東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

三多摩憲法のつどい 雨宮処凛さんが講演 コロナ禍における貧困とおその支援の実態

2021年10月19日 | コロナと家賃滞納
 三多摩憲法のつどいは、9月30日午後6時半から初めての試みで、Zoomによる配信で行われました。作家で貧困問題の現場で活躍する雨宮処凛さんからコロナ禍における貧困とその支援の実態について大変衝撃的なお話を聞くことができました。聞き手は三多摩法律事務所の奥田真帆弁護士。

 雨宮さんは、コロナ禍の貧困について、「2008年の年越し派遣村では多くが男性で中高年の日雇いや派遣の労働者が派遣村に集まってきたが、今回は多様な世代が貧困になり、従来貧困と無縁だった自営業者や正社員も仕事を失い、家賃や住宅ローンを払えなくなり、路上生活にまで落ちている人がいる。とくに飲食店などで働く女性の貧困は深刻で、支援団体が毎週行っている食料支援・炊き出しなどに、親子連れで並ぶ女性もいる。9月は池袋で「てのはし」が行った炊き出しには、過去最高の416人の人が食料を求めて並ぶ状況にある。」と述べていました。

所持金も尽き、携帯代も支払えなくなり、支援を求めるSOSはフリーWi-Fiが使える所からメールで送られてくることが多く、メールを見つけて新型コロナ緊急アクションでは、困窮者のところに出向き、今夜泊まれるホテル代や食事代を渡して、数日後に役所に生活保護の申請に同伴するなどの支援を行っているとの話がありました。

 日本では仕事を失うと簡単に賃貸住宅や寮から追い出されてしまう。コロナ禍で「ステイホーム」が叫ばれているのに、住まいを失っている人のことは完全に見捨てられている。雨宮さんは「貧困で死ぬ人がでないようにすることは政治の問題」であり、衆議院選挙ではみんなで投票しようと訴えていました。
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家賃滞納めぐり出頭に応じず書類送検、改正民事執行法で警視庁初の摘発

2021年03月06日 | コロナと家賃滞納
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4214654.html

 滞納した家賃の支払いをめぐり裁判所への出頭に応じなかったとして、男性が民事執行法違反の疑いで書類送検されました。法改正
後、警視庁による初めての摘発となります。
 民事執行法違反の疑いで警視庁に書類送検されたのは、狛江市のアルバイトの男性(34)です。男性は、2017年に住んでいた
マンションの家賃あわせて16万円分を保証会社に支払っておらず、東京地裁から財産開示手続きのために呼び出されていましたが、
去年9月の期日に出頭しなかった疑いがもたれています。
 男性は容疑を認めた上で、「出頭するつもりだったが寝過ごした。裁判所の呼び出しを甘く受け止めていた」と話しているというこ
とです。
Q.(男性は)電話には出るんですか?
 「出ないですね。親御さんがいたので話はしてますけど、本人には会えなかったりとか」(男性から未払いが続いていた 家賃保証
会社)
 民事執行法は家賃や養育費などを支払わず出頭にも応じない場合、罰金や懲役の刑事罰が科されるよう改正され、去年4月に施行さ
れていて、支払いの「逃げ得」を防ぐ効果が期待されています。警視庁では改正後民事執行法で初めての摘発となります。

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「部屋を貸せない」と言われたら

2021年02月10日 | コロナと家賃滞納
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210209/k10012855591000.html

新型コロナウイルスは、暮らしに欠かせない住宅に、影響を及ぼしています。
テレワークの普及で、都市部から郊外へ移る動きもあります。
その一方で、収入が減って家賃の支払いに苦労する人、より家賃の安い住宅に移ろうとしても、入居を断られてしまう人もいます。
コロナ禍で不透明ないま、誰もが直面する可能性があります。(経済部記者 長野幸代)

賃貸住宅の現場に変化が

年度の変わり目を控えたこの時期、街の不動産会社は1年で最も賃貸住宅の仲介が増えます。しかし、都内のこの店舗で、目立って増
えているのが部屋の解約です。
「地元に帰る」、「安い部屋に引っ越す」といった理由が多いということです。
家賃の支払いに困った入居者からの相談や、国が行う家賃支援の給付金の申請に関わる手続きも増えているといいます。
鵜澤代表
「家賃の支払いが難しい。給付金を申請したいが、どうすればよいかという相談が、何件も寄せられています。リーマンショックや東
日本大震災のあとも、こんなことはありませんでした」
業界団体の「日本賃貸住宅管理協会」が去年行った調査では、会員企業の48.7%が感染拡大の影響で「賃料減額請求が増えた」。
26.7%が「解約(退去)が増えた」と答えています。

急増する住まいの給付金申請

国は、仕事がなくなって収入が減少した人などに対して、家賃を給付する生活支援を行っています。「住居確保給付金」制度です。
給付額は自治体や世帯の人数によって違いますが、例えば東京23区では、単身世帯は月5万3700円、2人世帯は6万4000円が、賃貸住宅
のオーナーなどに振り込まれます。家賃を支援している間に、仕事を探し、生活を立て直してもらおうというのが制度のねらいです。
全国の支給件数は、2020年度は、去年4月から12月までの9か月間で、過去最大の11万9265件に上っています。2019年度は3972件、リー
マンショック後の2010年度でも3万7151件でした。件数を見るだけで、コロナの影響の厳しさが見えてきます。

給付金があるうちに、コロナの収束を

1月に給付金を申請した夫婦に話を聞きました。住まいは築30年余りの、およそ20平方メートルの1ルームマンションです。夫は69歳で
年金生活。妻はプロの歌手でコンサートやイベント会場、飲食店などで歌い、月に15万円ほどの収入を得ていました。しかしコロナ
で、イベントの中止が続き、妻の収入はほとんどなくなってしまいました。
今は夫の年金と貯金、それに給付金が頼りです。
年金生活の男性
「給付金は本当にありがたいです。妻は歌の仕事以外はしたことがありません。給付金が切れるまでに、とにかく感染が収束して、歌
の営業を再開できることを願っています。それまでは自粛して切り詰める毎日です」

いつか来る支給終了

給付金の支給期間は原則3か月ですが、コロナ禍の2020年度中は最長12か月まで延長されています。
しかし、去年4月に申請して受給してきた人は、仕事が見つからなかった場合でも、ことし3月分で支給は終わります。
コロナの影響で過去最高に増えた給付金の支えがなくなった時、家賃を滞納する入居者が増えるのではないかと懸念する声もありま
す。

「部屋を貸せない」をなくすには

コロナの影響で収入が減り、より安い部屋へ引っ越そうと考える人も増えています。
しかし、生活の状況が厳しいがゆえに「部屋を貸せない」と入居を断られることもあります。こうしたケースを少しでも減らしたいと
始まったサービスがあります。
住宅情報サイトを運営するライフルは、新型コロナウイルスが感染拡大した去年4月に、特設のページを設けました。
掲載するのは、部屋の間取りや駅からの距離といった物件情報ではありません。
所得の減少などで住まいに困る人たちの家探しに前向きに取り組むと、表明している不動産会社の情報です。ページを開設以降、アク
セス数は増加を続けています。

住まい探しに親身なドアを

ライフルでは、おととし11月に「FRIENDLY DOOR」というサイトを設け、年齢や収入などを理由に“入居を断られがち”な立場の人た
ちーー高齢者、シングルマザー、外国人といった人たちの、住まい探しに理解のある会社、全国の2475店の情報を載せてきました。こ
れをコロナをきっかけに拡充したのです。
プロジェクトのリーダー、キョウ・イグンさんは、サイトに込めた思いを、こう話しています。
キョウさん
「例えばパートを減らされて収入が減り、家賃の支払いが負担になる事態は、コロナ禍では誰が直面してもおかしくないと思います。
自分から望んだ事態ではないので、いろいろな立場の人をはなからお断りとせず、オーナーに丁寧に説明したり交渉したりと、間に
入って住まい探しに親身になってくれる人に出会えるドア、という思いを込めています」
キョウさんは、家賃の滞納などを心配するオーナーや不動産会社の不安を減らそうと、セミナーなども開催しています。高齢者やシン
グルマザーの住まいの支援を行うNPOの代表などを講師に招いて、受け入れの拡大につなげようとしています。
NPOやソーシャルワーカーなどとつながって、家探しを支援する仕組みを作ることができないかも模索しています。
キョウさん
「雇用情勢など、自分たちの取り組みだけではどうにもならないことも多く、はがゆく感じることもあります。しかし住まいに困る人
たちの問題を、自分のこととして考える人が増えれば、少しずつ解決につながっていくと思います。最終的な目標は、こうしたサイト
がいらなくなることです」

住まいに困らないために

取材の中で、国が進める「住宅セーフティネット制度」の強化も必要だという指摘がありました。高齢者や所得が低い人などの入居を
拒まない住宅として、オーナーが都道府県に登録すれば、改修費用などの補助を受けることができる仕組みです。増加する空き家を
セーフティーネット住宅として積極的に活用していくことが必要だという意見もありました。
誰もが住まいに困らないよう、どのような取り組みを積み重ねていくか。コロナがわたしたちに突きつけた課題だと感じます。

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厚生労働省、住居確保給付金 10万件支給

2020年11月17日 | コロナと家賃滞納
https://www.zenchin.com/news/post-5644.php

 コロナ不況で支給要件が緩和された「住居確保給付金」の申請・支給件数が高水準で推移している。厚生労働省によると、2020年4
~9月の累計支給件数が10万3918件と、半年間で19年度の支給件数の約26倍に増えた。空き家を除いた国内賃貸住宅の0.7%に相当する
規模だ。この推移について、「申請・支給のピークは過ぎた」と捉える管理会社が目立つ一方、倒産・失業の増加次第では、6月以降
減少している申請件数が増加に転じるとの見方もある。データを元に不動産事業者の声を探った。

4~9月 国内の賃貸住宅の1%弱

 「住居確保給付金」は、離職や廃業によって住居を失うおそれが生じている人に、実際の家賃額を原則3カ月間支給するというも
の。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、4月より給付要件を緩和。離職・廃業していなくとも、それと同程度まで収入が落ち込
んだ人も給付対象に加えることにし、この給付金制度の認知度も急拡大した。
 4~9月の累計支給件数は10万3918件。単純計算で、全国の賃貸住宅1906万5000戸(総務省調べ)から空き家を引いた1500万戸弱の0.7%
に上る。
 4月の支給件数は3409件だった一方で、申請件数は9459件まで増加。5月には申請件数がピークを迎え、4万4811件に上った。支給件
数は2万7040件だった。6月は申請が3万1167件とやや減ったものの、前月の積み残しもあり、支給は3万4869件となった。以降は申請も
支給も減少傾向にあるが、9月でも申請7375件、支給7819件と、例年より異常に高い水準のままだ。
 支給額の上限は、市区町村ごとに定める生活保護制度の住宅扶助額で、最長9カ月間まで延長が可能。給付金は家主や不動産媒介事
業者らへ自治体から直接支払われる。

申請減でも残る不安

 賃貸住宅7076戸を管理する冨士物産(静岡県浜松市)では、「住宅確保給付金」に関する手続きを5~7月は毎月10件ほど、それ以降は
月に3件ほど行っている。例年は年に1、2件程度。受給者は飲食業やフリーランスの単身者が目立った。営業推進部の西田行宏部長
は、「ピークは過ぎたが、収入減で貯蓄が尽きて新たに受給する人が毎月いるようだ」と話す。今後については、支給額と実際の賃料
の差額によって、滞納額がかさんでいる人が多数いる点を懸念しているという。
 4471戸を管理するハウスプロメイン(兵庫県神戸市)では、5月に30件ほど手続きを行った。例年は1年間を通してもほとんどなかった
という。6月にも10件ほど手続きを行ったが、以降はほとんどない。「支給を受けられるような人たちは5月に一通り申請し終わったの
ではないか。支給対象は単身者が多かったが、職種も年齢層もバラバラの印象」と営業部の豊岡和樹課長は話す。今後については、
「8月に感染者が急増したときには、あまり影響がなかった。第3波も影響がないと思いたい」と、不安を抱えながらも悲観はしていな
い様子だ。
 2500戸を管理するホーミングライフ(東京都新宿区)は、5月に25件の手続きを行った。以降は月に1件もしくは0件だ。例年は年に1件
あるかないかだったという。経理課・平原聡氏は「必要な人は5月に申請を終えた」とみている。受給者は、飲食業や非正規雇用単身
者が目立った。今後については、「第1波、第2波は乗り切ったが、次の第3波で耐えきれなくなって申請する人が出てくるのではない
か」と警戒感を示す。
 帝国データバンク(東京都港区)の調べによると、4~9月における負債額1000万円以上の企業倒産数は全国で3858件で、過去30年で最
少。10月も前年同月比17.6%減の647件と低水準。データソリューション企画部情報統括課の神山竜哉氏は、「行政や銀行による資金繰
り支援の下支えで、当面は低い水準のまま推移する見込み。ただ、ビジネスモデルの転換を迫られている企業は多く、増加に転じるリ
スクをはらんだ状況が続きそうだ」と話す。
 コロナ禍の影響は減少傾向にあるが、家賃滞納や退去が増える可能性は残っているようだ。

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「家賃払えない」給付金申請が90倍に 新型コロナ影響

2020年09月09日 | コロナと家賃滞納
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200909/k10012608001000.html

新型コロナウイルスの影響が長期化し、家賃の支払いに苦しむ人が急増しています。NHKが全国36の自治体にアンケート調査したと
ころ、仕事を失った人などに家賃を支給する「住居確保給付金」の申請件数がことし7月までの4か月間で5万件近くとなり、前の年の
同じ時期のおよそ90倍に上っていることが分かりました。
「住居確保給付金」は、仕事を失うなどして家賃が払えなくなった人に、自治体が一定額を上限に家賃を支給する制度です。
NHKは、感染者数が多い上位10の都道府県のうち、人口の多い東京23区や政令指定都市など合わせて36の区や市にアンケート調査を
行い、「住居確保給付金」の申請件数を独自に集計しました。
その結果、ことし4月から7月までの給付金の申請件数は合わせて4万9266件で、前の年の同じ時期のおよそ90倍に上っていることが分
かりました。
支給期間は原則3か月間で、それまでに収入が回復していない場合は最長9か月まで支給期間を延長することができますが、最初の3か
月では生活を立て直せず、8月分から支給期間を延長した人が全体の56%に上っていることも分かりました。
生活困窮者の支援にあたっている立教大学の稲葉剛客員教授は、「経済危機の長期化で家賃の支払いに困っている人が増えているが、
9か月の給付金の支給期間が年末年始で切れ、路頭に迷う人が大量に出てしまうことも懸念される。感染収束の見通しが立たない中、
国は支給期間を延長するなど、制度の見直しを検討するべきだ」と話しています。

窓口に申請殺到

「住居確保給付金」の申請を受け付ける都内の区役所の窓口には収入が途絶え家賃の支払いに苦しむ人たちが殺到しています。
このうちホテルで働く50代の男性は、外国人観光客が激減して勤務のシフトに入ることができなくなり、感染拡大の前には月に20万円
近くあった収入が7月と8月はゼロになりました。
貯蓄を取り崩しながら生活していますが、ホテル側の経営悪化で、休業手当は支払われておらず、収入が回復する見通しも立っていな
いということです。
このため男性は6月から給付金を受けていますがさらに3か月、支給を延長してもらうために申請に訪れていました。
男性は「給付金の支給期間は最長でも9か月ですが、それまでに収入が回復するのか、不安しかありません。感染が拡大した4月ごろよ
り今のほうが経済状況は悪化していて貯蓄ももうすぐ底をついてしまいます。受給期間をもう少し長くしてほしいです」と話していま
した。
飲食店で働く40代の女性は、4月と5月はゼロだった収入が6月に10万円程度まで一時、回復しましたが、7月に入り感染が再拡大したこ
とでシフトにほとんど入れなくなりました。
このため7月の収入は再び6万円ほどに落ち込み、給付金の延長を申請したということです。
女性は「5月に給付金を申請したときは、『3か月たてば収入が安定して前の生活に戻れるかな』と考えていましたが、このままでは貯
蓄もなくなり本当に生活が厳しいです。給付金が受け取れなくなくなれば家賃が払えなくなるのでどうすればいいのか焦っています」
と話していました。

働き盛り世代に影響大

今回のアンケートでは、ことし7月までの4か月間に住居確保給付金の支給が決まった人の年代や世帯数、申請の理由についても調査し
ました。
年代の内訳を見ますと
▽30代が27%と最も多く、
▽30代未満と40代がそれぞれ23%、
▽50代が17%、
▽60代が8%、
▽70代が2%となっていて、
働き盛りの世代を中心に幅広い年代の人たちが家賃の支払いに苦しんでいる実態がうかがえます。
また、世帯数の内訳をみますと、
▽単身世帯が68%と大半を占めていますが、
▽2人世帯と3人以上の世帯もそれぞれ16%に上っていて、
ファミリー層にも影響が広がっていることが分かります。
厚生労働省は、ことし4月20日から、「離職や廃業で仕事を失った人」だけでなく、「休業などで収入が減少した人」も支給の対象に
していますが、申請理由の内訳は休業などによる減収が74%離職や廃業が26%でした。

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URがコロナ関連支援策を発表

2020年07月07日 | コロナと家賃滞納
https://www.zenchin.com/news/ur-10.php

 独立行政法人都市再生機構(以下、UR都市機構:神奈川県横浜市)は、6月25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、入居希望者、既
存入居者共に新たな支援策・サービスを発表した。

家賃減額や分割払い延長など4点

 内容は主に4つ。1つ目は給付金活用世帯に向け、定期借家契約で通常の賃貸契約よりも賃料を安く提供する制度だ。生活保護、住居
確保給付金、休業手当、雇用調整助成金、持続化給付金を受給している個人、個人事業主を対象とする。2年または3年の定期借家契約
を条件に、通常より10~20%安い賃料で提供する。
 募集住戸は約450団地、約1800戸で受け付ける。募集期間は6月26日~9月30日。UR都市機構の広報担当者は、「開始間もないため、
申し込み件数の集計は取れていないが、住居確保給付金支給者から相談があった際には提案していく」と述べる。
 2つ目は、既存入居者に向けて、家賃・共益費の分割払いを受け付ける制度の延長についてだ。同支援策は、緊急事態宣言中の4月28
日から実施してきたが、7月末までをめどに延長する。これまでに家賃の分割払いを行っている世帯数は全国で約500世帯に及んでい
る。今後の更なる延長については、「7月末頃判断する」(広報担当者)という。
 3つ目が、UR内で引っ越しを行う場合の初期費用の軽減策だ。すでに預託している敷金から原状回復費用を差し引いた残金を、引っ
越し先の敷金として引き継ぐことを可能とした。
 最後の4つ目が、「新しい生活様式」に対応した新サービスだ。セカンドハウスやハウスシェアリングでの契約を可能とした。同社
の賃貸借契約は基本的に実需向けだが『マルチハビテーション』制度を活用すれば、セカンドハウスとして契約できる。また従来、世
帯もしくは単身での契約に限定していたが、ハウスシェアリング制度では、友人などと共に契約することもできるようになった。この
場合、入居者全員が契約者となる。両制度を併用すれば、通常よりも安くテレワーク用の物件を確保できる。
 さらに、UR団地へのキッチンカーの導入も開始。在宅勤務者が増加したことで、住宅地でのランチ需要が高まったことから、5月15
日から試験導入してきたが、さらに推進する。現在、キッチンカーとの提携は3社。同じくキッチンカー導入済みの団地数は3団地と
なっている。
 同法人では今後も新型コロナウイルスの影響を受けた世帯に対し、支援策を検討していくとしている。

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コロナ不況最前線 アパート家賃滞納「じわり」発生

2020年06月23日 | コロナと家賃滞納
https://www.zenchin.com/news/post-5178.php

 コロナ不況の波が、賃貸住宅の「家賃支払い」の領域にも押し寄せてきている。入居者の収入減が響き、5月下旬に振り込まれる家
賃回収状況が「4月よりも悪化」と答える賃貸管理会社が一定数あった。滞納率は大半が「ほぼ横ばい」「微増」にとどまることか
ら、管理会社の経営的ダメージはさして大きくない。だが、滞納問題の解消は重要課題であり、その特効薬は簡単に見つからない。各
社の状況を1~3面にわたりリポートする。

「事前相談少ない」

 「今まで滞納したことのなかった世帯が、少しずつ滞納し始めている」
 こう語るのは、石川県の地場大手管理会社、アーバンホーム(石川県金沢市)の家賃精算部門で働く梶純係長だ。賃貸住宅の管理戸数
は1万8000戸ほど。5月回収分の家賃滞納件数は98件。4月分の68件から30件増えた。そのうち3件が飲食店や理容室などの店舗テナン
ト。残り大部分の27件が居住用世帯の滞納だ。
 支払い督促を担当する梶係長は「新たに増えた27件のうち、事前に滞納の連絡をしてくれた世帯はほとんどなかった」と振り返る。
未入金に気付いて連絡をとってみると、電話口から聞こえてきたのは「新型コロナの影響で収入が減ったので支払いが厳しい」という
苦しい声だった。「6月の滞納件数は、さらに増えるかもしれない」と先を案じる。
 同社では、減額や延滞を認める家主は少数派だ。しかし、家賃支払いをめぐっては、焦りを隠さず交渉に粘り強く臨む入居者もい
た。
 金沢市内で3LDKの戸建て賃貸に家賃月9万円支払っている個人事業主の50代男性は、2度にわたり、梶係長に減額を要請した。梶係長
は「決められた家賃ですし、契約期間中は変更できない旨を伝え、丁重にお断りした」と振り返る。
 ところが、同男性は、営業部門の別の社員に頼み込み、その社員を介して家主に減額を直接要請。その結果、6~8月までの3カ月間
に限り、家賃を9万円から6万円前後に下げてもらえることになった。家賃変更の覚書を取り交わし、例外的に減額を認めたという。
 家主からすれば、退去されるよりも、一定期間減額して残ってくれた方が、収支面で好都合なこともある。決して珍しい例ではない
だろう。

「若年層目立つ」

 家賃滞納者が微増していることに関しては、熊本県の地場大手会社、管理戸数1万6700戸のコスギ不動産(熊本市)からも同様の声が
聞こえてくる。
 5月の滞納率はわずか1%だが、3月の0.8%、4月の0.9%と比べると少しずつ悪化していることがわかる。資産活用部の元村大士次長は
「悪化の一番の理由はコロナ」と話す。
 5月の滞納者は20人ほど増えたという。多くは20~30代の単身者で、飲食店勤務者が目立つ。事前に滞納を予告してくれる世帯は「1
~2割くらい」(元村次長)と振り返る。
 滞納問題に、どう対応すればよいのか。定番は、行政支援の活用だ。
 先のアーバンホームでは、行政の家賃補助制度である「住居確保給付金」を滞納者に都度案内している。しかしすべての申請が認可
される保証がない上に、支払い期間が3カ月間で、上限額も決まっている。どの程度、滞納分をカバーしてくれるか見えないことか
ら、「過度な期待はできない」(梶係長)と語っている。

「翌月に2カ月分支払う」

 「家賃保証未加入の物件で、滞納がやや増えた」。こう語るのは、鹿児島県で7417戸の居住用賃貸物件を管理するMBC開発(鹿児島
市)、不動産事業本部賃貸部の高橋慎一郎次長だ。

家賃保証未加入の物件で要望

 5月の滞納率は0.98%。1%に満たない低水準だが、3月の0.48%、4月の0.67%と確実に悪化している。同社の管理物件における家賃保証
加入率は大部分を占めており、代位弁済分も「支払い済み」にカウントして計算しているため滞納率が低い。しかし家賃保証加入前の
物件に、7~8年前から住んでいる世帯の中から、滞納が確認できた。
 5月の滞納件数は64件。飲食業の従事者に多く、正規・非正規雇用ともに存在する。また学生で、生計を支える親の収入減による滞
納もあった。「今月末は厳しいから翌月に2カ月分を一度に振り込みたい」。こうした事情で初回滞納が目立ち始めてきた。
 このような相談を入居者から受けた際、同社は家主に報告する。家主側にもローンの返済があるため、うかつに減額・遅延を容認で
きない。
 家賃保証加入済みの物件でも課題が残る。通常は滞納が起きれば保証会社へ代位弁済請求を行う。しかし高橋次長は「5月分の滞納
は、事情が事情。安易に申請してよいものか、一度立ち止まってしまう」と心理的なハードルを指摘する。未入金者の相談に対しては
「住居確保給付金」の申請を案内し、できる対策を講じている。

滞納者は「家賃帯3万円」に多い

 管理戸数1544戸のジェイ・エッチ・ティー(北海道札幌市)でも、コロナ不況で居住用賃貸の家賃回収状況が徐々に悪化している。
居酒屋勤務で収入減などが理由
 3~5月にかけての滞納率は4.1%、4.4%、4.8%と上昇。保証会社と契約している約500戸分の管理物件を除いた、残り1000戸の管理物
件内の滞納率を算出した。管理物件の多くは、ワンルームや1DKなどの単身者物件となっている。
 総務部の関昌平部長によれば、滞納常習者以外からの滞納が少しずつ出てきているという。新たな滞納者とは、居酒屋などの飲食店
で働き、家賃帯3万円前後の物件に住む単身世帯が中心だ。
 4月に始まった緊急事態宣言に端を発した営業自粛によって、居酒屋でのシフトが減少。5月の給料に響いた。
 同社では、新規の滞納者に対して「住居確保給付金」の申請を案内しているが、「本当に申請してくれているかは分からない」(関
部長)と不安を口にしている。
 一方、自ら家賃減額を申し出る家主もいた。2LDK+駐車場の住戸が二つ入っている物件で、半年間1万円の値下げを認めた。「住み続
けてもらった方が得策という判断」(関部長)。しかし、能動的に手を挙げてくれるケースは少数派だろう。
 同社は滞納率を改善するために、保証会社との契約数を増やして未入金リスクを軽減したい考えを示している。管理戸数1544戸のう
ち、保証会社がかかわっている割合は現在4割。これを7~8割まで増やしたい。「もともと民法改正に備えて実施しようと考えてい
た。これを加速させる」(関部長)という。

滞納微増、対処法は手探り

 1面に続き、コロナ不況が家賃支払いにどう影響を及ぼしているのか、各社の状況を紹介する。滞納件数は同じ「微増」でも、当然
ながら会社によって程度や現場で起きていることが異なってくる。

「無い袖は振れない」

 首都圏で2500戸の賃貸住宅を管理するホーミングライフ(東京都新宿区)では、5月に振り込まれる分の家賃滞納率が3.3%、件数にし
て約240件に及んでいる。4月の1.1%から3倍になった。

5月 家賃滞納件数 240件

 滞納者の特徴について、経理課の平原聡氏は「飲食店勤務者や非正規雇用の単身者が目立つ」と述べる。コロナ不況が直撃しやすい
業種・雇用形態であることから、その悪影響を受けて収入が減った世帯が増えたと同氏は見ている。本社を置く新宿区以外の地方都市
の管理物件でも、同様の傾向がうかがえるという。
 このような滞納者への対応は簡単ではない。入金の督促をしようと、電話で「お支払いください」と伝えると、「こっちだって払い
たいが、仕事がない以上、払いようがない」と語気を強めて反発されてしまう場面もあった。
 こうした入居者に対しては、「慎重な対応が必要」と平原氏は説く。どうにもならない状況に立たされている入居者の不安を、とき
にはくみ取った上でコミュニケーションを図る姿勢も欠かせないだろう。
 同社の管理物件では基本的に家賃保証会社がかかわっているが、集金や滞納の初期対応に限っては、自社で滞納者本人と直接やりと
りしている。事情をヒアリングした上でしかるべき処置を講じている。
 滞納の理由がコロナ不況にかかわる内容の場合、同社は入居者に「住居確保給付金」の申請を案内している。その結果、5月は25件
の申請の意思を確認できたという。申請が通った分だけ、滞納状況は改善するだろう。

給付金申請でカバー

 管理戸数4471戸のハウスプロメイン(兵庫県神戸市)では、5月分の滞納者は、管理する一部のエリアで35人ほど。20~30代の単身者
が中心で、いつもより1割増えたという。

振り込み、約15件確認 

 管理物件の平均家賃単価は約7万円だが、滞納者の多くは5~6万円と低価格の物件に住んでいるという。
 5月の大型連休明けから「住居確保給付金」の申請に必要な書類の記入作業が増えた。居住者に申請書を郵送してもらい、営業ス
タッフ3人で、これまでに約30件対応してきた。
 5月25日に集金した6月分家賃では、「住居確保給付金」による振り込みが約30件のうち半数確認できた。
 営業担当の豊岡和樹氏は、「大半が滞納になる前に『住居確保給付金』の申請を行っていたため、滞納は最小限に抑えられている」
とポイントも説明した。

製造業不況が賃貸に直撃

 管理戸数7076戸の冨士物産(静岡県浜松市)では、5月中に振り込まれるべき家賃の滞納件数が200件弱に上った。前月から50件近く増
えた。中でも、飲食業や製造業の従事者の滞納が目立ったという。
 管理戸数の大部分が、製造業が盛んな浜松市内にある。自動車製造関連企業がコロナ不況でダメージを負い、収入が減った人が増
え、休業要請の後遺症が残る飲食店や小売店の経営に追いうちをかけた。そう推測する不動産統括本部の西田行宏氏は「滞納は今後も
増えるかもしれない」と先行きを心配している。
 同社では「住居確保給付金」の申請のための手続きが5月上旬から増え始めた。浜松店だけでこれまで10件ほど対応。その他、家賃
滞納にかかわる問い合わせも1日2件ほど寄せられている。

入居審査厳格化で滞納1件

 入居審査を厳しくすることで、コロナ禍から生じる滞納件数を最小限に抑えている会社もある。その一社が、管理戸数882戸の青木
ハウジング(神奈川県横浜市)だ。収入減による滞納相談は、現状1件のみ。新型コロナの煽りを受けた飲食業に従事する入居者だ。
 青木博昭社長は「入居時の審査を厳しくしているため、普段から家賃滞納のリスクを軽減できている」と語る。
 客付けの際、家賃保証会社の入居審査を通った後でも、独自審査を実施する。
 審査は細かい。入居希望者の書類一枚一枚に目を通し、ときには勤め先の会社名を検索する。企業サイトを開き、またサイトそのも
のが存在しなければグーグルのストリートビューで社屋を確認するという徹底ぶりだ。
 審査項目をみるときに、基準は設けていないが、ささいな違和感を見逃さないように努めている。
 「年収1500万と書かれているのに、家賃帯の低い部屋を探している場合などは注意が必要」(青木社長)。保証会社の審査を通って
も、2割程度は青木社長の判断で入居を断る。審査に慎重になることが滞納回避の一歩になると考えている。

相談者が微増

 管理戸数2636戸の大和財託(大阪市)の家賃滞納率が微増している。3月は0・61%、4月0・72%、5月は1・02%と上昇。この数字は、毎
月12日時点で、未納金額の合計を当月の請求額の合計で割ったものだ。入居者全体の構成はおおよそファミリー5割、社会人4割、学生
1割となっている。
経営への影響は「なし」
 事業部運用グループ・佐藤秀孝マネージャーは「収入が減った方からの支払い遅延の相談はあるものの、滞納そのものは多くありま
せん」とコメントする。
 同社は自社で家賃保証業務を手掛けている。滞納がわかった時点で迅速に電話連絡を行っている。どうしても支払いが困難な人に
は、「住居確保給付金」などの公的サポートを案内している。  
「給付金支給まで待ってほしい」

 管理戸数1237戸の佐藤商業(千葉県市原市)は、5月に振り込まれる家賃の滞納相談件数が約90件まで増加したという。例年は50~60
件程度。今年は昨年と比べて29件の問い合わせ増加があった。
5月相談、29件増加
 29件のうち20件が支払い猶予にかかわる相談だ。「(本業の休業による)収入減により、給付金の支給まで支払いを猶予してほしい」
という相談の他、失業による支払い猶予の相談も3件あった。
 管理部の柴田慎之介部長は、「保証会社を通していることもあり3~4月の滞納率・相談件数は例年と変わらなかったが、5月から格
段に増えた。普段滞納していない入居者からも相談があったことが意外だった」と驚きの声をあげた。初めて相談があった入居者に
は、ホワイトカラーの会社員や派遣社員が多いように感じたという。
 滞納相談の中には個人契約の入居者だけではなく、店舗テナントとして貸している飲食事業者が4件、整骨院が1件あった。これらは
支払い猶予ではなく補助金活用の相談だった。千葉市のテナント賃料補助の制度をオーナーに活用してもらいたいという内容だった。
 千葉市の補助制度とは、最大50万円をオーナーへ補償する「テナント支援協力制度」というものだ。オーナーが申請して、一定条件
をクリアすれば、オーナーに直接振り込まれる家賃が入る。
 だが同補助制度は原則オンライン申請。ITに抵抗感のある高齢のオーナーにとって、オンライン申請はハードルが高い。これが壁と
なり、相談を受けた物件オーナーは同制度を利用しなかった。テナント賃料の支払い問題の解決に向け、話が前に進みづらい原因のひ
とつになっている。

給付金活用は10人弱

 3391戸の賃貸住宅を管理している郡中本店(福島県郡山市)でも、3~5月の家賃滞納率は横ばいだった。保証会社の肩代わり分を除い
た滞納率は、金額ベースで3月0.67%、4月0.48%、5月0.76%だった。

減額対応は2件

 滞納者の多くは常習者。勤続年数が浅い若年層の男性と、加齢とともに収入が減少した高齢者が中心。特に、敷金や礼金などの初期
費用が低い物件での滞納者が発生する傾向が強いという。
 もっとも、コロナ禍による滞納も3月から徐々に増えてきている。
 5月までの3カ月間で20件ほど。その多くが飲食店や建設現場などで、勤務時間に応じて収入が変動する働き方をしている人たちだ。
コロナ禍の影響で出勤日数が減り減収となる、もしくは失業したことで家賃を支払えなくなるといった流れだ。このような入居者の家
賃は平均3万円前後だという。
 解決策として、同社は「住居確保給付金」の申請を案内する。同給付金によって滞納を解消した賃借人もすでに出始めてきている。
実際に申請した滞納者は10人弱程度という。
 もう一つの解決策としては、オーナーへの減額交渉だ。一定期間の減額に応じてくれた数は現在2件程度ある。
 不動産事業部の古和田泰彦氏は「幸い、新型コロナウイルスの悪影響はあまり感じられない。しかしスタッフによる案内状のポス
ティングや訪問など、滞納解消に向けた取り組みは強化していきたい」と語る。

家賃減額「覚書」必須

 コロナ不況で収入が減った入居者から家賃減額の交渉を受けたとき、「このまま退去されるくらいなら、一定期間減額して住み続け
てもらうほうが得策」と考える賃貸管理会社、オーナーは一定数いるだろう。そこで減額を受け入れる際、手続き面で何に気を付ける
べきなのか。不動産法務に詳しい神田元経営法律事務所の神田元弁護士は「必ず覚書を交わしておくこと」とアドバイスする。

「金額変更は避けるべき」

 例えば月10万円の家賃を7万円まで減額したとする。もし口頭で認めてしまうと、この物件の相当賃料が7万円である既成事実をつ
くってしまうことになる。万が一、悪意ある入居者から「賃料減額裁判」を起こされたときに、7万円という金額が「特例的に一定期
間下げた家賃」である証明ができなくなり、不利になる。賃貸借契約の変更も同様だ。
 先々のこうしたリスクを抑えるために、オーナーや管理会社ができることが、きちんと「覚書」を交わすことだ。書面で残せば、コ
ロナ不況で一時的に減額・猶予した事実を裁判所に示せるようになる。また書くときは「月額賃料○円のうちいつまでに×円の支払い
を免除する」と期限をつけるべきという。免除についての問題の有無があるかは税理士に相談した方がよい。
 神田弁護士は、賃貸経営するオーナーを顧客に抱えており、コロナ不況の中で、アパート関係ではこのような相談をよく受けるとい
う。

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