東京多摩借地借家人組合

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マンション賃貸借訴訟:更新料は「有効」…最高裁が初判断

2011年07月15日 | 最高裁と判例集
 マンションの借り主が賃貸借契約の更新時に貸主に支払う「更新料」は、消費者に一方的な不利益を押しつける「無効」な契約条項だとして、借り主が貸主を相手取り、支払った更新料の返還などを求めた3件の訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、更新料は「有効」とする初判断を示した。貸主側の勝訴が確定した。

 3件の訴訟は高裁で、1件が有効、2件が無効と判断が分かれていた。地高裁で係争中の同種訴訟は約20件あり、最高裁の統一判断が注目された。

 更新料は約40年前から主に京都や首都圏で慣習化しており、契約件数は全国で100万件以上とみられる。

 今回の3件は、京都と滋賀のマンションの借り主3人が07~08年、賃貸借契約で「1年ごとの更新時に月額賃料の2カ月分を支払う」などの条項が盛り込まれたことについて「消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効」との消費者契約法の規定に触れるとして別々に提訴。1審は3件中2件を有効、1件を無効と判断したが、2審では無効が2件となった。

 上告審で貸主側は「借り主は更新料条項も合意のうえで契約締結しており、踏み倒しは許されない」と主張。更新料契約が長年続いてきたのは一定の合理性があるからだとの姿勢をみせた。

 これに対し、借り主側は「契約時に情報や交渉力に格差がある以上、締結せざるを得ない状況に置かれていた」と反論。借り主に更新料を支払う義務があると定めた法律はなく、不合理な慣行だと主張していた。

 マンション賃貸借契約を巡っては、借り主が退去する際、貸主が敷金の一部を無条件に取得できると定めた「敷引特約」について最高裁が3月、有効とする初判断を示している。【伊藤一郎】

毎日新聞 2011年7月15日 

最高裁判決
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地代を供託中に地主の代理人が契約書の作成を打診

2011年07月13日 | 契約更新と更新料
豊島区高松に借地している上田さん(仮名)は20年近く前に更新と更新料をめぐり地主と争いになり、供託となった。

それ以後、法務局に毎月供託していたが、今年に入り、地主の代理人として不動産会社の社員が訪問してきた。地主が高齢となったので、次の世代にこの問題を持ち越したくないので正式に契約書を締結したいと言ってきた。心配になって組合に相談し、組合を窓口として話し合うことにした。組合事務所を訪問した不動産会社に対して、正式な契約を締結したというならば更新料の問題を取り下げるならば検討に応じること、底地の売買についても売って出ていくことはないが買い取りについては値段があえば買取る意思があることを伝え、今後とも組合事務所を通して話し合うことにした。
(東京借地借家人新聞8月号より)

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借地の更新料請求が棄却された事例(東京地裁 23・3・31判決)

2011年07月11日 | 最高裁と判例集
 借地の更新料請求が棄却された事例(東京地裁平23.3.31判決・控訴なし)
《事案の概要》

(1)本件は、昭和63年12月、更新料350万円を支払って合意更新をした借地人Yが地主Xから20年の期間満了による更新料393万8170円の支払請求の訴訟を提起された事案。Xの支払請求の根拠は、昭和63年12月の更新の際、20年後の更新の際にも、更新料を支払う旨の合意があったというもの。

(2)訴え提起前、YはXの代理人弁護士と金額について交渉、いったん175万円の支払意思を示したが拒否され、その後北借組と相談の上、更新料の法的性質についての正しい知識を得て法定更新を選択することにしてこの意思表示を撤回していた。

《判旨》
(1)判決は、原告・被告の各本人尋問を踏まえ、昭和63年12月の契約時点では「Yも期間満了時に更新料の支払及び額についてXと協議することは念頭にあったと認められるが、更新料を支払う旨の合意(黙示の合意を含む)があったとまでは認められない」としてX主張の合意を否定し、Xの請求を棄却した。
(2)これで裁判官の役目は終ったはずであるが、判決では「あえて付言するに」として次のように判示した。「仮に、賃貸借契約の当事者間で更新料の支払につき合意がされたとしても、その法的性質については種々の考え方があり得るところであって、更新料の法的性質からその算出基準ないし算出根拠が一義的に導かれるものではないから、更新料の支払請求権が具体的権利性を有するためには、少なくとも、更新料支払の合意をする際に、裁判所において客観的に更新料の額を算出することができる程度の具体的基準を定めることが必要であって、そのような基準が定められていない合意は、更新料支払請求権の発生原因とはなり得ないものと解される」。そして、本件ではその「具体的基準についての合意は成立していない」として、この点でもXの請求は理由がないとした。

《寸評》
 本件は私がYさんの代理人としてかかわった事件です。Yさんの勝訴は当然ですが、この判決で意義のあるのは、判旨の(2)です。「更新料を払って下さい。はい、払います」程度の「支払合意」ではまだ「更新料支払請求権の発生原因」にはならないが、さらに「客観的に額を算出できる具体的基準」が定められていると、更新料支払請求権が「具体的権利性」を帯びてくるということで、そうすると地主が勝訴することになります。例えば「借地権価格の5%」などと記載されていると「客観的に額を算出できる具体的基準」になる可能性があります。既存契約書の解釈、更新契約書の作成に当っては注意が必要です。
(弁護士 白 石 光 征)

(東京借地借家人新聞7月号より)
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緊急院内集会 急増する稼働年齢層の生活保護受給に どう対処すべきか-PART2

2011年07月11日 | 最新情報
大不況に大震災が追い打ちをかけ、生活保護受給者が急増しました。その数は、200万人に達しています。これを受けて、生活保護制度を切り下げようという動きが、活発になってきました。

 国と地方自治体は、”有期保護””医療費一部負担”などをテーマに非公開の密室協議を始め、8月までに「法改正を含む制度の抜本的改革案」を取りまとめるとしています。

 また、社会保障審議会に設けられた生活保護基準検討部会では、「年金・最低賃金との逆転現象解消」のため、保護基準引き下げを検討すると報道されています。

 しかし、先進諸国と比べて日本の保護受給率は本当に高いのか?
 増えたとされる「稼働層」は、本当に「働ける」人たちなのか?

 今や「最初で最後のセーフティネット」となった生活保護を切り縮めて、 この国は保つのか?

 この院内集会は、関係する専門家、支援者、当事者による「現場からの訴え」です。

ぜひ、この声を聞いて下さい!


【日時】
 2011年7月20日(水)12:00~14:00
(一般参加の方は11時45分から上記会館1階ロビーで通行証を配布します)

【場所】
 衆議院第1議員会館 多目的ホール
 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm

【プログラム】(敬称略・順不同)
◇基調講演
   吉永純(花園大学社会福祉部教授、元ケースワーカー)

◆特別報告「福島県・義援金による生活保護打ち切り問題の実態」
         下村幸仁(山梨県立大学 人間福祉学部教授)

  ◇現場の声(発言予定者)
稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンターもやい 理事長)
赤石千依子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ 理事)
河村直樹(全労働省労働組合 中央副執行委員長)
生活保護利用当事者の方々

 ◆まとめのあいさつ
   尾藤廣喜(生活保護問題対策全国会議代表幹事、弁護士)

【主催】生活保護問題対策全国会議/反貧困ネットワーク

(連絡先)
〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16西天満パークビル3号館7階 あかり法律事務所
       弁護士 小久保哲郎(TEL 06-6363-3310 FAX 06-6363-3320)

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地主が不動産業者に底地を売却

2011年07月06日 | 明渡しと地上げ問題
 足立区梅島で約12坪の土地を賃借している長谷川さん(仮名)は、地主が土地を不動産業者に売却することを挨拶に訪れた営業社員から聞いた。

 長谷川さんは心配になり組合事務所に相談に行った。組合では、借地上の建物に本人名義の所有権の登記をしているかどうかによって対応が違うことを説明した。

 調べてみると両親と本人が三分の一の割合になっており、契約書は母と本人の名前になっていた。

 登記をしている場合には、新地主から明渡し要求にも、新規の契約締結の要求にも、地代増額の要求にも、いずれも応じないことができることが説明された。10月には業者に譲渡されるという話なので、知り合いの人に業者の名を告げると「地上げ屋」とのことだった。

 長谷川さんはその場で組合に加入することにした。


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賃貸住宅、原状回復ガイドライン改定へ 国交省

2011年07月04日 | 敷金と原状回復
 国土交通省は6月28日、賃貸住宅退去時の原状回復に関わるトラブル防止のため、賃貸人・賃借人が理解しておくべき一般的なルールを示した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の再改定版案を公表した。賃貸人・賃借人の修繕分担などを契約時に明確に合意できるよう、契約書に添付する様式を定めたのが最大の特徴。また、裁判事例の追加なども行った。今後、7月15日まで一般から意見募集を行い、8月をメドに取りまとめる。

 今回の改定で、契約書に添付する原状回復の条件に関する様式を定めたことについて国交省は、「ガイドラインは現状、退去時に使われることが多い。ただ、原状回復の問題は契約時の明確な合意が重要。今回、契約書に添付できる様式を定めたことで契約時の利用を促したい」と話している。

 また、国交省は今年度内の賃貸住宅標準契約書の改定も予定。その作業の中で、今回定めた原状回復の条件に関する様式も盛り込む方針だ。(6月29日 住宅新報)

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更新料問題学習会 参加者募集中 7月9日(土)八王子労政会館

2011年07月01日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 借地や借家をしている方にとって、契約更新の度に高額な更新料を請求され、頭を悩ましている方が多いのではないでしょうか。借地人や借家人の方の中には、「更新料を支払わないと契約更新ができないのではないか」、「地主さんと大家さんともめると後でしっぺ返しがくる」と思っておられる方が意外に多いのです。

ところが、更新料など1円も払わなくても、借地借家法ではなんの問題もなく、借地であれば更新料を支払ってしまった人と同じように木造で20年の契約で更新できるのです。何百万円、何千万円という莫大なお金を支払っても、一円も払わなくても借地人の権利が法律上なんら変わらなく、20年の更新ができるのなら支払わない方がいいに決まっています。

現在、賃貸マンションの更新料を支払う契約は有効か無効か裁判所の判断が分かれて、7月15日にも最高裁で判決が下る予定です。いずれにせよ法律上しっかりとした根拠を説明できないお金は支払う必要はありません。なぜ、支払わなくてもいいのか、皆さんに学習会で分かりやすくご説明します。奮ってご参加下さい。その他の相談にも応じます。
■日時 7月9日(土)午後1時半開会、3時半まで
■会場 東京都八王子労政館・和室(八王子市明神町3-5-1)
■講師 東京多摩借地借家人組合事務局長 細谷 紫朗
■参加無料 定員35人になり次第締め切ります。
■申込みは組合事務所にお電話下さい。  参加無料


〒190-0023 立川市柴崎町4-5-3-101
東京多摩借地借家人組合
電話 042(526)1094FAX 042(512)7194
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