東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

空家対策特別措置法が一部改正 管理不全空家に固定資産税が増税

2023年05月31日 | 最新情報
 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案が衆議院で審議され5月12日に全会一致で可決され、参議院で審議され、今国会で成立する見込みです。
法律案の上程の背景としては、居住目的のない空家がこの20年で1・9倍に増加し、今後の増加する見込みであること。空家の除去等のさらなる促進に加え、周囲に悪影響を及ぼす前の有効活用や適切な管理を総合的に強化する必要があるとされています。  
         
 法案では、現行の「適切な管理努力義務」に加え、所有者に区や自治体の施策に協力する努力義務が加わりました。その他、空き家等の活用拡大、空き家等の管理の確保、特定空家等の除去等の内容からなり、管理の強化では①特定空家化を未然に防止する管理として、放置すれば特定空家になる恐れのある空家(管理不全空家)に対し、市町村から所有者に対し指導・勧告がされ、勧告を受けた空家は、固定資産税の住宅用地の特例(6分の1等に軽減)を解除され、固定資産税が更地並みに増税となります。また、市町村長に特定空家等に対する報告徴収権(勧告等を円滑化)が付与され、特定空家除去の命令等の手続きを経るいとまがない緊急時の代執行制度を創設し、所有者不明時の代執行、緊急代執行の費用は確定判決なしで徴収できるなど強い権限が与えられています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家賃保証業者の法規制で衆参で初の国会質疑 法規制に背を向く国土交通省

2023年05月26日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 国会質疑は、参議院の国土交通委員会で3月17日に日本共産党の田村智子参議院議員、4月24日に衆議院の同委員会で大石あきこ衆議院議員が行いました。
          
 田村議員の質疑では最高裁判決で否定された違法な追い出し条項の排除について国の対応を聞いたところ、斉藤国交大臣は「現在、業界団体を通じてフォーシーズ以外の業者に対して見直し方針などについて調査している。使用している場合には是正を促していく」と答弁しました。大石議員にも同様な答弁があり、調査結果について引き続き追及が必要です。

 田村議員は、全借連が昨年11月に実施した「家賃保証業者実態調査」を参考に、家賃保証業は人権侵害の取立てが深刻な事態を起きかねない、家賃の求償として借金の取り立てをする事業者に貸金業と同様な法規制が必要であり、登録が義務づけられていない(任意の登録制)問題点を指摘しました。斎藤大臣は「家賃債務保証業者登録制度では、貸金業法で規制されているような取り立て行為を禁じる内部規則が設けられていることを登録要件としている。消費者から寄せられた相談事例を踏まえ、指導等を行っていく」と、あくまでも登録事業者の内部規則(自主ルール)を尊重し、法規制に消極的な姿勢であることが明らかになりました。

 大石議員は全借連の実態調査を引用し、連帯保証人を立てているのに家賃保証業者の契約させるダブル保証の問題を取り上げ、「連帯保証人か家賃保証業者がどちらか1つを選択できるようにするべきでは」と質問しました。全借連の調査でも約半分がダブル保証を押し付けられています。斎藤大臣は「賃借人に連帯保証人を求める場合、国交省の調査ではそういう住居はほとんど見られない」と実態に反する答弁を行いました。
 なお、賃借人が認めていない原状回復費用の請求について、斉藤大臣は「原状回復の内容や費用は、賃貸人と賃借人の間で協議し、合意することによって確定するものであり、このような手続きを経ることなく、保証業者が賃貸人の要求額を代位弁済し一方的に賃借人に求償することは適当ではない」と答弁しました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大量のゴミ放置&生魚を入り口に吊るされる…「地上げ」被害者女性が明かす「戦慄の嫌がらせ」現場

2023年05月26日 | 底地買い・地上げ
とても令和とは思えない……なぜ私がこんな目に遭うのか 生魚を入り口に吊るされる/大音量でバーベキュー/ 大量のゴミ放置/
ジャージ男たちに尾行される
https://friday.kodansha.co.jp/article/309950

駅から5分ほど歩いた静かな住宅街の一角に、異様な光景が広がっていた。家を囲むように組まれたパイプ。破れたビニールシートが
建物に絡みつき、周囲にはゴミが散乱している。東京都練馬区内にある「悪質な地上げ現場」だ。
「昨年の夏ごろから黒いジャージを着た男たちがやってきて、嫌がらせをするようになりました。なぜ私がこんな目に遭うのか、納得
がいきません」
こう語るのは住民女性Aさん(75)だ。
現在、都心を中心に「地上げによる嫌がらせ」が横行している。首都圏のマンションの平均価格は、過去最高の1億4360万円を記録。
23区内では、2億円超えの高騰をみせているためだ。
「不動産業者の中には、土地に借地権や地上権が設定された『底地(そこち)』の買い取りに力を入れているところがあります。広い
土地を地主から買い取り、借地人を追い出しマンション用地として転売すれば、大きな利益を生みますから。そのため、コンプライア
ンスに厳しい令和の時代とはとても思えない、酷(ひど)い嫌がらせが起きているんです」(全国紙経済部記者)
冒頭で紹介した練馬区の土地も、転売目的で地上げの対象になっているのだ。大阪の中堅不動産業者N社が、Aさん宅を含む約900㎡
の土地を地主から購入し始めたのは’19年4月。N社は土地内にあった8軒のうち6軒の住民を立ち退かせて建物を解体し、残った2
軒に嫌がらせの矛先を向けた。Aさんが話す。
「家の周囲に屋根の高さまでパイプを組んで、日当たりを悪くするために青や白のビニールシートで覆ったのです。裏手へ抜ける私道
には工事用のフェンスを張り巡らし、人がようやく一人歩ける狭さにされました。N社の社員を名乗る男たちは、隣の空き地に『なに
わナンバー』の黒いワゴン車など数台の車を停め、私たちを監視しています。買い物に出かけると自転車で尾行され、息子は職場まで
ついて来られたこともあるそうです」

◆「傷害罪だ」と110番通報

Aさん宅に接する空き地には、カップ麺の容器やペットボトル、ビールの空き缶など大量のゴミが捨てられている。Aさんがゴミを片
付けようとすると、男たちから「これは大事なものだ。捨てるな!」と脅されたという。
「暴力だー!」
男たちが突然騒ぎ出したこともある。Aさんが家の前を掃除していると、たまたま箒(ほうき)が男の一人の脚に当たってしまった。
男たちは「傷害罪だ」と言って110番通報。警察を呼んだのだ。
「彼らは事情聴取のために私がパトカーに乗せられる様子を撮影し、写真を大きく引き伸ばして家の前の道に建てたフェンスに貼りつ
けたんです。この時は公道ということで役所に連絡して撤去してもらいましたが、今でも隣の空き地には写真が貼ってあります」(A
さん)
嫌がらせはエスカレートしていった。
「夏の暑い時期には、家の裏手の空き地にソファーやテーブル、投光器を持ち込んでバーベキューを始めました。音楽を大音量で鳴ら
して一晩中騒ぎ続けた。発電機の音もうるさくて眠れません。冬になると『クリスマスデコレーションをする』と言いながら、家の周
りのパイプに電飾を飾り付けます。夜中も煌々(こうこう)と照らし続け、睡眠不足になりました」(同前)
Aさんはこの場所に60年近く住み続け、以前の地主とは2036年までの借地契約を交わし合法的に住んでいる。N社から具体的な立ち退
き料の提示もあったが、引っ越すつもりはないという。
「嫌がらせは、N社が昨年7月に買い取った港区内の一等地のビルでも起きています。建物の入り口に生魚や肉を吊るすなどして、ビ
ルの入居者全員を立ち退かせたんです。ビルは今年3月に別の不動産業者に転売されました」(前出・記者)
N社にこうした地上げ行為について尋ねると「特にお答えすることはありません」とだけ回答した。
「ブラック地主・家主対策弁護団」の種田和敏弁護士が指摘する。
「悪質な地上げ業者は、警察や宅地建物取引業法を所管する国土交通省が動けないギリギリの線で嫌がらせをします。警察が取り締ま
らないため、住民は立ち退かざるを得なくなる。同じ被害を繰り返さないためにも、法改正をして地上げの規制を強化することが必要
です」
土地やマンション価格高騰にともない、悪質な地上げの被害は増え続けている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アパートの解体通知が突然に

2023年05月19日 | 明渡しと地上げ問題
 今年2月に、家主からアパートを解体するので5月末までに退居を求め、不動産会社を紹介してきました。突然のことで入居者はどうしていいのか解らない状況でした。チラシを見た借家人から相談があり、みんなに集まってもらうようにしました。入所者9人中5人が集まり意見交換しました。

入居者は、何時までも住むことは考えていない、立退料と次の住まいを確保してもらえば問題はない、40年も住んでいるのでここを終の棲家と考えていた、高齢であり引越はできない、病気もありこの地を離れることは考えていない、いまの家賃で住むところがないなどの意見が出されました。そして、急な立ち退きには応じることはできないと家主に連名で通知をすることにしました。再度集まりましたが、それぞれの事情も異なることから連名に名を連ねる人がまとまらず、最終的には個人で対応することになり、一人が家主に明け渡し拒否の通知を送りました。

家主から書類がきて2ヵ月が経過しましたが退居されたのは数名だけで家主の動きも止まっています。家主の動きを見ながら対応することにしました。

(全国借地借家人新聞より)

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHKクローズアップ現代で放送された地上げ屋が兵庫県でも大騒ぎ

2023年05月11日 | 底地の売買 地上げ
「クローアップ現代」で放映された地上げ屋が兵庫では3ヶ所で争いが起きています。その内、尼崎市役所の南側で658㎡の借地に25軒あり、すでに更地・空き家が12軒、借家人が1軒あり、その内10軒が組合に加入しました。新地主は令和3年5月に旧地主から借地を買い取り、借地借家人全員に立ち退いてほしいと文書で通知してきました。13名のうち10名が兵庫借組に相談し、新地主に対し、立退きには「正当事由」がなく、申し出を拒否する通知を出しました。1軒ごと新地主の訪問が始まり地代は振込でなく、立ち退くまで毎月集金に来て交渉すると通告。地代の個別集金を拒否し、現金書留で送金したところ受取りを拒否したので全員が法務局へ弁済供託しました。すると、新地主の社員が2人で訪問し、呼び出しても応答がないと大声で怒鳴り、組合員は警察に連絡すると役員も駆けつけ大騒ぎになりました。早く出たいと思う人が出て、少額の立退料で和解し、8名が弁護士に依頼することになりました。
弁護士との話が困難になれば嫌がらせやが始まり、空き家の玄関の窓ガラスドアを破壊し、残りの借地人を不安がらせる行為を行い、止めるよう役員が抗議した時、自分でわざと転んで「組合の役員が暴力を振るった」と警察を呼び一悶着をつける騒ぎを起こす始末です。バブル期と同じ手口で嫌がらせが行われています。組合ではこのような不当な立退き問題に粘り強く組合員を励ましながら頑張っています。

(全国借地借家人新聞より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原状回復をめぐるトラブルについて 東京地裁判例から

2023年05月02日 | 敷金と原状回復
賃貸住宅の退去時における原状回復をめぐるトラブルが増加を続けています。判例のキーワードは「経年変化」と「通常損耗」です。

【東京地方裁判所原状回復工事費用等請求事件(本訴),費用償還等請求事件(反訴)の平成30年12月12日判決】
判決は「民法の規定する賃借人の原状回復義務は、①付属物の収去義務と②賃貸目的物の毀損部分の補修義務(いわゆる通常損耗を超える損耗部分の補修義務)からなる義務である。」としています。この判決で重要なことは「毀損部分の補修義務」とは「通常損耗を超える損耗部分の補修義務」と定義していることです。

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)」(平成23年8月)
このガイドラインは、賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブルの未然防止と解決のために作成をされました。判例の考えを整理していて参考になります。賃借人は「経年変化・通常損耗」の費用分は、賃料として支払ってきているのであり、賃借人が明け渡し時に負担すべき費用にならないはずです。このような分まで賃借人が明け渡しに際して負担しなければならないとすると、経年変化・通常損耗の分が賃貸借契約期間中と明け渡し時とで二重に評価されることになり、、賃貸人と賃借人間の費用負担の配分について合理性を欠くことになります。また、実質的にも、賃借人が経過年数1年で毀損させた場合と経過年数10年で毀損させた場合を比較すると、後者の場合は前者の場合よりも大きな経年変化・通常損耗があるはずであり、この場合 に修繕費の負担が同じであるというのでは賃借人相互の公平をも欠くことになります。 そこで、賃借人の負担については、建物や設備等の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが適当です。また、次の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについては、経年変化及び通常使用による損耗等の修繕であり、賃貸人が負担すべきです。
(弁護士 黒岩哲彦)

多摩借組の組合業務は 5月3日から5月7日までお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借地借家人のための法律セミナー 5月21日八王子クリエイトホールで開催

2023年05月01日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 4月から開催している「借地借家人のための法律セセミナー」を5月21日(日)に八王子クリエイトホールで開催されます。借地借家法や消費者契約法、民法など改正があれば、新しい情報をセミナーを通じてお知らせし、学習していただきたいと存じます。底地や古いアパートを買取り、不動産業者が地主や家主になるケースが増えています。しっかりした法律知識を持っていないと、借地借家人の権利を守れません。ぜひ、セミナーにご参加下さい。(参加無料)

日時 5月21日(日)午後1時30分開会
会場 八王子市クリエイトホール10階第5学習室 参加無料です。
(八王子駅北口・京王八王子駅徒歩4分)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする