東京多摩借地借家人組合

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生活保護の違法・不適切運用と「扶養照会」

2024年07月04日 | 法律知識

 「水は使えたんですけども、ガス、電気が止まって大変でした」「温かいものを口にすることができなかったのが一番つらかったで
す。ある時は、食パンを1斤買って、それを朝昼晩、お水と一緒に食事をするようなこともありました。水だけのときもありました」
 奈良県生駒市で生活保護を打ち切られ、その後、2度にわたる再申請も却下されたことにより精神的苦痛を受けたとして、50代女性
のAさんが国家賠償法に基づく損害賠償を求めていた訴訟で、奈良地裁は5月30日、生駒市に55万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
冒頭の証言は、昨年12月に行われた原告尋問においてAさんが法廷で語った言葉である。
 保護廃止後の生活状況について、Aさんは判決後の記者会見で「食事を取れない時が多く、精神的にいろんなことを考えられない状
態に陥っていました」と極限状態にあったことを語った。なぜ彼女は生活保護を打ち切られたのだろうか。

 ◇2度にわたる再申請を却下

 Aさんは2016年から単身世帯として生活保護を利用していたが、20年10月、生駒市福祉事務所は求職活動が不十分であることを理由
に生活保護を停止した。その後、Aさんの親族と支援者が役所の担当者を訪問。Aさんが精神疾患を抱えていることを説明し、保護停止
の解除を要請したが、職員は就労して自立するしか停止解除はできないと回答。12月9日にはAさん自身が週2回のアルバイトを開始し
たことを報告したにもかかわらず、その6日後、生駒市は生活保護の廃止を決定した。廃止の理由は、別居する70代の母親がAさんを引
き取って扶養することが可能だというものであったが、母親は認知症を患っており、要介護状態であった。
 保護費が止まったことにより生活に困窮したAさんは、21年4月、支援者とともに窓口を訪れて、生活保護の再申請をおこなった。こ
の時は電気やガスが半年間止まったままであること、精神障害者保健福祉手帳2級を取得したことを伝え、公的な支援が必要な状況に
あることを訴えたが、市は親族による扶養が可能との理由で申請を却下。Aさんは同年7月にも生活保護を再申請したが、この時も同じ
理由で却下された。

 ◇引き取りによる扶養は例外

 奈良地裁(寺本佳子裁判長)の判決は、生駒市が一連の処分の決定において、母親がAさんを引き取って扶養することが可能だと言
いつつも、その「実現可能性について何ら具体的な調査・検討をしていない」と指摘。福祉事務所が果たすべき法的義務に反している
として、国家賠償法上の違法性及び過失があると認めた。また、判決は、親族の扶養はあくまで金銭的扶養が原則であり、引き取りに
よる扶養は「当事者間の合意を前提とした例外的な扶養の方法」との解釈を示した。
 判決後の記者会見で原告代理人の古川雅朗弁護士は、引き取りによる扶養を例外とした裁判所の判断について、「家庭、人それぞれ
にさまざまな事情があり、各個人には居住、移転の自由が保障されている。『あなたはこの家族と同居すべきだ』と行政側が簡単に押
し付けてはいけない」との原告側の主張が認められたものだと評価した。
 判決が出た日の夕方、生駒市の小紫雅史市長は判決を真摯(しんし)に受け止め、控訴しないことを表明。市の控訴断念を受けて、
判決は確定した。

 ◇扶養は保護の要件ではない

 Aさんの裁判で争点になったのは、民法が定める親族の扶養義務と公的扶助との関係をどう捉えるかという問題であった。
 生活保護法には「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるもの
とする」(第4条2項)との規定がある。ここで言う「優先」とは、「要件」とは違い、あくまで親族による金銭的な扶養が行われた場
合、その金額を保護費から差し引くという意味に過ぎないのだが、生活保護行政の現場では、扶養が生活保護の要件や前提であるかの
ように偽って説明することで申請を抑制しようとする「水際作戦」がたびたび問題になってきた。
 厚生労働省は各自治体に対して、「扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行う」ことがないように徹底してほしいとの通知を何
度も出しており、親族が扶養できるかどうかは生活保護の要否の判定に影響を及ぼすものではないとの説明も繰り返している。
 奈良地裁の判決は、「扶養は保護の要件ではない」という原則を確認するものであったが、生駒市を含む一部の自治体では、この原
則を逸脱した運用が常態化している疑いがある。
 生駒市ではAさんが生活保護の停廃止処分を受ける直前の20年9月、市議会の決算審査特別委員会において、生活保護の開始件数が減
少している理由についての質疑があった。担当課長は減少の要因の一つに、市が「扶養義務者への扶養照会等を強化している」ことが
あると述べた上で、その具体的な方法を次のように解説した。
 「扶養照会の方も、今までは申請が出てから文書で扶養義務者の方に扶養照会を行っておったんですけども、相談に来られた段階
で、その扶養義務者、特に親御さんとか兄弟さんとか、そのあたりのご家族の方に相談されていますかと、一度相談してくださいとい
うような働きかけもさせていただいて、時と場合によってはその方たちも2回目、3回目の相談のときに同席していただいて、今後どう
していくかというのを十分話し合っていただいて、保護に陥らずに、皆さんで支援をしながら生活を自立させていくというようなこと
も今はさせていただいております」

 ◇過去にさかのぼって検証が必要

 20年はコロナ禍の経済的影響によって生活困窮者の増加が社会問題となった年である。その年の12月、厚労省は公式サイト上に「生
活保護を申請したい方へ」という特設ページを開設し、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたに
もあるものですので、ためらわずにご相談ください」との広報を開始。特設ページには、生活保護制度に関する「よくある誤解」とし
て、「扶養義務者の扶養は保護に優先しますが、例えば、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはあ
りません」との注意書きもわざわざアップしていた。
 しかし、生駒市は生活保護の新規件数を減らすため、相談者の親族にプレッシャーをかけ、役所に呼び出しまでおこなって扶養義務
の履行を迫っていた。こうした対応により、生活保護の申請を断念せざるをえなくなった人も少なくないだろう。
 生駒市では、Aさん以外にも「親族による扶養が可能」との理由で保護を廃止されたり、申請が却下されたり、申請の手前の段階で
追い返されたりしていた人が多数いる可能性がある。市は判決を受け入れた以上、過去にさかのぼって生活保護の違法運用、不適切運
用を徹底検証すべきだ。

 ◇ほかの自治体でも

 「親族による扶養」を強調することにより生活保護の件数を抑制する手法は、他の自治体でも散見される。昨年10月以降、生活保護
利用者に保護費の満額を支給していなかったことや職員による暴言・どう喝が常態化していたことなど、数々の違法運用・人権侵害が
発覚した群馬県桐生市も、その一つである。
 桐生市では、11年度に897世帯いた生活保護世帯が22年度には487世帯と半減したことが問題になっているが、実はこの12年の間、
「親類・縁者等の引き取り」による保護廃止は延べ38世帯にのぼることが明らかになっている。
 保護世帯が減少した理由について、桐生市は毎年作成している福祉事務所の「実施方針・事業計画」において、「ケースワーカーが
日ごろから熱心に実施している扶養義務者との交流促進指導」が実を結んだ結果、親族の引き取り件数が増えたと自画自賛している。
 ここでも法律や国の通知に反し、本人の意思を無視した同居の強要が行われていたのは間違いないだろう。

 ◇国が見逃していいのか

 1950年に現行の生活保護制度が成立して70年以上が経過し、日本社会における家族関係のあり方はこの間、大きく変化してきた。こ
のことを踏まえ、近年、厚労省は福祉行政が親族間の関係に介入することに抑制的な姿勢を取るようになってきている。
 21年3月、厚労省は扶養照会について、直接の照会は援助が期待できる親族に限ることを明確にした上で、本人が拒む場合は丁寧な
聞き取りをおこなうことを求める通知を各自治体に発出した。
 この新たな通知は生活保護の申請者本人の意思を一定、尊重することを求めるものであったが、自治体が本人の承諾なしに親族に連
絡すること自体を禁止するものでなかったため、自治体の中には通知を恣意(しい)的に解釈し、親族間関係への過度な介入を続けて
いるところも多い。
 一部自治体による法令違反や通知を曲解した運用を国が見逃していてよいはずがない。厚労省は、専門家による審議会を設置した上
で、全国の福祉事務所における扶養照会の運用実態を詳細に調査し、親族扶養と公的扶助の関係を改めて整理し直すべきである。(政
治プレミア)
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最高裁 公社住宅の住民の家賃減額等請求権 借地借家法の適用認める

2024年06月26日 | 法律知識
判例紹介 最高裁判所第1小法廷判決2024年6月24日判決
【地方住宅供給公社が賃貸する住宅には借地借家法の適用がある】
地方住宅供給公社が借り主の合意を得ずに家賃を増額できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は公社物件に借地借家法が適用されるとの初判断を示しました。地方住宅供給公社の借り主側が家賃の減額を請求できるほか、値上げに対して争えるようになります。
【公社住宅に借地借家法の適用がある】住宅供給公社は、都道府県などが出資し、住宅の整備・管理などを行います。最高裁判所は、地方公社は「住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者に居住環境の良好な集団住宅を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進医寄与することを目的とする法人」であって、「地方公社の業務として賃貸人との間に設定される公社の使用関係は、私法上の賃貸借関係であり、法令に特別の定めがない限り、借地借家法の適用がある」としました。
【借地借家法32条の適用がある】借地借家法32条1項は「「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」としています。最高裁判所は「公社住宅の使用関係については、借地借家法32条1項の適用がある。」と明言しました。(東借連新聞 判例紹介 黒岩哲彦弁護士)
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総務省の令和5年度住宅土地統計調査 空き家数過去最多、全国で900万戸

2024年06月14日 | 法律知識
 総務省は、5年ごとに実施している令和5年住宅・土地統計調査の住宅数概要集計(速報集計)結果を4月30日に発表しました。
 調査結果によると、総住宅数は6502戸(23年10月1日現在)と、2018年から4・2%(261万戸)増加しました。総住宅数の最も多いのが東京都の820万戸、次いで大阪府493万戸、神奈川県477戸、愛知県3666万戸です。最少は鳥取県の32万戸で、青森県・秋田県・高知県・長崎県で住宅数が減少しています。
 空家数は900万戸と過去最多で、2018年から51万戸増加して過去最多となりました。空き家率13.8%で、2018年(13・6%)で過去最多です。空き家率の最も高いのが和歌山県と徳島県の21・2%で、次いで山梨県が20・5%となっています。賃貸・売却用及び二次的住宅(別荘他)を除く空き家は385万戸と、2018年より37万戸増加しています。空き家の取得経路の多くが相続ですが、売却も取り壊しもできず空き家になる事例が増えています。空き家を放置し市区町村が「特定空き家」に認定すると固定資産税の軽減措置がなくなり、空き家の破損を放置していると「管理不全空き家」として自治体の勧告・指導の対象になります。




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高齢者が詐欺の標的に…監督官庁もメチャクチャ「ヤバい制度」の悪用に「反社会的集団」が乗り出す日 伊藤 博敏 ジャーナリスト

2024年06月01日 | 法律知識

増加する「身元保証サービス」

全国の65歳以上の1人暮らし世帯が急増し、2001年の318万世帯が22年には873万世帯となり、1000万世帯超えが目前だ。
血縁、地縁が薄くなっているなかでの1人暮らしの老人には、深刻な悩みがある。老人施設はもちろん賃貸住宅への入居、病院への入
院の際、保証人を求められるのだが、用意できずに断られるケースが少なくない。
そこで増えているのが高齢者の身元保証サービスで、内容は契約を結んで保証人になるだけでなく、日常生活の支援、現金や財産管
理、葬儀を含む終活サービスなど多岐にわたる。
同時にトラブルも少なくない。監督官庁があるわけではなく、免許も届け出も不要で誰でも参入できる。そこで情報弱者の老人につけ
込むような価格設定や余分なサービスを付け加えて高額請求。解約を申し出ても返金されないといった苦情が全国の消費生活センター
などに寄せられるようになった。
そのため内閣府の孤独・孤立対策室が中心となって4月19日、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(案)」をまとめ、5月18日
までパブリック・コメントを求めた。今後、早急に策定することになっている。

刑事罰を伴う法整備が必要

契約締結にあたっては、「民法や消費者契約法に定められた民事ルールに従いつつ、契約の適正な説明(重要事項説明書の交付)を行
うこと」とし、「寄付や遺贈を契約条件にすることは避け、遺贈を受ける場合も公正証書遺言によることが望ましい」と書かれてい
る。
また契約の履行にあたっては、「提供したサービスの時期や内容、費用等の提供記録を作成し、保存のうえ定期的に利用者に報告する
こと」や「利用者から前払い金(預託金)を預かる場合、運営資金とは明確に区分して管理することが望ましい」としている。
どれも当たり前すぎる内容で、これがガイドラインなら事業者のモラルに期待するしかなく、確信犯的な悪徳業者ならなんなく抜け穴
を見いだして突破しそうだ。
日本弁護士連合会は5月17日、「サービス内容が多様・複雑で費用体系が明確でないためにトラブルが多く消費者保護の必要性が高
い」と問題点を指摘したうえで、次のように指摘している。
<適正化を図るためには、一般的な現行法上の制度を前提とするガイドラインを示すだけでは足りず、事業の特性を十分に考慮した法
制度の整備を速やかに検討する必要がある>
法規制しなければダメだというわけだ。確かに悪徳業者も存在する現状を考えれば、「望ましい」「重要である」といった書き方のガ
イドラインで防げるものではなく、刑事罰を伴うような法整備が必要だろう。

監督官庁がない

司法書士が中心となった公益社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」の5月17日付意見も厳しい。
<「義務」や「禁止事項」にはほとんどふれられていないため、ガイドラインに沿った確実な運用が期待できるのか不透明である。
チェックリストにチェックが入っているなら問題ないという認識であれば、現場において数多くのトラブルが発生する可能性も否定で
きない>
これもガイドラインでは防げないという意見だ。何より同様の意見を身元保証サービス事業に参加している業者自身から聞けた。葬儀
事業からこの分野に進出して1年目の業者である。
「中小の業者が多く、しかも監督官庁がなく縛りもないから、みんな好き勝手にやっている印象です。利用者から通帳と印鑑(キャッ
シュカード)を預かっているよう業者もいて『それは止めましょう』というガイドラインで対応できるものじゃない。認知度が高く信
用のあるリーディングカンパニーがビジネスをリードすればいいのですが、そうした企業もいない以上、法整備をしっかりするしかな
いと思います」
監督官庁がないというのは、この種の役所仕事では致命的だ。公表された「ガイドライン(案)」には取りまとめ役として「内閣官房
(身元保証等高齢者サポート調整チーム)」の名が上げられ、窓口は内閣府孤独・孤立対策室で以下に次のような省庁の名前が書かれ
ている。
金融庁、消費者庁、総務省、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省ーー。

反社が乗り出してきたら…

それだけ事業内容が多岐にわたるわけだが「ガイドラインの策定時期はいつか」という筆者のごく基本的な問い合わせに応える部署が
ない。結局、わかったのは厚生労働省老健局が内容のとりまとめは行うものの、今後のスケジュールを把握しているのは内閣官房副長
官補室で、それも「今のところいつになるとはハッキリ言えない」という心許ないものだった。
老人相手の犯罪といえば「振り込め詐欺」が思い浮かぶ。警告が繰り返され、何度報道がなされても被害者が減らないのは、他人との
縁が薄れて孤独に沈み、あらゆる騙しのパターンを持つ連中に引っかかってしまうからだろう。そして老人にはカネがある。
海外を拠点とした振り込め詐欺グループの摘発が相次ぎ、担当する警視庁捜査員などによると「そろそろ(振り込め詐欺も)限界に近
づいた」と思う連中もいるという。
そうした反社会的集団が、身元保証サービスに確信犯として乗り出せばどうなるか。ガイドラインの段階でもたもたしている状況では
ない。

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更新料と未払いで地主から契約解除通知

2024年06月01日 | 法律知識
 足立区内で約30坪の宅地を賃借する宇田川さん(仮名)は本年2月に地主代理人弁護士から更新料・地代未払いによって信頼関係が著しく破壊されたことから本件土地にかかわる賃貸借契約を解除する。1か月以内に、建物収去土地明渡と滞納地代の支払を通知されたと相談に訪れた。
 組合では先ず更新料について土地賃貸借契約書に更新料についての特約はあるか聞いたが、一昨年5月の更新時に更新料支払を請求されたまま支払いますと回答したとのこと。支払うお金の目途があったのか尋ねると何とかなると思ったと答えた。宇田川さんは支払うことが難しい更新料を安易に認めてしまう性格のようだ。地代の支払いは借地人の義務であることは知っていますか。地代の滞納がある場合申し訳ないけど地主及び地主代理人弁護士には反論する
こてはできないので先ずは代理人弁護士に再度、更新料の分割支払と地代滞納分支払計画書を作成提出するように助言した。 相談者は地主から何回か更新料分と地代滞納分支払を督促され一時は払ったが、再度払うことが難しくなり滞納した経緯がある。体調面で問題があることはわかるが、できれば一昨年の更新時に相談に来て欲しかった。(東京借地借家人新聞より)
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「住宅セーフティネット法」改正案 衆院本会議で可決・成立

2024年05月31日 | 法律知識

賃貸住宅の入居を断られる高齢者や障害者などの住まいの確保につなげようと、大家が貸
「住宅セーフティネット法」改正案 衆院本会議で可決・成立
しやすい環境を整える、いわゆる「住宅セー
フティネット法」の改正案が、30日、衆議院本会議で可決・成立しました。
高齢者や障害者、DVの被害者などが賃貸住宅の入居を断られるケースはあとを絶たず、特に高齢者については、孤立死に伴う遺品の処
分の負担への不安から多くの大家が拒否感を示すなど、住まいの確保が課題となっています。
こうした人たちを支援しようと、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」、いわゆる「住宅セーフティネッ
ト法」の改正案が、30日の衆議院本会議で可決・成立しました。
今回の改正で、住まいの確保を促進するための取り組みが制度化され、都道府県から指定された「居住支援法人」などが、入居からそ
の後の安否確認や見守りを行ったり福祉につなげたりする住宅を「居住サポート住宅」として認定します。
また、借り主が「居住支援法人」を活用して家賃の滞納を立て替える保証会社と契約を結びやすくする制度も設けるなど、大家が貸し
やすい環境づくりが進められることになります。
国は、来年秋ごろに施行を目指すことにしています。

「居住支援法人」の役割重視 背景には厳しい現実

改正法では「居住支援法人」の役割が重視されていますが、背景には住宅の確保が難しい人たちが置かれている厳しい現実がありま
す。
東京・町田市で1人暮らしをしている三橋勇さん(63)は、長年住んでいたアパートが老朽化で建て替えることになり、去年、立ち退
きを求められました。
三橋さんは腎臓に病気があり、透析治療で通う病院の近くにあるマンションへの入居を申し込みましたが、契約の際に緊急連絡先を頼
める親族などがいなかったこともあり、断られたということです。
こうした中、ケアマネージャーの紹介で「居住支援法人」のサポートを受けるようになったところ、不動産会社が理解を示し部屋探し
を始めてから3か月後にこのマンションに引っ越すことができました。
三橋さんは「以前住んでいたところと病院との距離は変わらず、場所がいいので気に入っています。無事に引っ越しできてほっとした
というのが一番で、『居住支援法人』には感謝の気持ちでいっぱいです。今度はできるだけ長くこの部屋に住み続けたいです」と話し
ていました。

専門家 “持続可能な仕組みづくりが重要”

住宅政策に詳しい東京大学の大月敏雄 教授は「今回の法改正で大家が住宅に困っている人に、住まいをより貸し出しやすくなる仕組
みになった」と評価しています。
一方で「『居住支援法人』に相応の対価を支払う体制が十分に整っていない。法人の運営を支援するメニューを強化していくことも必
要だ」と述べ、持続可能な仕組みづくりが重要だと指摘しています。
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借地借家問題市民セミナー IN府中

2024年05月30日 | 借地借家問題セミナーと相談会
借地借家人のためのやさしい法律の学習会と相談会 相談しておけばよかった!………というケースが必ずあります

こんな問題で悩んでいませんか?
◎賃貸借契約の更新、更新料の請求
◎大地主の死亡や地主の相続で発生する問題
◎地代・家賃の増額請求の対応
◎賃貸住宅の老朽化・耐震不足を理由とする明渡し
◎ブラック地主問題(借地の底地の不動産業者への売却)
◎賃貸住宅の原状回復、敷金の返還
 ◎大規模災害が起きた場合の借地権・借家権


日時 6月8日(土)午後6時30分から

 会場 府中市ル・シーニュ6階市民活動センタープラッツ第4会議室(京王線府中駅南口1分 参加無料)

※組合役員が親切に相談にのります。 借地借家人の権利は借地借家法・消費者契約法などで守られています。

東京多摩借地借家人組合

 電話 042(526)1094

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地主が底地を売却 新しい地主が地代現行の7倍の増額を請求

2024年05月30日 | 地代家賃の増減
 中野区に祖父の代から土地を賃借している花森さん(仮名)は昨年地主が底地を売却し、新しい地主になった。
底地買い業者ではないが賃貸借契約継承の通知書送付後訪問があり、底地を買うか借地権を売るか迫ってきた。
花森さんが売買を拒否すると代理人弁護士を委任し現行賃料の7倍にもなる賃料増額請求をしてきた。
花森さんはこの賃料増額請求も拒否した。
すると地主代理人弁護士は強硬な文面で再度通知してきた。
通知書到着後5日以内に賃料増額請求した差額が未払いになっている、即刻支払えという内容だった。
さすがに不安になった花森さんはインターネットで知った組合のホームページでリーフレットをダウンロードし入会して学び解決につなげたいと電話後事務所に相談に来た。
花森さんの賃借している土地は道路から40mほど奥まったところだが通路部分は建築基準法第42条2項道路になっており、行政に問い合わせると再築可の土地だ。
早速入会し組合が花森さんの意向に沿った通知書を代書し地主代理人弁護士が今後どのような方針で通知するのか様子を見ることにした。
相談して心が少し楽になりましたと笑顔を見せた。

(東京借地借家人新聞より)
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神社の地主が毎年地代値上げ、交渉すると地主が恫喝

2024年05月27日 | 地代家賃の増減
 杉並区内で土地約80坪を賃借している今川さんは地元で有名な神社が地主だ。
地代が毎年値上げになり困って電話相談してきた。周辺には多くの借地があり今川さんともう一軒が持参払いをしている。
毎年値上げの根拠を聞くがそんなことは答える必要ないと恫喝されるという。
組合はまず神社ならば宗教法人なので境内として土地を貸しているならば税金はかなり低額であり毎年値上げするのは根拠に乏しいと回答。
今川さんは数件の借地人と共に一度組合に相談に行き、入会して地主と交渉していきたい考えだ。
今回の値上げは5月からと言われているが現行の地代を支払い、決して1円でも値上げして払わないで下さいと説明。
恫喝される件についてはあまりにも酷いようであれば警察に相談することも考慮するべきと説明。
入会後は顧問弁護士に相談することも可能なことも案内。
今川さんも是非周辺の借地人と一緒に入会し知識を学び、地主に負けない交渉力を身に着けたいと張り切っていた。

(東京借地借家人新聞より)
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ICTでお年寄りを遠隔見守り365日…AIとの会話やポットの使用状況で異変を察知

2024年05月27日 | 居住支援
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240526-OYTNT50009/

 ICT(情報通信技術)を活用し、一人暮らしのお年寄り向けに見守りサービスを提供する動きが広がってきた。今後、65歳以上の単
身高齢者の増加が見込まれる一方、見守りを担う民生委員などの人材不足は深刻化している。識者からは「ICTなどを使った効率的な
支援がますます求められる」との声が上がる。(山本光慶)

安心感「友得たり」

 今月上旬、福岡県大野城市内のアパート。一人暮らしの女性(83)方の居間に、見守り機器を友に見立てた一句が飾られていた。
「薫風や 八十路ひとり身 友得たり」
 女性は昨年7月から市の見守り事業を利用している。人感センサーで24時間動きを感知できなければ、事前に配布されるキッズ携帯
にコールセンターが連絡。電話に出なかった場合、警備会社のスタッフが駆けつける仕組みだ。
 過去に胃腸炎で緊急入院したこともある女性。身内は近くにおらず、孤独死などへの不安を抱えており、「何かあればすぐ対応して
くれるので、すごく安心感がある」とほほ笑んだ。
 市は昨年度、見守りや緊急通報事業などを行う「あんしんサポート」(福岡市)に委託し、事業を始めた。一人暮らしの高齢者らが
介護保険料に応じ、月500円以内で利用できる。今月21日時点の利用申請は500件に上る。コールセンターを通じて救急車が駆けつけた
事例もあるという。
 市すこやか長寿課の藤木大介係長は「高齢化で民生委員らの負担が増えている。24時間365日対応可能なICT機器は有事にも速やかに
対応でき、人手を補ってくれる」と述べた。

民生委員はなり手不足

 高齢化や核家族化の影響で、今後、単身高齢者は急増する見通しだ。
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が4月に公表した推計によると、65歳以上の単身世帯は2020年に738万だが、50年には1・5
倍の1084万に増え、世帯総数の2割に達する。
 その一方、自宅を訪問するなどして単身高齢者を支える民生委員は、なり手不足に陥っている。国の統計では、全国の定数24万548
人に対し、23年3月時点で1万3122人の欠員が生じている。この10年で定数は約6600人増加した反面、実際の委員数は約2700人減少し
た。

大手企業も参入

 こうした中、大手企業も見守りサービスに参入している。
 日本郵便(東京都)は22年からディスプレー付きAI(人工知能)スピーカーを使った自治体向けサービスを始めた。1日に数回、食
事や服薬、睡眠の状況を、高齢者宅に設置したAIスピーカーが音声や文字で問いかける。回答は自治体が管理画面で確認。訪問しなく
ても生活状況を把握できる。今月1日までに16市町村で利用実績があるという。
 象印マホービン(大阪府)は電気ポットを活用した見守り事業を23年にリニューアル。24時間以上、ポットの使用が確認できなけれ
ばすぐにメールを送る機能などを追加した。担当者は「普段使っている家電を利用するだけなので、ストレスが少ない」と話す。
 高齢者福祉に詳しい岩手県立大の小川晃子名誉教授(地域福祉)は「民生委員らによる見守りだけでは限界がある。今後、ICT機器
の活用がますます必要となる」と指摘。「機器による見守りを『監視』と感じる人もいる。利用法を理解してもらうことも求められ
る」としている。

「居住サポート住宅」認定制度新設へ

 単身高齢者の見守りを支援するため、国も対策強化に乗り出す。国土交通省は、見守り機能が付いた「居住サポート住宅」の認定制
度の新設を目指している。今国会で審議中の住宅セーフティネット法などの改正案の成立後、補助制度などの整備を進める。
 賃貸物件では孤独死や遺品の処理への対応を懸念する大家が、高齢者の入居を断るケースがある。国交省の2021年度のアンケート調
査では全国の大家や不動産管理会社など187団体のうち、高齢者の入居に拒否感があるとの回答が66%に上った。
 新設する制度では、福祉事務所を設置している自治体が、賃貸アパートなどをサポート住宅に認定。都道府県が指定する「居住支援
法人」が高齢者宅を訪問し、入居後の日常的な見守りを行う仕組みだ。人感センサーといったICT機器の活用も検討されている。
 35年までに10万戸の確保を目標に掲げる。国交省安心居住推進課の担当者は「サポート住宅を増やすことで、大家の不安感を軽減
し、高齢者の支援につなげたい」としている。
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賃貸豆知識

2024年05月14日 | 法律知識
Q重要事項説明義務
 不動産仲介業者が行った説明と物件の状態が全く異なっていました。不動産仲介会社に責任はないのでしょうか。

A 不動産仲介会社は、宅地建物取引業者として、借主になろうとする者に対して重要事項を説明する義務を負っています。これに違反する行為は、行政処分の対象となる可能性があるほか、事情によっては損害賠償責任を負ったり、悪質な場合には刑事罰が科せられたりする可能性もあります。
 賃貸契約では平成29年10月より、非対面でITを活用したオンラインによる重要事項説明も可能となりました。物件の内見もせず契約し引っ越してみたら、部屋が清掃もされずゴミ屋敷状態だったという事例もあります。賃貸借契約を締結する前に、物件の内見を行い、重要事項説明と物件の状態が違うときは、入居前に物件の修理を依頼しましょう。ITを活用した説明ではなく、対面できちんと説明してもらいましょう。

Q居住者に責任のない水漏れ
 台所の下で水漏れしているようなので、調べてもらったら、排水管の老朽化による水漏れだと言われました。大家に言ったら、使い方が悪いのだから、自分で修繕してくれと言われましたが、自分で修繕しなければならないですか。

A 通常の生活の範囲内の使用方法であれば、借主に過失があるとは認められないと考えらえます。その場合、排水管は居住に必要な設備ですので、貸主に修繕義務があります。民法607条の2では、①借主が貸主に修繕が必要である旨を通知し、叉は貸主がその旨を知ったにもかかわらず、貸主が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、②急迫の事情がある時には借主自ら修繕を実施し、貸主に費用を請求できることになります。従って、貸主に排水管の修繕について期間を決めて修繕をするよう内容証明郵便で通知し、その期間に修繕をしない場合は借主の方で修繕費用を立替え、貸主に修繕費用を支払うよう督促しましょう。(多摩借組ニュースより)
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借地借家問題市民セミナー IN 八王子

2024年05月07日 | 借地借家問題セミナーと相談会
借地借家人のためのやさしい法律の学習会と相談会 相談しておけばよかった!………というケースが必ずあります

こんな問題で悩んでいませんか?
◎賃貸借契約の更新、更新料の請求
◎大地主の死亡や地主の相続で発生する問題
◎地代・家賃の増額と減額請求
◎賃貸住宅の老朽化・耐震不足を理由とす
 る明渡し
◎ブラック地主問題(借地の底地の不動産業者への売却)
◎賃貸住宅の原状回復、敷金の返還
◎大規模災害が起きた場合の借地権・借家権
◎コロナで修業、家賃が支払えない。店の売上が激減、家賃を減額できないか。

日時 5月19日(日)午後1時30分から

会場 八王子市クリエイトホール10階第4学習室 参加無料

※組合役員が親切に相談にのります。 借地借家人の権利は借地借家法・消費者契約法などで守られています。

東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094
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借地権を無償で返してしまった。後から相談しても手遅れ

2024年05月07日 | 借地借家の法律知識
 立川市内に住むKさんは、立川市柴崎町にある40坪の借地を地主に無償で返してしまいました。借地には母親が一人で住んでいましたが、昨年8月に亡くなり、地主が親戚でもあり、地主に借地を返す相談をして、更地にして返すよう言われ、建物を解体して滅失登記もMさんが自費で行いました。借地契約の合意解約書には「今後、貸主・借主双方債権債務のないことを確認した」と明記してある書類に署名捺印してしまいました。

 Mさんは、税理士に地主に無償で借地権を返すと税務署から贈与税を請求されるかも知れないと言われ、慌てて4月に組合に事務所の看板を見て相談に来ました。しかし、建物を解体して、ご丁寧に上記の借地の合意解約書を結んでしまっては、後の祭り。地主に借地を返す前に組合に相談すれば、いくらかの借地権の補償がもらえる可能性があったのに残念です。Mさんは返すことで頭が一杯になっていたようです。(多摩借組ニュースより)
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地主と借地人との間で、借地人が地主に相当額の更新料を支払う旨の合意をしたと認め、更新料の相当額を認定して支払いを命じた事例(東京地方裁判所令和2年7月31日判決)

2024年05月01日 | 最高裁と判例集
借地契約における更新料の支払に関して、多くの裁判例では、裁判所において客観的に更新料の額を算出することができる程度の具体的基準を契約書等で定めておかなければ、具体的権利性を認めることはできないとされています。しかしながら、更新料の支払いを巡る交渉段階での地主とのやり取りによって、たとえ契約書に更新料算出に関する具体的基準が定められていなくても(しかも、法定更新であったにもかかわらず)、更新料の支払義務が認められた事例がありますのでご紹介します。
 本事例における借地契約では、期間は平成30年7月18日までとされ、更新については、「地主と借地人の合意により更新する場合には、借地人が相当額の更新料を地主に支払う」とされていました。
本借地契約は、結果として法定更新され、法定更新に基づく更新料の支払いは認められませんでした。しかし、当事者間で別途更新料の支払の合意があったとして、更新料の支払いが認められてしまいました。
地主の代理人弁護士は、期間満了が近付いた平成30年7月3日、本件更新条項を前提に借地人と面談し、更新料の支払を申し入れました。借地人も同弁護士から更新料の提示があることを認識して面談に臨み、更新料の額及び根拠には納得しませんでしたが、持ち帰って検討すると述べたほか、更新料の大幅な減額と引換えに多少の賃料増額には応じる余地があるとも述べ、更新料の額について、地主のみならず借地人からもその額の提案をしました。
 裁判所は、上記事実を踏まえ、平成30年7月3日の面談当時、従前の経緯及び本件更新条項の合意等から、本件借地契約を更新する場合は、借地人が地主に相当額の更新料を支払うものと認識していたといえ、この限度で意思の合致を認め、相当額の更新料を支払う旨の合意が成立したと認めました。その上で、当該合意の際にも具体的な金額の合意はなかったのですが、更新料の額につき更地価格の4%程度が妥当と判断しました。
 このように契約書に更新料の金額について明確な基準がない場合でも、慎重に交渉することが必要ですし、事前に組合や弁護士等にご相談してもよいかと思います。

(穐吉 慶一弁護士)

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5月~7月 全借連が組合員拡大月間設ける 借地借家人組合に加入して下さい

2024年05月01日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
 国立社会保障・人口問題研究所は、2050年には全世帯に占める一人暮らしの割合が44・3%に達するとの衝撃的な予想を先頃発表しました。とくに、65歳以上の一人暮らしの割合が急増するといいます。現在も身寄りのいない高齢者が増え、賃貸住宅を借りられない時代になっています。これまで家族がいることを前提に戦後一貫して雇用・税制・社会保障、住宅政策が設計されていて、単身者とくに女性は政策の恩恵も受けられず、今も高家賃負担で苦しみ、将来に不安をかかえています。これからは個人を尊重した政策、とりわけ生活の安定にとって欠かせない住宅に関して、家賃補助制度や単身者でも入居できる公営住宅制度の見直しは不可欠です。また、保証人や保証会社を立てなくても安心して賃貸住宅に入居できる制度を創設するために全借連は頑張って運動していきます。
 しかし一方で、運動を支える全借連の組織数は年々減少し、組合を存続することも困難な事態が生まれています。地価の高い都市においては借地や老朽化した借家をターゲットに地上げ屋が借地借家人の追い出しを狙っています。借地借家人の切実な相談場所であり権利を守る借地借家人組合を消滅させることはできません。全借連では5月~7月に「組合員拡大月間」を設け、組織の増勢に転じるため全国の組合で頑張ります。ぜひ、組合員の皆様がご近所や身近にいる方々に組合の仲間に加わるようお声がけをお願い致します。

(全国借地借家人組合連合会 会長 田中祥晃)
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