東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

平成11年から借家を借りているが、不動産業者から定期借家契約への切り替えを要求されたが

2009年06月30日 | 定期借家制度
(問)私は、平成11年4月に住宅を借りて住んでいますが、当初から2年毎に契約書を書換えて更新してきました。今年3月に家主の代理人と称する不動産業者から、今回から契約は定期借家契約にするので、契約書の他に書面を持ってきて署名捺印を求めてきました。定期借家契約の意味がわかりませんので、どのように対応したらよいのか悩んでいます。

(答)平成11年12月15日に交付された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」によって借地借家法が「改正」され、平成12年3月から定期借家制度が施行されました。この制度は、契約で定めた契約期間が終了すると、「正当事由」がなくとも、借家契約が終了されることになります。従って、家主と借家人の双方で合意がなければ再契約はできなくなります。

 定期借家契約は、事業用借家居住用借家を問わず、当事者の合意によって結ぶことができます。
 しかし、平成12年3月1日以前に結ばれている居住用借家契約は、当事者間の合意があったとしても定期借家制度は適用しません。(*1)

 定期借家契約を締結する場合、賃貸借契約のほかに「定期借家制度が適用され更新の無い契約であることを説明した公正証書などの書面による説明」をして当事者間で合意しなければなりません。(*2)

 さらに、家主は、契約解約する場合は期間満了前の1年前から6ヶ月前の間に「賃貸借期間の終了」を借家人へ通知する義務があります。(*3)

 ご相談の方の事例は、居住用借家であり平成12年3月以前の賃貸借契約ですので、たとえ合意したとしても定期借家契約にはなりません。


全国借地借家人新聞より


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(*1) 
(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 第5条(現行・借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(*2) 
(定期建物賃貸借)
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条(借家人に不利な特約は無効とする)の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(期間1年未満の借家契約の禁止)の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。(*3)



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7月4日 定例法律相談会

2009年06月29日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
◎日時 7月4日(土)午後1時30分から午後4時まで(先約順)

◎会場 組合事務所

◎担当 組合顧問 山口 真美弁護士

※組合員の相談は無料。電話で予約の上お越し下さい。


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定期借地権付住宅の供給実態調査を発表  国土交通省

2009年06月27日 | 最新情報
 国土交通省は6月26日、「平成20年全国定期借地権付住宅の供給実態調査」の結果を発表した。

 それによると、平成20年に供給された定期借地権付住宅は6,373戸(前年は5,185戸)で、制度創設以来過去最多の供給となった。

 内訳は、持家が1,170戸、賃貸が5,203戸。持家は一戸建て住宅が268戸、分譲マンションが902戸。賃貸住宅は公的主体によるものが2,825戸、民間事業者によるものが2,378戸となった。

 過去最多の供給になった要因について同省は、「独立行政法人都市再生機構の民間供給支援型賃貸住宅制度により、大区画の賃貸住宅用地が大量に供給されたことや、民間大手ハウスメーカーによる定期借地権制度を活用した賃貸アパートが大量に供給されたため」と分析している。
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横暴な地主を相手に借地非訟手続きで家の建て替えできた

2009年06月26日 | 増改築と修繕
 八王子市大和田町に住むOさんは、地主から毎年のように地代値上げの請求を受け、平成4年当時から地代を供託していた。それでも地主は内容証明郵便を送りつけ、地主の都合のよい契約書を作成するよう要求したり、一方的に自宅に呼びつけたりと横暴な態度を取りつづけていた。

 Oさんは、その都度地主の要求を拒否し、無視してきた。ところが、今回は自宅が昭和30年代の建物で、家も狭くなってきたためどうしても建替えをせざるを得なくなった。2年前、地主の所で建替えの話をしたところ、案の定改築の承諾料として更地の4%、更新料として6%を請求された。更新料は普通は3%のところ、Oさんに対しては地主に逆らったと言うことで倍の請求との話。地代も遡って値上げを要求された。Oさんは、地主の言いなりにはなれないと組合に通じて顧問弁護士を代代理人に立て、借地非訟手続きを行うことを決断した。

 借地非訟手続きは時間がかかったが、鑑定結果通りで和解が成立。承諾料は更地価格の3%で17731円、供託している地代月額坪当り320円は妥当な水準とされ値上げする必要がないと判断された。なお、平成15年度の公租公課は月額坪当り125円で、税金対比で2・5倍となる。平成10年から同30年までの土地賃貸借契約書を作成することになったが、地主が要求した「期間満了のとき建物が存在する場合は、協議の上、更新料を支払って更新することができる」等借主に不利益な条項は全て破棄し、問題のない契約書を作成し、Oさんにとって納得の行く解決ができた。


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地主が相続税に見合う地代に値上げ請求  4年間で2・54倍の値上げ

2009年06月25日 | 地代家賃の増減
 国立市谷保で67坪を借地しているMさんは、地主から2年前に以下のような地代の値上げを請求されました。平成17年年間地代189,974円を平成18年246,966円、19年321,056円、20年417,372円、21年483,530円と4年間で実に2・54倍の値上げ。三橋さんは2年前の話し合いで、220,000円で妥結しましたが、地主は昨年度再び19年度分271,975円の値上げを請求してきました。

 Mさんはこれ以上再現のない値上げには応じられないと組合を通じて値上げを拒否し今年2回に亘り、組合事務所と不動産屋の事務所で組合立会いの下話し合いをしました。地主は、「今の地代では親がなくなったときに支払った相続税をペイできない。買わないのだったら、このぐらいの地代を支払うのは当然」と主張。三橋さんと組合役員は、「固定資産税の3倍を基準に地代を定めるのであればそこまでの値上げに応じる。地主の相続税を支払うために地代を支払っているのではない」と反論しました。交渉は平行線で地代は供託しました。
(東京多摩借組ニュースより)


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賃借権と地上権とはどう違うのか

2009年06月24日 | 借地借家の法律知識
 借地借家法と旧借地法では、借地権について地上権と賃借権と2つの言葉で呼ばれていますが、この地上権と賃借権とどう違うのか。借地借家法では何も書かれていません。

 民法では、地上権は265条、賃借権は601条に規定がありますので六法全書で調べてください。地上権は民法の物権、賃借権は債権に分かれます。債権である賃借権については、民法601条では「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と規定しています。

 これに対して、物権である地上権は家屋等の所有を目的として、他人の土地について、地上権者の自由の意思により直接的に支配することができ、土地の所有者の意思によって左右されることのない権利といわれ、地上権は地主に承諾を得ないでも自由に売買できる権利となります。

 私たちが借地権と呼ぶ権利は、ほとんどが賃借権で、地主に賃料を支払って土地の使用収益を可能にする権利ですので、「地主が所有者としてもつ処分権限、すなわち、その土地を他に売却する意思までも賃借権によって制限できない」(平凡社『ゼロからわかる民法』川田昇著)ことになります。すなわち、地主は借地で貸してある土地でも、誰に何時売ろうが自由ということになります。

 そこで借地人は、地主が土地を第三者に売ってしまっても大丈夫なように建物の保存登記をしておくことが必要となります。賃借権である借地権の場合には、借地権者の名前で建物に保存登記をしておかないと、逆に借地権を売買されたと瞬間に借地権を主張できなくなってしまうのです。借地権は借地借家法などで守られている権利ですが、一方で様々な制約のある権利であることを認識する必要があります。



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顔も知らない家主から突然の明渡し訴訟で全面勝訴

2009年06月23日 | 明渡しと地上げ問題
 神奈川県相模原市で2階建の借家56平米を借り8年前から住んでいるFさんは、借りてから一度も顔も見たこともない家主から突然昨年4月に明渡しの裁判を東京地裁に申立てられた。(2007年7月号の組合ニュースに掲載)

 明渡しの理由は、契約更新時に契約書の内容が借主に不利な条項が多く、借主が訂正を求めたことが信頼関係破壊に当たる、更新料を家賃の半額しか払わないのは債務不履行である、建物が老朽化しているので建替えて家主の長男に住まわせるというもの。あまりにも理不尽な明渡し裁判だが受けて立つしかなく、さらに家主の代理人の弁護士は膨大な訴状や書面を提出し、Fさんを困らせる目的だけでやっているとしか考えられない裁判だった。

それでも藤島さんは、家族と生活を守るために、組合と相談しながら弁護士をつけずに1年半にわたり全て答弁書や準備書面、証拠資料を自分で作成し裁判を闘った。7月24日に判決が下され、「原告(家主)の請求はいずれも棄却する。」、「訴訟費用は原告の負担とする。」との被告であるFさんの全面勝訴の判決が下った。

 裁判所の判断は、「更新料は不動産業者が半額でいいと合意したことは領収書でも証明されている事実から半額に減額合意されたもので更新料未払いの債務不履行には当らない」。

 契約書の変更要求に対しては「そもそも、契約の更新時に契約内容を自らに有利に変更するよう求めることは、契約の一方の当事者である被告にとって当然の権利であるし、被告の要求を受入れることが出来ないのであれば、原告は契約内容の合意更新を拒否する自由を有している」として、信頼関係の破壊に当るという家主の主張を退けている。

 また、老朽化についても「通常の使用に耐えないほど老朽化していると認めるに足りる証拠はない」、長男に住まわせたいとの原告の意向についても「被告による本件建物の現在の状況と比較すると、賃貸借の解約申入れの正当事由としては薄弱であることが否めない。その他、被告は滞りなく賃料の支払をしており、上記設定の更新時の交渉以外には、特段、原告との間で問題等を発生させておらず、また、被告が契約更新時に自らの希望にそった契約内容に変更することを求めた点についても、その内容及び態様からして、本件解約の申入れの正当事由になるものと解することはできない。以上によれば、本件解約申入れについて、正当事由を認めることはできない。」と大変明快な判決を下した。久しぶりに借家の正当事由をめぐる裁判で、こころがさわやかになる判決である。



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アパートの明渡し交渉で家賃20ヶ月分で合意

2009年06月22日 | 明渡しと地上げ問題
 調布市多摩川のアパートに住む高橋さんのところに、一度も会ったことのない家主から今年の8月に10月末で部屋を明渡すよう通告する文書が送られてきた。

「今後退室までのお打合せ及びご相談につきましては、代理人である○○に一任致しました」との内容で、家主の代理人が委任状をもって現れた。

 高橋さんは、出て行けといわれても経済的な余裕もなく困って組合をインターネットでみつけて相談に行った。高橋さんの賃貸借契約は来年の4月まで存続中で、10月末に出て行く必要はないこと、明渡しの条件はあくまで話し合いで決まるとのアドバイスを受け、不安な気持ちが解消した。高橋さんは、家主の代理人に「今後の交渉は組合に依頼したので、組合に連絡するように」と伝えた。

 9月に入り、家主の代理人は組合を訪ねてきた。組合では「契約期間は来年4月まで存続中で、今回の請求は契約違反である」と伝え、提示された明渡し条件では応じられない旨回答した。代理人は他の入居者との交渉にメドがついてから改めて協議するといって帰っていった。

 その後、2ヶ月が経過した11月に再度話し合いを行なった。代理人は50万円の立退き補償を提示してきたが同意せず、12月中の退去を条件に現行家賃の20ヵ月分の立退料を条件に協議が成立した。高橋さんは、「移転先の家賃が高くなるが何とか物件をみつけることは可能」と慎重に転居先の賃貸物件を見つけ転居する予定でいる。(東京多摩借地借家人組合ニュース)



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家賃を1日でも滞納したら明渡すとの念書を盾に管理会社が明渡し請求 (大阪)

2009年06月19日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 大阪府松原市内の賃貸マンションに平成11年4月から入居している武田康夫さんは、入居まもなく病気となり月額10万5000円の家賃の支払いが滞り、昨年末で80万円を滞納していました。

 管理会社からは、家賃を支払わないのであれば、明け渡せと再三再四にわたり督促を受けていました。武田さんは、体調が回復し滞納していた家賃も3月に完納することができました。

 ところが管理会社は、武田さんへ家賃を完納したが「今後は1日でも滞納したら明け渡すこと」との念書に署名捺印を求めてきました。

 妻と高校に通う2人の息子の一家4人の住む場所がなくなるとの不安から、管理会社の言いなりに「念書」を提出し、その上に、「今後の家賃支払いは銀行から自動引落しで支払うこと」を条件に一応契約の継続が認められました。

 武田さんは、銀行で自動引落し手続きなどをしたことがなく、3月末に支払うことになっていた4月分の家賃を4月6日に支払いましたが、管理会社は「念書」を盾に明け渡しを要求してきました。

 途方に暮れた武田さんは、「全国追い出し屋対策会議」の結成総会が報道されたことが記憶にあり、大阪弁護士会へ問い合わせたところ、大借連を紹介され、大借連事務所に相談。管理会社へは「家賃は支払い済みで明け渡しに応じる必要はない」と回答したところ、管理会社からは「賃貸借契約解約申込書」が届けられ、この「申込書」への署名捺印を求められるとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを求めてきました。

 武田さんは、大借連事務所と相談の結果、「申込書」の提出を拒否するとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを送ることにしました。


全国借地借家人新聞より



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池袋で6月14日に住まいは人権デー

2009年06月18日 | 国民の住まいを守る全国連絡会
 1996年6月、トルコのイスタンブールで第2回国連人権居住会議が開催され、最終日の6月14日に「居住の権利は基本的人権である」であることが世界各国の合意で宣言された。
 しかし、日本では「派遣切り」「ネットカフェ難民」「ホームレス」など、暮らしの基盤である仕事と住まいを脅かされ人々が増え続けている。国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)は、6月14日を「住まいの人権デー」として運動している。
 今年は、住まいの貧困に取り組むネットワークと共催で、6月14日午後池袋駅東口で街頭宣伝行動を行なった。
 
 追い出し被害当事者も発言

 各団体の代表は、住まいに困る人が増え都営住宅の応募場倍率が30倍~40倍に上昇する一方で、10年間に1戸の都営住宅も新規に建設しない石原都政の「建てない、入れない、追い出す」に徹した冷たい住宅行政を批判した。東借連の佐藤会長は「私たちが安心して住み続けられるためには公営住宅の建設の促進、低所得者への家賃助成、公的な保証人制度の創設こそが必要である」と訴えた。
 今回のリレートークでは家賃保証会社から家賃が少し遅れただけで激しい家賃の取立や追い出しの被害に会った当事者や新聞奨学生の過酷な労働と劣悪な居住環境の実態が報告された。
 


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マンション供給、依然低迷 不動産経済研

2009年06月17日 | 最新情報
 不動産経済研究所の調査によると、5月に首都圏で供給された新築マンションは3,538戸で前年同月を19.4%下回った。

 同研究所では前月、市況の回復傾向から5月は前年を上回る供給予想を立てていたが、依然として回復と呼ぶには早い段階である結果となった。供給戸数が前年を下回るのは21カ月連続。

 供給が予想以上に進まなかった最大の要因は、在庫物件の「重さ」だ。販売在庫の数については、09年12月の1万2,427戸をピークに5カ月連続減少しているが、既に建物自体が竣工している「完成在庫」の数が多くなっているという。前月の販売在庫数8,791戸のうち、7割強にあたる6,305戸が完成在庫だった。「(まだ竣工を迎えていない在庫物件よりも)販売しずらい完成在庫の割合が高まっているため、その処理に営業パワーを集中せざるを得ないと思われる」(同研究所)ことから、新規の供給が抑えられたという分析だ。

 ただ、暗い話ばかりではない。前述のように販売在庫数自体は減少(5月は前月比458戸減の8,333戸)しており、また契約率も、2カ月ぶりに好調ラインとされる70%台を回復した。価格も下落基調で、首都圏全体の平均価格は、前年を5.7%下回る4,548万円となった。同研究所では、「『回復』とまでは言えないが、底は打ったと見ている」としている。(住宅新報今日のニュース 6月16日)
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借地非訟手続きで借地の増改築が承諾

2009年06月16日 | 増改築と修繕
大田区大森西3丁目所在の宅地面積66㎡を賃借中の鳴島さんは、家屋の建替えの承諾を求めたところ、地主は借地権の買取を提案してきた。平成6年の契約更新の際も同様の問題が提起されて協議に2年の時間を費やした上、地主宅の南側に位置する鳴島さんに二階建の建物の建築は認めないと言われたことがあって、想定していたので直ちに非訟手続に着手した。

 東京地裁は増改築する木造二階建床面積1階47・9㎡2階44・6㎡に関し、その規模・構造・敷地の面積からして、土地の通常の利用上相当と認められる。さら、隣地に対する影響から許可を不相当とするほどの事情はないとして、承諾料を地価の5%と認定して建替えを承諾した。


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賃貸住宅のトラブル、調停・仲裁へ公的機関 政府検討

2009年06月15日 | サポーター会員制度
 政府は賃貸住宅を巡るトラブルを専門的に処理する公的機関をつくる検討に入った。退去時に必要以上の修繕費を求められ、敷金も返還されないといった問題が後を絶たないため、専門機関が必要と判断した。数千円ほどの利用料であっせんや調停を受けられるようにし、借家人の保護につなげたい考えだ。

 8日の社会資本整備審議会で、国土交通省が紛争処理機関の創設を検討する方針を示す。来年の通常国会に関連法案を提出、2011年度にも紛争処理を始める見通し。 (日経ネット 6月9日)

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会社は解雇したのだから直ぐ社宅から退去せよというが

2009年06月15日 | 借地借家の法律知識
(問) 毎月8万円の家賃を支払って社宅に住んでいたが、人員整理を理由に会社を解雇された。会社は即刻社宅から退去せよというが、直ぐ立退かなければならないのか。
 


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(答) 社宅とは、会社が社員に貸す住宅ですが、その使用関係は様々で、その法的な取扱いは、貸す目的の違いや使用料の有無・金額によって違ってくる。

1 会社の業務運営のための社宅で、会社組織の必要な構成部分になっているもの  
  例えば、①住み込みの管理人や警備員用の部屋のように会社施設に付随している社宅(業務社宅)や②支店長・工場長・部長などの地位に相応して与えられる専用の社宅(いわゆる役付社宅)などの場合がこれに当たる。

 このような社宅の使用は、使用料の有無・額に関係なく、会社での職種や地位など労働関係と密接に結びついているため、借地借家法の適用を受ける賃貸借ではないと言われている。従って、社員が解雇・退職・転勤などによってその会社や職場の労働関係から離れる場合には、社宅を使用する権利も同時に無くなることになる。

 しかし、その場合、解雇・退職と同時に明渡すのではなく、下記の2・(1)で述べる最高裁判決に準ずる明渡し猶予期間が与えられるべきである。


2 会社が社員(従業員)の福利厚生のために設けた社宅
  このような社宅が一般的な社宅であり、借地借家法との関係が問題になるのは福利厚生施設としての社宅である。

 学説は無料の社宅は勿論、市場家賃の数分の一程度の低い名目的な使用料で提供されている住宅にも、「有償性」を認め、社宅の使用を社員の労働力に対する労働対価(一種の現物給与)と理解し、社宅の使用関係を賃貸借関係として、借地借家法の適用を肯定している。

 しかし、判例は社宅の使用料が賃料として社会的に認められるかどうかを判断基準(使用料の高低)として、借地借家法の適用の有無を判断している。

 (1)使用料が無料か、有料であったとしても低額で名目的な場合
  例えば、使用料を毎月2万円出しているが、その社宅と同程度の利用価値のある普通の借家の家賃水準が月10万円以上もするような場合は、その使用料は借家を使う対価として支払われる家賃とは考えられず、その使用関係は、社員である期間に限って社宅の使用を認められる特殊な契約関係で賃貸借関係ではないというのが判例( 最高裁判所 昭和29年11月16日判決(民集8巻11号2047頁)、同旨最高裁判所 昭和39年3月10日判決(判例時報369号21頁)、同旨最高裁判所 昭和44年4月15日判決(判例時報558号55頁))である。

 従って、借地借家法の適用はなく、会社に社宅使用規則があれば、それが著しく居住者に不利でない限り使用規則は有効ということになる。

 しかし、最高裁の判例では、明渡期間しについて、国家公務員宿舎法と同様に無料の場合は60日、有料の場合は6か月の明渡しの猶予期間を基準とすべきであるとしている。明渡期間については、この猶予期間が基準になる。

 (2)使用料が普通の借家の家賃水準と同等かそれに近い場合
  この場合の使用料は借家を使う対価として支払われる家賃であり、その使用関係は賃貸借関係で借地借家法の適用があるというのが判例(最高裁判所 昭和31年11月16日判決、民集10巻11号1453頁)である。

 このような場合に「退職と同時に明渡す」というような社宅使用規則があっても、借地借家法の規定に違反して無効である。即ち、 会社は借地借家法に従って、6か月以上前に明渡を申し入れなければならず(同法27条)、また、会社に明渡を求める正当な理由がなければ明渡しは認められない(同法28条)。

 居住者が社宅からの退去を拒否した場合は、その判断を裁判所に委ねることになり、明渡しという裁判の結論が出るまでは退去を強制できない。

 ただ、社員の福利厚生のため社宅という性格上、解雇・退職の場合、会社に明渡を求める正当な理由が認められ易いことは否定できない。

 なお、これまで述べてきたのは、解雇が有効である場合の話しである。解雇が様々な理由から無効である場合は明渡す理由はなく、解雇の無効を争っている間は、社宅を明渡す必要はない。(東京借地借家人新聞より)



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借地の契約期間満了で内容証明郵便で更新請求

2009年06月12日 | 契約更新と更新料
 台東区鳥越で借地している田中さんは、昨年5月末日で借地契約が満了した。地主は正当な理由もないまま期間が満了したというだけで借地の明渡しを請求してきた。

 田中さんは組合役員から債務不履行などがなければ、また、当事者の合意で契約を解約しない限り、期限が満了しただけでは借地を明渡す必要がないことなどの説明を受けた。借地法4条は、期間が満了しても、借地人が希望すれば、借地人の一方的な更新請求によって借地契約が更新される場合を定めている。更新請求によって更に借地権を堅固な建物の場合は30年、その他の木造建物等は20年間存続させる規定になっている。

 早速、田中さんは地主宛に借地法4条に基づいて、「宅地上にはなお建物が存在しており、前の契約と同一条件で借地契約を更新するよう請求致します」という趣旨の「借地の更新請求」を配達証明付き内容証明郵便で送った。

 その後約1年が経過するが、地主からはその後、何の反論もなく、地代も従来通り抵抗なく受領している。(東京借地借家人新聞より)


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