東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

入院のためお休みします

2006年09月14日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
15日から今月一杯入院のため、ブログの書き込みお休みします。

 
退院しましたら、また頑張って書き込みしますので、見に来てください。


借地借家の賃貸トラブル

一人で悩まずご相談を

休みの間のご連絡は  東京借地借家人組合連合会 03(3263)7074
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母子家庭の家賃滞納で不動産屋が鍵交換すると強迫

2006年09月14日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 昭島市上川原町のアパートに居住する森田さんは、家賃を3ヶ月滞納したところ、不動産会社から滞納賃料を清算しないと契約の更新はしないといわれた。森田さんは、4月から8月までの5ヶ月間で滞納賃料を分割払いで支払うことを約束し、支払いを怠ったときは退室するとの念書に署名捺印した。
その後、前の約束を翻して、不動産会社が突然次のような文書を送付してきた。「賃貸借契約を解約した。直ちに貸室を明渡すこと。本契約が解約されたときは、借主は直ちに本物件を原状に復し退去しなければならない。借主がこれを怠り明渡さなかったときは、貸主は直ちに明渡しを執行することができる。その際、貸主は玄関のドアの鍵を交換し、本物件内の家財一式を処分するも異議なき事とする。明渡しに要した費用は全て借主の負担とする。┅┅┅鍵交換日平成17年2月20日」。

 森田さんは母子家庭で、生活も大変で途方にくれ、組合に相談にきた。組合では、「家賃の滞納はよくないが不動産会社のやり方はひどすぎる」。相談に来た2月18日に内容証明郵便を作成し、「鍵の交換や家財道具を勝手に処分すれば、住居侵入等で刑事告訴や民事上の損害賠償も辞さない。今回のような不法不当な行為を止めるように通告します」と通知した。森田さんは、娘さんが4月に就職が決まり、通勤の時間も考え4月中に移転先を見つけ、滞納賃料は4月中に清算することも予告した。

 組合の通告に驚いたか、2月20日は何事もなく、不動産会社からはその後も何も言ってこなくなった。3月中に移転先も見つかり、4月4日には引越しを終え、無事に移転した。滞納家賃は敷金と相殺し、残金を4月中に清算する予定である。

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住生活基本法で負け組の住宅はどうなるのか

2006年09月13日 | 国と東京都の住宅政策

阿部和義
2006年08月25日 (アサヒコム)

 豊かな住生活を目指すという「住生活基本法」が06年6月に施行された。昨春、国土交通省の山本繁太郎・住宅局長(現総務審議官)が「住宅基本法」を作るかどうか、で悩んでいるという記事をこのコラムで書いた。それから1年がたって、この法律は国会で成立した。名前に「生活」が入り、国土交通省の北側大臣はご機嫌である。公明党の出身だけに住生活という言葉が気に入ったようだ。

 8月には日経新聞で大々的に広告を打った。北側大臣が、見城美枝子・青森大学教授とこの法律が成立したことで対談をしている。異例のことである。この中で北側大臣は「住宅は量から質の時代に入り、住宅の全般について施策の対象にする」と話している。具体的には基本計画を作っており、項目ごとに目標値を作る。例えば新耐震適合率を03年現在の75%から15年には90%、省エネ対策率を同18%から同40%にする。老齢化にあわせるために共同住宅の道路から玄関までのバリアフリー化率を同10%から25%に目標を定める。

 住宅の質の向上は国民の要望でもある。しかし、公的な住宅政策で一番必要なことは人生の負け組に対してどのような支援の手を差し伸べるかである。戦後の住宅政策では「住宅金融公庫」が安い金利で金を貸し、住宅公団(元都市機構)が安い住宅を提供し、地方自治体は安い価格で公営住宅を提供した。小泉改革で住宅金融公庫は06年度末で廃止され、「住宅金融支援機構」になる。地方自治体の公的な住宅供給も三位一体改革による財政難で減る事が予想される。こうした中で小泉改革で格差は開くばかりであり、負け組に対する住宅政策はどのようになるのかが、北側大臣からは聞こえてこない。本来ならば公明党の大臣だけにこうした負け組に対する温かい配慮があってしかるべきではないだろうか。

 住宅生産者の集まりである「住宅生産団体連合会」(会長・和田勇積水ハウス社長)はこの住生活基本法の理念に基づき「倫理憲章」を制定した。この憲章では「環境への配慮」「地域社会への貢献」など7つの原則を決めた。住宅メーカーに対してもいろいろな批判が出ている。環境に配慮しない住宅を作っているとか、老人に対して配慮が無いなどである。今回の住生活基本法の精神に基づきこうした批判が無いように倫理憲章を守って欲しいものである。



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家主の明渡しが認められる正当事由の判断とは

2006年09月13日 | 明渡しと地上げ問題
(Q)家主の息子が結婚するので、3年の借家の期限に明渡しが認められるための正当事由とは。

(A)正当事由の制定の足跡
 借家法1条の2には、貸主は「自ら使用することを必要とする場合その他正当の事由ある場合」のみに、更新を拒絶し、また解約の申入れができるとしています。ご質問の場合は、期間を3年と定めたのですから、更新拒絶ができるか否かということになります。
 大正10年に、借家人保護のため、借家法が制定されましたが、建物の賃借権に対抗力を与え、借家人に造作買取請求権を認めましたが、解約については、申入れ期間を従来の3ヶ月から6ヶ月に延長したに止まり(同法3条1項)、解約の申入れ事由については、なんの制限も加えませんでした。これでは建物の賃借人の地位は依然不安定なものなので、昭和16年の借家法の改正で、新たに1条ノ2を加え、先に述べたように内容に制限を加えたのです。

正当事由の内容は
 それでは、その正当事由の内容ですが、貸主が自分で使用する必要があるときは、それだけで正当事由があるということになって、明渡しが認められるという解釈が初めのうちは取られていたのですが、これでは、貸主側の主観的事情に片寄りすぎて、借家人は実質的に保護されないとの批判が出て、昭和19年9月18日の大審院判例で「建物賃貸人が自ら使用する必要ありて解約の申入れをなすに付正当事由ありとなすには、賃貸人及び賃借人双方の利害得失を比較考慮するの外、なお進んで、公益上社会上その他各般の事情を斟酌してこれを決すべきものとす」と判断を示したのです。この考え方は最高裁でも引き継がれています。
 つまり、上記の考え方によると、賃貸人、賃借人の双方の事情を比較考慮して決めるべきだ、というものです。
 上記の判例にもあるとおり、公益上、社会上その他いろいろの事情をも考慮して決めるとありますが、その時の住宅事情がどうあるかが大きな判断要素になることはもちろんです。
 正当事由については、平成4年8月1日に施行された借地借家法では、「貸主及び借主の双方において、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の貸主が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引き換えに借主に対して財産上の給付(立退き料)をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して正当事由を判断する」と規定しております(28条)。

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貸主から来た内容証明郵便を放っておくと認めたことになるのか

2006年09月12日 | 借地借家の法律知識
(Q)地主から来た内容証明郵を放っておくと相手の言い分を認めたことになるか。

(A)内容証明郵便は送った郵便物(文書)の内容を郵便物が証明する制度です。非常に証拠力に優れていて、相手に心理的圧力を与える効果がありますが、受け取ったからといってその内容を認めたことにはなりません。重要なことは賃貸人が内容証明で賃借人に何を要求してきたのか内容が問題です。そこで賃貸人の言い分や要求に対して同意できない時はこちらの意思を明確に表示しておくという意味で、きちんと回答をしておいた方が良いと思います。そのことを通じて話し合いによる解決の機会が生まれることがあります。いずれにして、内容証明郵便が届いた借地借家人組合にご相談ください。

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備え付けの換気扇が壊れたけれど、家主が修繕してくれない

2006年09月11日 | 増改築と修繕
(Q)借りている部屋に備え付けてある換気扇が壊れたので賃貸人に修理を頼みました。しかし、賃貸人は、賃借人が使用していたのだから修理する義務はないと言って修理しようとしません。換気扇の修理は誰がするべきなのですか。


(A)賃貸人は、賃借人に部屋の使用収益させる義務があり、部屋に備え付けて換気扇の修繕する義務も負っています。賃借人が換気扇を自分の費用で修繕するばその費用を賃貸人に請求できます。但し、修繕が必要になった原因が賃借人にあるときは賃借人が修繕をしなければなりません。
また、契約書には、「修繕は賃借人が行う。」とする特約を規定していることも多いのですが、このような特約のある場合でも賃借人に通常の使用による範囲を超えて修繕が必要になったわけでもない場合にまで賃借人に修繕費用を負担させる趣旨ではないとするのが裁判例の立場です。

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最高裁は特約の成立要件を制限し借主の原状回復特約からの救済を図る

2006年09月11日 | 敷金と原状回復
(問)2005年12月16日の新聞に「通常損耗は借主に負担義務なし最高裁が初判断」と大々的に報じられたが、どんな判断があったのか。

(答)東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」は「通常損耗や経年変化などの修繕費は、家賃に含まれているとされており、貸主が負担するのが原則です」と説明している。この原則に反して、これらの修繕費用を借主に負担させる特約を「原状回復特約」という。借主にとっては、この特約は家賃の二重払いを強いるものである。
 問題の裁判は通常損耗を含む「原状回復特約」の有効性に関して争われた。
 貸主である大阪府住宅供給公社は特約に基づいて、敷金約35万円から修繕費30万円を差引いた。借主は「契約時の説明が不十分で、特約に合意したつもりはない」として敷金約30万円の返還を求めた。
 それに対して最高裁は「通常損耗に係る投資資本の減価の回収は、通常減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払いを受けることにより行なわれている」と指摘し、通常損耗は家賃に含まれるという原則が確認された。この原則に反する「原状回復特約」が認められる条件は「通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、」そうでない場合は「賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である」とされた。最高裁は、それらの条件が認められないと通常損耗を含む原状回復義務を賃借人に負担させることは出来ないという初判断を示した。その上で、敷金から通常損耗分を差引いた大阪府住宅供給公社に敷金を返還する義務があると認定し、その返還額を特定するために大阪高裁に差戻した。
 従来から下級審の判例は、特約が成立するためには(1)特約によって通常の義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識していること(2)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていることが必要であるとしている。意思表示理論を用い、「原状回復特約」に対して特約の成立条件に制限を設け、その要件を充たさない場合、特約は無効とされた。
 今回の最高裁判決は、これらの下級審の判例理論を追認したものである。

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敷金返さない口実に法定更新している過去4回分の更新料請求

2006年09月10日 | 敷金と原状回復
平成元年に入居し14年間居住した渋谷区初台の賃貸マンションを昨年10月に退去し、調布に移転した白井さんは、次の入居者のためのリフォーム費用50万5000円のうち家主は3割負担するので、白井さんに7割を負担するよう請求され、敷金58万5000円から勝手に35万3675円を差引き、残りの29万6325円を送金してきた。
組合から敷金を全額返還するよう請求したが、家主は無視してきたため、白井さんは組合に相談し、立川簡易裁判所に敷金返還の訴訟を起こした。裁判が開かれる1月30日の1週間前に家主は答弁書を提出。答弁書には、平成7年以降契約書も作らず法定更新しているにもかかわらず、平成7年以降4回分の更新料78万円を支払っていない、敷金返還で争うなら逆に債務不履行で反訴すると脅してきた。組合では家主は苦し紛れの言い訳で、絶対こちらの主張が認められると白井さんを励まし裁判に臨んだ。案の定、こちらの主張が認められ、家主が差引いた35万円のうち30万円が戻ることで和解が成立し、白井さんにもやっと笑顔が戻った。(東京多摩借組ニュースより)

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借地借家問題市民セミナー八王子で開催

2006年09月09日 | 借地借家問題セミナーと相談会
日時 9月16日(土)午後1時30分

会場 八王子労政会館(JR八王子駅北口徒歩10分、京王八王子駅徒歩7分)

講演 「借りて得する借地借家の法律知識」
 契約の更新と更新料、明渡し、敷金と原状回復問題など分かりやすく解説します。

講師 東京借地借家人組合連合会 会長 佐藤富美男氏

参加 直接会場に・参加無料です。

問合せ 東京多摩借地借家人組合
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嘘と偽りばかりの明渡しの調停申立て

2006年09月09日 | 明渡しと地上げ問題
府中市北山町の一戸建の借家に住むIさんは、4年前の2月に家賃月額5万円の条件で入居しました。昨年12月はじめに隣に住む家主から突然契約が切れる今年の3月末を以って解約し更新できないといわれました。理由は、府中駅の近くのマンションを購入し移転するので、土地を売却するとの理由。そして、今年の1月に家主は先に引っ越してしまいました。
 Iさんは唐突の申し出にショックでしたが、移転費用も出すと約束したので、仕方
なく12月末に話し合いに家主宅に伺ったところ、「お金など払うつもりはない。そんな約束はしていない」「出て行け出て行け」と怒鳴りだす始末。Iさんは約束を守らないなら明渡しはできないときっぱりと通告しました。家主はこの度、弁護士を代理人に立て、調停申立てを行ってきました。申立ての理由は嘘と偽りに満ちたIさんの名誉を傷つける酷い内容。Iさんは調停できっぱりと反論する予定です。

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家主の代理人が約束した立退き料を未払い

2006年09月08日 | 明渡しと地上げ問題
板橋の緒方さんは、店鋪兼住宅を昭和三五年から借りていた。平成八年ごろ、家主に委託を受けた受任会社が訪問し「建物が古くなったので建替えを行う予定なので明渡しをしてほしい」と求めてきた。まだまだ商売をしたいという気持ちがあったが、年令のことも考え、適切な補償が行われるならば立ち退いても良いという返事を出した。その後、受任会社と家主とのトラブルなどで代理人が変更されるなどの問題もあったが、平成九年に明渡しに関する合意書が作成された。合意と同時に補償金の半分が手渡された。その後、家主の会社の経営が悪化し、引渡の時期を半年半年と延ばす結果になり、いつ出ていくことが出来るのかと気をもむばかりになり、組合に相談した。組合では、代理人に連絡し、これ以上のばすならば法的処置も含め対処すると通告した。その結果、半月後に代理人から残金を支払うからと通告してきた。「やっと解決した。組合がなければとても一人では出来なかった」と語った。

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家を借りたが、第三者が勝手に家に入っていて立ち退かない

2006年09月07日 | 借地借家の法律知識
(Q)家を借りましたが、その家に知らない他人が入っていて立ち退きません。家主は立ち退かせると言っていますが、明渡してもらえないときはどうなりますか。

(A)家主(賃貸人)は借家契約を締結することによって、借家人(賃借人)に対し家屋を使用収益させる義務を負担しているわけです。あなたのように他人が居座っていれば、借家人は第三者により、その使用収益を妨害されていることになり、家主に向かって、「第三者の妨害を排除してくれ」と請求することができます。
 家主が、権限もなく借家に居座る第三者に対し、妨害排除の行為をしないときは、借家人は家主の持っている妨害排除請求権を代位行使して、居座る第三者に対し、直接その妨害の排除を求めることができます。

借家契約をした場合、借家人は、賃借権の登記がない限り、一日も早く引っ越すことです。あなたが引っ越す前に家屋を他に売却されると、家屋の新所有者に対抗できません。建物の賃貸借では、その登記がなくても引渡を受けると、借地借家法の保護により、それ以後に建物について所有権などを取得した者に対して、賃借権で対抗することができます(借地借家法31条)。

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相談日は 毎週 月・水・金  午前10時から


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日弁連が特例金利に反対する緊急会長声明

2006年09月06日 | 最新情報
貸金業制度及び出資法の上限金利の見直しを検討していた金融庁及び法務省は、9月5日、自由民主党金融調査会貸金業制度等に関する小委員会でその内容を明らかにした。検討内容では、最大9年間はグレーゾーン金利が存続するとともに、「少額短期特例」、「事業者向け特例」として、いずれも年利28%を認める、というものである。

しかし、今回の法改正の目的は、最高裁判所が貸金業規制法43条(グレーゾーン金利)の適用を否定して利息制限法による債務者救済を図る判決を相次いで示したことを踏まえ、深刻な多重債務問題を解決するために行うものである。このことは、自由民主党・公明党の「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」や、金融庁「貸金業制度等に関する懇談会」で確認されてきた。しかも、8月24日に開催された同「懇談会」では、特例高金利の導入に反対の意見が大勢を占めた。

また、高金利引き下げの署名は300万人を超え、39都道府県、880を超える市町村議会が、高金利引き下げの意見書を採択している。

このような状況の中で、長期にわたって「グレーゾーン金利」を存続させたり、利息制限法の制限を超える「特例高金利」を新たに導入することは、同「懇談会」の意見を無視するとともに、高金利の引き下げを求める国民の声に逆行するものであり、甚だ遺憾である。

当連合会は、重ねて政府及び国会に対し、少額短期特例や事業者特例を設置しないこと、直ちに貸金業規制法43条のみなし弁済規定を廃止することを強く要請するものである。


2006(平成18)年9月5日

日本弁護士連合会
会長 平山 正剛

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備え付けのガス給湯器が故障したが家主が修繕してくれない場合は

2006年09月06日 | 増改築と修繕
(問)先日、最初から設置してあったガス給湯器が故障した。家主に何度も修理を頼んだが、やってくれない。何とか家主に修理をさせ、その費用を支払わせる方法はないものか。
(答)賃貸住宅の修繕は、民法606条1項の「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要なる修繕をする義務を負う」と規定されている。借家の修繕義務は家主にあることが明確に規定されている。家主が修繕義務を免れるためには、予め契約で「ガス給湯器の修繕は借家人の負担とする」との特約を結んで置く必要がある。
 しかし特約が認められるには「条項に具体的に明記されているか(略)契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である」(最高裁2005年12月16日判決)。特約の成立に厳しい制限加えている。特約があるからといって何でも認められる訳ではない。相談者の場合は修繕特約がないので修繕義務は家主にある。
 民法615条で賃借物に修繕が必要な場合は賃借人が遅滞なく賃貸人にその旨を通知する義務があると規定している。同じく民法608条1項では「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。」とされているこれらに基づいて以下、家主の費用負担で修繕をさせる方法である。
 先ず配達証明付内容証明郵便で家主に対して修繕請求通知をする。その内容は「ガス給湯器が故障し、現在使用不能の状態で、困っています。修理業者に点検してもらい、修繕が必要でその修繕見積は**万円という報告を受けたのでお知らせします。本書到達後10日以内に至急修繕して下さい。もし期日までに修繕していただけない場合は、私が業者に依頼して修繕し、その修繕費用は後日請求しますのでお支払いください。万一お支払いくださらない場合は、月々の家賃と修繕費用を相殺することをご承知措きください」という趣旨のものである。
 この通知を出した上で、その内容の通り実行すればいい。修繕費用が月額家賃の半分以上になる場合は何回かに分けて差し引いて修繕費用を回収する。

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多額の借金を抱えたまま、父が死亡したがどのような対応をしたらよいか

2006年09月05日 | 相続と遺言、遺産分割
(Q)父が亡くなりました。詳細は分かりませんが、どうも父は事業に失敗して多額の借金を抱えていたようでした。このような場合、どのような対応をしたらよいのでしょうか。

(A)相続の開始によりプラスの財産のみならずマイナスの財産も相続されることになります。ですから明らかにマイナス財産の方が多い場合は、原則として相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続の放棄をする旨の申述をすべきです。

 他方、プラスの財産とマイナスの財産を比べてどちらが多いのか直ぐには判明しないような場合もありえます。そのような場合は、家庭裁判所に相続する財産の範囲内でのみ債務を弁済すればよい限定承認の申述をすべきです。ただし、これは相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、相続人全員でする必要があります。

 相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に相続放棄も限定承認もしないでおくと単純承認をしたものとみなされて、プラスの財産のみならずマイナスの財産も相続せざるを得なくなります。気をつけてください。

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