサービス、家賃債務保証などの情報を大家と管理会社で共有すれば、高齢者入居への理解も進むだろう」と指摘する。

国は「居住サポート住宅」を新設

高齢者や障害者など要配慮者の住まいの確保を進めるため、国は「住宅セーフティネット法」を改正、来年秋ごろの施行を目指す。
法改正で新設されるのが「居住サポート住宅」だ。居住支援法人がニーズに応じて安否確認や見守り、福祉サービスにつなぐ住宅で、
市区町村などが認定する。大家の不安低減などを目的にしている。また、入居者の委託に基づき、居住支援法人が残された物の処理を
行うことを推進する。
もともと法では「要配慮者の入居を拒まない住宅(セーフティネット登録住宅)」を設定。大家など賃貸人は国や地方公共団体などに
よる改修費の補助や融資、家賃を抑えるための補助などが受けられ、入居者は居住支援法人などから入居に関わるサポートを受けられ
る。しかし補助制度がある自治体はまだ少ない。
高齢者の部屋探しを支援する「R65」(東京都港区)の山本遼代表取締役は「居住支援法人への支援が十分でない。法改正で、高齢者
のニーズに合った住宅を確保できるかどうか、注視していきたい」と話している。(本江希望)

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地主の一方的不利な契約の締結と更新料の請求をきっぱりと拒否する

2024年09月04日 | 法律知識
 調布市入間町で約27坪を借地している加藤さん(仮名)は、今年の7月1日に契約の更新を迎え、地主から依頼された不動産会社が更新に関する書類を持ってきた。更新契約書には、賃料現在月額2万8938円を月額3万240円に改定した上に、2年毎に2%加算し、別表で20年後まで2%加算した地代額が書かれていた。さらに、更新料については「本契約を更新するときは、乙は甲に対して更新料を支払わなければならない。その金額は、その時点での路線価で算定した更地価格の4%とする」と明確な算式がある。
加藤さんは、昭和59年の契約書には「賃料の改定は、2年ごとにその時点の賃料に10%加算し新賃料とする」と不当な契約を結ばされた。このままでは地代を支払えなくなると思い、組合に相談し、平成14年7月分から値上げを拒否し、地主は裁判に訴えてきた。加藤さんは組合の顧問弁護士を代理人に立て、地裁・高裁と争い、地代が借地借家法11条の趣旨に照らし、不相当になった時は地代自動改定特約の効力が否定されるとの判決が出て全面勝訴した。今回はきっぱりと契約書の作成を拒否。すると今度は地主の代理人弁護士から更新料を支払うよう請求。代理人は更新料を払わないと契約解除の理由になると脅かしてきたが、前契約書には明確な更新料特約はなく、更新料について協議には応じないときっぱりと拒否した。(東京借地借家人新聞より)

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日本住宅会議2024サマーセミナー開催 急性期を脱していない能登地域

2024年09月03日 | 法律知識
 日本住宅会議2024年サマーセミナー「多発する大災害を教訓とした被災者の住まい・生活再建」が9月1日午後1時半から開催された。台風の影響で会場開催を見合わせ、オンラインで開催した。29年前の阪神淡路大震災以降、我が国は多くの災害が発生し、被災者支援等多くの課題と問題点が十分に生かされていない点などが明らかにされた。
 サマーセミナーは児玉善郎・日本住宅会議常任理事の司会で開会され、5人の学者・研究者から報告がされた。
 第1は「住宅復興の教訓~東日本大震災の復興検証」と題して、みやぎ震災復興研究センター事務局長の遠州尋美氏が講演。東日本大震災では人より安全なまちの再建が優先され、仮設住宅の解消に最大10年もかかり、住まいの再建の遅れと被災者離散を招いた。また、半壊や一部損壊は支援が不十分で、修理もできず損壊住宅に住み続ける被災者が発生している。また、災害公営住宅入居しても3年後に入居収入基準(公営住宅の基準)を超えていると割り増し家賃を徴収される。岩手県では入居収入基準を25万9千円に引上げ、東松島市では家賃を一律3割引き下げたところもある。能登半島地震からの復興に向けて、発生時の住宅損傷で罹災判定ではなく、命・人権を守ることを目的に住まい確保支援を行うべきであると強調した。
 第2は「復興過程における被災者の社会的孤立・孤独死を防ぐ居住政策の課題」について、追手門学院大学教授の田中正人氏が講演した。孤独死問題は高齢化・単身化の下で増加し、介護・貧困・社会的排除など様々な社会課題の結末と被災地における被災者の社会的孤立問題の帰結として孤独死問題が起きていると報告した。
 第3は「高齢化が進む大規模災害被災地における被災者の住まい・生活再建の課題と横浜の地域事前復興の取組み」について横浜市立大学准教授の石川永子氏が講演。能登半島地震で珠洲市の住民座談会に参加した経験を報告した。また、令和元年に発生した都市化型水害の住宅再建について川崎市で起きた河川の氾濫により浸水被害について被災エリアの462世帯を調査した結果を報告した。川崎市は、床下浸水叉は床上浸水の被害を受けた住宅・住居で半壊・一部損壊の状態が罹災証明で確認できる場合には一律30万円を支給した。借家世帯では、制度を知らないためか受給率が低かった。水害保険の未加入者などへの被災者への経済的な支援が必要であると指摘した。
 第4は「過疎・人口減少が進む大規模災害被災地自治体における住まい・生活復興対策の課題」について北陸学院大学教授の田中純一氏が講演した。能登半島で8月27日現在、断水1054戸(珠洲市742戸、輪島市312戸)、避難者数775人(1次437人、1・5次17人、2次避難所321人)、35都道府県公営住宅入居者555人、県内外福祉施設入所者約1400人という状況で、いまだ「急性期」を脱していないと能登地域の現状を報告した。
 第5は「原発災害からの復興~被災者・被災地が向き合える復興過程のあり方」について福島大学名誉教授の鈴木浩氏が講演した。原発災害からの復興について被災者や被災自治体などが共有できる「復興の姿」が見えない。原発事故の終息や廃炉の道筋が見えない中で、廃炉までの長期間に地震津波等どう対応するのか等指摘した。


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路線価格3年連続上昇 地価の高騰で賃料増額問題、地上げ問題が発生か

2024年09月02日 | 法律知識
 国税庁は7月1日に、今年1月1日時点の路線価を公表しました。全国平均は前年比の2・3%増で、3年連続上昇した。外国人客の回復や各地で行われる再開発、住宅需要の高まりが地価を押し上げていると言われる。
 税務署ごとの最高路線価の上昇率1位が長野県白馬村(32・1%増)、2位が熊本県菊陽町(24%増)で、半導体メーカー「台湾積体電路製造(TSMC)」の進出が要因。3位が大坂西区(19・3%増)
で、隣接する同市福島区に建設中のタワーマンション(46階建て)は平均販売価格が1億円を超え、JR大阪駅北側で大規模開発が進みマンションやホテルの需要が増えているとのこと。
 地価の高騰は、マンションや建売住宅の高騰、賃貸マンションの家賃の上昇、地代の値上げにもつながり、借地借家人にも影響を与えます。地価の上昇で儲けているのは一部の不動産資本や外国人投資家です。路線価の上昇で借地人の住む土地を地上げ屋に売却する動きもさらに強まることが予想されます。
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残置物モデル契約条項 受任者が居住支援法人になると安否確認、残置物処理費用はどうなるのか

2024年09月02日 | 法律知識
 単身高齢者が急増し、最近民間賃貸住宅等においては、相続人の有無や所在が明らかでない単身者が死亡した際の賃貸借契約の解除や居室内に残された残置物処理の不安感から、高齢者の入居の申込を賃貸人が拒否することが問題になっています。
 国交省と法務省は、賃貸人の不安感を払拭するために、死後事務委任契約を締結する方法について検討を行い、2021年に60歳上の単身者を対象にした「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を発表しました。
 賃貸住宅の契約締結時に、①賃借人が死亡後、賃貸借契約の解除を行う代理権を受任者に授与する。②受任者に対し、賃借人の死亡後に残置物の廃棄や指定先へ送付する事務を委任する。以上2つのモデル契約を受任者との間で締結することになります。
 受任者になれるのは、入居者の推定相続人か、それが難しければ居住支援法人か管理業者とされています。居住支援法人に指定される法人とは、NPO法人、一般社団及び財団法人、社会福祉法人、居住支援を目的とする会社等です。居住支援法人の行う業務とは、①登録住宅の入居者への家賃債務保証、②住宅相談などの賃貸住宅への円滑な入居に係る情報提供・相談、③見守りなど要配慮者への生活支援、④①~③に附帯する業務とされ、必ずしも①~④の全ての業務を行わなくてもよいとされています。
 今後の問題として、安否確認・見守り費用、残置物処理費用、契約終了時の原状回復費用等について誰が負担するのか、モデル契約条項では残置物処理等の費用の清算は賃借人の相続人に請求できるとされているが、トラブルを避けるため賃借人に入居前に高額は預託金を請求されることも懸念される。(全国借地借家人新聞より)

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東京都の空き家89万7900戸、空き家の7割は賃貸住宅

2024年08月29日 | 法律知識
 令和5年10月1日現在の東京都の総住宅数は819万8900戸、5年前より52万7300戸増加している。この内、空き家は89万7900戸で、この内賃貸用の空家は62万9900戸と全空き家の7割を占める。平成5年(1993年)の空き家数53万戸と比較すると30年間に1・7倍に増加している。
 「住宅の建て方」では、
共同住宅が517万4700戸で、居住世帯のある住宅の71・6%と高い割合である。「住宅の構造」では、木造232万8700戸に対し、非木造の鉄筋・鉄骨コンクリート造417万7300戸、鉄骨造71万6400戸と、鉄筋コンクリートの共同住宅が急激に増えている。
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群馬・桐生市の生活保護費問題 分割支給「20年前から」内部調査チームが報告

2024年08月28日 | 法律知識

群馬県桐生市の不適切な生活保護費の運用をめぐり、問題となった分割支給が少なくとも2003年ごろからすでに行われていたこと
が新たに明らかになりました。
これは、21日開かれた第三者委員会の会合で市職員による調査チームが明らかにしたものです。市では、生活保護費をめぐる問題を
受け、書類や職員への聞き取りなどによる内部調査をことし2月以降に進め、その結果を報告しました。
それによりますと、保護費を月ごとの満額支給せず窓口で手渡しによる分割支給を行っていたケースは、少なくとも2003年ごろに
は行われるようになり、去年、市が公表するまでのおよそ20年間続いていたということです。
また、福祉課内に保管された印鑑の数は1948本に上ることが分かりました。この印鑑の預かりは、1989年ごろにはすでに行わ
れていたことも確認され、中には受給者の同意を得たとして職員側が自腹で購入したケースもあったということです。
受給者に代わり押印する不適切な行為が続いてきた背景について、「受給者の利便性向上と職員の負担軽減を図る目的で、問題と感じ
る職員も半数以上いたが先輩職員から処理方法を教えられ代々引き継いできたもの」と内部調査チームは結論付けています。
第三者委員会の委員長を務める吉野晶弁護士は、「本来公務員は勤勉でこのような規則に外れたことは行わないはずで、『事務処理の
慣例』だけが原因にあったのかを含め今後、背景について調査したい」と述べました。
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住宅団体が夏季研修会 住宅と健康、死亡リスク

2024年08月26日 | 法律知識
 7月20日、台東区台東1丁目会館にて2024年住宅団体夏期研修会「住宅と健康、死亡リスク、公的賃貸住宅、民間賃貸住宅などをめぐって」が開催され、会場とオンラインで40人が参加しました
 開会に当たり、住まい連代表幹事の坂庭国晴氏が挨拶し、コーディネーターに住まいの貧困ネットの司法書士の加藤裕子氏の司会で研修会が進められました。
 住宅種別と死亡の関係について、千葉大学予防医学センターの花里真道准教授ら研究チームが9市町村の4万7千人の高齢者を2010年から9年間を追跡し、検証しました。
 高崎経済大学の佐藤和宏准教授より「研究論文の読み解きと論点」について問題提起の報告を行い、居住者の居住形態と死亡リスクとの関連を初めて調査し、民間賃貸住宅に住む参加者は持ち家に住む参加者は死亡リスクが1・45倍高い、公的賃貸住宅とでは1・17倍高いことが明らかになった。
 阪東美智子・国立保健医療科学院、中島明子・和洋女子大名誉教授、大本圭野日本住宅会議元理事長より問題提起がされ、死亡リスクを減らすにはどうしたらよいのか分析が必要であるとの意見が出されました。居住者団体からの報告・発言では、公営住宅協議会、神奈川公団住宅自治協。公社自治会協議会、全国借地借家人組合連合会の代表が発言し、全借連からは細谷事務局長が報告しました。
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京都市が老朽借家に修繕・除去の勧告書 家主が早速明渡し請求

2024年08月26日 | 法律知識
二村さんは十数年前に家主から老朽化による賃貸借契約解除通知を受けました。しかし、その後も家主は家賃を受け取り、明け渡しの話しは家主から出ず、何の問題もなく過ごしてきました。また、建物は古いですが台風や地震でも雨漏り等も起こっていませんでした。
昨年暮れに突然京都市の職員が二村さんを訪れ、「勧告書」を手渡しました。「勧告書」は家主にも届けられました。
「勧告書」には、所有されている建築物は、大きな傾きがあり、倒壊する危険性が高いので「早急に建築物の修繕、除却等その他必要な措置を講じるよう、勧告します」と書かれていました。
家主は、10数年何も言ってこなかったにもかかわらず「勧告書」を見て直ぐに弁護士を通じて明渡しを請求してきました。
家主は、修繕をすることなく建物を解体するより方法がないと決めつけ、京都市の勧告書で正当事由が満たされたと契約解除を正当化しています。しかし、京都市に根拠を尋ねても明確な回答はありません。
二村さんは、高齢のためこの地を離れることはできないと裁判も辞さない決意です。京借連は、京都市の「勧告書」が明け渡しの引き金になっていることから京都市が指導・勧告している件数や勧告後の措置をどのようにしているのかなどを調査して京都市への働きかけを行っていく予定です。(全国借地借家人新聞8月号より)
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更新料不払いで裁判所から支払督促

2024年08月02日 | 法律知識
 福生市でアパートを借りているMさんは、最近になって管理会社のJPMCシンエイの社員から更新料を支払えと電話があり、恐怖心もあり着信を拒否していました。6月に入り、青梅簡易裁判所から令和2年・令和4年の2回分の更新料72,000円と年3%の遅延損害金3,188円の支払督促が送られてきました。支払督促送達から2週間以内に異議申し立てをしないときは、債権者の申立てによって仮執行宣言すると書かれていて、驚いたMさんは以前相談したことのある当組合に連絡してきました。
 組合では、至急裁判所に支払督促の異議申立書に記入し、異議を申立てるようアドバイスしました。管理会社の2回分の更新料ですが、Mさんは十数年前から更新料の支払を拒否し、賃貸借契約は法定更新しています。令和2年・令和4年も賃貸借契約書に署名しておらず、全くのでっち上げです。立川市内にある同管理会社は悪名高い業者で以前、宅建業法違反で一時業務停止処分を受けたこともあり、賃貸借契約書の条文が消費者契約法違反で適格消費者団体の消費者機構日本から契約書の条文の差止請求を受けたこともある不動産業者です。
 支払督促に異議の申し立てをすると、裁判になります。Mさんは再度組合に入会し、裁判になった時は弁護士を紹介すると伝えました。更新料を支払督促で取り立てるとは、管理会社の新手の手法であり注意が必要です。
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借地権活用セミナー 9月14日に開催

2024年08月02日 | 法律知識
 借地人の高齢化に伴って、高齢者施設に入居したり、亡くなって空き家になり、相続人が借地をどう活用したらよいか悩んでいる方が増え、組合にも多数相談が寄せられています。地主に借地権を買い取ってもらえるケースもありますが、これも地主さん次第で、必ず買い取ってもらえるとは限りません。最近では、借地人をとりまく状況も激変し、地主がある日突然、不動産業者(地上げ屋)に売却する事例も急増しています。
 そこで、組合の協力団体である生協・消費者住宅センターの役員の方から、同センターで実践した借地権の活用等について報告を受け、組合員の皆様と借地権の活用法について一緒に考えていきましょう。
●日時 9月14日(土)午前9時半開場、
10時開会  (参加無料)
●会場 立川市女性総合センター5階第2会議室(立川駅北口徒歩7分)
●講師 生協・消費者住宅センター
副理事長 大関恵士氏
●定員 20名(申し込み順)
●申込み 組合事務所まで(参加者は組合員限定)
 未加入の方は、組合に入会受け付けます。
 電話 042(526)1094

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