東京多摩借地借家人組合

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居住支援の検討会で、全宅連・全日らが取り組み紹介

2023年08月30日 | 最新情報
https://www.re-port.net/article/news/0000073502/

 国土交通省は28日、「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」の3回目の会合をオンライン併用で開催。各委員が、所属する団体の取り組みを発表した。不動産業界団体からは、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、(公社)全日本不動産協会(全日)が、住宅確保要配慮者に対する居住支援の取り組みについて説明した。

 全宅連理事の岡田 日出則氏は、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」「終身建物賃貸借」の認知度と利用意向について、会員事業者向けに行なった調査の結果を紹介。その結果を踏まえ、残置物処理等に関するモデル条項については、「活用ケースが限定的。残置物処理や賃貸借契約の解除等、契約終了時の手続きの簡素化を図るとともに、国による運用指針の策定等が必要ではないか」と言及。終身建物賃貸借制度では、「認定制度や改修要件が制度普及のネックになっている」とし、「普通賃貸借・定期建物賃貸借などとともに、一般的な賃貸借の類型として位置付けるなど、思い切った見直しが必要ではないか」と要望した。

 全日常務理事の出口賢道氏は、高齢者等の賃貸住宅への入居円滑化に向けた課題について説明。家主側の心理的阻害要因として、「物件棄損」「残置物」「風評被害」リスクの3つを挙げた。「孤独死の場合、特殊清掃や大規模なリフォームが必要となる。また、発見状況によっては次なる入居付けに際して告知を要し、これにより賃料下落の懸念があることから、円滑な入居が阻害されている事情が見受けられる」とした。また、高齢者等への住宅提供環境に関し、「保証契約に際し、緊急連絡先となる親族等がいない場合、多くの保証会社において審査が通らないため、契約締結に至らない」と言及。セーフティネット住宅情報提供システムについて、「家主、管理会社の認知が進んでいないことも阻害要因」であると説明した。

 そのほか、(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、社会福祉法人・全国社会福祉協議会、更生保護法人・全国更生保護法人連盟が、それぞれ居住支援に関する報告を行なった。

 これまでの検討会の議論を踏まえ、座長の大月敏雄氏(東京大学大学院工学系研究科教授)が、住宅セーフティネット制度の見直しの方向性を示した。「居住支援の充実、賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境の整備、住宅確保要配慮者のニーズに対応した住宅等の確保に取り組む必要がある」(同氏)。そのほか、委員からは「まずは居住支援に関する認知度を上げる工夫が必要では」「セーフティネット住宅に関するサイトの充実も課題」「居住者の属性が変化することを鑑み、変化に柔軟な追従性を持った終身建物賃貸借制度となることを求める」といった意見が挙がった。4回目の会合は、9月21日に行なわれる予定。
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地上げ業者と交渉し、借地権売却、中古の戸建て住宅を購入

2023年08月30日 | 底地の売買 地上げ
 国立市で63坪を借地している山田さん(仮名)は、昨年4月に大阪市に本社があるM工務店に所有権が移り、同社の社員から執拗に借地権の売却を迫られ、地代を自宅まで集金に来るので、困って今年2月から組合の役員立ち合いで地代を組合事務所で支払うようにした。その後、M社は地代の大幅な値上げと赤道部分を同社が市から払い下げを受けると、赤道部分10.17㎡部分を無権限で土地を使用しているとし、損害金として4605円を支払えと請求してきた。山田さんは、赤道部分の損害金の支払と地代の増額を拒否した。また、金額によっては借地権の売却に応じてもよいと考え、組合を通じて借地権の売買交渉を行った。この間、中古の木造戸建て物件を購入できる金額を要求し同社と交渉したところ、提示額の25%アップで交渉がまとまり、6月に売買契約を締結。6月30日に売買金額全額が銀行口座に振り込まれ、中古物件を購入し、7月初旬に新居に移転し、7月末に自宅を引渡した。山田さんは「私一人ではとても地上げ屋相手に交渉はできなかった。交渉がうまくいったのも組合のお陰です」と語っている。



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組合事務所の夏季休暇のお知らせ

2023年08月15日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
東京多摩借地借家人組合は、8月16日から20日まで夏季休暇となります。

ご相談のある方は、8月22日以降ご連絡下さい。

電話 042(526)1094

午前10時~午後5時まで
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政府が単身高齢者・低額所得者など住宅確保要配慮者の住宅確保と入居支援の検討会を発足

2023年08月10日 | セーフティネット住宅
 生活困窮者、高齢者、障害者、ひとり親世帯などが住宅の確保が困難な状況に置かれています。住まいは安心して生活を送るための基盤にもかかわらず、高齢者や障害者に対して約7割の家主が拒否感を抱いているとの調査結果もあり、実際にも高齢者が民間の賃貸住宅の入居を拒否される事例が多数発生しています。政府は入居を拒否される人達を支援するための検討会を発足させ、秋には具体策が発表される予定です

 国土交通省の発表によると、2005年に約386万世帯だった65歳以上の単身高齢者は、20年に約672万世帯に増え、2030年には約800万世帯に迫る見通しです。単身高齢者や低額所得者が住む賃貸住宅の多くが老朽化しており、居住支援法人には立退きや家賃負担の増大の相談が転居相談として多数寄せられています。2017年に改正住宅セーフティネット法が施行され、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅登録制度が始まり5年が経過しますが、今年3月末で登録住宅は84万件を突破しましたが、要配慮者専用住宅は全国で僅か5284戸と登録住宅の0・6%しかありません。家賃低廉化補助を実施している自治体は40、家賃債務保証料補助等を実施している自治体が29、改修費補助が35という悲惨な実態です。

 セーフティネット登録住宅の家賃の調査(令和4年12月末時点)によると、全国で家賃5万円未満の住宅が19%で、3万円未満では0・5%しかなく、東京都では3万円以上4万円未満が0・2%、4万円以上5万円未満が0・5%しかありません。一方10万円以上の物件は23・6%を占め、これでは低額所得者や高齢者等が住める物件はなく、全くセーフティネットが機能していないのが実態です。
 唯一機能したのが、マッチング・入居支援を行う居住支援法人の指定が668者、居住支援協議会は129協議会が設立されました。居住支援活動には補助金が支払われていますが、居住支援事業が赤字の法人が5割を超え、居住支援法人に対するさらなる財政的な支援が必要です。

 検討会は国交省、厚労省、法務省の合同で設置され、
① 住宅確保要配慮のニーズに対応した住宅を確保しやすくする方策、②要配慮者が円滑に入居でき、かつ適切な支援につなげる」ための方策、③入居後の生活支援まで含めた要配慮者に対する居住支援機能のあり方、④大家等が安心して貸せる環境整備のあり方以上が検討項目に上がっています。絵にかいた餅にならないためには、家賃補助制度の実施、公営住宅の供給の促進等の施策の検討が不可欠です。(全国借地借家人新聞8月号)





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地主が相続で金融機関に底地を売却、契約した面積が減少したが

2023年08月02日 | 法律知識
 足立区内千住地区で100坪の宅地のうち、約15坪を賃借する黒川さん(仮名)は、地主が死亡し相続が発生し、相続人の娘は地元の金融機関に底地を売却した。今年になり地主の信用金庫は測量し分筆登記をすると契約書に明記された面積から2.62坪も減少していることが測量図・公図等が送られてきて判明した。
黒川さんの父が大事に取って置いた足立借組・常東支部が撒いたビラから現在の事務所の電話番号を見つけ出し、電話して息子と一緒に尋ねてきた。父が平成元年に高額な権利金を支払い購入した経緯があり納得がいかない様子で、何とかならないのかとの質問に組合では土地賃貸借契約書を締結する際に地積確定の測量は行いましたかと尋ねると契約書には測量図の添付はされていないという。
この場合、契約書に明記されている面積はあくまで地代額を算出するための基準として坪数を表示しているのである。このため、契約書上の坪数と実際に使用している土地の面積が違うことはよくある。しかし減った分の土地返却請求は難しいのではと回答する。(東京借地借家人新聞より)
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地上げ110番 NHKで放送され、相談の電話鳴りやまず

2023年08月01日 | 明渡しと地上げ問題
 突然土地や賃貸住宅を買取り、借地借家人に立ち退きを迫る地上げ問題が東京など首都圏や近畿圏で多発しています。バブル期と同様の手口で脅しをかけ、「令和の地上げ」として恐れられています。

 東借連では、地上げ問題を社会問題として訴え、相談を掘り起こすために、7月30日(日)の猛暑の中、「地上げ110番」を実施しました。東借連の弁護団から2名の弁護士と、東借連の役員3名で午前10時から交代で相談に応じました。NHKの関東・甲信越のお昼のニュースで地上げ110番の様子が放送されると、相談先の電話番号を見た人達が、一斉に電話をかけ2台の電話が鳴りやまず、相談の対応に追われました。

 午後3時以降も電話がかかり、3時半まで電話を受け付けました。相談件数は合計38件で、相談の内訳は地上げ9件、明渡し5件、契約の更新2件、借家の修繕2件、保証会社1件、借地権の売買2件、賃料値上げ3件、貸主の嫌がらせ2件、家賃の支払1件、相続2件、家主・地主の相談5件、その他3件でした。

 相談の中には、高齢な借地人に対し、地上げ業者から「借地権を売って施設に入れ」、「底地を買い取らないと地代の値上げをする」、「業者が5月末に突然やってきて7月末に出て行けと言われた。断ってもマンションのドアを10分おきに叩き、自宅で安心して仕事ができずやむなく家を転居した」等の切実な相談がありました。


地上げの相談は東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
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