東京多摩借地借家人組合

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東京住宅運動連絡会が東京都都市整備局と交渉

2006年03月31日 | 国と東京都の住宅政策
 62項目住宅要求で都が回答書
 
東京住宅運動連絡会は、3月29日午後2時から都庁第2本庁舎10階会議室において、2006年度予算要求書について都市整備局交渉を行った。5団体から10名が参加し、東借連から佐藤会長、細谷専務理事が出席した。
 東京住宅連からは昨年10月に提出された予算要求書として新規公共賃貸住宅の大量建設、都営住宅、公団住宅、公社住宅、民間賃貸住宅など62項目の住宅要求が提出され、都市整備局の文書回答を受けて、回答文書の不明確な点について交渉がされた。

 都のガイドライン見直しを

 東借連が提出した要求の内、①単身高齢者への困窮度順ポイント方式の導入について、②都営住宅の期限付き入居制度、③民間賃貸住宅のバリアフリー化、④東京都賃貸住宅防止条例とガイドラインについて質問した。とくに、賃貸住宅紛争防止条例とガイドラインについて、依然として原状回復をめぐるトラブルが発生し、朝日新聞のモニター調査で4割の人が「敷金が戻らない」と泣き寝入りしている実態を指摘。賃借人にガイドラインが周知されていないと訴えた。大阪府の住宅供給公社の最高裁判決に基づき賃借人に不利な原状回復特約は無効であるとの指導を徹底し、ガイドラインを見直すよう求めた。
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原状回復特約の成立を厳しく制限した最高裁判決の意義

2006年03月30日 | 敷金と原状回復
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、通常損耗の修復費用を借主に負担させる原状回復特約についての判例の動向は「賃貸物件の通常の使用による損耗、汚損はその家賃によってカバーされるべきで、その修繕等を賃借人の負担とすることは、賃借人に対し、目的物の善管注意義務等の法律上、社会通念上当然に発生する義務とは趣を異にする新たな義務を負担させるというべきである、特約条項が形式上あるにしても、契約の際その趣旨の説明がなされ、賃借人がこれを承諾したときでなければ、義務を負うものではないとするのが大半であり、特約の成立そのものが認められない事案が多い。」と解説されている。
 また、東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」は、退去時の修復費用に関して「賃貸住宅の契約においては、通常損耗や経年変化などの修繕費は、家賃に含まれるとされており、貸主が負担するのが原則です」と説明され、従来からの判例動向に基づいて 通常損耗の修復費用は貸主負担が原則であると解説している。
 最高裁判決(2005年12月16日)は、通常損耗の修復費用に関して「建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている」と指摘し、通常損耗の修復費用は家賃の中に含まれており、これらの費用は貸主負担が原則であることが確認された。
 この原則に反して通常損耗の修復費用を借主に負担させる原状回復特約は、家賃の二重取りであり、借主に「不当な負担」を課すものである。従って最高裁判決では、原状回復特約が認められる成立要件を厳しく制限し、「賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である」と判示した。最高裁は、それらの成立要件が認められない場合は通常損耗を含む原状回復義務を借主に負担させることが出来ないと判断した。
 最高裁判決は、このような厳しい成立要件の下でのみ特約の効力を承認したものであり、現実には通常損耗・自然損耗の修復費用を借主に負担させる不当な原状回復特約を排除することを意図していると見るべきである。
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東京の地価が15年ぶりに上昇、都内の一部でバブル再燃の動き

2006年03月29日 | 借地借家の法律知識
 今年の東京の公示地価が発表された。東京の平均変動率が、住宅地、商業地、全用途でいずれもプラスとなり、15年ぶりに地価が上昇した。

 区部の住宅地の平均地価は1平方mあたり45万5千円で、変動率の平均は2・2%アップした。墨田区、葛飾区が横ばいとなった他は全ての区が上昇した。上昇率トップは港区の18%で、渋谷9・2%、千代田区7・4%と続く。

 商業地の平均地価は、1平方mあたり172万8千円で、上昇率では「表参道ヒルズ」効果で1位から5位までが渋谷区の青山・原宿エリヤが占めた。最高額は5年連続JR東京駅前の「丸の内ビルディング」の1平方mあたり2440万円で全国最高額となった。

 多摩地区の平均変動率は、商業地が横ばいで、住宅地と全用途はいずれもマイナスとなったが、下落率は縮小し下げ止まりの傾向を示している。

 今回の地価上昇は、再開発効果もあるが、日銀の量的緩和政策の下、超低金利でだぶついた資金が不動産投資にどっと流れてきたもようで、不動産投資ファンドなどが優良ビルを買いあさっているといわれている。昨年来より、東京都内を中心に地上げ屋も活発に動き始めており、80年代のバブル再燃の兆しもみえてきた。あの時も金融緩和がバブルの後押しをした。同じ過ちを繰り返してはいけない。

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底地と借地を交換した時の特例とは

2006年03月28日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク

1 制度の概要

 個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。


2 特例を受けるための適用要件

(1)
 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。

(2)
 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
 この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3)
 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4)
 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。

(5)
 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。   交換譲渡資産の種類とその用途区分の表 交換譲渡資産の種類
区分

土地
宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他

建物
居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用


(6)
 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。



3 注意事項

(1)
 この特例が受けられる場合でも、交換に伴って相手方から金銭などの交換差金を受け取ったときは、その交換差金が所得税の課税対象になります。

(2)
 この特例を受けるためには、確定申告書に所定の事項を記載の上、譲渡所得の内訳書(計算明細書)[土地・建物用]を添付して提出する必要があります。


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6軒の借家人結束し、家賃値上げ撤回させる

2006年03月27日 | 地代家賃の増減
1月初旬、組合に相談の電話が入った。家主から6軒の借家人に対して、1月の家賃から1か月3000円の値上げを通告され困っているという内容である。過去、2年毎の値上げが繰返され、その都度、値上げを呑まされ続けており、借家人の意見は、これ以上値上げは呑めないということで全員一致している。だが、値上げ通告にどのように対処するか、借地借家人組合への加入に対しても、各人の意見は纏らない。
 そこで組合の説明会を開いてほしいということで、1月13日に会合を開き、借地借家人組合とはいかなることをするのかを説明した。加えて借地借家法の条文のコピーを配り、それを基にして、家賃値上げの対処方法、供託、調停等を解説した。
 組合に加入したいので、1月26日に再度会合を開きたいとの要請があった。会合で今後の行動の意見交換をし、1月31日に代表者3名と組合役員とで6軒分の家賃を纏めて家主の元へ持参すること、家主への対応は総て役員が行なうことを決めた。
 当日、家主に対して、6名が組合に加入したこと、交渉は組合を中心に行なうことを通告。今回の値上げは認められない。従って、今まで通りの家賃額で支払うので受領の有無を返答してもらいたいと告げると、家主は共同所有者に電話で相談するので待ってもらいたいと奥へ引込んだ。
 数分後、今回の値上げは撤回すると言い、今まで通りの金額で受領した。

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東京簡裁判決で消費者契約法で原状回復特約が無効とされた

2006年03月25日 | 敷金と原状回復
(問)東京でも敷金返還請求裁判で自然損耗を含む原状回復特約は消費者契約法10条に違反し無効という判決があり、敷金全額が返還されたということですが、どんな内容の裁判だったのか。
(答)2005年11月29日の東京簡易裁判所の敷金返還裁判で自然損耗を含む原状回復を総て借主の費用負担で行わせる特約の有効性を争った訴訟で、その特約が消費者契約法10条に違反し無効とされた。そして貸主に対して敷金全額(13万6000円)の返還を命ずる判決があった。


 裁判の概要
 借主は貸主のA株式会社との間で平成8年3月、杉並のマンションの賃貸借契約を締結した。その後、2年毎の合意契約での更新を3回繰返し、平成16年3月1日に法定更新された。被告(新家主)は平成16年7月22日に所有権を取得し、賃貸人の地位を承継した。借主は平成16年9月23日に居室を明渡し、預け入れていた敷金13万6000円の返還を新家主に求めた。
 ところが、新家主は「原状回復特約」による修復費用が18万390円で、敷金から控除すると追加費用が発生するので、その分(4万4390円)を支払えと反訴請求をして来た。


 裁判の判断
 東京簡易裁判所は、「契約書第11条に『明渡しの時は、原状に復するものとし、又、借主は故意及び過失を問わず、本物件に損害を与えた場合は直ちに原状に復し、損害賠償の責に任ずるものとする』と合意されている」この合意は「自然損耗等についての原状回復費用も負担することを定めたものといえる」と自然損耗を含めた原状回復特約の成立を認定した。
 その上で「貸主において使用の対価である賃料を受領しながら、賃貸期間中の自然損耗等の原状回復費用を借主に負担させることは、借主に二重の負担を強いることになり、貸主に不当な利得を生じさせる一方、借主には不利益であり、信義則に反する」加えて「自然損耗等についての原状回復義務を借主が負担するとの合意部分は、民法の任意規定の適用による場合に比べ、借主の義務を加重し、信義則に反して借主の利益を一方的に害しており、消費者契約法10条に該当し、無効である」として東京簡裁は敷金の全額返還を命じた。

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口約束信じて移転先を決めたtら家主立退き料を拒否

2006年03月23日 | 明渡しと地上げ問題
昨年11月、大田区池上三丁目に居住する綱島さんが組合事務所を尋ねてきた。
 移転先を捜して、頭金を支払い確保した事を家主に伝えたが、立退料は払えないと言われて困っているとのことで、立退料を払っていただく方法はないだろうかとの相談。
 立退き補償金を尋ねると、移転経費は百万でも二百万でも出すよとの家主の言葉を信頼して、合意の書類等は作成しなかったとの事だ。
 早速、組合に加入して頂くとともに、確保した移転先を解約し、今後の交渉は組合に依頼した旨を家主に伝えた。受領拒否された三万円の家賃を供託した。綱島さんの堅い決意を知った家主は不動産業者を通して組合に交渉を申し入れて来た。建物は外見とは違い戦前の物で綱島さんの補修工事で維持している状態であり、家主が借地人である事を考慮しての厳しい交渉になった。しかし、不動産業者は組合を知っている事が幸いしたのか、組合の提案内容で家主を説得された。この程、綱島さんの納得できる条件で合意の見通しとなった。

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定期借家制度は廃止せよと国土交通省へ要請

2006年03月22日 | 借地借家法改悪
 定借廃止で国交省に要請を

借地借家法改悪反対全国連絡会は、3月20日午前10時に国土交通省を訪れ、北側国土交通大臣あての「定期借家制度の廃止を求める要請書」を提出し、定期借家制度の廃止を求めて陳情した。
 陳情行動には、全借連の小林会長、東京借地借家人組合連合会の佐藤会長、細谷専務理事など4団体から8名が参加した。

 国会請願署名6千筆を提出

 国土交通省は、住宅局の住宅総合整備課マンション管理対策室の松本功弘課長補佐等が応対した。松本課長補佐は「借地借家法は国土交通省の所管ではないが、民間賃貸住宅市場で制度を知らないということで使われないことのないよう普及を図っている。定期借家制度は合意の上で契約期間が満了する制度で、強制的に追い出すものではない」と答弁した。参加者からは定期借家制度は借家人を期間満了で強制的に追い出す制度であり、民間賃貸住宅市場において普及されていない実態をみても直ちに廃止すべきであると強く要請した。
 参加者は国会を訪ね、「借地借家法の改悪に反対する国会請願」署名6095筆を提出した。請願には日本共産党の穀田恵ニ衆議院議員、小林美恵子参議院議員が応対した。
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住居法実現で国土交通省へ団体署名提出

2006年03月22日 | 国民の住まいを守る全国連絡会
住居法実現実行委員会と住まいを守る全国連絡会は6団体の代表7名が3月16日午後1時半に国土交通省を訪れ、住居法の制定を求める1245団体の署名を提出した。
坂庭住まい連代表幹事より、3月6日に行なわれた住生活基本法を考える国会集会に120名が参加し、国会議員および代理が10名参加し、当日の集会で「住生活基本法案」についての意見書が確認されたことを報告し、同意見書を提出し、今後の国会審議や法案成立後の「住生活基本計画」に反映されるよう要望した。
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借地権と底地権を交換した場合の特例とは

2006年03月21日 | 借地借家の法律知識
1 制度の概要

 個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。


2 特例を受けるための適用要件

(1)
 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。

(2)
 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
 この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3)
 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4)
 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。

(5)
 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。   交換譲渡資産の種類とその用途区分の表 交換譲渡資産の種類
区分

土地
宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他

建物
居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用


(6)
 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。



3 注意事項

(1)
 この特例が受けられる場合でも、交換に伴って相手方から金銭などの交換差金を受け取ったときは、その交換差金が所得税の課税対象になります。

(2)
 この特例を受けるためには、確定申告書に所定の事項を記載の上、譲渡所得の内訳書(計算明細書)[土地・建物用]を添付して提出する必要があります。


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店舗の契約更新で定期借家契約への切替をすすめられたが

2006年03月20日 | 借地借家の法律知識
(問)3年契約で店舗を借りています。5月末日で契約期間が満了になります。2月に不動産会社が「6月の契約から3年の定期借家契約で」と言ってきました。どうしたらいいでしょうか。
(答)営業用店舗は2000年3月1日以降の契約更新の場合、合意があれば定期借家契約への切り替えは出来る。定期借家契約を拒否するには賃借人としては法定更新に持込み今まで通りの普通借家契約を続けるのが営業権を守る安全策であろう。
 以下の(1)(2)は借地借家法の法定更新規定の要旨である。
 (1)期間の定めのある借家契約で期間満了の1年前から6ヶ月前(法定通知期間)までに賃貸人が賃借人に対して、更新拒絶の通知または条件変更の通知をしていなかった場合は、従前の契約と同一の条件で自動的に借家契約が更新され、借家関係は継続される。尚、更新拒絶の通知をするには、正当事由が必要である(借地借家法28条)。
 (2)またその通知をした場合でも、期間満了後、賃借人が継続して建物を利用していることに対して賃貸人が遅滞なく異議を述べないと(1)と同様に従前の契約と同一の条件で自動的に更新される(借地借家法法26条)。
 (1)と(2) は当事者の意思の如何に拘らず、法律上当然に借家契約が更新されるので、これを「法定更新」という。
 相談者の場合は、不動産会社が「法定通知期間」内に適法な更新拒絶の通知を何ら行なっていないので、借家契約は既に従前の契約と同一条件で「普通借家契約」として法定更新されることが確定される。このように期間満了の6ヶ月前までに通知をしていないと、その時点で既に契約更新がなされることが法的に決定される。この更新を賃貸人が覆すことは出来ない。相談者は不動産会社から繰り返し定期借家契約への切替を執拗に要求されるであろうが、「法定更新は法律上自動的に更新するもので賃借人の回答を必要としない」(東京高判1955年1月21日)のであるから、期間満了の5月末日に法定更新が確定するまで、ただ沈黙していればいい。
 法定更新後の借家契約は期間の定めのないものとして扱われるので原則的に更新問題は起こりえず、定期借家への切替や更新料で揉めることもなくなる。
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偽装マンションの住民負担分平均2000万円 国土交通省試算

2006年03月19日 | 最新情報
国土交通省は15日、耐震強度が偽装され、震度5強で倒壊の恐れがある分譲マンションの建て替え費用について、床面積100平方メートルの場合、住民負担分は約2000万円になるとの試算をまとめた。

 1月に国交省が提示した素案では約2750万円だったが、自治体やマンション居住者から「住民負担額を引き下げてほしい」との要望が続出。川崎市のマンション「グランドステージ溝の口」は民間業者を活用し、国の案より住民負担を1000万円程度軽くした再建計画をまとめている。

 国交省は都市再生機構とともに建築計画を見直し、これまでに試算が終わった5件のマンションで平均約750万円を削減した。ほかの物件も同様に費用を抑えることができる見通し。ただ、各居住者の実際の負担額は階や部屋の広さなどによって異なる。
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組合に加入して借地借家問題解決しよう

2006年03月16日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
借地や借家をしていると、明渡し立ち抜き問題や地代・家賃の支払い、値上げ値下げ問題、権利金、礼金、敷金、保証金、更新料、業者の手数料、契約条件の変更、特約の効力、契約期間途上の解約、契約の更新、正当事由、法定更新、契約当事者の変更、建物の増改築、修繕、老朽化、朽廃、滅失、賃借権の相続、譲渡、転貸借、区画整理、再開発、建物の登記、競売、共同住宅の管理など、日常的にさまざまな困難な問題に直面します。このような時、組合は皆さんの問題解決のための相談活動を行なっています。


組合に加入すれば問題が解決できます。

 お問合せ・ご連絡は 042(526)1094 

 
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貸主と借主の家族の間には貸主と借主本人と同様に使用借権の相続が認められた事例

2006年03月15日 | 最高裁と判例集
建物の使用貸借について貸主と借主の家族の間には貸主と借主本人との間と同様な人的関係があるとして使用借権の相続が認められた事例(東京高裁平成13・4・18判決、判例時報一七五四号)


(事案の概要と争点)
一、AはB夫婦の子供として育てられ、昭和26年Bが本件建物を建てた後も一時期を除いてB一家と同居していた(なおBの夫は昭和34年死亡)。AはY1と昭和45年結婚し、その頃からY1もその子Y2もA及びBと同居を始め、以後Aら一家は平成5年9月までの23年間Bと本件建物で同居して生活を共にしBの面倒を見てきた。
 Bはその後本件建物を出て娘のX1と同居するようになったが、Aら一家に本件建物の明渡しを求めることはなかった。
二、Bは平成8年に死亡、X1らが本件建物を相続した。Aは平成9年に死亡した。そこでX1らは本件建物の所有権に基いて、Aの死亡後も本件建物に居住し続けているY1Y2親子に対し、本件建物の明渡しを求めた。なお、Aからもその相続人Y1らからも、本件建物の所有者であるB又はその相続人X1らに対し家賃が支払われていたことはなかった。
三、Y 1ら親子は本件建物に居住し続けることができるか、又は、明渡さなければならないか、これが本件の争点である。


(判決要旨)
一、 建物所有者BとAとの法律関係
 AはB夫婦の実子同然に育てられてきたこと、AY1Y2ら一家は23年間Bと共同生活を送りBの面倒を見てきたこと、Bが家を出て同居が終わったあともBがAら一家に本件建物の明渡しを求めたことがないこと、などに鑑みれば、Bが家を出たころ、BとAとの間で黙示的に(暗黙のうちに)本件建物の使用貸借の合意が成立したものと解することができる。
二、 Y1らはAの権利を承継できるか
 民法599条は借主の死亡を使用貸借の終了原因としている。これは使用貸借関係が貸主(B)借主(A)の特別な人的関係に基礎を置くものであることに由来する。しかし、本件のようにBとAとの間に実親子同然の関係があり、BがAの家族と長年同居してきたような場合、BとAの家族との間には、BとA本人との間と同様の特別な人的関係があるというべきであるから、このような場合に民法599条は適用されないと解するのが相当である。
 そうするとYらはAの借主としての地位を相続により継承し、他方、X1らは貸主としての地位を相続により承継したことになる。よって、Y1らは明渡す必要はない。


(寸評)
 妥当な判決である。ABの関係が賃貸借ならこのような問題は生じない。なぜなら、Aの賃借権は配偶者Y1と子Y2に当然相続されるからである。
 本件は、貸主と借主の相続人との人的関係を基礎に民法599条の適用を否定したところに意義がある。【再録】

(弁護士 白石光征) 

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鳩ノ巣渓谷ハイキングのご案内

2006年03月14日 | 最新情報
寒かった今年の冬も終わり、ようやく春がやってきました。白丸駅から多摩川の上流部の白丸ダムから鳩ノ巣渓谷、古里駅まで約5キロ程の道のりをハイキングしようと思います。新緑の美しいこの時期に、少し羽根を伸ばして小さな旅をしてみませんか。歩行時間は約2時間半ほどですが、鳩ノ巣渓谷辺りでお昼のランチを予定しています。鳩ノ巣渓谷を過ぎ、再び多摩川の寸庭橋まで少し山道に入りますが、とても変化に富んだ楽しいコースです。
■日時 4月16日(日)
■集合 青梅線白丸駅改札口午前10時46分
 立川駅午前9時35分発青梅特快に乗車
■コース 白丸駅→数馬峡橋→白丸湖と白丸ダム→鳩ノ巣渓谷→鳩ノ巣小橋→双神の滝→雲仙橋→寸庭橋→古里駅
■申込 組合事務所4月14日までに
✽交通費・昼食代は各自自弁です。
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