東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

母親の借地権を処分したいが、借地権を譲渡する方法があるか

2012年09月24日 | 借地借家の法律知識
(問)18坪の土地を賃借していた一人暮らしの80歳の母が亡くなりました。子供は二人ですが、二人とも他に家を所有し、実家に住む予定はありません。

 現在、地代は供託中で建物も30年以上経っていて、これからの管理も難しい状況で、できたら借地権を処分して、金銭に換えて弟と分けたいと考えています。

 借地権を譲渡することができると聞いていますが、どのような方法があるのか教えてもらえませんか。

(答)借地権を譲渡することは可能です。借地権はその土地の借地権割合(借地権価格と地主の持っている権利である底地権価格の割合、例えば6対4)による価格で第三者に譲渡できます。借地権を譲渡する場合は買主を特定した上で地主の承諾を受けます。地主に支払う承諾料の相場は借地権価格の10%位です。地主の承諾が得られない場合や承諾料の額が合意できない時には、地主の承諾に代わる裁判所の許可を受ける方法(借地非訟事件手続き)があります。現状では借地権の買主を見つけるのは難しく、知り合いがいれば別ですが、借地権の譲渡は困難がともないます。

 借地権の譲渡以外では、次の方法があります。

①地主から底地を買い取りを所有権にしてから第三者に売却する。
②借地権と底地権を等価交換して所得した土地を第三者に売却する。
①の場合は、借地権ではなく所有権なので買主が見つかる可能性は高い。
②の場合は、土地を分割するので、狭小な土地は難しいですが、分割後の土地が利用可能な広さがあればよい方法です。交換なので金銭の動きがなく地主側に税制上の利点があります。

①②の場合も地主との取引は、前述の借地権割合に沿って行うのが原則で、取引内容について地主との合意ができないと成立しません。組合や顧問の弁護士さんと相談して慎重に事に当たることが大切です。

(東京借地借家人新聞より)
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再建築不可の借地契約の更新で更地価格の3%の更新料の支払いNO

2012年09月21日 | 契約更新と更新料
品川区に住む大沢さん(仮名)は戦後間もなくこの地を借りて住んでいた。築60年以上経過した建物だが私道の奥深くの旗上の敷地で再建築不可のために建て替えもできず現在にいたっている。

20年前の更新時には、父親が現役で働いていたこともあり更新料を支払って更新してしまった。今回、地主の息子で不動産業を営む者から詳しい計算書付で更地価格の3%の260万円の更新料の支払いと地代を10%値上げして更新するように請求された。

様々なところに相談したところ知人から借地借家人組合があることを紹介された。7月に期間が満了していることもあり、急いで解決しないと権利が不安定になるのではないかという心配とこのような高額な更新料は支払えないと組合に相談にきた。

組合では、出来たばかりの更新料解決マニュアルを紹介しながら、契約書には更新料支払特約がないことから支払う義務のないことを説明した。しかも、更新の条件に次回以降には更新料を支払う約定が入っており、その金額で合意できない時は不動産鑑定士の鑑定に従う旨の趣旨が記載されていた。

直ちにこのような条件では合意できない旨を通知するとともに更新料の支払いを拒否し、法定更新で頑張ることにした。(東京借地借家人新聞より)

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更新料・地主の相続問題学習会のご案内

2012年09月12日 | 借地借家問題セミナーと相談会
──こんな問題で悩んでいませんか──

■借地の契約期限の満了で、契約更新料を支払わないと
 更新ができないのか?更新料を支払わない方法は!
■契約更新の際に契約書の作成で注意することは!
■地代を供託中に、借地人が亡くなった場合は!
■借地上の建物が地震で倒れたら借地権はどうなるか!
■周りと比べ高過ぎる地代を減額するには!
■地主が亡くなった。地主の相続でどんな問題が起きるか心配だ! 他人に売却されたらどうなるのか!

◎日時 9月15日(土)午後1時半開会
◎会場 小平市小川西町公民館
◎講師 東京多摩借地借家人組合 事務局長 細谷 紫朗
◎講演 「更新料・相続問題等借地借家の法律知識」

  講演終了後、質問・相談を受付けます。
  
 東京多摩借地借家人組合 ☎ 042(526)1094
 同組合小平支部 ☎ 042(343)4128 田辺宅
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住宅生協が借地セミナー開催 9月19日 東京都生協連会館で

2012年09月12日 | 借地借家問題セミナーと相談会
生協・消費者住宅センター主催(東借連後援)により、左記の日程で借地セミナーを開催する講演テーマ『更新料問題と借地の増改築について』。また、生協で具体的に問題解決した新築・リフォーム工事等の実例紹介も行う。

◯日時:9月19日(水)18時30分(受付18時)
◯会場:東京都生協連会館3階(参加無料)
◯講演『更新料問題と借地の増改築について』
◯講師:東京借地借家組合連合会 細谷紫朗事務局長
◯実例紹介:住宅生協建築事業部 高坂浩之氏
☆問合せ 住宅生協担当(小野):電話0120―670―620携帯080―3367―7268


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全借連が罹災都市借地借家臨時処理法見直しで法務省に意見を提出

2012年09月07日 | 地震と借地借家問題
 法務省民事局参事官室では、罹災都市借地借家臨時処理法(罹災法)の見直しについて検討を行ってきました。これまでの検討結果を担当者素案として取りまとめ、広く国民の意見を聞くためのパブリックコメントの募集を8月1日から8月31日まで行いました。

 罹災法は戦後復興に向けて借地借家人の保護目的で昭和21年に制定され、昭和31年の改正で火災・震災・風水害その他の災害に対し、政令で適用されることになりました。最近では、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震にも政令で適用されています。

 今回の担当者素案では、①優先借地権制度と優先借地権譲受権制度を廃止する。代わりに被災地一時使用借地権を設ける案と設けない案、②借地権の保護として、借地権の対抗力を政令適用から6か月間は対抗力を認める。6が月後から3年~5年の間は借地借家法第10条の掲示で第三者の対抗力とする。借地権の存続期間の延長は廃止する。③優先借家制度を廃止する案と優先借家制度に代わり借家人事前交渉制度を向ける案等が大きな争点になっています。

 法務省からは、罹災法の見直しと被災マンション法の見直しを審議する法制審議会に全借連から委員を推薦するよう要請が来ています。全借連では、大震災時に既存の借地借家人の権利が守られるよう委員の要請に応えるとともに、意見の提出を行いました。
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