東京多摩借地借家人組合

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東京都が東借連など住宅運動団体の2024年度住宅

2024年04月30日 | 国と東京都の住宅政策
 東京住宅運動連絡会が提出した2024年度の予算要求書に対し、東京住宅政策本部は3月1日付で回答書を書面で提出した。同連絡会に参加している東借連は、今年度27項目を要求した。東京都は都内8団体から提出された都民の切実な住宅要求に対し、協議する場も設けず回答に対する再質問も文書で回答するなど回答の内容も含め、小池都政の冷たい姿勢を反映している。

⑴ 都営住宅の新規供給の
25年間ゼロ計画を改め公営住宅の大量建設を
(回答)今後とも都営住宅について既存ストックの有効活用を図りながら、真に住宅に困窮する都民に公平かつて的確に供給していく。
⑵ 住宅セーフティネット
登録制度の抜本的改善と要配慮者専用旧宅の供給促進策を
(回答)区市町村や不動産業団体等の意見を踏まえながら、国の補助制度の改善に向けて国に働きかけを行うとともに、国の補助制度を活用して貸主に対する補助を行う区市への財政支援や、補助制度を導入していない区市へ戸別訪問し、制度の導入を働きかける。
⑶ 高家賃負担で苦しむ若
年単身世帯や母子世帯、高齢者等に対する家賃補助(住宅手当)等の施策の実施を
(回答)家賃補助については、国も対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題点を指摘しており、また生活保護制度との関係等、多くの課題があると認識している。都では東京ササエール住宅において家賃低廉化する貸主を補助する区市町村の取組に対して、国と併せて財政支援を行っている。
⑷ 高齢者が民間賃貸住宅
の入居を拒否されている。高齢者が民間賃貸住宅で安心して住み続けられるよう、孤独死・孤立死問題を貸主任せにせず、見守り機器の設置補助や孤独死保険などの対策を
(回答)高齢者を含み住宅確保要配慮者の居住安定のために、東京ササエール住宅の登録を着実に進める。見守りサービスや残置物処理等に関するモデル契約条項の普及促進などにより、貸主の不安軽減を図る取組みを進める。
⑸ 家賃保証業者や管理会
等を法的に規制するため国と連携した取り組みを。保証業者を任意の登録制度ではなく、許可制にして国や自体が保証業者を指導できるように。
(回答)住宅政策本部・産業労働局に保証会社への法的な指導権限がないため回答できない。管理業法は国の所管であり、都は国の動向を注視していく。
⑹ 契約の更新や契約の終
了時に宅建業者が更新手数料を借主に請求したり、敷金の返還を拒んだり、明渡しを請求する等弁護士法違反の悪質な業者への指導の強化を
(回答)賃貸住宅に関しての更新手続きや退去時の原状回復のような管理業務において、更新時に高額な更新手数料を要求し、過大な原状回復費用を請求する例も見受けられるが、これらは宅地建物取引業法の規制の対象外である。国は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の発行などにより、業界等への注意喚起等取組を進めていたが、令和3年6月「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行した。こうした動向を踏まえ、都においても国と連携しながらトラブルについて個別の相談に対応し、講習会等を通じて引続き適切に対応する。
⑺ 地上げ行為を規制でき
るよう宅建業法の抜本的見直しを国に要請を。
(回答)宅地建物取引業法による規制は、賃貸では代理・媒介業務が対象であり、自ら賃貸を行う行為は対象外となるが、底地の買取りを執拗に求める行為は、売買の勧誘行為に当たり、迷惑な勧誘行為等につき勧誘の相手方からのご相談や調査などに基づいて認定できた違反に対しては、行政指導・行政処分等現勢に対処する。
⑻ 賃貸借契約の更新時に
宅建業者から請求される更新手数料は管理業務を依頼した家主から取るべきである。
(回答)更新事務手数料は賃貸の管理業務において生じるものであり、宅地建物取引業法に定められているものでないので、業者に対して指導することはできない。
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住宅セーフティネット法改正法案が参議院先議で可決 居住支援サポート住宅の認定制度を創設

2024年04月23日 | 国と東京都の住宅政策
 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に関する法律等の一部を改正する法律案(住宅セーフティネット法改正)が4月5日の参議院本会議で可決成立しました。

 同法案は、単身世帯の増加によって孤独死や死亡後の残置物処理等の課題への不安から単身高齢者など要配慮者に対する大家の拒否感が強く、高齢者がアパートに入居できない問題が発生。法案では①大家と要配慮者が円滑に利用できる市場環境の整備、②居住支援法人が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進、③住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化が必要としています。

 法案の概要としては、「大家が賃貸住宅を提供しやすく、要配慮者が円滑に入居できる市場環境の整備」として、◎相続されない終身建物賃貸借の利用促進、◎居住支援法人による残置物処理の推進、◎要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者の認定制度の創設、住宅金融支援機構の家賃債務保証保険を利用することで、家賃滞納等の保証リスク低減が謳われています。

 法案のもう1つの柱は、「居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進」で、◎居住サポート住宅の認定制度を創設する。居住支援法人等が、要配慮者のニーズに応じて、安否確認、見守り、適切な福祉サービスのつ
なぎを行う。生活保護入居者の住宅扶助費(家賃)は原則代理納付。要配慮者は認定保証業者が家賃債務保証を原則引き受ける。

 3点目は「住宅施策と福祉施策連携した地域の居住支援体制の強化」で、市町村による居住支援協議会の設置(努力義務化)し、住まいに関する相談窓口ら入居前・入居中・退去時支援まで、住宅と福祉の関係者が連携した地域における総合的・包括的な居住支援体制の整備推進が盛り込まれています。

 参議院の審議では要配慮者が入居できる公営住宅や低家賃の民間賃貸住宅が不足している、サポート住宅のサポート料など入居者の負担になる等の問題点も出ていました。

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住宅確保要配慮者の居住支援機能等のあり方に関する中間とりまとめでパブリックコメント募集 国交省安心居住推進課

2023年12月27日 | 国と東京都の住宅政策
 厚労省・国土交通省・法務省による「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」は、昨年12月に「居住支援支援機能等のあり方に関する中間とりまとめ案」を発表し、1月24日までに意見募集を行っています。同案では、居住支援の実態について「社会構造の変化により単身者が増加し、家族とのつながりが希薄化する中で、住まいや地域での暮らしに課題を抱える生活困窮者や高齢者の増加が懸念され、地域における、住宅の確保から日常生活の支援、居場所の確保等社会参加支援までの一連の支援の重要性が増している」と指摘しています。

 住宅確保要配慮者の入居前・入居後の居住支援を行う居住支援法人は全国で716法人(2023年6月末)、多くの居住支援法人は赤字を抱えています。居住支援法人の行う業務としては①登録住宅の入居者への家賃債務保証、②住宅相談など賃貸住宅への円滑な入居に係る情報提供・相談、③見守りなど要配慮者への生活支援、①~③に附帯する業務とされています。自治体に設置されている居住支援協議会は市区町村には90しか設置されていません。また、セーフティネット住宅の登録に至っては9割以上が大東建託の物件で、空家率は2・3%、家賃低廉化補助のある専用住宅は5357戸、登録住宅の0・6%で、家賃が5万円未満の住宅の割合は全国で約2割、東京では1%しかありません。低家賃住宅が少ないことが課題であると指摘しても、家賃補助制度については言及していません。公営住宅に関しては、応募倍率は大都市圏を中心に高い状況にあるとする一方で、地方自治体の財政事情や人口減少で「今後も公営住宅の大幅な増加は見込めない」としています。今後の取組みとして「居住支援の充実」と「賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境の整備」として「家賃債務保証を円滑に利用できる枠組みの検討」等が強調されています。家賃債務保証会社を法規制のないままに利用することは極めて問題です。






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全国で削減される公営住宅 老朽化した公営住宅が用途廃止に

2023年12月25日 | 国と東京都の住宅政策
 公営住宅は、公営住宅法第1条で「この法律は、国及び地方自治体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」と定められ、国の住生活基本計画においても、「住宅セーフティネットの中心的役割を担う」とされています。しかし、住生活基本法で「公営住宅の供給促進」が定められた2006年度の219万438戸から2020年度には213万9723戸と実に5万715戸も公営住宅が年々削減されています(左図)。とくに、最近5年間で大阪府が7136戸、兵庫県が7117戸と大幅に削減されています。

 現在の住生活基本計画の住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備として「住宅セーフティネットの中心的役割を担う公営住宅の計画的な建替え等や、バリアフリー化や長寿命化等ストックの改善の推進」が基本的施策とされています。

 しかし、宮城県では老朽化した県営住宅の建て替えを行わず、「県営住宅等の集約に伴う移転支援の方針」を決め、「公営住宅は市町村が主体的に行うことが基本」として県営住宅の撤退する考えを示しています。
 公営住宅の空家が増大しています。とくに入居者の募集を行っていない未募集空家については、国交省では「大規模修繕もしくは改造等、または用途廃止等行うため」と説明していますが、公営住宅削減のための用途廃止を止めさせ、公営住宅を生活困窮者のために有効に活用させることが求められています。

(全国借地借家人新聞より)



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車上生活続けた時期も… 1人暮らし高齢者の住まい どう確保?

2023年09月22日 | 国と東京都の住宅政策
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230921/k10014202481000.html

単身の高齢者が増加するなか、賃貸住宅への入居を断られるケースが多いとして、支援の在り方を議論している国の検討会は、入居後
の見守りも行う住宅を普及させるなど、大家が家を貸しやすくする環境整備を進めるなどとする素案を示しました。

単身高齢者増加 “死亡事故に対する不安”

今回の国による住宅確保の議論の背景の一つとなっているのが高齢者の増加です。
内閣府がまとめた最新の令和5年版の高齢社会白書によりますと、65歳以上の高齢者の数は、2010年におよそ2900万人だったのが2020
年にはおよそ3600万人に増えていて、今後、総人口が減少する中で高齢者の割合が増加していくと推定しています。また、1人で暮ら
す65歳以上の高齢者は2010年に479万人だったのが2020年には671万人に増えていて、さらに2030年には795万人にまで増加する推計さ
れています。
一方で国土交通省が令和3年度、大家などの賃貸人187団体に対して行った意識調査では、およそ7割が高齢者の入居に対して拒否感を
示したということです。また、高齢者に対して入居制限を行っている大家などもいて、その理由を尋ねたところ「屋内での死亡事故等
に対する不安」が90.9%と最も多く、次いで「住宅の使用方法等に対する不安」が3.9%、などとなったということです。
高齢者などの住宅確保に取り組む居住支援法人への相談件数も増加傾向にある一方、孤立死にともなう遺品の処分の負担などから賃貸
住宅への入居を断られるケースが少なくなく、安心して生活を送るための住まいの支援が課題となっています。
さらに高齢者のほかにも障害者や刑務所を出所した人などが入居が拒否されるケースがあり、今回、国土交通省、厚生労働省、法務省
の3省で検討会で対策について議論が進められてきました。

検討会 大家の不安を解消する取り組み進める

国土交通省と厚生労働省、それに法務省による専門家の検討会は21日、とりまとめの素案を示しました。それによりますと、支援が必
要な人は住宅だけでなく、家族や地域から孤立するなど複合的な課題を抱えていることから、住まいの確保から入居後の暮らしまで一
貫して支援することや孤立死などへの大家側の不安を解消する取り組みを進めるとしています。
具体的には、市町村の住宅と福祉の部局や支援団体が連携した相談体制を構築することや居住支援法人が見守りなどのサポートも含め
住宅を管理する仕組みを作るほか、居住支援法人の経済的な支援の方法や、事業継続モデルの構築も検討すべきとしています。
委員からは「相談者のニーズにあわせて、さまざまな支援につなぐために地域にコーディネーターを置くことが重要ではないか」とか
「居住支援法人によっては住宅の管理まで対応できないところもあり、見守りや遺品の整理などのサービスも広めていくべきだ」など
といった意見が出されました。
検討会では21日の意見を踏まえて、年内に報告案をとりまとめることにしています。

車上生活を続けた時もあった男性は

関東地方に住む74歳の男性は去年、連帯保証人がいないことなどを理由に賃貸住宅への入居を断られる経験しました。男性はもともと
持ち家で暮らしていましたが、一緒に住宅ローンを組んでいた家族に先立たれて返済が苦しくなり、去年の夏、家を手放しました。そ
して、1人で暮らせる賃貸のアパートなどを探し始めましたが、不動産業者からは「保証人がいないと難しい」と紹介を断られ、物件
は見つからなかったと言います。男性はやがて部屋探し自体が嫌になり、半年以上、所有していた車での車上生活を続けた時期もあっ
たということです。
男性
「一時はもう、どうなってもいいやという気持ちになった。自分の力だけでは部屋を借りることができない、どうにもならなさを感じ
た」
そうした生活も限界が近づいていたことし6月、男性は自治体からの紹介で、居住支援法人が男性の見守りを行うことを条件にしてマ
ンションに入居することができたといいます。最近では、週に2回の清掃の仕事を始め、趣味の釣りを楽しむ余裕もできたということ
です。
男性
「住むところがあるだけで気持ちに余裕が生まれ、生活は全然違います。高齢で収入がさらに少ない人が賃貸住宅への入居でさらに苦
労すると思うので、高齢であっても、もう少し簡単に部屋が借りられるようになってほしい」

居住支援法人「大家への経済的な支援が必要」

居住支援法人は、都道府県ごとに指定されていて、入居先が見つからない高齢者などに住宅の情報提供や相談などのサポートを行って
います。
このうち、男性に部屋を紹介した都内の居住支援法人では、部屋を借りる高齢者への見守り支援サービスを行うことを条件に、高齢者
の入居に理解してくれる大家を増やす取り組みを行っています。具体的には地域のNPOなどと連携して、月に一度、契約している高齢
者のアパートなどを訪問し安否確認や生活相談に乗っていて、この日は、法人のスタッフが男性の自宅を訪れ、体調の変化などを聞き
取っていました。
こうした見守り支援などを条件に法人では高齢者の入居に理解してくれる大家を探し、今では単身の高齢者でも利用できる物件を数十
件程度確保できたということです。ただ、認知症や孤立死した場合など、高齢者の入居そのものにリスクを感じる大家が多いのは今も
変わらず、抜本的な対策の必要性を指摘します。
居住支援法人「高齢者住まい相談室こたつ」の松田朗室長は次のように話していました。
松田朗室長
「孤立死では遺品の片付けや原状回復に相当な費用がかかったり、事故物件の扱いになったりするリスクがある一方、それに対する大
家への支援や補助は非常に少なく、高齢者の入居に難色を示すのはしかたのない状況だと思います。まずは大家への経済的な支援が必
要なほか、地域で暮らす高齢者を介護や医療従事者などと、社会で支えていく仕組み作りも大家の不安を取り除くためには有効だと思
います」

専門家 “入居拒否が起こらない体制づくり必要”

高齢者の問題に詳しい、みずほリサーチ&テクノロジーズの主席研究員で、日本福祉大学の教授の藤森克彦さんは次のように話してい
ました。
藤森克彦さん
「孤独死や死後の残置物の処理などへの不安などから大家が入居を拒むという問題が生じている。退職をきっかけに収入が減った高齢
者が家賃を低くするために引っ越したり、3階とか4階に住んでいた高齢者が階段をのぼれなくなって1階に引っ越すケースも多く聞い
ていて、1人暮らし高齢者が増える中、入居拒否が起こらないような体制づくりが必要だ。昔は家族が行っていたような高齢者の見守
りや葬式などを地域や居住支援法人など社会全体で行う体制を作り大家の不安を軽減していくことが重要で、住宅確保の支援と福祉の
支援を連携して行っていく必要がある。また、国だけでなく地方でも高齢者のほかに障害者や外国人など、どういう人が住まいの確保
に困っているかを分析し、対策を検討していくことも重要だ」

住宅SN検討会、中間とりまとめに向け議論
https://www.re-port.net/article/news/0000073744/

 国土交通省は21日、厚生労働省と法務省との合同で設置した「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」
の4回目の会合を開き、中間とりまとめの策定に向けての素案を検討した。
 素案では、各省に対して、現行制度の課題を踏まえて住宅セーフティネット制度および関連制度の具体的な見直しを進めるべきであ
るとし、さらに地方公共団体や不動産事業者、居住支援法人など多様な主体と連携して取り組む仕組みを構築し、制度の充実や補助・
税制など幅広く検討していくことを求めた。
 現状と課題については、高齢者人口・単身世帯の増加、持ち家率の漸減について指摘。さらに、賃貸住宅大家(賃貸人)の住宅確保
要配慮者の入居に対する拒否感の解消、高齢者・低額所得者・障がい者だけではなく、ひとり親世帯や刑務所出所者についても地域で
安心して暮らせる環境整備が求められるとし、その上で、居住支援法人の半数以上が赤字経営を強いられている現状や、市区町村レベ
ルでの住宅部局・福祉部局の連携等に課題があることも明記した。
 こうした課題認識の上で基本的な方向性として、「相談から住まいの確保・入居後の支援まで一貫した支援体制を行政が積極的に関
与して構築する」「入居時だけでなく入居中や退去時における対応を充実したものにする」「住宅確保に当たっては民間・公共のス
トックの有効活用する」等の項目を示した。
 今後の取り組みについては、(1)居住支援の充実、(2)賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境の整備、(3)住宅確保要配慮者の
ニーズに対応した住宅等の確保方策、(4)地域における住宅・福祉・司法と連携した居住支援の体制づくり、といった項目を掲げ
た。(1)では、情報提供や相談体制の充実、地方公共団体や地域の不動産業者、居住支援法人等が連携した切れ目のない支援体制の
整備、賃貸人を継続的にサポートする伴走型の取り組みなどが掲げられた。また、(2)については住宅扶助や家賃債務保証といった
制度・仕組みの活用、終身建物賃貸借制度の対象拡大など、(3)では住宅だけではない地域における居場所づくり等について検討し
ていくこととなる。
 この素案について、各委員からは「個々の政策の拡充はもちろん、法的な枠組みとして『政策の一体感』が重要ではないか。住宅
セーフティネット法を、関係省庁による共管とするなど、方策を考える必要がある」「賃貸人や家賃債務保証会社のリスクを軽減し、
不安を払拭する取り組みが必要。死後事務委任など、既存の仕組みをPRすることも必要だ」「賃貸管理会社は地域の福祉団体との関わ
りが少ない。連携を進めるために、もっとPR・広報が求められる」などといった意見が挙がった。
 今回、委員から挙がった意見を踏まえ、年内に5回目の検討会を実施する予定。その際に中間とりまとめ案について議論していく。

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公営住宅の空家が10年間に倍増 未募集空家が空家総数の約1割に

2023年01月17日 | 国と東京都の住宅政策
 全国の公営住宅の空家が、2011年度(平成23年度)から2020年度(令和2年度)の10年間で2倍化(4大都市圏)をしている問題で、国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)は国土交通省に対し、この状況をどのように捉えて改善するのか質問し、昨年12月2日に回答がありました。

 公営住宅の空き家が急増している要因として「未募集空家」の増大が考えられ、10年間で大幅に増加しています。東京都は10年間で75%も増加し、20111年度の10997戸から2020年度は28700戸増加しています。大阪府も64%も増加し、2020年度の未募集空家が24286戸と空き家総数の約1割を占めています。

 未募集空家は、「大規模修繕、改造等」及び「用途廃止等を行うため」とされ、用途廃止には「建替え」と「廃止・削減」があるとされていますが、国交省の回答では空家の原因については、「都道府県に細かく分けて聞いていない」、「分けることは都道府県の負担になるので、現状を変えることは考えていない」との回答でした。

 また、準備中の空家も10年間に増えています。神奈川県では2772戸から7316戸、埼玉県が833戸から3906戸、兵庫県では2354戸から4502戸、福岡県が2432戸から6561戸に増加しています。準備中空家は入居募集の最中の空家との回答で、地方都市では応募がない状況もあり、3階以上でエレベーターがない住宅が空家になり、空家が長期化し維持管理も困難になっています。長期空家が多い自治体は兵庫県で2020年度に7843戸と5602戸も増加しています。
          
 公営住宅は大都市部では不足しており、住まいの貧困が加速する中で、空家のまま放置することなく、有効な活用が望まれます。尼崎市で行った住宅困窮者のための「目的外使用」など全国で広がるよう組合でも運動していきましょう。      










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東京住宅運動連絡会が2023年度予算要求書を東京都住宅政策本部に提出

2022年10月25日 | 国と東京都の住宅政策
 東京住宅運動連絡会は10月20日に東京都住宅政策本部に対し、2023年度東京都予算に関する85項目にわたる要求書を提出した。

 同連絡会から東京借地借家人組合連合会、東京都公社自治協、東京都公営住宅協議会、東京都庁職員労働組合住宅支部から5名の代表が出席し、東京都住宅政策本部から高橋住宅企画部連携・広報担当課長が応対した。

 各団体から重点項目について説明した。東借連の細谷会長は、改正住宅セーフティネット法が施行され5年が経過するが、セーフティネット登録住宅の9割以上は(株)大東建託の入居中の物件で、住宅確保要配慮者向け専用住宅の大東建託の登録物件はゼロで、家賃低廉化補助を実施している都内自治体は4区1市のみ、令和2年度の実績は43戸で、住宅セーフティネットとして機能していない。セーフティネット登録住宅制度の抜本的改善を強く求めた。

また、家賃保証会社問題では連帯保証人がおらず、保証会社の審査に落ちると賃貸住宅が借りられないという問題を指摘した。保証会社に関して任意の登録制ではなく、許可制にして国や都が保証会社を指導できるよう改善を強く求めた。
その他、デジタル化の促進で契約の締結がオンラインできるようになり、デジタル化によるトラブルの増加が予想され、デジタル契約の落とし穴など都の広報で周知するよう要求した。

 各団体からも都営住宅の新規建設や公社住宅の家賃値下げ、家賃補助制度の創設等を要求した。

 次に、小池都知事にも要求書を提出するために東京都政策企画局総務部の鈴木担当課長と面談し、各団体から重点要望を伝えた。最後に、都議会各会派にも要望書を渡し、2023年度の東京都予算に反映されるよう求めた。
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民間賃貸住宅の現状と住まいのセーフティネットをめぐる諸問題

2022年04月27日 | 国と東京都の住宅政策
1、 東京の民間借家の現状
① 「仮住まい」と位置付けられ、劣悪住環境の民間借家
・我が国の住宅政策は、賃貸住宅は持ち家を取得するまでに一時的な「仮住まい」とみなされ、それを改善する施策は、ほとんど講じられなかった。(平山洋介神戸大学院教授「仮住まいと戦後日本」)
・家賃は高く、劣悪狭小、日照通風が乏しく、老朽化している借家が多い。
 住宅土地統計調査(2018年)によると、1住宅当たりの平均床面積は持ち家93.3㎡に対し、借家は40・8㎡と43%しかない。借家はウサギ小屋から脱していない。
② 賃貸トラブルが日常化している
・オナーチェンジに伴う、家賃の増額・明渡し請求、騒音等に伴う近隣トラブル
 ペットに伴うトラブル等
・建築して40年以上経過した建物を借りている場合には、耐震性がないことを理由に立ち退きを求められる。耐震性・老朽化を理由とした明渡し請求の多くは、借家人を立ち退かせるための口実にされている。(耐震性のみでは正当事由には当たらない)
・借家人や借地人が居住している土地や建物を地主から安く買い取り、追い出し目的の地上げ屋が東京、埼玉、神奈川で横行している。安い立退料で追い出される借家人・借地人も多い。
・退去後には莫大な原状回復費用を請求される。1LDKの賃貸マンションに住んでいた女性が結婚を契機に退去後に管理会社から265万円請求された例も。
③ 定期借家契約による被害も
 2000年3月から期間が満了したら、無条件で追い出される定期借家契約が借地借家法の一部改正で認められ、シェアハウスなどで利用されている。「再契約可」との条件で定期借家契約を結んでも、再契約ができず追い出される被害も生まれている。
定期借家契約の意味も分からず、住まいが不安定な人ほど、定期借家契約を結ばされるケースが多い。
④ 家賃債務保証会社と契約しないと借家を借りられない
 国土交通省が管理会社に行った調査で、家賃債務保証業者を利用するケースが約8割(18年度調査では6割)と急上昇し、保証会社と契約しないと借家を借りられなくなっている。連帯保証人を立てていても保証会社と契約させられるダブル保証が増えている。保証会社の契約にも連帯保証人が署名・捺印させられている。保証会社の利用が増える一方で、賃借人の認知度は低く、「あまり知らない・全く知らない」が5割強を占めるなど、賃借人は何も分からずに保証契約を結ばされている。保証契約が2年後に更新されるに当たり、「家賃の50%の保証委託更新料を請求された」と驚いて相談するケースもある。
⑤ 高齢者や生活保護受給者への入居差別
国交省が調べた賃貸人の意識調査では、高齢者に対し約8割、障害者に対し約7割、外国人に対し約7割の拒否感がある。入居制限する理由として、「家賃の支払いに対する不安」24%、」「他の入居者・近隣住民との協調性への不安」19・3%、「居室内での死亡事故等に対する不安」18・9%と高い。
国交省と法務省は単身高齢者が賃貸住宅内で亡くなった場合の契約解除の委任契約や残置物処理の委任契約を行うためのモデル契約条項を昨年発表した。こうした契約をすることで賃貸人が安心して高齢者に貸すことにつながるのか。
⑥ 契約時の初期費用に様々なオプション契約が押し付けられる
 賃貸契約の初期費用として、敷金・礼金・仲介手数料(法令上賃貸人・賃借人が月額賃料の半額づつ負担だが、実際は賃借人が全額負担)、火災保険料(借家人賠償保険)、保証会社の保証委託料(月額家賃の半額程度もしくは月額保証委託料の契約もある)、当月家賃と翌月賃料で家賃の5か月分以上が必要に。
 その他、様々なオプション契約、室内清掃費用・クリーニング費用(敷金なしの物件に多い)、鍵交換費用、消臭・除菌費用、24時間サポート料、入居安心パック等とわけの分からない契約が多い。
⑦ 賃借人に不利益な賃貸借契約書が横行
宅地建物取引業者は賃貸住宅の管理を任されていることが多く、賃貸人に有利で賃
借人に不利益な契約書を押し付ける傾向がある。不利な契約でも拒否すると物件が借
りられない。契約更新時には家賃の1か月分の更新料を支払う特約多く、「合意更新・
法定更新にかかわらず2年毎に新家賃の1か月分の更新料として支払う」、「退室時
に、ルームクリーニング・エアコンクリーニング他原状回復費用は借主負担とする」、
「契約後1年以内に賃借人が解約する場合は家賃の1か月分の違約金を支払う」等。
 東京都住宅政策本部は、民法改正「成年年齢の引き下げ」に伴う不動産取引に注意
を呼び掛けているが、「宅建業者による説明を聞き、十分に理解、納得した上で契約を
結びましょう」と言っても、法律知識のない賃借人には対等に契約することは困難で
ある。

2、住宅セーフティネットは機能しているのか
 ①セーフティネット住宅は低額所得者等が入居できる専用住宅が少ない
 3月10日現在、インターネット情報提供システムに掲載中の東京で登録されているセーフティネット住宅は4099戸、その内家賃低廉化補助や改修費補助が受けられる専用住宅の空き室は52棟、355戸と少なく、0・8%しかない。
 登録住宅の多くは大東建託の物件で、要配慮者を拒まない住宅として登録されているが、全て入居審査が必要とされ、専用住宅の登録はゼロ。高家賃物件が多く、要配慮者が入居困難である。入居条件として保証会社に加入し、保証委託料契約時2万2千円、月額保証委託料として家賃の2.2%叉は5・5%必要。2・2%のプランだと月額2730円を支払わされる。契約時のクリーニング費として4万円が必要とされている。

②家賃債務保証料の補助制度、家賃債務保険制度が利用されていない
 住宅確保要配慮者専用住宅に低額所得者が入居する場合に、入居時の家賃債務保証料を低廉化した登録事業者に補助金が交付され、要配慮者の家賃滞納リスクを軽減する「家賃債務保証保険」制度も設けられている。(住宅セーフティネット法第20条、住宅金融支援機構の行う家賃債務保証保険契約に係る保険)
 2020年12月に全借連が行った国交省との懇談で、家賃債務保険の対象とされた事例は11件(制度開始時の平成29年10月~令和2年11月末現在)、保証料の低廉化補助を受けた件数23件(令和1年度)との報告があり、要配慮者の入居円滑化のために設けられた制度がほとんど利用されていない。
③家賃債務保証業者に対し早期の法規制を
 家賃債務保証業を登録制にして5年目を迎えるが、保証会社は数百社あると言われているが、登録している事業者は2021年11月30日現在で83社と全く増えていない。任意の登録制のため、法規制もなく事実上野放し状態で、不動産会社が保証業者の代理店になるため、賃借人が保証会社を選ぶことができない。保証会社の家賃等の不当な取り立て行為を禁止する法律はなく、早期の法規制が必要である。
 保証会社による審査は、それぞれの会社の裁量で行われており、家賃滞納リスクに該当する入居者は審査で落とされる。審査の基準もなく、入居希望者はなんで審査に落とされたのか理由も分からない。銀行の通帳で預金があるかどうかも審査の対象にされている。家賃滞納履歴があるとブラックリストに載る恐れがあり、退室後の正当な根拠もない原状回復請求を拒否できないという賃借人もいる。
 全借連では、保証会社の被害を受けた組合員がツイッターで「家賃保証会社問題対策班」を立ち上げ被害者からの情報を収集し、数百の被害情報が連日寄せられている。
保証会社被害をなくすために、当面国交省に対して「保証会社の契約に保証人を求めない。保証会社の督促方法に法規制する。借主の承諾なく原状回復費用を保証会社に立替えさせない」以上の実施を求める。
④賃貸借契約のデジタル化に反対、デジタル被害の対策の強化を
 住生活基本計画に「持家・借家を含め、住宅に関する情報の収集から物件説明、交渉、契約に至るまでの契約・取引プロセスのDX化の推進」が盛り込まれた。賃借人は情報力・交渉力が圧倒的に弱く、法律知識のないままに不利益な契約をさせられているのが実態であり、デジタル化は賃借人をさらに被害を拡大させる恐れがある。不動産業者の店に行かないままインターネットで契約をした賃借人から被害の相談も寄せられいる。デジタル化の利便性のみが強調されているが、デジタル契約の落とし穴など注意喚起が必要である。
 ⑤本当の住宅セーフティネット制度にするために
  要配慮者の滞納家賃、孤独死などのリスクを賃貸人にのみ押し付けるのではなく、
入居選別をせず誰もが入居できる住宅セーフティネット制度にする。公的保証人制度を創設し、居住支援法人と連携した「居住支援付き住宅」を増やす。孤独死対策の保険や見守りサービスなどの補助制度を充実させる。家賃補助制度をセーフティネット法に明記し、国の財政的支援を抜本的に強化する。
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東京都の住宅マスタープラン 成長と成熟が両立した未来東京とは?

2022年04月14日 | 国と東京都の住宅政策
 東京都は2021年から2030年の「住宅マスタープラン」改定案を本年1月に発表し、2月にはパブリックコメントの募集を行い、東借連・全借連は関係する部門に関して意見を提出しました。

 同マスタープランは東京都住宅政策審議会の昨年11月の答申「成長と成熟が両立した未来東京に相応しい新たな住宅政策の展開について」が土台になっています。成熟社会の対応への対応として少子高齢化社会における住宅セーフティネット(住宅確保要配慮者の居住の安定確保)、災害に強い住宅、マンション対策等を上げています。成長についてはDX導入等による新たな日常の実現、脱酸素社会の実現に向けた住宅市街地のゼロエミッション化など指摘しています。

 新たな住宅政策の展開として、「成長と成熟が両立した明るい未来の東京実現を目指して、今後の住宅政策の目標や施策について具体的かつ体系的に示し実施していくための計画」と策定すると述べています。2030年度に向けた施策として10の目標を掲げています。

 そもそも成長と成熟が両立できるのか、はなはだ疑問です。コロナ禍において仕事と住まいを失い、家賃も支払えず、所持金も尽きて生活困窮者の支援団体にSOSの連絡が後を絶ちません。東京で暮らすために家賃が高過ぎて、コロナ前からネットカフェに寝泊まりする若者が増えています。

 家賃を支払うために食費を削っている生活困窮者の中には、各地の支援団体の食糧支援を掛け持ちしている状況です。同マスタープランでは、「コロナ禍の住生活の変化」ではテレワークや郊外の居住地の選択について述べていますが、コロナ禍で生活に困窮する人々の状況については全く触れられておりません。東京都はホームレスになった人に対して、緊急事態宣言やまん延防止特別措置の間だけホテルを提供していますが、その後は安定した住居の提供も全く不十分です。

 都営住宅については、マスタープランでは「現在のストックを最大限に活用し、住宅に困窮する都民に的確に供給することで、住宅セーフティネットの中核としての機能を果たしていきます」と述べているように、新規建設ゼロ方針を継続し、都民に住宅の困窮度を競わせる政策を取り続けています。
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高齢者らに住まい、新制度4年 登録住宅「空室」わずか、補助も少なく

2021年09月24日 | 国と東京都の住宅政策
https://www.chunichi.co.jp/article/334198

 賃貸住宅への入居を断られやすい高齢者や障害者らに、民間の空き家や空き部屋を紹介する国の「新たな住宅セーフティネット制度」が始まってから四年。登録物件は六十万戸を超え、希望に沿った住まいが確保できた人もいる。一方で、家賃減額などの経済的な支援は限られ、低所得者らが利用しにくいなどの課題も浮かび上がっている。 (佐橋大)

 名古屋市の男性(87)は、体の不自由な妻(83)と二人で賃貸アパートで暮らしている。築十六年の1LDKで、家賃は月七万円。住宅セーフティネット制度を利用して二年前に入居した。

 それまでは近くの実家に住んでいたが、大家に「取り壊したいからすぐに出て行ってほしい」と言われたという。「引っ越しの経験もなかったので困った」と男性。高齢者の相談窓口である地元の地域包括支援センターに相談したところ、居住支援法人のNPO法人「あたたかい心」(同市)を紹介された。

 住み慣れた同じ学区内でバリアフリーな環境、年金暮らしに見合う家賃という夫妻の希望を踏まえ、担当スタッフの深津千十勢(ちとせ)さん(43)が住まい探しに協力。制度の登録住宅には条件に合う物件がなく、数カ月かけて不動産会社にあた...

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セーフティネット住宅の登録の実態 大半が大東建託の賃貸物件

2021年09月22日 | 国と東京都の住宅政策
2017年10月から住宅セーフティネット法が一部改正され、高齢者・子育て世帯・障害者など住宅確保が困難な人の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録が始まって、4年が経過しました。国交省の「セーフティネット住宅情報システム」に掲載された登録住宅は9月21日現在で60万7千戸を超えています。しかし、本紙639号(5月15日号)で報道したようにハウスメーカーである大東建託の賃貸物件が8割以上を占めています。しかも、大東建託の物件は、家賃債務保証会社の審査が必要とされ、審査が通らないと入居できない仕組みになっています。インターネット上の不動産物件の検索と何ら変わらない有様です。

私たちが期待した家賃低廉化補助(家賃補助)のある登録住宅は、国交省の令和2年度の実績では、全国で17自治体で僅か208戸しかありません。これでは「まやかしのセーフティネット」と言わざるを得ません。




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住まい連と全借連が共同記者会見 住生活基本計画のセーフティネット登録住宅の実態 最近の住宅困窮について

2021年03月26日 | 国と東京都の住宅政策
 住まい連と全借連は3月12日、「住生活基本計画のセーフティネット登録住宅の実態と最近の住宅困窮の実情について」共同記者会見を行いました。住まい連は坂庭代表幹事、全借連は細谷事務局長、綾事務局次長が報告しました。坂庭氏は、住生活基本計画の見直し案には住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備として「セーフティネット登録住宅の活用」を基本的施策に挙げているが、登録住宅の85%が大東建託の物件で、家賃低廉化支援がある専用住宅はゼロ。大東建託以外で緊急状況に対応できる専用住宅の空室は全国で2819戸と僅か1%に満たず、セーフティネットの機能を果たしていないと指摘しました。細谷事務局長は、コロナ禍で家賃を滞納する賃借人が増える一方で、保証会社などから悪質な取立て・追出し行為が多発している実態を指摘しました。綾事務局次長は生活保護受給者が住宅扶助費で借りられる物件が見つからず、市の斡旋で入居した物件は住宅扶助費をオーバーし、生活困窮している実態等を報告しました。
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住まいの貧困に取り組むネットワークが住生活基本計画(全国計画)案に対しパブリックコメント提出

2021年02月03日 | 国と東京都の住宅政策
 国の住宅政策の基本方針を定める「住生活基本計画(全国計画)」が見直しの時期に差し掛かっています。 
 現在、「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」へのパブリックコメントの募集が行われています。

 「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に関する意見の募集について


 住まいの貧困に取り組むネットワークでは、2月1日に下記のパブリックコメントを提出いたしました。 
 パブリックコメントの募集締め切りは2月9日です。当ネットワークの意見を参考にしていただき、多くの方にパブリックコメントを出していただければと思います。 
 ご協力よろしくお願いいたします。

*********************

   住まいの貧困に取り組むネットワークが提出したパブリックコメント        

【該当箇所】

1. はじめに
2. 第1 住生活をめぐる現状と課題」
3. 目標5

【ご意見】

1. 基本的な問題点

 変更案は以下の国民の住生活にとって不可欠な課題等の記載がなく、「国民の住生活の安定の確保」を図るべき「住生活基本計画(全国計画)」(住生活基本法第15条)とはいえない基本的な問題点がある。

(1)「はじめに」および「住生活をめぐる現状と課題」には、コロナ禍のもとでの国民の住生活の困難、困窮についての記述が一切ない「現状と課題」となっていること。

(2)「国民の住生活の安定の確保」の最大の課題である「住居費負担、家賃負担」およびその軽減施策についは、変更案全体を通じて記述がなく、何のため、誰のための「住生活基本計画」かという根本問題がある。

(3)国民の住要求の第1である公営住宅について、「目標5」では「住宅セーフティネットの中心的役割を担う」としているが、公営住宅の現状と課題、中心的役割を果たしていく施策の記述も全くない「全国計画」である。

 以上の重要問題について、「変更案」を全面的に見直し記述すべきである。

 以下それぞれの項目について意見を述べる。

2.「はじめに」について

 分科会の「中間とりまとめ」では、「新型コロナウイルス感染症の感染、拡大を契機として、・・・、今後の経済情勢や雇用情勢によっては、居住の安定確保が一層求められる場面が生じる、・・」としていた。
 この当然の提起と記述からも、「新型コロナウイルス感染症の拡大」による住生活の実態について、「住居確保給付金」の支給の増大、家賃の滞納、住宅ローン返済の滞納、住居を失う人々の増加などを明記すべきである。

3.「現状と課題」について

 前記コロナ禍の住宅問題を「はじめに」と合わせ分担して記述するとともに、「住居費、家賃負担」の現状と課題を明らかにする必要がある。「全国計画」は「住宅・土地統計調査」(2018年)の結果を反映、利用することになっている。「この調査結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用」することになっているが、それらの反映は全体を通じて見られない。

 特に「民営借家、公営借家、UR・公社の借家」の家賃負担の推移と現状を明記すべきである。そして、「公的借家」の戸数の推移と現状も示し、借家の課題を記述すべきである。

4.「目標5」について

 「住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備」としているが、変更案は「安心して暮らせる」施策になっていない。

 第1に、前記の「公営住宅」について、新規建設と供給(借上げ、買取りを含む)、現行制度の改善など抜本的拡充・強化の施策を示す必要がある。第2に、「セーフティネット住宅の・・・家賃低廉化の推進」とあるが、殆ど機能していない状況の中で、全国的な家賃補助制度の創設を提起すべきである。

 なお、分科会(第53回)の委員の意見として、「セーフティネットの中の家賃低廉化というのは非常に大きなポイント。特に、住宅確保要配慮者において、家賃低廉化ということをどう進めるががポイントとなる」としている。
 この意見に示されるように、当面「家賃低廉化」の抜本的拡充、改善を明記し、実行すべきである。

 第3に、「住宅確保要配慮者の入居・生活支援」については、前記分科会で、「居住支援法人をどう育てるか、居住支援法人をこれからどう考えていくか、もう一歩踏み込んで・・」との委員の意見が出された。これに対する具体的な記載はない。各地の居住支援協議会と居住支援法人の役割を重視し、公的賃貸住宅入居者への居住支援を包含した活動を行っていく必要がある。そのための育成補助、各種援助策を具体化し、明記すべきである。

5.「在留外国人」の「住生活の安定の確保」について

 「住生活をめぐる現状と課題」で「在留外国人の数は約293万人となっているが・・・」などと述べているが、「目標5」で「多言語化した契約書等の普及啓発」というだけである。外国人の住生活安定確保の基本的施策を明記する必要がある。
 
【理由】 

 各項目にそれぞれ、理由を含めた意見として記述している。



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コロナ禍 住まい失った人にホテルの部屋を無償提供 東京都

2020年12月23日 | 国と東京都の住宅政策
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201221/k10012775541000.htm

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事がなくなるなどして住まいを失った人に対し、東京都は年末年始にビジネスホテルの部屋
を、無償で提供する取り組みを始めました。
都がビジネスホテルの部屋を無償で提供するのは、21日から来月19日までの間で、区や市の福祉事務所や自立相談支援機関の窓口とも
連携して、仕事がなくなるなどして住まいを失った人に対して、宿泊先を紹介します。
このうち新宿・歌舞伎町にある都の相談窓口には、21日午前中から行き場のない人たちからの電話が相次いでいました。
都は緊急事態宣言が出された時期にも、ビジネスホテルを提供する取り組みを行い、4月から6月までの間に、延べ1250人ほどが利用し
たということです。
東京都地域福祉課の畑中和夫課長は「コロナ禍の年末年始で、日払いや飲食業の仕事などがいつも以上に減り、不安な思いをする方が
多いと思います。ぜひ遠慮なく相談してください」と話していました。
都は年末の今月29日、30日、それに年始の来月2日にも臨時で窓口を開くほか、電話でも相談を受け付けています。
電話番号はフリーダイヤルの0120-874-225、女性専用の番号は、0120-874-505です。
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東京都がネットカフェ難民など住宅喪失者にホテルなど2000室を用意

2020年04月20日 | 国と東京都の住宅政策
 東京都は2018年に行った踏査で、ネットカフェ利用者に占める住宅喪失者は1日当たり約4千人いると発表した。

 住宅喪失者の実に75・8%がパート・アルバイト・派遣労働者など不安定労働者だ。アパートが借りられずに寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、コロナウイルスによる営業の自粛や休業などで仕事を辞めさせられ路頭に迷っている。

 反貧困ネットワークなど支援団体で結成された「新型コロナ災害緊急アクション」には、解雇された方々から悲痛な相談や「助けほしい」というSOSが寄せられている。

 東京都は支援団体の要請を受け、緊急事態宣言を行った4月10日にネッカフェを退去した人や住居を失った人のためにホテルや民間アパートなど一時的な宿泊先2千室を用意した。都内での生活期間が6カ月未満でも支援が受けられる。相談先は「TOKYOチャレンジネット」や区市町の福祉事務所、自立相談支援機関まで。住宅だけでなく就労や生活、資金貸付相談も受け付ける。
 家賃などを支払えない人のための生活困窮者自立支援法に基づく「住宅確保給付金制度」も4月20日から支給対象者を拡大し、65歳以上の方や現在失業していなくても休業等で生活が困難になった人に家賃が支給されることになった。相談先は各区市町村まで。

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