東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

たった3日地代の支払が遅れただけで契約解除?

2023年09月16日 | 賃貸借契約
 区内でも宅地約45坪を賃借する永井さん(仮名)は毎年6月末日までに翌年1年分の地代を地主の口座に振込む約がある。 地代と言えば前回地代増額請求があった際は地主の顧問弁護士に否応なしに近隣地代に比べて安すぎるという理由で1・5倍の値上げを承諾した経緯があった。
 今年は6月末日までに振込むのを7月3日に振込んだところ地主は永井さんの口座に1年分地代を返却してきた。驚いて東京法務局を尋ねた永井さんは職員に経緯を説明し相談の結果、受領拒否に当たると言われ無事に供託を済ませた。
 この地主はこの地域で500以上の借地を抱えており、自分ひとりでは到底管理できないと考え区内にある建設会社に地代の回収及び更新料の請求、地代増額請求の通知書発送、駐車場の管理等を依頼している。
 その後、組合事務所を訪ねて地主は何をもって地代を返してよこしたのか理由が判らず心配である。たった3日の遅延をもって信頼関係破壊という理由には当らないと思うが、何か地主との争いはありますかと尋ねても思い当たることはないという。今後、調停なり訴訟を起こされる可能性はないとは言えないと回答。後日、建物収去土地明渡の訴訟を申し立てられたと連絡があり、弁護士に相談するよう伝えた。(東京借地借家人新聞より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身寄りがないとアパート契約できない!?「身寄りなし問題」とは

2023年04月14日 | 賃貸借契約
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/424027?display=1

アパートなどの賃貸契約をしたくても家族や親族がいないためできない…。そんな実態があることをご存じでしょうか?
こうした身寄りがない人を支えている団体が新潟にいます。「身寄りがない人の居住支援」その実態を取材しました。
新潟市のアパートに引っ越してきた1人の若者。木村真さん19歳です。
新居となる部屋に次々と荷物が運ばれてきます。
【木村真さん】
「これ何だろう?洗濯機の線なんだ。洗濯機置けるんだ。へーすげー」
木村さんは、頼れる家族や親族がいません。
【木村真さん】
「俺は里親に育てられて、3か月くらいかな。俺が生まれてから。そのときに里親さんが拾ってくれて育てられて17歳まで。一応身寄
りはないという感じになっています」
里親には良くしてもらっていたという木村さんですが、17歳で一人暮らしをするために家を出て、児童相談所の一時保護所で過ごすこ
とに。その後出会ったのが、新潟県内で身寄りがない人を支える団体、「身寄りなし問題研究会」です。
「身寄りなし問題研究会」の須貝秀昭代表です。
木村さんが住み始めたアパートは研究会が所有しているもので、身寄りのない人が集まっています。

実態が分からない…身寄りのない人の存在

身寄りなし問題研究会の須貝さんらが取り組んでいる、「身寄りなし問題」。“身寄りがない”とは家族や親族がいなかったり、いて
も疎遠だったり、遠方にいて頼れなかったりするという状態です。
高齢者に多い『身寄りなし問題』ですが、実態は分かっていません。
厚生労働省の高齢社会白書では、65歳以上の世帯は全国でおよそ2600万世帯。このうち、およそ3割が一人暮らしですが、頼れる親族
などがいるかどうかは調査されていません。また、若くして身寄りがない人もいるとみられています。
身寄りがない人たちは様々な壁にぶつかることがあります。
【須貝代表】
「身寄りなしの問題は、要するに身元保証というところかな。身元保証がないとなかなか社会的に不都合なところが今の日本はかなり
多いところに集約される」
第三者による身元保証がないことで起こる問題の一つが、アパートなどの賃貸契約です。
国土交通省が公開している賃貸住宅の契約書のひな形です。多くは契約の際に連帯保証人の氏名や緊急時の連絡先の記載を求めていま
す。連帯保証人は契約者が家賃を滞納した場合に代わりに家賃を支払います。
この連帯保証人がいない場合の対応について不動産仲介業を行っている業者が私たちの取材に応じてくれました。
【不動産仲介業者】
「申し込み時に緊急連絡先の方がいて、あとは保証会社申し込んでもらいますからこれだけ保証料かかりますよ、みたいな話を最低で
も申し込み時には確認すると思う」
実は新潟市では、多くの物件で連帯保証人が不要となっています。「家賃保証会社」を利用しているからです。
入居者は賃貸契約の際、家賃に応じた保証料を保証会社に支払います。もし入居者が家賃を支払えなくなった場合、保証会社が入居者
に代わって大家に家賃を支払う仕組みです。大家にとってもメリットが大きいため、ここ数年、保証会社を使うことを入居の条件とす
るケースが増えています。
ただ、この保証会社に申し込みをする際には「緊急連絡先」が必要です。
【不動産仲介業者】
「緊急連絡先をそもそも立てられないという場合は保証会社に申し込みすらできないことになるので、連帯保証人が立てられるのであ
れば、そちらで契約するということもできる場合もあると思うが、連帯保証人も駄目、緊急連絡先も駄目ということになると、ちょっ
と契約は無理ですねということでお断りするケースがほとんどだと思う」
身寄りがない人にとって、賃貸契約には高いハードルがあるのです。最近では身元保証を代行するサービスも増えてきていますが、問
題となるのは『お金』です。
【須貝代表】
「今、身元保証会社もあるのでお金があるとある程度解決できる部分もあるがお金がなかったり、ちょっと生きづらい、障害があった
りすると、なかなか入居・入所・入院できないということが現状」

身元保証を求める大家側の事情とは…

一方、大家側にとっては身元保証を必要とする切実な理由があります。
例えば、入居者が家賃を滞納したとしても法律上、簡単には追い出すことはできません。
【不動産仲介業者】
「入居者側の都合による退去の場合は30日前予告ということで通知をして退去をすることが簡単にできるが、大家さん側から家賃を滞
納したから出ていけというのがなかなか簡単にできない。判例とかで3か月分以上の滞納であることプラス入居者との連絡がまったく
できないとか」
さらに別の不動産関係者はこんな問題も指摘します。
【不動産関係者】
「本当に身軽な人って2、3日住んで『飛んで行った』とか、解約しますと言ってくれればいいけど、解約しますと言わずに飛ばれてし
まうとアパートの中の荷物ってまだ所有者の物なんですよ。所有権がその人の物なので勝手に処分もできないし」
ある日突然、入居者が出ていって部屋に物が残されていた場合、大家が勝手に処分すると訴えられるリスクもあります。
【不動産関係者】
「トラブルがあって退去してくださいということがなかなかできないとなると、保証人の方にお願いするというのが通常。でも、それ
すらないということは何も担保されるものがないということになってしまうので、今の法律だとやむを得ないところもあるよねという
風な認識」
身寄りなし問題研究会の須貝さんはこうした背景もあり、「大家や不動産会社の考え方は分かる」と理解を示しています。
【須貝代表】
「家賃滞納した時、じゃあどうすればいいのか。孤独死したときとか、遺体は、葬儀はどうすればいいのか。残ったものをどうやって
処分すればいいのかっていう現実的な問題があるわけなので、やっぱり身元保証というところ連帯保証を求めるところは致し方ないと
ころなのかなとは思う」

NPO法人化 「身寄りなし問題研究会」の更なる一歩

2月26日。この日開かれたのは、身寄りなし問題研究会がNPO法人になるのを記念した会です。この団体はもともと介護や福祉の関係
者、弁護士らが定期的に集まって「身寄りなし問題」を学ぶ任意団体でした。代表を務める須貝さんの本業は、高齢者の相談窓口であ
る包括支援センターの職員です。
【須貝代表】
「身寄りがないから施設入所ができないアパート契約できない。へたすると病院も断る場合があるというそういう相談が結構ある」
須貝さんは研究会がNPO法人になるのに合わせ3月末で包括支援センターの仕事を辞めることにしました。これまでの経験を踏まえ、身
寄りがない人の居住支援により力を入れていきたいと考えています。
【須貝代表】
「区切りがついたというか、今まで任意団体だったのでこれからNPOとしてまい進できるかなと思っている」
身寄りがなく研究会を頼った木村真さん(19)。木村さんは身寄りなし問題研究会が所有するアパートで、住まいがあることのありがた
さを実感しています。
【木村さん】
「俺も今、身寄りなし問題研究会がいなかったらたぶん(身元保証問題に)悩まされていましたね。もしくは路上でくたばってました
ね。本当にそれはあると思います」
実は木村さんはアーティストとして活動していて今は作品作りに力を入れています。
【木村さん】
「俺は別に特には身寄りあってもなくても、たぶんこの性格なんで今できることはいくら頑張っても保護者作れないので、だから今で
きることを最低限やろうかなというかんじですね」
身寄りがない人も安心して暮らせる世の中へ…。居住支援の現実を見つめながらセーフ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

賃貸借契約のデジタル化の危険 落とし穴に注意

2022年03月14日 | 賃貸借契約
 昨年5月に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関す関する法律(デジタル改革関連法)」が自民・公明と一部野党の賛成で成立しました。デジタル化を促進するために順次法律が改正されようとしています。住宅の分野ではコロナ禍を契機にして、賃貸借契約と重要事項説明のIT化の動きが加速しています。今後、賃貸借契約の電子契約が全面解禁されると、賃貸トラブルが多発することが予想されます。

 東京都は「住宅マスタープラン」を1月に発表しました。「新たな日常に対応した住まい方の実現」の中で「デジタルを活用した利便性の向上」として、「不動産取引におけるオンラインによる重要事項説明や電磁的書面の交付など、消費者の利便性等を高めるデジタル化を支援してきます」と国に歩調を合わせてデジタル化を進めようとしています。
 
 オンラインで 重要事項説明
 電子契約の大まかな流れとしては、①PDF化した重要事項説明書及び契約書をアップロードする。②電子契約書類に不動産賃貸業者が電子契約をする。③入居者に電子契約書類をメールで送付する。④ビデオ会議システムを使って重要事項の説明をおこなう(IT重説)。⑤入居者が電子署名する。⑥電子契約書類をサーバー保管する。

 電子契約は落とし穴がある
 電子契約が認められると、賃貸借契約書を書面で交付する義務がなくなり、各書面上に必須とされていたハンコも不要になります。電子契約書にサインするかパソコンかスマホに送られた電子メール契約書に承認のボタンをクリックするだけで契約が成立します。
 不動産業者に店に行かなくても契約ができる、物件の説明や重要事項説明もオンラインできるので便利だと言われていますが、果たして本当でしょうか。本紙1月号でも報道した東北出身で東京に就職するために東京都内の物件を借りるために、部屋の間取りなどは写真と動画だけを見て、ネットで契約し、いざカギをもらって入居したら部屋は汚れとカビで生活できず、実は事故物件でした。解約したら業者から解約違約金を請求され、入居時の契約金も返金されないという被害が発生しています。
 賃貸マンションの更新契約書がスマホに電子メールで送られ、承認したら家賃が増額されていたという相談も組合に寄せられています。

 デジタル化で 不利な契約が
 賃借人は賃貸借契約の法律知識に乏しく、不利な賃貸借契約が横行しています。デジタル化によってさらに賃貸トラブルが多発します。全借連としては安易なデジタル化には反対であり、賃借人側が紙の契約書を要求した場合には紙での契約ができるようにさせましょう。
(全国借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネットで契約した賃貸物件 人が住めない事故物件だった

2022年01月24日 | 賃貸借契約
さいたま市借組に26歳の佐々木(仮名)さんが組合に加入しました。

昨年東北から就職のため上京し、都内日野市の借家を契約しました。部屋の間取りなどは写真と動画で見て契約し、就職も決まりいざカギをもらい部屋を見てびっくり。換気扇はじめトイレも建てつけもカビと汚れで人が住めない状況で、インターネットの事故物件情報にも掲載されていました。佐々木さんは入居予定日から4日後に事故物件情報と部屋の写真など証拠そろえ、組合に相談。

アドバイスを受け、「汚れと傷みがひどく解約します」と家主(法人)に告げると、「人が住めない状況と分かって貸した。あんたはそれを承知で契約したんだから違約金を請求する」と言われ2度びっくり。すでに5万数千円入金済みの上、解約違約金も請求され、保証会社からは再三家賃の請求がされ、「家主の問題、解約の通知があるまで家賃は請求する」として返金にも応じません。

佐々木さんは事故物件の告知義務にも反する(国土交通省のガイドライン)悪質な貸主に対し、弁護士の協力を受け新年早々悪質家主や保証会社に対し、解約を求め立ち向かう事になりました。

(全国借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

65歳以上の4人に1人が賃貸への入居を断られた経験あり 高齢者の入居を難しくする3つの阻害要因

2021年08月30日 | 賃貸借契約
住宅難民問題」の解決にはたして道はあるのか
山本 久美子 : 住宅ジャーナリスト
https://toyokeizai.net/articles/-/449717

 65歳からの部屋探しを専門で支援する株式会社R65が、こんな衝撃的な調査結果を公表した。
 65歳以上の「4人に1人」が、賃貸住宅への入居を断られた経験がある。20~30代の約6割は、この「65歳以上の住宅難民」問題を知
らない。若い世代には意識しづらいようだが、高齢者は賃貸住宅が借りづらいという現実がある。理由はさまざまだが、いくつかの原因につ
いては解決の糸口も見え始めている。詳しく見ていこう。

65歳以上の住宅難民問題とは? 

 R65が、全国の「65歳以上」と「20~30代」を対象に、65歳以上が住宅難民になりやすいことについて調査をした。65歳以上に、
「不動産会社に入居を断られた経験があるか」を聞くと、「はい」と回答したのは全国では23.6%で、関東圏に限ると27.9%にまで上
昇した。さらに、断られた経験の回数を聞くと、「1回」という人が半数近くになるが、「5回以上」という人も13.4%(関東圏では17.
6%)もいた。
 調査結果から、賃貸住宅を借りる高齢者が多い都市部ほど、入居を断られた高齢者の数やその頻度が多いことがわかる。高齢になる
と賃貸住宅が借りづらいことはわかっていたものの、対象の多さや断られた頻度の多さを知ると、胸が痛むばかりだ。
 R65によると、「65歳以上が入居可能な賃貸物件の割合は、全体の約5%しかないといわれている」という。高齢者が安心して暮らす
には、商業施設や病院などが近くにあり、段差などがないバリアフリーな建物であることなども求められるので、こうした条件を満た
したうえで、入居を拒まれないという賃貸住宅を探すのは、本当に大変なことだろう。
 では、なぜ高齢者が入居を拒まれるのだろうか。(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(以下、全宅連)不動産総合研究所の岡崎卓也
さんに聞いてみた。
 全宅連では、4年前から「住宅確保要配慮者等のための居住支援に関する調査研究」に取り組んできた。住宅確保要配慮者とは、住
宅の確保が難しいといわれる高齢者や低額所得者、障害者、外国人などだが、なかでも対象者数が多くて日常的に接することの多い
「高齢者」について、居住支援のための調査研究を進めてきた。
 岡崎さんによると、全宅連に所属する不動産会社各社への調査を進めたところ、高齢者の入居を妨げる要因として、主に3つの課題
が挙げられたという。
(1) 入居時の不安:何かあったときに対応してもらう「連帯保証人」や「緊急連絡先」が確保できるか
(2) 入居中の不安:認知症など判断力が低下した場合、どう対処したらよいか
(3) 賃貸契約終了時の不安:亡くなったとき、特に孤独死などが起きた場合に、賃借権の相続の解消や残置物の処理に手間がかかり、
次の入居に支障があるのではないか
 こうした不安が阻害要因となって、貸主(大家)が貸したがらない、不動産会社が住宅の斡旋をしたがらないといった事態になり、高
齢者が賃貸住宅の入居を拒まれるという結果になっているのだ。
 このような実態を受けて全宅連では、高齢者の入居に際して、「入居審査」や「賃貸借契約」の際の注意点をまとめたガイドブック
を作成し、室内の異常に早期に気づくための高齢者の見守り機器の設置を勧めたり、孤独死などで発生する原状回復費用や残置物の処
理費用、次の入居までの空室等の家賃保証などに対応する保険への加入を促したりといった、不安を払拭する方法を提案している。
 さらに、認知症や健康上の問題については、介護・医療・法的専門家などとの連携が必要なため、福祉事業者等とのネットワークの
構築も提案をしている。こうした不動産業界の努力でカバーできることもあるが、一方で、不動産業界の頑張りだけでは対応できない
大きな課題も残っている。

孤独死で事故物件と扱われるのが最大の不安

 例えば、室内で自殺や他殺、事故死などが起きたり、近隣に暴力団の事務所などがあったりすると、そこに住むことに嫌悪感を持つ
人がいる。これを「心理的瑕疵(かし:欠陥や傷などの意味)」という。宅地建物取引業法では、不動産会社は契約の判断に影響を及ぼ
すような重要な事実を告知する義務があるとしているが、心理的瑕疵もこの重要な事実に含まれる。
 現状では、孤独死も心理的瑕疵に該当すると考える人が多いため、それを告知することになり、そうなるといわゆる「事故物件」と
して、次の入居者が決まらなかったり、家賃を下げざるをえなかったりする。貸主にとっては、家賃の値下げや空室期間の長期化は避
けたい事態なので、高齢者の入居に不安を感じる大きな要因になる。
 高齢者の自然死は日常起こりうることなので、孤独死は心理的瑕疵に該当しないという考え方もあるが、孤独死で発見が遅れる場合
もあって、その場合は異臭などの問題も発生する。現状では、心理的瑕疵の法的な基準が定まっていないことから、不動産会社によっ
て告知する内容などが異なるというのが実態だ。
 全宅連は心理的瑕疵の考え方を整理し、行政に働きかけた。国土交通省も、2020年2月に「不動産取引における心理的瑕疵に関する
検討会」を設置し、2021年4月に「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」(案)を取りま
とめた。
 ガイドラインの案によると、住宅における自然死については原則として告知は不要とするが、「死亡後に長期間放置されたことで室
内外に臭気・害虫等が発生し、いわゆる特殊清掃(原状回復のために消臭・消毒や清掃)等が行われた場合」には告知を要する、などと
している。ガイドライン案は、パブリックコメントを経て修正のうえ、秋には決定する見込みだ。
 孤独死には別の問題もある。賃借権は相続の対象になるからだ。賃貸借契約期間中の孤独死で、連帯保証人や緊急連絡先が相続人で
あれば、契約を終了させることができるが、相続人が不明な場合は法的な手続きが必要となり、契約を終了させるまでに時間がかかる
ことになる。
 さらに、入居者の残した家財道具等(残置物)も相続の対象になるので、勝手に処分することができない。相続人に引き取りを求める
か、処分の同意を得る必要もある。
 この残置物の問題についても、国土交通省が2021年6月に、賃貸借契約の解除や残置物の処理を内容とした死後事務委任契約に関す
る「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を定めた。
 こうした国の指針を得ることで、賃貸借契約の段階でリスクを減らすことができる体制が整いつつある。高齢者の住宅難民問題への
糸口は見出したものの、本格的な不安解消にはまだ時間がかかるだろう。

若年層は長期的なプランを

 さて、再びR65の調査結果を見よう。この「高齢者の住宅難民問題」については、65歳以上では64.2%がその実態を認知している一
方、20代では64.4%、30代では58.6%と6割の若者が認知していないという結果になっている。
 こうした現状を知った20~30代は、「高齢者の受け入れはリスクが伴うのでしょうがない」53.8%(とてもそう思う16.2%+まあそう
思う37.6%)と回答する一方で、「将来のことを不安に思う」(67.8%)、「年齢を理由に住まいを選択できないことはおかしい」
(63.0%)、「社会課題としてもっと周知されるべき」(72.7%)などの問題意識も高めたようだ。
 住宅確保要配慮者に対しては、本来は公営住宅がカバーすべきではあるが、公営住宅の数は決して多くはない。また、国土交通省で
は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅(=セーフティネット住宅)を登録し、「セーフティネット住宅情報提供システム」に
よって物件を検索できるようにしているが、これも数は十分ではない。
 高齢者の住宅確保として、一般の賃貸住宅が活用されることが期待されるが、行政や業界のこれからの頑張り次第というところだろ
う。
 となると、住宅を購入して高齢期のリスクに備えるという考え方も生まれる。困ってから住宅を購入しようとしても難しい場合も多
いので、住宅ローンを組める若いうちから高齢期の住宅確保を視野に入れて、長期的な計画を立てることが必要だろう。
 超高齢化社会となる我が国においては、高齢期にどこに住むかは大きな課題だ。社会全体で改善に向けて本腰を入れて取り組む段階
にきているように思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

契約書のデジタル化の危険 消費者被害が拡大に

2021年07月09日 | 賃貸借契約
 訪問販売などで義務づけられている契約書面の交付を電子データーでも認める特定商取引法(特商法)などの法律の一部改正案が国会で成立しました。同法は事業者が交付する契約書面等について、消費者の承諾を得て、電子メールの送付等で行うことを可能とするもので、「契約書のデジタル化は消費者被害を拡大させる」と日弁連や多くの消費者団体が反対しました。結果は、自民・公明・維新・国民等の賛成多数で可決しました。背景には菅政権の目玉政策の「デジタル改革」の促進の強い圧力がありました。

 契約書面のデジタル化(DX)は3月に閣議決定された「住生活基本計画」の中に「持家・借家を含め、住宅に関する情報収集から物件説明、交渉、契約に至るまで契約・取引プロセスのDXの推進」が盛り込まれています。すでに、賃貸借契約時の重要事項説明について国土交通省は「賃貸取引における重要事項説明書の書面の電子化に係る社会実験」を宅建業者の協力を受け実施しています。重要事項説明や賃貸借契約書面が電子化されると不当な契約条項に気が付かないまま被害を受ける賃借人が増加することは必然です。

(全国借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

30年以上前に行った増築を無断で行ったと地主の代理人が因縁

2019年11月25日 | 賃貸借契約
 稲城市の借地76坪を父親から今年相続した加藤さん(仮名)は、地主に相続したことを伝えたところ突然地代の値上げを請求され、どう回答したらいいか困っていたところ、今度は地主の代理人弁護士から「ご連絡」という通知が送られてきました。地主が高齢化したことで財産の整理をしているので、底地を買い取ってほしいとのこと。それだけでなく、地主の知らない間にアパートを無断で増築している。無断転貸、無断増改築で契約違反をしている。契約解除することまで考えていないが、地主の底地の買取りについての意向を聞かせてほしいので代理人の弁護士まで連絡してほしいとの内容でした。

 父親が増築をしたのも30年以上前の話で、加藤さんにとってはまったく寝耳に水の話です。地主の先代も現地主も近所に住んでいて父親が無断で行うはずもなく、30年以上も経過して「無断増築」と言ってくることは不自然な話です。また、借地上の建物を貸しても「無断転貸」には当たらず、地主の代理人の弁護士は借地人が法律を知らないと思っているのか、契約違反は因縁にすぎません。加藤さんは9月の組合のセミナーに参加して、その場で入会しましたが、早速、やっかいな問題が発生しました。

 加藤さんの母親は高齢で老人ホームに入所し、とても底地を買い取るだけの経済的な余裕もなく、かといって建物を解体して、土地を更地にして返すにもお金がかかります。組合では「無理して底地を買い取ることはなく、場合によっては地主と共同して借地権と底地権を業者に売却する方法もある」とアドバイスしました。地主の代理人の弁護士の話は、因縁をつけて底地を高く買い取らせようとする魂胆かもしれず、無断転貸・無断増築などの主張に惑わされないように伝え今後も組合と相談しながら対応することになりました。
(組合ニュースより)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーナーチェンジ後にビルの屋上の物置撤去命令が

2019年02月18日 | 賃貸借契約
 JR西八王子駅の近くでお店と住居を借りて商売を営む山田さん(仮名)は、平成2年に4階建てのビルを建築した当時から1階店舗と4階住居を借りています。山田さんの要望を受け、屋上に家主が物置を建ててくれました。当時作成した賃貸借契約書でも専用部分以外の屋上など共用部分についても甲乙協議によって定めるとされ、昨年4月にオーナーがチェンジし、所有権が移転するまで山田さんに屋上の物置等の使用を認めてきました。

 現在の家主は八王子市内の不動産会社で、昨年4月に山田さんあてに「賃貸人の地位継承通知書ならびに確認書」を旧賃貸人と新賃貸人の連名で送ってきました。「賃貸借契約等は全て新賃貸人に引き継ぎました」、賃料の支払先変更で6月分の家賃から新賃貸人の銀行口座に送金して支払うことが書いてありました。

 その後、新家主の代理人から新しい契約書が送られ、山田さんも署名捺印しましたが、物置等の使用について新契約書には何も書かれておらず、契約書を結ぶ時も共用部分の物置等の使用の件は家主から何ら指摘がありませんでした。

 ところが昨年12月に入って、突然家主の代理人弁護士から内容証明郵便が送られ「本件建物の共用部分は契約の対象としておらず、階段及び屋上に設置した私物等を撤去し、原状に復したうえで明け渡していただきますようお願い申し上げます」、「1ヵ月の期間を経過しても撤去しない場合には法的手段に着手することを検討せざるを得ません」との内容でした。

 山田さんは組合の法律相談にも参加し、アドバイスを受け、家主の代理人の弁護士に組合立ち合いで話し合いをしたいと連絡しました。代理人弁護士は物置の撤去を主張し、今後は家主と話し合ってほしいとの回答がありました。山田さんは2月中にも家主と話し合いの機会を持ち、できれば話し合いで解決していきたいと考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高齢者の住まい探し(上)年齢理由 部屋借りられず

2018年07月23日 | 賃貸借契約
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180718-OYTET50046/
孤独死、家賃滞納恐れる大家

 老朽化した賃貸住宅の建て替えや、経済的な事情で転居を迫られた高齢者が困難に直面している。新た
に部屋を借りようとしても、孤独死や家賃滞納を恐れる不動産会社や大家に入居を拒まれることが多いか
らだ。課題や解決に向けた試みを追った。
 「年寄りというだけで、もう全然、物件を紹介してもらえませんでした。長生きなんてするもんじゃな
いです……」。東京都葛飾区で独り暮らしをする女性(89)は、6月下旬に引っ越したばかりの賃貸ア
パートで、2年近くに及んだ転居先探しを振り返った。
 転居の理由は立ち退きだ。「損傷が激しいため、取り壊したい。賃貸契約を解除していただきたい」。
2016年10月、女性が住んでいたアパートに帰宅すると、大家からの退去通知が玄関の郵便受けに投
げ込まれていた。
 築50年近い木造2階建てで、風呂も付いていなかったが、1DKで家賃は月4万5000円。JR新
小岩駅に徒歩約5分と近いのも便利だった。「ここで最期まで暮らすつもりでした……」。弁護士とも相
談したが、大家の方針は変わらなかった。
 千葉県で育ち、助産所や小料理屋などで70歳まで働きながら、独身を続けてきた女性が受け取る年金
は月7万円弱。生活費を穴埋めするため、細々と取り崩してきた貯金が底をついた2年前からは生活保護
に頼る。部屋探しを始めたものの、住居費にかけられるお金は限られていた。
 20年近く住み慣れた地域を離れたくないとも切実に願っていた。女性の楽しみは、近所の銭湯で顔を
合わす友人たちとのおしゃべり。「引っ越し先で知り合いを作るのは、90歳近い私にはつらい。どんな
ぼろアパートでも近所がいい」
 「駅に近く、今の部屋と同じくらいの家賃」という女性の希望に当てはまる物件は、50件ほど見つか
り、不動産会社に問い合わせた。ところが、実際に会社を訪ねると、「年齢が年齢なので……」と内見さ
せてもらえなかった。契約直前までこぎ着けた物件もあったが、結局は断られた。「大家の気が変わっ
た」と言葉を濁す担当者。女性の転居を手伝う知人(70)は、「孤独死を恐れたんだと思う」と話す。
 公営住宅への入居も考えた。ただ、約400戸の区営住宅はほぼ満室。そもそも入居条件は2人以上の
世帯で、独り暮らしは対象外だった。「建て替えなどで家を失う人への支援は大切です」。区の担当者は
そう言うが、人口の減少が見込まれる中、区営住宅の新設計画はないという。「地元の不動産会社と協力
し、高齢者の入居を拒まない物件を増やしていきたい」とも話すが、区に協力しているのは、まだ1店舗
だけだ。
 ようやく入居できた新居は築42年。部屋が広くなり、浴槽も付いているが、駅まで徒歩約20分と遠
くなった。「今度こそ、ここで最期まで暮らしたい。でも、また転居を迫られたら……」。真新しい畳の
香りがする部屋で、女性は少し不安げな表情を見せる。

入居断らない賃貸 支援

 公益財団法人「日本賃貸住宅管理協会」の調査(2017年度)では、単身高齢者や高齢者のみ世帯へ
の賃貸に拒否感のある大家は約6割に上る。NPO法人「日本地主家主協会」によると、孤独死に伴う室
内の清掃や家財処分は、100万円ほどかかることもある。保証人らと連絡が取れない場合、費用は大家
が自腹で負担することも少なくない。手塚康弘理事長は、「葬儀など、死後の手続きまで大家がせざるを
得ないこともある」と打ち明ける。
 総務省の調査(13年)によると、木造の民間賃貸住宅は約438万戸。うち、約116万戸は198
1年以前の旧耐震基準で建築された古い物件で、今後、建て替えなどが必要になる可能性がある。
 国土交通省は2017年10月に施行された住宅セーフティネット法に基づき、高齢者らの入居を断ら
ない賃貸住宅を増やす制度を始めた。
 制度では、低所得者、お年寄り、障害者、子育て世帯などの「住宅確保要配慮者」を積極的に受け入れ
る賃貸住宅を、大家が自治体に届け出る。行政からの補助を受け、手すりを付けるなどのバリアフリー改
修を行ったり、家賃を低減したりすることもできる。
 ただ、全国の登録戸数は約1000戸で、目標の17万5000戸(20年度末)に遠く及ばない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入居当日のドタキャン 家主と不動産屋に賠償金支払わせる(組合員の投稿)

2018年06月26日 | 賃貸借契約
私共家族3人は、伊豆熱川からこの4月に息子の希望する学区の中学校に入学する為、調布市に数度、賃貸住宅を探しに参りました。
幸い2度目に、2DKの丁度良い物件が見つかり、通帳の残高コピーの提出、1月20日夕方5時契約という、私共の帰りの時間も考慮しない時間設定に不満はありましたが契約。2月15日、家財道具を携え上京、玄関のカギを交換中、家主が入居を拒否するという全く予期しない事態となり、途方にくれました。

再度の住宅探しはマンションタイプからアパートになり、引越は繁忙期に入り引越業者には断られる有様。この惨憺たる状況に対し不動産業者の対応は損害金として9万4500円を支払う、と言う全く誠意のない対応に、私共は当組合に相談。不動産業者に内容証明を送付。74万円の違約金を請求。不動産業者は話し合いを求め、取締役を含む3人が対応し、私共の訴えを全面的に認め、5月28日、請求通りの金額が振り込まれました。
(多摩借組ニュース6月号より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

賃貸借契約終了後に理由もなく家主が入居拒否

2018年05月02日 | 賃貸借契約
 川上さん(仮名)は、調布市入間町の賃貸マンションを今年1月に契約した。契約書では賃貸人は仲介したピタットハウスが家主代理人になっている。ところが入居当日の2月15日に賃貸人本人から何の理由も告げられず入居を拒否され、引っ越しの荷物の搬入など全てが無駄となった。

 これまで居住していた東伊豆から住居探しを改めてスタートさせ、4月に初めにようやく賃貸住宅に入居した。東伊豆から調布に転居したのも息子さんの学校への入学のためだった。家主からも不動産会社からも誠意ある謝罪もなく、組合に相談しピタットハウスに対して慰謝料も含め損害賠償の請求を行い、5月末までに回答を求めた。(東京借地借家人新聞より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国交省「民間賃貸住宅のトラブル相談対応研修会」開催 改正民法に対応した標準契約書案を解説

2018年03月12日 | 賃貸借契約
 国交省主催の「民間賃貸住宅の賃貸借関係をめぐるトラブル相談対応研修会」が2月22日に千代田区の全国町村議員会館で開催された。

 今回は平成29年の民法改正法に対応した「賃貸住宅標準契約書」、「原状回復のトラブルとガイドライン」の再改定版と「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」改訂版について3名の弁護士講師によって解説された。

 今回の民法改正により、「敷金の返還義務が明文化された」、「連帯保証人の極度額(保証人が保証する限度額)を書面等で保証契約を定めないと効力が生じない」、「住宅設備などの一部が滅失し賃借物の使用収益をできなくなった場合の賃料減額が明文された」、「契約期間中の賃借人が修繕を実施できる手続ルールの明確化」、「賃借人の通常使用や賃借物の経年劣化など賃借人の責めに帰すべき事由に生じたものは原状回復の対象にならない」こと等が説明された。

 賃貸住宅の標準契約書は民法改正に対応した契約書案が公表された。契約期間中の修繕(第9条)では、「乙(借主)は、本物件内に修繕を要する箇所を発見したときは、甲(貸主)にその旨を通知し修繕の必要について協議するものとする」などが新たに付け加わった。

 原状回復のガイドラインでは「賃借人に特別の負担を課す特約」については、賃借人の十分な認識と了解をもって契約することが必要で、限定的に解すべきとされた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民法改正を受けて全国消団連が賃貸借契約の標準契約書改訂で学習会

2017年09月22日 | 賃貸借契約
 賃貸借契約をめぐる紛争を防止するための手本として国交省が策定した「賃貸住宅標準契約書」が、今回の民法改正を受けて見直されることになり、全国消費者団体連絡会(消団連)の呼び掛けで、8月17日午後6時から四谷の主婦会館プラザエフで学習会が開催され、インターネット回線を使ったテレビ会議で北海道からも参加があった。

国交省住宅局の担当者から、借家相談は高い割合が続いており、退去時の敷金返還や家賃滞納での保証人からの相談が多いことが報告された後、民法改正とそれに対応した標準契約書改訂の重要項目として、①原状回復の範囲・敷金の返還等、②連帯保証契約では保証人保護のため保証限度額を決める、③借家の一部が滅失して利用できない場合は家賃が減額される、④借家人の修繕権、等について解説があった。質疑応答では、各消費者団体から消費者契約法に違反する相談事例と是正事例が紹介された。(東京借地借家人新聞より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国人の家主にオーナー交代 家賃の支払先不明で家賃を供託?

2017年04月10日 | 賃貸借契約
東京都の消費者センターからの紹介ということで組合事務所に相談に来た江戸川区の佐藤さん(仮名)は、新家主との間でトラブルになっていた。今年、1月に家主が変更されたという通知が新しく管理を委託された管理会社から送られてきた。新家主は中国上海に居住し、その兄弟である中国人名義の口座に、今後は家賃を振り込むようにという指示であった。

かつて不動産会社で仕事していた関係もあり、公的な相談をいくつか回ってみたが真の代理人であるか不安は払しょくされなかった。賃料については、法務局に訪問し相談したところ供託することにした。法務局でも最近、貸主が外国人となっての賃料を支払いでのトラブルで供託する事例が増えていると話していた。

その一方で、管理を任されたと称する管理会社は新しい契約書がなければ契約は成立しないとか賃料は指定された口座に振り込めなければ出ていけなど矢のような催促が来ていた。

組合と相談し、新しい契約書は必要でないこと。今後は、代理人には法律上の権限を持つものが、正式な資料を用意して話し合いをするならば応じると相手に通知することにした。(東京借地借家人新聞より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーナーチェンジ知らずに、家賃を新家主に振り込まなかった

2016年10月14日 | 賃貸借契約
板橋区板橋のマンションに入居していた中野さん(仮名)は9月に組合事務所へ相談に来た。

「先月末に家主に振込んでいた口座が閉鎖され家賃を振込むことが出来なかった。供託したい」という話だった。確かに持参した通帳には7月末日までは振り込めていたが、8月末には振込むことが出来なかった。供託の手続きを進めることにしたが、気になることがあったので借りているマンションの登記簿を取り寄せることにした。

翌日、登記簿をみると旧家主から新家主へと2月末に所有権の移転が確認された。本人に問い合わせたところ不動産屋の訪問や手紙が来ていたことを確認した。持参してきた書類をみると旧家主や新家主からの書類、管理会社の不動産会社からの通知書が出てきた。
「見るのが怖いから見なかった」ということだった。急いで管理会社に連絡し、書類を再送付してもらい、当面10月分の家賃を指定された口座に振り込むことにした。内容証明などの書類は必ず見た上で組合に相談に来ることを確認した。(東京借地借家人新聞より)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする