東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

敷金・礼金ゼロ物件 1日でも家賃が遅れると高額な違約金請求された

2008年02月29日 | 消費者トラブルと消費者契約法
(Q) 家賃を支払い期日に1日遅れて振り込んだら、「約束の日までに入金されていないため、再手数料+遅延損害金約2万円が発生している。入金の確認ができないときは部屋の鍵を交換し、利用を停止する場合がある」と貸主の管理会社から通知が届きました。契約書には、「1年間の施設利用契約」と書かれています。再手数料と家賃の10%の遅延金は、払わなければならないのでしょうか。


(A) 近年、賃貸住宅は供給過剰、借り手市場といわれています。そんな中で、相場より家賃が高めであったり、築年数が古かったりする場合もありますが、借り手にとって初期費用が少なくて済む“敷金ゼロ、礼金ゼロ物件”のニーズは高く、その数は増えています。  
また、家具付きマンスリーマンション、外国人が多く利用するゲストハウスなど賃貸住宅は多様化しています。
 事例の場合、契約書には「施設利用契約」と書かれていますが、居住を目的としているので、実質は1年間の「定期借家契約」といえます。  
 通常の賃貸借契約では、借り主が1回の家賃を滞納しただけで契約が解除されてしまうと生活が困窮するので、貸主が相当期間を決めて滞納分の支払いを催告し、それでも家賃を払わない場合に契約を解除するのが原則です。   
 また、消費者契約法では、支払いが遅れた場合の損害賠償の予定額(違約金)が、年14.6%を超えるものを無効と定めています。  
 さらに入居者の合意なしに鍵の交換をすることは、特殊な事情がある場合を除いて、借り主の占有権を貸主が侵害する不法行為となります。
 こうした理由で、センターから事業者に対し問題点を指摘、その後、契約書が改善されました。
 インターネットが普及し、家賃・地域・間取りなどを指定すれば、沢山の物件情報が得られるようになりましたが、賃貸借契約の契約条項はさまざまです。礼金、敷金以外の更新料、退去予告期間、解約条件、原状回復費用などについても十分な確認が必要です。契約書に不合理な条項が記載されていたら、契約を避けて消費生活センターに相談しましょう。 (東京くらしネット)



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京都敷金弁護団が「敷金・更新料110番」

2008年02月28日 | 最新情報
「敷金・更新料110番」が次のとおり開催される。

日時  2008年3月1日(土)10:00~16:00
内容  保証金・敷金、敷引,更新料に関するトラブルの実態の把握、被害者を
    早期に救済するための電話による無料相談
TEL 075-211-9188 ※ 当日のみ。
主催  京都敷金・保証金弁護団
問合先 御池総合法律事務所 弁護士長野浩三(075-222-0011)

(以下、ちらしの案内文)
 マンションや借家の賃貸借契約には,賃貸借期間満了時に更新料を支払うという条項がついています。
 京都敷金・保証金弁護団では,賃貸借契約の敷金・保証金につき,数々の取り組みを行ってきました。今般,更新料支払条項を無効だとして訴えを提起し,先般追加提訴をしましたが,さらに,被害事例を収集し,追加提訴を行いたいと考えています。
 また,いわゆる敷引特約については,関西の主要各地裁において全部無効とする判決がだされているにもかかわらず,その使用がやむ気配がありません。これについても被害救済のための相談を行い,必要があれば,消費者団体訴訟制度の適格消費者団体であるNPO法人京都消費者契約ネットワークに対し,通報を行います。
 敷金・保証金についてはもちろんのこと、更新料の問題でお悩みの方(特にこの春大学を卒業される学生さんなど)からのお電話をお待ちしています。


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解約申入れ後にされた立退料の提供を考慮して明渡の正当事由を判断した事

2008年02月27日 | 最高裁と判例集
解約申入れ後に立退料の提供又は増額された場合、この立退き料の提供又は増額を考慮して解約申入れの正当事由を判断することができる。 (最高裁第2小法廷平成3年3月12日判決)

 (事案)
 X(賃貸人)の先代は、昭和10年頃その所有する建物をY(賃借人)に賃借し、Xの先代死亡により右建物を相続したXは、昭和61年8月、建物の朽廃による賃貸借契約の終了及び信頼関係の破壊による賃貸借契約の解除を理由として、Y(賃借人)に対し建物明渡請求訴訟を提起した。

 訴訟提起後の昭和62年5月、Xは、100万円の立退料の提供を申出て賃貸借契約の解約を申入れ、右解約申入れを明渡しを求める理由として追加した。

 1審判決は、Xの主張を全て否定して、X(賃貸人)敗訴。Xは控訴し、平成元年7月、300万円もしくはこれとそれほど差異のない範囲で裁判所が相当と認める立退料を支払うとして再度賃貸借契約の解約を申入れた。

 2審判決は、300万円の立退料の提供申出により解約申入れの正当事由は具備したとして、平成元年7月の解約申入れを有効としてX(賃貸人)勝訴。Yはこれを不服として上告した。

 (判決)
 判決は、賃貸借契約の解約を申入れ後に、賃貸人が、立退料を提供した場合または解約申入れ時に提供していた立退料を増額した場合でも、立退料の提供または増額を考慮して当初の解約申入れの正当事由を判断することができるとして、昭和62年5月の解約申入れを有効とし、Y(賃借人)の上告を棄却した。

 その理由は「立退料等の金員は、解約申入れ時における賃貸人及び賃借人双方の明渡しに伴う利害得失を調整するために支払われものである上、賃貸人は、解約の申入れをするに当たって右金員の提供を申出る場合にも、その額を具体的に判断して申出ることも困難であること、裁判所が相当とする額の金員の支払により正当事由が具備されるならば、これを提供する用意がある旨の申出も認められていること、立退料等の金員として相当な額が具体的に判明するのは建物明渡請求訴訟の審理を通じてであること、さらに、右金員によって建物明渡しに伴う賃貸人及び賃借人双方の利害得失が実際に調整されるのは、賃貸人が右金員の提供を申出た時ではなく、建物の明渡しと引換えに賃借人が右金員の支払を受ける時であることなどにかんがみれば、解約申入れ後にされた立退料等の金員の提供又は増額の申込であっても、これを当初の解約の申入れの正当事由を判断するに当たって参酌するのが合理的である」

 (寸評)
 この最高裁判決は、1審判決と比較すれば明らかなように、借地借家法の趣旨・精神に照らせば正当事由の補完として厳格に判断されなければならない「立退料の提供」の適用場面を広くするものである。立退料の提供によって正当事由が補完できることを明文(6条・28条)で認めた「借地借家法」の成立と相まって、今後、ますます立退料の提供による明渡請求に拍車がかかるものと思われる。 1992.3.


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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3月に「住まいの耐震フェア」を開催/東京都

2008年02月26日 | 国と東京都の住宅政策
東京都は3月8日(土)~10日(月)に、「住まいの耐震フェア」を開催する。
 
 新宿西口広場イベントコーナー、都議会議事堂1階郵政ギャラリー、都庁第二本庁舎1階二庁ホールを会場に、耐震改修工法・装置の展示会、木造住宅耐震相談会、地震体験コーナー、耐震シェルター・ベッドの展示、マンション耐震化に関するビデオ上映などが予定されている。

 また多くの人に耐震化の実際を実感してもらうため、マンション耐震化事例の見学会と講演会も開催する。
 
 各イベント日程、場所、申込方法など詳細については東京都都市整備局ホームページまで。




東京都都市整
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新賃料の合意がないことを理由に更新料支払義務を排斥した事例

2008年02月26日 | 最高裁と判例集
新料支払特約があった場合において、新賃料につき合意が成立しておらず更新料が具体的債務として発生していないとされた事例 (東京地裁平成5年2月25日判決、判例タイムズ854号)

 (事案)
 賃借人は、店舗賃貸業者であるが、平成元年6月、飲食業の店舗として転貸する目的で、マンション1階にある店舗を賃料15万円で賃借したが、その契約書には「賃借人は3年後の更新において新賃料の2カ月分を更新料として支払う」との特約があった。

 賃貸人は、更新時期に際して、賃料を20万6000円に増額請求し合わせて更新料の41万2000円、それに敷金50万円の請求(契約時に差し入れるべきものが3年後に延期されていた)をした。賃借人は、改定賃料の折り合いがついた後に更新料を支払うと回答したが、賃貸人は、更新料と敷金不払を理由に契約を解除して、建物明渡の訴訟を提起した。

 本件判決は、いまだ更新料支払義務は発生していないとして賃貸人の明渡請求を排斥した。更新料に関する部分の判決要旨は次のとおり。

 (判決要旨)
 「被告は、原告に対して、3年後の更新時において新賃料2カ月の更新料を支払う約束をしてはいたが、新賃料の具体的な算定が予め合意されていたことを認めるに足りる証拠はない。
 新賃料の金額は、第一次的には、更新時における双方の合意によって定めることが予定され、従って更新料も右金額の確定をまって初めて、その2カ月分相当額の具体的債務として更新時に発生するものといわなければならない。
 本件においては、いまだ合意が成立していないことが明らかであるから、新賃料の金額の確定を前提とする更新料も、本件解除前において、その具体的債務として発生していなっかたものというべきである。この点について、原告は、被告が少なくても1カ月15万円の従前賃料を基準にした更新料30万円の支払義務を有していた旨主張するが、更新料の算定方法は前記のとおりであるし、原告のような性急な交渉態度は、いたずらに被告を困惑させるものというほかなく、こうした点にかんがみると、被告に原告主張のような右金額による更新料支払義務があったとまでいうことはできない。」

 (説明)
 本判決は、「新賃料が合意されていないから更新料も確定できない」と判断したが、支払特約更新料の支払義務を排斥する論理の1つを示している。
 賃借人は、新賃料が合意されていないとしても従前賃料の2カ月分の更新料支払義務が肯定される危険を避けるために、契約解除後であるが15万円の2カ月分の30万円を供託していたが、本判決は、従前賃料の2カ月分についても、支払義務はなかったと判断した。


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より



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店舗の原状回復費は家主が負担と明確に判断した大阪高裁判決

2008年02月25日 | 最高裁と判例集
(問)店舗で通常損耗を含む原状回復特約は認められないという注目すべき判決が大阪高裁であったというが、どんな内容の裁判だったのか。

(答)大阪高裁(2006年5月23日判決)の店舗の敷金返還請求裁判で、先の最高裁(2005年12月16日)判決の厳しい認定基準を適応し、原審の京都地裁判決が覆され、借主全面勝訴の判決があった。
 裁判が提起された原因は、店舗の賃貸借契約が終了したので、貸主に預託していた敷金140万円の返還を請求した。ところが返還された金額は36万9286円だけであった。約定の償却費42万円と未払光熱費2万2114円が敷金から差引かれることはやむを得ない。だが、残金の55万8600円は当然返還されるべきものであるとして借主は京都簡裁へ敷金返還請求訴訟を提起した。
 その後、裁判は京都地裁へ移送されて審理された。貸主は裁判で、契約書には通常損耗を含む原状回復特約があり、約定の償却費44万1000円(消費税を加算している)、未払光熱費、既払返還金、及び原状回復費53万7600円を差引くと返還すべき敷金残額は一銭も無いと主張し争った。
 京都地裁は通常損耗を含む原状回復特約の成立を認め、借主の請求を棄却する判決を下した。
 借主は判決を不服として大阪高裁へ控訴した。裁判は主に原状回復義務の成否を中心に争われた。
 大阪高裁は、通常損耗を含む原状回復特約の成立の成否を最高裁(2005年12月16日)の認定基準を適用し、次のように判断した。「本件賃貸借契約において、通常損耗分についても控訴人(借主)が原状回復義務を負う旨の特約があることを認めることはできない」として原状回復特約は成立していないと認定した。
 また裁判で貸主は営業用物件においては通常損耗を含む原状回復費用を賃料に含めて徴収することは不可能であると主張した。それに対し、大阪高裁は「営業用物件であるからといって、通常損耗に係る投下資本の減価の回収、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行うことが不可能である」とは言えないとして原状回復費の貸主負担を認定し、その上で貸主に対し、借主が請求していた金額の総てを返還するよう判決した。



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かつて更新料を支払った事実があっても更新料の合意とは認められない

2008年02月23日 | 最高裁と判例集
借地の更新料について支払いの慣習があるとは認められないとした事例 (東京地裁平成16年5月21日民事37部判決。未掲載)

 (事実)
 Xは土地の賃貸人であるところ、平成12年12月末日に契約期間が満了したため借地人Yにたいし更新料700万円を請求した。Yは更新料支払いのため交渉には応じたが、結果は合意に至らなかった。

 そこで、XはYが前回の更新時に更新料として331万2500円を支払った際にも次の更新時にも更新料を支払うとの合意がなさねたと主張。また、仮に合意がなかったとしても目黒区中央町およびその隣接地域には、土地賃貸契約の更新に際し、更新料を支払う慣習が存在すると主張した。

 判決は、更新料を支払う旨の合意については、Yがかつて更新料を支払った事実があるというだけで更新料支払の合意があったことの根拠とすることはできない、としてXの主張を認めなかった。そして、更新料の支払いの慣習があるとするXの主張も認めず、Xの請求を棄却した事案。

 (判旨)
 「証拠によれば、本件土地の存在する東京都目黒区中央町及びその隣接地においては、土地賃貸契約の更新に際に、借地人から地主に対し、更新料が支払われる事例が多数存在することが認められる。しかい、このような更新料の支払は、当事者間の合意が成立した結果である場合が多いと認められる上、その支払の趣旨は、契約を円滑に進めるための代償であったり、賃料の補充を目的とするものであったりと多様であると認められるから、たとえ本件土地近辺において、土地の借主が地主に更新料を支払うことが多数見られるからといって、それをもって同地域に更新料支払の慣習があると認めることはできない」

 (寸評)
  本件は東京借地借家人組合連合会(東借連)の会員の事件。判決の結論は当然であるが、繰返し訴訟が提起される更新料の支払請求について、更新料の性格に言及して支払の慣習を否定したものであり理論的な説得力のある判決の1つとして紹介した。 2005.4.


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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更新料支払特約があっても、法定更新された場合は更新料の支払義務がない

2008年02月22日 | 最高裁と判例集
更新料の支払約束があっても、法定更新された場合には、支払義務がなく、支払を理由に契約解除は出来ないとした事例 (東京高裁昭和56年7月15日判決)

 (事実)
 借家人Aは、更新時に、新改定家賃の2か月分の更新料を支払う約定で、マンションの一室を賃貸したが2年後の更新時に、賃料改定をめぐって紛糾し、合意更新することが出来なかった。そこでAは、更新料を払わず、自己が相当と思料する賃料を提供し、法定更新を求めたところ賃貸人から増額賃料(増額未確定にも拘らず)の未払いと、約定更新料の不払を理由に契約解除し、建物の明渡し、未払賃料、約定更新料の支払を求めて来た事案。

 原審は、支払賃料の一部支払を認容した(供託無効を理由)他は、請求棄却。そこで、賃貸人から控訴、Aから一部控訴。その結果、Aの全部勝訴となった。

 なお、一審判決も、更新料の不払については、「法定更新された本件賃貸借契約そのものの解除理由となり得ない」として、Aの主張を全面的に認めている。

 (判旨)
 「建物の賃貸借契約においては、借家法第1条の2、第2条により、これらに定める要件の認められない限り、特に賃貸人のした更新拒絶ないし異議に正当事由の存しない限り、賃貸借契約は従前と同一の条件をもって当然に継続されるべきものと規定されている(法定更新)うえに、同法第6条によれば右規定に違反する特約で賃借人に不利なものは無効とされていることを考えると、法定更新の場合、賃借人は、何らの金銭的負担なくして更新の効果を享受することができるとするのが借家法の趣旨であると解すべきものであるから、たとえ建物の賃貸借契約に更新料支払の約定があっても、その約定は、法定更新の場合には、適用の余地がないと解するのが相当である。そして、本件賃貸借契約において、叙上と異った解釈を採るべき特段の事情の存することは認められない。
 ところで、本件の更新が法定更新であることは、前記のとおり当事者間に争いがないから、第一審被告に更新料支払の義務があるとする第一審原告の主張は、その余の点について検討するまでもなく、その理由がないというべきである」。

 (短評)
 判旨は論旨明快である。法定更新制度の要件を正確に解釈している点で1つの参考になろう。この判決の判旨に反対する下級審判例もあり、高等裁判所の段階で、このような明快な判決が出たことの意義は、大きいと思われる。


   第一審被告=借家人A   第一審原告=家主・賃貸人

 借家法
第1条ノ2 建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス

第2条 当事者カ賃貸借ノ期間ヲ定メタル場合ニ於テ当事者カ期間満了前6月乃至1年内ニ相手方ニ対シ更新拒絶ノ通知又ハ条件ヲ変更スルニ非サレハ更新セサル旨ノ通知ヲ為ササルトキハ期間満了ノ際前賃貸借ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ賃貸借ヲ為シタルモノト看做ス

2 前項ノ通知ヲ為シタル場合ト雖モ期間満了ノ後賃借人カ建物ノ使用又ハ収益ヲ継続スル場合ニ於テ賃貸人カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキ亦前項ニ同シ

第6条 前7条ノ規定ニ反スル特約ニシテ賃借人ニ不利ナルモノハ之ヲ為ササルモノト看做ス


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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「消費者団体訴訟制度」の適用、広告・通販にも拡大へ

2008年02月21日 | 消費者トラブルと消費者契約法
政府は20日、被害者の代わりに消費者団体が不当行為の差し止めを業者に請求できる「消費者団体訴訟制度」の適用範囲を拡大する方針を固めた。

 不当な勧誘や契約に加え、誤解を与える広告表示や悪質な通信販売も対象とする。21日の自民党内閣部会で了承を得て、関連法の改正案を今国会に提出する予定だ。

 消費者契約法は、消費者団体訴訟の対象を不当な勧誘や契約としている。しかし、「悪質商法」は多様化している。例えば、携帯電話の無料利用の条件が限られているのに、広告で「0円」を強調したソフトバンクモバイルは、公正取引委員会から警告を受けた。

 このため、政府は同法と不当景品類及び不当表示防止法(景表法)、特定商取引法(特商法)の3法を改正し、適用範囲を広げることにした。景表法と特商法の所管はそれぞれ公正取引委員会と経済産業省だが、裁判所への差し止め請求権を持てる「適格消費者団体」の認定を申請する窓口は、消費者契約法を所管する内閣府に一本化する。

(2008年2月21日03時04分 読売新聞)


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騒音がひどい“欠陥アパート”から退去、引越し費用や損害賠償請求は

2008年02月20日 | 借地借家の法律知識
(Q) 2階2室、1階1室の2階建て賃貸アパートの1階を借りています。2階の騒音が通常生活音で60〜70デシベル(横浜市環境局測定器で計測)あり、睡眠不足から家族が精神不安定になり、長女は入院、妻は通院で睡眠薬を常用するようになりました。

 2階の方は測定に立ち会った翌日に、管理会社から「2階での生活は困難」という理由で賃貸借解除通知を出されて翌月退室しました。

 建築会社に構造調査をしてもらったら、手抜きによる欠陥住宅との回答がありました。管理会社を通じて大家に改良を申し入れたところ、「不服なら退去してくれ」と言われました。この場合、引越し費用や治療費などの損害賠償は請求出来るのでしょうか?

横浜市 hamanoy(自営業)


(A) 引越し費用や治療費などの損害賠償請求ができます2階の騒音が

 2階建のアパートで、2階の騒音が1階に居住するあなたの家族に損害を与えたことになります。具体的には、睡眠不足から精神不安定になり、その結果は長女が入院しました。妻は通院し、睡眠薬を常用しています。すると2階の騒音が昼間だけでなく夜間も影響したとみられます。騒音と家族の健康を害したこととは因果関係があるといえます。

騒音の程度は

 地元の自治体の環境局の測定器の計測では、通常の生活騒音で60〜70デシベルでした。ご質問のアパートの地域が、住居地域か商業地域かあるいは工業地域かは不明です。仮によくある住居地域だとすると、騒音の規制は40か45デシベルです。自治体の条例で決められています。「公害防止条例」とか「環境確保条例」と言われています。ご質問ではアパートの騒音は明らかに騒音規制を大幅に超えています。

騒音の原因は

 建築会社の構造調査の結果、手抜きによる欠陥工事と判明しました。

貸主の大家の責任は

 「平穏にアパートを住めるようにして貸す」という賃貸借契約の目的に違反したことです。ご質問では契約違反から生じた因果関係のある損害をあなたは請求できます。騒音による睡眠不足で精神不安定になり、入院や通院を余儀なくされたことによりこうむった損害です。治療費や入、通院の交通費、入、通院による休業損害の他、精神的損害である慰謝料も入、通院の期間に応じて発生します。

 引越し費用も請求できます。騒音によって、居住に耐えられない環境であるため賃貸借契約を解除するに至り、やむなく転居するのですから、大家側の契約違反による損害といえるからです。

(2007年7月6日 読売新聞)

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更新料を支払う慣習或は慣習法の存在が否定された事例

2008年02月19日 | 契約更新と更新料
更新料を支払う旨の慣習あるいは慣習法の存否 (東京地裁平成7年12月8日判決、判例タイムズ918号)

 (事案)
 賃借人は銀座の土地を借地していた不動産会社であるが、倒産して会社更生手続が開始された。会社更生手続の中でこの不動産会社は他の会社に吸収合併されることになった。この結果、賃借権も新会社に譲渡された。そこで、地主は、新借地人である新会社に対して、賃借権譲渡の承諾料及び更新料として総額3億円を請求した。新賃借人は、更新料の支払を拒否し、譲渡承諾料について話合いをしていたが、交渉決裂となったため、地主が提訴した。

 地主は、新賃借人が、右交渉において、更新料支払約束をしたと主張、それが認められないとしても、慣習あるいは慣習法に基づいて更新料支払義務があると主張した。

 判決は、更新料の支払い合意は成立していないとした上で、慣習に基づく更新料支払請求について、次のように判決した。

 (判決要旨)
 「土地の賃貸借契約の更新に際して賃料を補充するものとしての更新料の支払がなされる事例の存することは否定し得ないところであり、東京都内、特に銀座地区においては、賃貸借契約の更新に際して、更新料が支払われる例が多くみられるが、これらの更新料の支払は、賃貸借契約の更新時における更新条件等の協議に基づいた合意の結果、支払がなされるに至ったもので、原告が主張するように、当事者間の更新料に関する合意が存しないにも関らず慣習あるいは慣習法に基づいて当然に更新料の支払がなされたという事例は散見することができない。
 したがって、東京都内、特に銀座地区においては、賃料の増額が地価の高騰に追いつかず、適正賃料額と現実の賃料額との格差が拡大する傾向にあることから、更新料の支払いが一般的に行われるとしても、右更新料の支払が、慣習あるいは慣習法に基づいてなされているという事実を認めることはできない。」

 (説明)
 更新料の支払約束がない場合、慣習によって更新料支払義務を認めることはできないということは、最高裁昭和51(1976)年10月1日判決で明確にされ、その後も地裁、高裁で同様の判決が出されており、判例上確定した見解となっている。
 本判決もこの流れの中にあるものだが、昭和51年10月1日の最高裁判決から既に久しい年月が経過している。慣習とは、日々の積み重ねで作られたり消えたりするものであるから、その間に更新料支払に関する慣行が変化することもありえる。その意味で、本判決が慣習に基づく更新料支払の慣行はない、としたことは意義があるので、判決例として紹介した。  1996.12.


(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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居住用の宅地を地主から買い取れと言われて困っています

2008年02月18日 | 借地借家の法律知識
(Q) 居住用の宅地、約100坪(330平方メートル)を賃借しています。今年末に借地期間が満了します。最近、地主から「借地を買い取ってくれないか」との打診がありました。私は定年後の年金生活者なので、資金はあまりありません。高額な買い取り値段では資金調達に不安があります。万一、買い取りができないときは、土地を明け渡し、転居せざるを得ないのでしょうか。また、仮に更新を希望するときは、更新料を払わざるを得ないのでしょうか。いろいろ考えると眠れない日々です。

東京の郊外 M.M(無職)


(A) 買い取りであれ、更新であれ、借地権者であるあなたに選択権がありますから、将来の生活設計を踏まえて、ゆっくりご自分にとって良い方を選べます買い取りの場合
 借地権がありますから、更地の評価の60〜70%位が、一般には借主であるあなたの権利です。仮に、坪(3.3平方メートル)100万円の更地価格であるとすれば、60〜70万円が借地権価格です。具体的には、あなたの借地の更地の時価と借地権割合を調べることになります。現地に明るい不動産業者の3社くらいから、評価を出してもらい、その平均値をとります。すると実勢価格がわかります。また、相続税などの評価基準となる路線価格図を見れば、借地権割合もわかります。毎年8月頃にその年の路線価が発表になります。路線価は時価よりもやや安めが多いようですが、評価の目安になります。

 仮に、あなたの借地の更地価格が坪100万円、借地権割合が60%とすると、あなたの借地権の評価は全体では6000万円となります。あなたがこの借地を買い取るときは、時価1億円から借地権価格の6000万円を引いた、4000万円(これを地主の底地権と言ったりします)を支払えば、買い取りができます。

全部の買い取りが無理なとき
 借地権と所有権の交換という方法があります。あなたの借地権が全体の60%とすれば、あなたが借地全体330平方メートルのうち、198平方メートル分の所有権の取得を目的として、330平方メートルの借地権と交換する方法があります。現実には330平方メートルの土地のうち、40%の132平方メートルを地主に返地することになります。メリットは、現金のやり取りなしで、等価で交換ができることです。地主と交渉してみる価値は十分あります。

引き続き借地を希望するならば
 借地契約を更新することもできます。建物所有を目的とする宅地の賃貸借契約は借地借家法で保護されており、正当事由がない限り、更新拒絶はできません。正当事由とは、地主が使う必要性があるときであり、さらに借主は他に土地の手当てができ、借地を明け渡しても困らないことなどが典型例です。しかし、一般には貸主、借主の必要性が衝突し合うことが多く、同じ程度の必要性なら、現状のままになることが多いです。ご質問では地主は買い取りを求めている位ですから、地主の自己使用の必要性はないとみていいでしょう。

更新の際の更新料は
 地主は、更新料の支払いを当然に請求できるわけではありません。あくまでも更新前に、地主と借地人との更新料支払いの合意が必要です。この合意があって初めて、地主は借地人に対して更新料支払いの請求ができます。更新料の金額も合意で決まります。したがって、地主が、一方的に強制的に更新料を取れるわけではなく、借地人が、合意のない更新料の支払いを拒否しても、借地契約の解除事由にはなりません。


(2007年9月7日 読売新聞)


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国交省、「200年住宅」法案固める

2008年02月16日 | 国と東京都の住宅政策
 国土交通省は15日、数世代にわたって住み続けられる「200年住宅」の普及を促す長期優良住宅普及促進法案を固めた。耐震性や改修がしやすいなど一定の基準を満たした住宅を自治体が認定し、税制優遇などの普及支援策を適用。定期点検や補修工事などの履歴情報を記録した「住宅履歴書」の作成・保存を義務づけ、中古住宅市場の活性化を目指す。与党の了承を得たうえで26日に閣議決定し、通常国会に提出する。


[2月16日/日本経済新聞 朝刊]


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リフォームされてなかったのに過大なリフォーム費用を敷金から相殺された

2008年02月16日 | 敷金と原状回復
昨年12月に入会したデザイン会社経営の渡邊さんは、11月に港区赤坂の事務所を移転した。会社創業当時は同じビルの601号室に10年程居り、その後平成5年から同階の604に移った経緯がある。今回14年借室していた604号室の敷金返還にともないビルオーナーから原状回復費として28万円を敷金より差し引くという敷金預かり金精算書を受取った。  

 この金額に承服できない渡邊さんは移転先の荒川借組の の事務局長の元へ相談に行った。渡邊さんの借りていた604号室は入室当時以前から浴槽を撤去した状態の浴室を含めて約11坪。ビルオーナーから出された原状回復の業者見積はクロス張り替え(天井・壁・梁)、床パンチカーペット張替え、ジプトン天井ペンキ、その他クリーニング・ゴミ処理という内容だった。  

 渡邊さんの言い分では「①14年前の入室時はリフォームされておらず、その時点からクロスは所々剥がれていた②天井の一部は雨漏りのシミができていた③広告デザイン制作なのでパソコン中心の仕事は清潔さ必須で土足厳禁で来客も多く、見た目もきれいにつかっていた」とのことで、引っ越し当日業者が付けたというビル入り口カーペットの靴跡も管理人立会いで清掃したが、クリーニング代として4万円の請求がされている。  裁判は29日で、「次号で良い報告できるように頑張ります」と渡邊さんは語っている。 (東京借地借家人新聞より)


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契約締結意志を翻意した賃借人に契約締結上の過失が認められた事例 東京地裁 H18年7月

2008年02月15日 | 最高裁と判例集
某企業グループAは事務所を1箇所に統合することを検討していたところ、Bより打診を受け、好条件と判断したAはH15年8月に貸室申込書をBへ提出し、またH16年1月を調印日とすることで合意した。ところが、H15年12月にAのグループに属する企業の会長が移転を承諾しない意向を示したことから、Aは本件賃貸借契約を断念した。これに対してBは、契約当事者間の意志の合致により、Aは申込書を提出し、Bはこれを承諾し、この時点で契約は成立している、仮に成立していないとしても、申込書を受託した時点で契約準備段階にはいっており、Bの期待利益を侵害したとして、損害賠償請求を起こした。

東京地裁の判決では、Bの主張を一部容認し、H15年12月からBが新たな賃借人と契約を結ぶことが出来たH16年6月末迄の期間について、共益費を除いた実質賃料の損害賠償義務をAは負うとした。

この判決は、(1)契約が成立しているかどうかの争点については、AはBに申込書を交付しただけであり成立しているとは認められない。(2)契約締結上の過失の存在については、BはAと賃貸借契約を締結できると信じて行動することは容易に予想できるもので、A側の会長が承諾しないことは正当な理由とは認められず、過失の存在を認めた。即ち、契約が成立しておらずとも、契約準備段階に入っているので、契約に至らなかった賃貸人の損害賠償請求について、得べかりし利益まで信頼利益と認めたという判断を示したものである。(不動産業者の開運ブログより)



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