東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

底地買いトラブル相次ぐ 3・6倍の地代の不当値上げ

2022年11月16日 | 底地の売買 地上げ
 長年にわたり信頼関係を保っていた借地の土地が突然不動産会社に売却される事例が各地で発生しています。立川市錦町の借地人Yさんは、9月に突然旧所有者、新所有者の名前が記入された「ご挨拶」が自宅のポストに入っていました。

「今般事情があって旧所有者から新所有者へ売渡しましたので、本書をもってご通知致します。今後、賃貸料及びその他一切の事に関しましては、新所有者の方とお打ち合せ戴きたく併せてご通知致します。先ずは、取り急ぎご挨拶申し上げます。」という内容でした。

 立川市で9月24日に開催した借地借家問題市民セミナーにYさんの弟さんが参加し、10月に入りYさんが組合事務所を訪問し、組合に入会しました。新地主の底地買い業者と地代の支払いに等に関して連絡し、今後の対応について組合と相談していくことを確認しました。

 三鷹市Mさんは、コロナ禍の2年前に新地主の底地屋に底地が売却され、現行地代を引き継いだにもかかわらず今年の5月に地代増額を請求、新地代額は何と現行地代の3・6倍という不当な請求です。Mさんは当然値上げを拒否し、6月に地代を供託しました。

 その後、地主は9月に地代増額請求の調停を武蔵野簡易裁判所に申し立ててきました。Mさんは公租公課の4倍まで妥協案を提示しましたが、地主の代理人弁護士から一切の譲歩はなく、2回目で調停は不調となりました。Mさんはインターネットで組合を知り、組合に入会し、裁判に備えることにしました。地主の増額請求額は公租公課の実に10倍という不当な請求であり、支払える金額ではありません。裁判になっても不当な請求に反対し頑張る決意です。
 借地人が底地の買取りを拒否すると、地代を不当に増額請求するトラブルも最近発生しています。困った時は、直ちに組合にご相談ください。

(東京多摩借組ニュースより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借地上の建物の利用方法が借地契約の特約に反していても特約違反に当たらない

2022年11月16日 | 最高裁と判例集
 借地契約において、特約が有効であり、文言上その違反が疑われるような場合であっても、特約違反を認めなかった事例(東京地方裁判所平成28年6月15日判決)

 本件事案では、借地人Yらが借地権付建物(2棟)を購入するにあたり、地主Xとの間で借地契約を締結し、この契約において「借地上建物は賃借人自ら住居として使用する」との特約が付されていました。そもそも、借地人Yらは、本件借地の隣地を既に地主Xから借り、そこに自宅を建てて生活をしていたのですが、自宅が手狭になったことから、借地権付建物(2棟)を購入しようと考え、新たに借地契約の締結に至りました。そのため、借地人Yらは、借地権付建物(2棟)について、1棟には家財を置き、庭でガーデニングをしたり、来客を迎えたり、テレビを見たりしてくつろいだりする家屋として使用し、もう1棟は、主として絵のアトリエとして使用していました。また、住民票も隣地上の自宅建物に登録したままでした。このような使用方法につき、地主Xは、本件借地上の建物を住居として使用することはなかったのであるから、本件特約に違反しているとして、借地契約の解除を主張しました。
 裁判所は、「建物所有のために土地の安定した利用を図るという社会目的を有する借地借家法の立法趣旨に鑑み、著しく借地権者の権利を制限するような特約は、それ自体無効というべきである。」としつつ、「本件特約は、目的物の用法として、賃借人自ら住居として使用することを定めるものであるところ、かかる特約は、著しく借地権者の権利を制限するものとはいえず、特約自体は有効である。」と判断しました。
 他方で、裁判所は、借地契約締結前から、隣地上の建物を自宅として居住しており、地主Xも、本件特約の趣旨について、借地人Yらが本件借地上建物を住所として定めたり、生活の本拠とするものではなくてもよく、借地人Yらが使用していればよいと認識していることが認められるとして、本件借地上建物の利用方法は、本件特約に反するものではないとしました。このように特約が有効で、「住居」としての利用が疑わしい場合であっても、特約の趣旨を解釈し、特約違反とならないことは十分あり得ます。地主から何らかの特約違反を主張された場合、まずは本当に違反にあたるか否か、ご相談いただければと思います。

(弁護士 穐吉慶一)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 全借連家賃保証会社問題対策班 家賃債務保証業者の実態調査を発表

2022年11月10日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 賃貸住宅を借りる際に日本では連帯保証人が必須と言われ、保証人を立てられないと家賃債務保証会社と契約しないと賃貸住宅を借りることができないのが現実です。さらに、緊急連絡先が必要とされています。

 全借連の家賃保証会社問題対策班では、「家賃保証業者実態調査」を9月21日から10月13日にかけてウェブ調査を実施し、142人の賃借人の方から回答がありました。(詳細は次号以降の新聞に掲載します)

まず驚いたことは、賃借時の保証契約について、連帯保証人+保証会社を付けて契約した方が49・3%と約半数を占めました。保証会社と契約した理由は、保証会社契約が借りるための条件だった70・2%と保証会社と契約しないと住まいが借りられない実態が明らかになりました。また、保証会社は自分で選べたかでは、選べなかった91・5%で、保証業者が国の登録を受けているかどうかをも97%近くの方が知らない分からないと回答しています。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小平市で借地借家問題市民セミナー開催

2022年11月02日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 多摩借組は、10月29日午後1時半から小平市小川西町公民館で「借地借家問題市民セミナー」を3年ぶりに開催し、16名が参加した。

 西武線小川駅周辺に土地を所有する大地主が今年7月に突然死去し、セミナーでは細谷事務局局長より借地借家契約に関係する民法、借地借家法、消費者契約法について解説するとともに、大地主が死亡した時に起こる問題や地主が新しく変わった時の対応などについて説明した。地元の寺崎事務局次長が司会を担当し、参加者との質疑応答が行われた。地主が亡くなり相続人がまだ不明な時の供託の手続き、借地契約が更新時期を過ぎたが地主から何も言ってこない等について細谷事務局長が丁寧に回答した。

借地借家問題のご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする