東京多摩借地借家人組合

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借地更新料を拒否すると地主が地代を1・5倍に増額請求

2012年03月31日 | 契約更新と更新料
 戦前から板橋区本町で120坪の借地をしていた前田さん(仮称)は、地主の先代とは親同士が幼馴染で仲良く暮らしていた。地主が親から子の代に代替わりすると様相は一変した。度重なる地代の値上げなどが当たり前のように請求された。そして更新の時期を迎えると、高額な更新料の請求がされた。この高額な更新料については支払うことが出来ないと話すと急に地主が等価交換の話をしはじめた。次から次へと話が変わるので、とても太刀打ちできないと考えて弁護士に代理人を依頼した。すると地主は等価交換はやめて地代の値上げを現行の1・5倍請求してきた。困って代理人の弁護士に相談すると「等価交換については依頼されたが地代の値上げ問題については依頼されていないので追加料金が発生する」と言われ困惑した。知り合いから借地組合があることがわかり、西武デパートの相談会に来た。地代の値上げは双方の合意が原則で、今まで一度も値下げしたことはなく、今回の値上げも大幅な値上げで承服できないとし、地主が主張する値上げの根拠を示すよう通知し、納得いくまで現行の地代を支払うことにした。(東京借地借家人新聞より)

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アパートの明け渡しで全面勝訴 更新料特約も法定更新で無効

2012年03月31日 | 明渡しと地上げ問題
 新宿区北新宿の共同住宅のワンルーム(ロフト付)を家賃月額8万5千円で借りているKさんは、建物明渡しと平成13年以降過去4回分の更新料34万円の請求で、今年2月に突然東京地裁に訴訟を起こされました。

 事の起こりは、建物の南側に13階建てのマンション建設計画があることを知り、Kさんは昨年11月に家主の娘に対し、家賃の減額を申し入れましたが家主側がこれを拒否。話し合いにも応じようとしないため平成21年1月分と2月分の家賃を月額1万円に減額して提供しましたが、受領を拒否されたため、法務局に供託しました。Kさんは、自由国民社の本に家賃を減額して提供して受領を拒否されれば供託できると書いているために、誤って供託してしまいました。組合と相談し今回の供託のやり方はまずいと指摘を受け、家主に減額して供託したことを誤り、改めて従前の家賃2回分に遅延利息を付して家主側に持参しましたが、受領を拒否され供託しました。

 Kさんは、平成7年、平成9年には更新料として家賃の1か月分を支払っていましたが、前の家主が平成11年に死亡し、法定更新となり平成13年に契約書の作成と更新料を請求されました。Kさんは更新料については以前から疑問があり、法定更新を主張し続けました。面白くない家主はKさんを追い出そうと訴訟を起こしてきたようです。裁判では、家主の代理人は全くやる気がなく、Kさんは弁護士を代理人に立てずに一人で頑張り、Kさんの主張が全面的に認められました。

明渡しの理由としてKさんの態度が「終始居丈高でも見下ろすような態度」との主張は、「これを認める証拠はない」と退けられています。
 また、更新料の請求についても、「本件賃貸借契約における更新料の特約は、『契約を更新するときは、借主は新賃料の1ヶ月分を借主に支払って再契約することとする』と規定されており、合意によらずに更新される場合にまで適用されると解釈する根拠は乏しい」、「更新料の支払い特約の効力は、同契約が法定更新された場合には及ばないと解するのが相当である」として法定更新されれば請求する根拠はないと否定しています。


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2年前に更新料支払ったばかり、地主が底地を突然売却

2012年03月21日 | 明渡しと地上げ問題
 武蔵野市吉祥寺東町に戦後直後から借地しているKさんとMさんは、今年1月に地主から「昨年12月27日に土地を新宿区にある不動産会社に譲渡し、所有権を移転した」とのお知らせが送られてきました。早速不動産会社の社員2名が訪問してききました。

 ビックリしたKさんとMさんは、近所に住む組合員のTさんの紹介で、組合に相談に来て早速入会しました。Kさんは、売却した前の地主と2年前の4月に20年の契約の更新をしたばかりで、更新料300万円を支払ったばかりでした。土地の登記簿謄本を調べたところ、確かに12月27日に新宿の不動産会社に売買されていました。今回売却された土地は4筆の土地で、○○銀行の根抵当権が設定されていました。

 KさんとMさんは、2月25日に不動産会社が地代の集金に来る際に、「今後の交渉その他すべて組合に任せた」と述べ、地代だけ支払って領収書を受け取り、話し合いには応じませんでした。

 不動産会社は不動産相続問題・底地の専門スペシャリストと名乗り、東京・神奈川・埼玉・千葉の住宅地の実績を紹介し、「底地の買い取りや、底地、居ぬき不動産に関して何かお困りの点、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください」とホームページで宣伝しています。相続問題等を抱える地主がターゲットにされ、地主が底地をまとめて、こうした不動産会社に売却する動きが今後も加速する恐れがあります。
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住宅生協の借地セミナーで細谷事務局長が講演

2012年03月07日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 生活協同組合・消費者住宅センター主催、東借連後援による「借地問題セミナー」が2月26日午後1時から中野区の東京都生協連会館において開催された。「借地問題セミナー」は、同生協理事で東借連の細谷紫朗事務局長より「更新料問題と借地の増改築」について講演がされた。借地の更新をめぐって借地法の規定と更新料をめぐる最近の3つの裁判事例が説明された。借地の増改築では修繕との違いや地主との交渉の注意点などが説明された。第3部では同生協建築事業部の高坂係長より、増改築が法令上困難なところで増改築した事例等が説明された。質疑では「20年前に更新料を支払って更新したが年金生活でお金がない」等切実な質問が出された。
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地主が大阪の地上げ屋に土地を売却 大阪法務局に地代を供託

2012年03月07日 | 明渡しと地上げ問題
大田区南馬込地域に約30坪を借地しているMさんの地主は契約期間満了を2年後に控えた一昨年3月に、底地を大阪市の建設業者に売却した。

 新たな賃貸人の建設業者は想定通り代理人を介して、借地権を売却を求めてきたが、Mさんは住み慣れた居住地であり、他に移転する意思はないと拒否する。今度は例の如く土地の買取を求められたが、Mさんはいずれの請求にも毅然とした態度で丁寧に断った。

さらに、Mさんは地代の支払いについて、前賃貸人同様に銀行口座を開設し振込みによる支払い方法を求めたが回答はなく、改めて建設業者に書面にて回答がない場合は、やむを得ず地代を供託すると通告するが、回答はなかった。

東京法務局での供託を考えて、地代の支払い方法に関して誠意ある回答ない状況なので、前賃貸人は地方に居住のために、賃借人の居住地の銀行口座に振り込みをしていたことを説明して相談。法務局の見解は、民法の規定により債権者の現在の住所において供託せよとのことだった。

 大阪法務局への供託手続きは用紙の送付に供託金の送金と手間と経費がかかるが、Mさんは頑張って手続きをしている。
(東京借地借家人新聞より)

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更新料の一部返還を命令 京都地裁判決「高額に過ぎる」

2012年03月01日 | 契約更新と更新料
賃貸住宅の更新料を定めた特約は消費者契約法に照らして無効として、京都市の女性(25)が更新料の返還を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。松本清隆裁判官は「賃料や契約期間に照らして高額に過ぎる」として更新料を一部無効とし、貸主側に約10万円の返還を命じた。
 更新料をめぐっては最高裁が昨年7月に「高額過ぎるなどの特段の事情がない限り無効ではない」との初判断を示した。貸主側の代理人によると、最高裁判決の後、無効判決が出たのは初めて。
 女性は2004年に賃貸契約し、1年ごとに定められた15万円の更新料(家賃約3・1カ月分)を3回支払った。松本裁判官は、判例や地域事情から、1年ごとの更新料上限は賃料年額の2割が相当とし、超過分を無効と判断した。
 原告代理人の長野浩三弁護士は「高額な更新料を設定している京都の業界に警鐘を鳴らす内容」と評価し、貸主側代理人の田中伸弁護士は「最高裁判決を理解せず、更新料の価格設定にまで介入した不当な判決だ」と話した。 (京都新聞 2月29日)
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