東京多摩借地借家人組合

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第42回クレサラ被害者交流集会の分科会 家賃債務保証業者の法規制で活発な議論

2023年11月17日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 第42回全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会東京が10月1日のオープニング集会からスタートし、10月12日から29日まで8つの分科会で議論が行われました。

 10月14日は全国追い出し屋対策会議と生活弱者の住み続ける権利体会議の主管で「賃貸住宅における保証人問題と家賃債務保証業者に対する法的規制を考える」とのテーマでオンラインで開催され29名が参加しました。
 講師は全借連理事で家賃保証会社問題対策班の藤田美佳さん。藤田さんは自ら経験した家賃保証業者被害をSNSを通じてインターネットを使って呼びかけ、日夜被害の相談にものっています。昨年9月から10月にかけて行った保証業者被害のウェブ調査では142人が調査に協力し、保証業者と契約した理由や保証業者の被害の内容、保証制度などへの意見要望等12項目のアンケート調査を実施し、アンケート結果を記者会見し、国交省への要請、国会議員への要請行動などに取組み、今年3月と4月には、田村智子参議院議員と大石あき子衆議院議員の国会質疑が行われました。今後の課題として、家賃保証業者の法的規制や連帯保証人と保証業者契約のダブル保証の禁止、低所得者向けセーフティネット専用住宅に関して保証人を不要とする等が強調されました。

 講師の増田尚弁護士からは、家賃保証業者被害の法的な問題を詳しく説明し、賃借人が保証業者と締結する保証委託契約について、保証料の上限規制もなく、保証委託の期限の制限がないので、更新する度に保証契約の更新料を請求され、賃貸借契約が法定更新されているのに保証契約の更新料を取られ続けている。

 また、家賃保証業に対する法的規制(義務的登録制)として、①不当な求償権(取立行為)の行使の禁止、②不当条項の禁止、保証料の規制、③家賃滞納データーベースの規制(少なくともセーフティネット住宅の使用制限)と同時に、家賃保証業者がいなくてもよい賃貸住宅が必要である指摘しました。

 二人の講師の報告に対し参加者から質問や意見が出され、活発な質疑と討論が行われました。(全国借地借家人新聞より)
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家賃債務保証会社に聞いた、家賃集金・滞納対応業務の実態

2023年09月16日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
https://www.zenchin.com/news/post-8129.php

 家賃債務保証会社(以下、保証会社)の家賃集金・滞納対応業務の実態を全8社に取材しました。すると、家賃回収の初動対応や家賃回収方法には、各社に違いがあることが見えてきました。保証会社が大きなリソースを割く督促業務と、滞納者への訪問業務のポイントについて、保証会社の注目される取り組みを解説します。

そもそもどのくらいの件数、家賃滞納が発生し、保証会社のマンパワーが割かれているのか

■家賃滞納および回収の実態

 滞納発生率は、各社の保有契約件数に対して滞納が何件あったかを計算したもので、1〜2%台と7〜8%台で二極化。代理店である不動産会社によって滞納発生率が大きく異なるとの声も上がっています。ある地場系の保証会社では、地盤のあるエリアでは不動産会社に1番手として利用してもらえるので滞納率が低くなりますが、新規に出店したエリアにおいては、2番手、3番手となってしまいます。その結果、入居者の属性が変わってくるため、滞納発生率が跳ね上がることがあるそうです。
 滞納のうち、明け渡し訴訟に至る割合を表した「明け渡し訴訟の発生率」の比較については、少ないところで0.1%、多いところで2.7%でした。各社、明け渡し訴訟になる件数自体には大きなズレがなく、発生件数は月に5件ほどです。
 各社が督促業務にどれほどのマンパワーを割いているかを把握するため、全社員数に対する、督促業務従事者の割合を比較したところ、少ないところで20%、多いところで65%。平均すると30%ほどの人員を督促業務に投入していました。保証会社の仕事において、督促業務が一定のボリュームを占めていることがわかる結果となりました。

保証会社の督促業務の体制は? 対応はどのように行っているのか

■督促業務における注目すべきポイント

ポイント01 初月滞納者への対応方法

 初動対応は、ショートメッセージサービス(SMS)の活用が基本ですが、SMS単体で行う、SMSと架電を併用して行うなど、対応の仕方は保証会社によってさまざまです。架電についても、自動音声対応のパターンと担当者が直接電話をかけるパターンに分かれました。自動音声のオートコールは、実務で生かしている企業もありましたが、実験的に試してみて回収率が上がらなかったため、やめた会社が2社。SMSに加えて郵送で知らせるケースも見受けられましたが、SMSを送らず、すぐに電話をかけている会社も1社ありました。

ポイント02 滞納者へのアプローチ方法と情報収集のポイント

 滞納者の大半はうっかり滞納した人や滞納に気付いていない人が占めるため、最初はSMSでアプローチする傾向が見られます。それだけで2割ほどの回収が見込めるそうです。中にはSNSの通知だけで5割回収できるという会社もありました。最初から電話をかけると、保証会社がかなりのマンパワーを割かなければならなくなるため、まずはSMSを送ります。それで回収できなかった滞納者に電話をかけ、滞納の理由や支払いのめどはいつ立つかなどをヒアリング。今後の回収の方向性を定めていくそうです。回収に関しても、入居者の状況を見つつ、何日の何時と期限を設定し入金に向けて動くように促しているケースもありました。
 電話をかける時間帯も回収率を上げる上でのポイントの1つです。ある保証会社は午前12〜午後1時までのお昼休みの時間帯と、午後5時以降のつながりやすい時間帯に絞ってかけているとのこと。さらに、代理店である不動産会社の定休日で、問い合わせの少ない水曜日に集中してかけるなど、各社、電話をかける時間帯も工夫を凝らしていました。

ポイント03 2〜3か月、滞納が続いた入居者への対応

 長期化する滞納者への対応は、基本的に、電話を継続。つながらなくても、ひたすら電話をかけ続けるとのこと。1度は話ができたものの、2回目以降に本人とつながらなくなった場合は、緊急連絡先や勤務先に電話をします。それでも難しい場合、滞納者の自宅に訪問するという流れとなります。
 督促業務の組織体制にも違いがありました。1回目の電話は本社のコールセンターで一括して行い、滞納2〜3カ月目に入ったら、現地のエリア担当者に引き継ぎ、担当者が電話をかけ入居者とコミュニケーションを取るという会社もありました。コールセンターを持たず、拠点ごとに初動から電話をする会社も一定数存在します。

■訪問業務における注目すべきポイント

 訪問業務における注目すべき四つのポイントを解説する。

(1)対象の選び方

 滞納者の自宅を訪問する際の対象者の選び方は大きく分けて二つ。一つ目は、電話で連絡がつかず、相手がどのような状況かわからないケース。何度連絡しても電話に応答してくれなかったり、電話番号が使われていないというアナウンスが流れたりする場合が挙げられます。そもそも滞納者が携帯電話を持っていないこともあるそうです。
 二つ目は、早めに訪問してリスクを回避したいケース。ある会社は、高齢者や生活保護受給者、外国人らに対しては、連絡が取れなければ1カ月目でも訪問を実施します。高齢者ら、孤独死のリスクがある入居者は、安否確認の意味合いもあります。外国人の場合は、契約者が他人に部屋を貸して、実際の居住者が変わっていることがあるため、物件の状況を確認する意味合いが大きいとのことでした。

②担当するのは誰か?

 会社によってさまざま。初動から現地訪問までエリア担当者が対応するところもあれば、代理店開拓の営業スタッフに任せたり、外部委託したりしている会社もありました。

③訪問したときのチェックポイント

 各社、現地訪問は、実際に居住実態があるのかないのかを把握する、現地調査の意味合いもあるそうです。明け渡し訴訟のときに、居住実態の有無を裁判所に提出する書類に記す必要があるため、インフラとなる電気やガス、水道メーターなどの動きや、郵便受けなどを見て、居住実態の有無を確認します。
 さらに、滞納者がどの時間帯であれば自宅にいるのか調査する目的もあります。滞納者の周辺に聞き込みをして、入居者がいる時間を絞り込んで訪問することもあるそうです。一方で、信頼を得るため、生活に困っている入居者に、訪問の際にフードバンクなどの食料を届けることもあります。

④訪問業務の注意点

 注意点としては第一にコンプライアンスを重視しています。すべての会社が非常に気をつかっているということ。例えば、貸金業法で定められた督促方法や、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)が作った自主ルールの内容を踏まえ、各社マニュアルに落とし込んでいました。法律を順守する形で督促業務、回収業務を実施。周囲の住人に家賃の回収で訪れたことが気付かれないようにするため、建物の巡回で来たように見えるように、作業服のようなラフな格好で訪問するなど工夫をしています。ある会社は会社の制服としてポロシャツを用意し、訪問業務にあたってもらっているとのことでした。

■注目される保証会社の取り組み

【ケース①:H社】

 97%以上という非常に回収率が高いH社では、電話対応を分業化し、アルバイト・パートのスタッフに電話をかけてもらっています。社員はスーパーバイザーとして、優先してどこに電話をかけるかなどの指示を出します。分業化するメリットの一つ目は、現場の社員の業務負担を減らすこと。二つ目は、精神的な負担の軽減。複数の現場に1人で対応している場合など、業務に対するプレッシャーから、入居者への電話対応などがきつい口調になり、トラブルに発展することがあります。分業化により、社員の業務的・精神的負担を減らす効果があるそうです。結果として、回収率97%超えの非常に良い結果につながっています。

【ケース②:F社】

 F社は、滞納する入居者と管理会社の担当者、保証会社の担当者の3者に、管理会社の店舗やオフィスに集まってもらい面談をするという方法を取っています。狙いは、入居者に当事者意識を持ってもらうこと。入居者がわざわざ足を運ぶことで、自分がオーナーや管理会社に迷惑をかけている、本来果たすべき責任を果たしていないことを自覚してもらいます。それと同時に、管理会社にも当事者意識を持ってもらえるそうです。面談自体は、月に10件ほどで多くはありませんが、面談によって、入居者の次回の支払いをどうするかなど、次の行動を促すことができます。

--------(まとめの内容)

 2022年12月、家賃滞納者への「追い出し条項」に関する最高裁が下した判決が物議を醸しました。当時、一般のメディアでは、借主保護を一方的に訴えた記事も見かけられましたが、今回取材したすべての保証会社が、コンプライアンスを守り、ルールにのっとって督促・回収業務を遂行している印象でした。
 保証会社の役割は入居者を保証することにあるため、入居者に寄り添った姿勢を見せている企業が多くあります。その中には、入居者の生活の再建まで考えてサポートをしている会社の姿も見受けられました。家賃回収という賃貸住宅ビジネスの核となる業務は、保証会社が担うところが大きいと感じました。
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家賃保証業者の法規制で衆参で初の国会質疑 法規制に背を向く国土交通省

2023年05月26日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 国会質疑は、参議院の国土交通委員会で3月17日に日本共産党の田村智子参議院議員、4月24日に衆議院の同委員会で大石あきこ衆議院議員が行いました。
          
 田村議員の質疑では最高裁判決で否定された違法な追い出し条項の排除について国の対応を聞いたところ、斉藤国交大臣は「現在、業界団体を通じてフォーシーズ以外の業者に対して見直し方針などについて調査している。使用している場合には是正を促していく」と答弁しました。大石議員にも同様な答弁があり、調査結果について引き続き追及が必要です。

 田村議員は、全借連が昨年11月に実施した「家賃保証業者実態調査」を参考に、家賃保証業は人権侵害の取立てが深刻な事態を起きかねない、家賃の求償として借金の取り立てをする事業者に貸金業と同様な法規制が必要であり、登録が義務づけられていない(任意の登録制)問題点を指摘しました。斎藤大臣は「家賃債務保証業者登録制度では、貸金業法で規制されているような取り立て行為を禁じる内部規則が設けられていることを登録要件としている。消費者から寄せられた相談事例を踏まえ、指導等を行っていく」と、あくまでも登録事業者の内部規則(自主ルール)を尊重し、法規制に消極的な姿勢であることが明らかになりました。

 大石議員は全借連の実態調査を引用し、連帯保証人を立てているのに家賃保証業者の契約させるダブル保証の問題を取り上げ、「連帯保証人か家賃保証業者がどちらか1つを選択できるようにするべきでは」と質問しました。全借連の調査でも約半分がダブル保証を押し付けられています。斎藤大臣は「賃借人に連帯保証人を求める場合、国交省の調査ではそういう住居はほとんど見られない」と実態に反する答弁を行いました。
 なお、賃借人が認めていない原状回復費用の請求について、斉藤大臣は「原状回復の内容や費用は、賃貸人と賃借人の間で協議し、合意することによって確定するものであり、このような手続きを経ることなく、保証業者が賃貸人の要求額を代位弁済し一方的に賃借人に求償することは適当ではない」と答弁しました。






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最高裁判決を受け、家賃保証業者の早期の法規制を求めて院内集会を開催

2023年03月28日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 住まい連・全借連など住宅運動4団体の共催で3月27日「最高裁判決から賃貸住宅契約、保証人、保証業者問題を考える」が衆議院第1議員会館で開催され、参加者はオンライン含め44名が参加しました。家賃保証業者が野放し状態で、多くの賃借人の権利が脅かされ、早期の法規制を求める声が強く上がりました。

 院内集会の総合司会は綾達子全借連事務局次長が担当し、初めに坂庭国晴住まい連代表幹事が開会挨拶を行い、「公営住宅に保証人を必要とする自治体が市区町村で6割以上あり、保証人規定を削除する運動が必要」と訴えました。  
基調講演は「最高裁判決の意義と居住者の権利~家賃保証業者の法的規制」と題して、適格消費者団体主任弁護人の増田尚弁護士が講演しました。

 増田弁護士は大阪地裁・大阪高裁の判決と最高裁判決を比較し、最高裁判決でとくに無催告解除の条項について、「無催告での解除を認めることは、賃借人の生活の基盤を失わせる重大な事態を招来し得る」と催告の必要性が強調されたことなど最高裁判決が詳細に報告されました。また、家賃債務保証業に法的な規制、不当な求償権(取立行為)の行使禁止などが強調されました。

 特別報告「家賃保証業者の調査から~被害実態と意見要望」について藤田美佳全借連理事が報告しました。藤田理事は賃借時の保証契約について約半数の賃借人が連帯保証人と保証会社の両方を契約条件とさせられ、保証会社との契約に緊急連絡先も連帯保証人もどちらもないと賃貸住宅を借りられないので、緊急な対策が必要であると指摘しました。家賃保証は家主のための制度であり、家主の負担で保険制度を作るべきと訴えました。

 会場から4名の方が発言し、「保証業者は家賃を滞納すると分割払いにも応じてくれず、突然立ち退きを請求され、立ち退いても保証会社の審査にも落ちた。非正規でも安心して住宅を借りられる制度にしてほしい」と泣きながら訴える参加者の話に心を打たれました。

 集会には立憲民主党の小宮山泰子衆院議員、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、田村智子参院議員が挨拶しました。



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「家賃保証会社」の利用80%に急増、悪質な取り立て・追い出しでトラブルも

2023年01月23日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230122-OYT1T50040/

滞納家賃を立て替える家賃保証会社による行き過ぎた取り立てや部屋からの追い出し行為を防ぐルール整備が課題となっている。保
証会社の利用が急増する中、トラブルは後を絶たず、昨年12月には借り主に一方的に不利な内容になっているとして、保証会社の
「追い出し条項」の使用差し止めを命じる最高裁判決も出た。消費者団体は、不当な契約条項をチェックする仕組み作りを国に求めて
いく。(石原敦之)

2000年代に新規参入相次ぐ

 家賃保証会社は一般的に貸主、借り主それぞれと契約を結び、借り主が家賃を滞納した場合に貸主に立て替え払いし、その分を借り
主から回収する。
 家族関係の希薄化や少子高齢化で連帯保証人の確保が難しい借り主側の事情に加え、貸主にとっても家賃未払いのリスクを避けられ
るメリットがあり、保証会社の利用が拡大。2000年代に新規参入が相次ぎ、現在は250社以上が存在する。国土交通省による
と、不動産賃貸借契約での利用は10年の39%から21年は80%にまで増加している。
 保証会社は、住居の円滑な確保に欠かせない存在となる一方、家賃の滞納が続けば損が膨らむため、悪質な取り立てや追い出し行為
が社会問題化。全国の消費生活センターに寄せられた相談は17年以降、毎年500件前後で推移しており、「深夜に訪問されるなど
回収が強引で 執拗しつよう 」「『借金してでも返せ』と言われた」といった相談がある。

任意の登録制度

 国や業界団体は対策に乗り出している。
 国交省は17年、任意の業者登録制度を始め、22年11月時点で90社が登録する。保証会社には「虚偽告知・誇大広告の禁止」
「契約締結時の書面交付」といったルールの順守を求め、必要に応じて指導する。
 92社が加盟する業界団体「家賃債務保証事業者協議会」も自主ルールを定め、滞納回収時に正当な理由なく物件に立ち入ったり、
借り主の持ち物を処分したりすることを禁じ、違反した場合は内部で審査し、処分する。3か月以上の滞納があれば、借り主に知ら
せ、明け渡しを求めて提訴するなどの司法手続きを進めるのが一般的だとする。

条項削除

 特定適格消費者団体「消費者支援機構関西」(大阪)は09年以降、保証会社7社に対し、不当な条項の削除や修正を申し入れ、借
り主の部屋にある私物を勝手に処分できる条項の使用停止などを実現してきた。
 申し入れでは解決できず、提訴に至る場合もある。
 今回、同団体が最高裁まで争った家賃保証会社「フォーシーズ」(東京)を巡って問題となったのは、〈1〉家賃を3か月以上滞納
すれば、借り主に知らせず賃貸借契約を解除できる〈2〉家賃を2か月以上滞納し、連絡がつかないなどの条件がそろえば明け渡しが
あったとみなす――の2条項。
 2審・大阪高裁判決は「相応の合理性がある」として差し止めを認めなかったが、最高裁は「生活の基盤を失わせる重大な事態を招
く恐れがある。借り主と保証会社との間に見過ごせない不均衡をもたらす」とし、消費者の利益を一方的に害する条項を禁じる消費者
契約法に違反すると判断した。
 フォーシーズは現在、〈1〉の条項に「支払い能力がないことが明らかとなり、信頼関係が破壊された場合」との文言を加え、
〈2〉は削除しているという。
 同社は国交省に登録している。国交省安心居住推進課の担当者は「条項は既に見直され、指導は必要ないと考えている。対象の条項
は業界で広く使われている内容とは言えず、判決の影響は少ない」とする。
 これに対し、原告側代理人の増田尚弁護士(大阪弁護士会)は「保証会社側に有利な契約条項はまだ多い」と指摘。国が監督を強化
するための業者登録の義務づけや、契約条項をチェックする仕組み作りをする必要性を訴える。

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滞納者追い出し条項は違法 最高裁が初判決

2022年12月27日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 家賃保証会社が賃借人と結ぶ契約条項について、消費者契約法に違反していると最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は昨年12月12日に初の判断を示しました。大手保証会社フォーシーズの契約の2つの条項が裁判の争点になりました。①家賃を3カ月以上滞納すれば、賃借人に知らせず無催告で賃貸借契約を解除できる。②賃借人が家賃を2カ月以上滞納し、電気・ガス・水道が長く未使用などの条件がそろえば明け渡しがあったとみなし、建物内に残置した動産類を任意に搬出・保管しても異議を述べない。

最高裁は、以上の契約条項が消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)に違反しているとし、消費者機構関西の同契約条項の差止請求を全面的に認めました。消費者団体の差止訴訟とは、消費者契約法に違反する事業者の不当な契約条項を差止請求することができる制度です。フォーシーズが差止請求に応じないため提訴し、大阪地裁・大阪高裁で争われました。

 地裁は、①有効②無効、高裁は①②とも有効とされましたが、最高裁の判決では①②とも無効とされ、地裁・高裁の判決が覆され、①②の契約条項の使用は禁止され、印刷された契約書は廃棄せよとの判決で消費者団体の完全勝訴となりました。

 判決は、「原契約の解除は賃借人の生活基盤を失わせるという重大な事態を招来し得るものである」とし、家賃を3カ月分以上滞納で自動的に契約の解除を認めることはできないとしています。賃貸人でもない保証会社の不当な追い出し条項に厳しい審判が下りました。 そもそも保証会社に対する法規制がなく、野放し状態であることが問題であり、国に早期の法規制を求め運動していきます。





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 全借連家賃保証会社問題対策班 家賃債務保証業者の実態調査を発表

2022年11月10日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 賃貸住宅を借りる際に日本では連帯保証人が必須と言われ、保証人を立てられないと家賃債務保証会社と契約しないと賃貸住宅を借りることができないのが現実です。さらに、緊急連絡先が必要とされています。

 全借連の家賃保証会社問題対策班では、「家賃保証業者実態調査」を9月21日から10月13日にかけてウェブ調査を実施し、142人の賃借人の方から回答がありました。(詳細は次号以降の新聞に掲載します)

まず驚いたことは、賃借時の保証契約について、連帯保証人+保証会社を付けて契約した方が49・3%と約半数を占めました。保証会社と契約した理由は、保証会社契約が借りるための条件だった70・2%と保証会社と契約しないと住まいが借りられない実態が明らかになりました。また、保証会社は自分で選べたかでは、選べなかった91・5%で、保証業者が国の登録を受けているかどうかをも97%近くの方が知らない分からないと回答しています。



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家賃債務保証業、賃借人の過半が「知らない」

2022年03月05日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
https://www.re-port.net/article/news/0000068404/

 (公財)日本賃貸住宅管理協会・家賃債務保証事業者協議会は4日、令和3年度第3回定例会をオンライン形式で開催した。
 定例会では、国土交通省住宅局安心居住推進課課長補佐の田代洋介氏が、家賃債務保証業者登録制度の現況について報告した。同制
度への登録事業者は、2021年11月30日時点で83者。
 同省が行なった管理会社への調査では、家賃債務保証業者を利用するケースが約8割(18年度調査:約6割)と伸長。また、賃借人に
対し、保証業者を利用した反応を調査。「満足・まあ満足」が5割超を占め、「不満・やや不満」は減少傾向にあることが分かった。
「不満・やや不満」の理由は、「保証業者を選べない」(46%)、「指定業者がよく分からない」(42%)など、十分に理解できな
かったことへの不満が多い状況。
 一方、家賃債務保証業の利用率が増加しているにもかかわらず、賃借人の認知度はいまだ低く、「あまり知らない・まったく知らな
い」が5割強を占めた。全国の消費生活センター等が受けた苦情・相談件数は、10年度の741件をピークに、17年度以降は500件台で推
移。19年度(485件)、20年度(497件)は500件を下回っている。
 日管協総合研究所主任相談員の鈴木一男氏は、家賃債務保証に関する相談業務について説明した。同研究所に寄せられた相談件数1,
532件(21年4月~22年1月)のうち、家賃債務保証に関する相談は33件(全体の2.2%)。昨年度比約37%減だった。支払督促関連が11
件(33.3%)と多く、「相談件数に対する割合は例年と変わらず高いが、言動が乱暴で高圧的であるとの相談件数は減っている」(同
氏)とした。相談に見る対策として、同氏は「保証委託契約締結の代理店である仲介会社や管理会社には、借り主に対する丁寧な契約
内容の説明が求められる」とし、保証会社としての方針やコンプライアンスの徹底が必要と言及。「滞納することが悪いのは大前提だ
が、一律の対応ではなく重要な対応が必要」とアドバイスした。
 ことぶき法律事務所弁護士の亀井英樹氏は、弁済みなしの判例や電子契約の有効性など、実務者が知っておくべき判例について分か
りやすく解説。リーウェイズ(株)代表取締役CEOの巻口成憲氏は、「デジタル化・DXの推進や新規事業創出への課題が高まっている
一方、デジタル化・DXへの戦略方針策定や専門性の高い人材の不足がボトルネックとなっている」と、デジタル化・DXの課題を指摘。
不動産DXの方向性として、「自社ビジネスドメインより派生可能なビジネス領域の分析を行なう→自社内において独自に管理されてい
るデータの可視化と活用法を探る→データ活用システムの構築によりビジネスプロセスを変革する、というステップを展開することで
DXが実現する」と話した。
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家賃保証会社が不法行為 法規制と公的制度を

2021年11月16日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 家を借りる際、いまや8割が利用している家賃保証会社。コロナ禍の雇用危機で家賃の支払いに窮する人が増えるなか、強引な支払い督促などのトラブルが絶えません。法規制を求める動きから10年以上。業者の野放し状態がつづいています。
  連帯保証人にかわり家賃滞納時に賃料を保証するのが「家賃保証会社」です。入居者は委託料などを保証会社に支払います。
東京都の藤田美佳さんは、ツイッターで家賃保証会社とのトラブルの相談にのっています。情報を寄せた人は約1200人です。
「家賃の分割払いに応じない、支払えないと嘘つき呼ばわり。家や職場に鬼のように催促の電話をする」「法外な退去料を請求され『さっさと払え』の一点張り。子どもの奨学金で工面した」「家賃を滞納してないのに保証会社に勝手に鍵を変えられた。振り込んだ家賃を大家に渡していなかった」という〝大家も被害者〟という事例までも…。
藤田さん自身も被害者です。部屋を借りて1年、請求書が届きました。「契約時には何の説明もなかった」委託保証料でした。「納得できない」と支払いを拒んだところ弟の会社にまで電話をかけてきました。「矢の催促に耐えかねて支払う人もいるのでは」と懸念します。
 家賃保証会社について、全国の消費生活センターに寄せられた相談は2010年度が最多で741件。その後、減少しましたが、19年度は485件と高止まりしています。
 国土交通省によると、家賃保証会社は約250社。「把握できてない会社もある」といいます。そのうち同省が定めた登録会社が83社(9月現在)。家賃保証会社の利用率は年々増え、賃貸借契約の8割に上るといいます。
「生活弱者の住み続ける権利対策会議」副代表の及川智志弁護士は、貸金業法の規制強化でサラ金などが倒産したことが家賃保証会社の増加の背景にあると見ています。
かつて返済に窮した債務者に「目ん玉売れ」などと脅迫的な取り立をして社会問題となった「商工ローン」。同社の社員が家賃保証会社の社員になっていた例もあります。「貸金業の元社員が取り立てのスキルを使い、追い出し行為をくり返している」と問題視します。
家賃保証会社をめぐっては、家賃滞納を理由に勝手に鍵を替える、家財を撤去・処分するといった不法行為が横行。違法判決も相次いでいます。 
及川弁護士は「一つひとつ裁判で救済していては間に合わない。本来は居住権があるのに住まいを失う被害者も出てくる。法規制が必要です」と話します。
 東京借地借家人組合連合会の細谷紫朗会長は「国の登録制度は任意のため登録なしでも営業ができる。悪質な取り立て行為や違法な契約に対し、事実上の野放し状態が続いています」といいます。
保証会社が連帯保証人を要求する「ダブル保証」も増えています。
さらに低所得を理由に利用すらできない人も増えています。同組合の調べでは、家賃保証会社の審査に「落とされた」と答えた人が3割もいます。
「生活困窮者は保証会社から契約を拒否されると部屋を借りられない。住まいの貧困をこれ以上広げないためにも、法規制ともに公的な家賃保証制度が必要です」と訴えます。

(新聞赤旗11月16日報道記事)
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家賃債務保証業者の法規制急げ 傷害や脱税事件の業者も営業を継続

2021年09月06日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
国土交通省の昨年10月の調査によると、賃貸借契約のさいの家賃債務保証業者の利用は8割と急増しています。
大手仲介業者に十数年勤務するAさんは「ほぼ100%の物件で保証業者必須になっている」と話し、さらに増加していると思われます。

 保証業者の審査3割が落選

 組合が、賃貸借契約時に保証業者の「審査」を受けたことがある、という方に聞いたところ(99人が回答)、約3割が「落とされたことがある」と回答。うち約半数は別の保証業者か保証業者なしの物件で契約できていますが、残りの半数近い方(全体の約14%)は転居を諦める、または現在も困っているという状況です。
 この「審査」についても「直近3か月分の預金通帳のコピーを提出」など、行き過ぎていると思わざるをえないものも少なくありません。賃借人からは「出自不明な1企業に貯蓄額まで差し出すのは悪用される心配もあり、恐怖しかない」という声もあがっています。
 じっさい現状では、保証業者の設立、運営にあたり何の規制もなく、過去に傷害や脱税事件を起こした業者も営業を続けています。
 
保証形態わからない賃借人

 さらに国交省の調査では、賃借人の35%が、自分が契約した賃貸借契約の保証形態について「わからない、覚えていない」と答えています。
 前述のAさんは「保証業者についての説明マニュアルは、ありません。説明せずに申込書を書かせて、重要事項説明もサラッとやっている仲介業者が多いのではないか」と話します。
 保証業者の契約について、現状では賃借人は業者を選べません。まともな説明もなく、賃貸借契約と紐づいて保証業者と契約させられ、結果的に反社会的と思われる業者にも賃借人の個人情報や契約金が流れてしまうのも問題です。

 急がれる保証業者の法規制

 こうしたことからも、保証業者の法規制は急務です。同時に営利目的である以上、弱者は保証業社から契約を拒否され、部屋を借りることができません。今こそ、公的な保証人制度の創設が急がれます。

(東京借地借家人新聞より)

 保証会社被害のご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
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家賃保証会社 被害実例 家賃滞納ないのに勝手に鍵交換される

2021年08月25日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 国土交通省が昨年10月に行った家賃債務保証業についての調査によると、管理会社が個人の連帯保証人に代えて、家賃債務保証業者を利用するケースは約8割と急増しています。この内、連帯保証人プラス家賃債務保証業者を利用するケースが1割を占め、家賃債務保証業者が別途連帯保証人を追加する事例も起きています。家賃債務保証業者に対する法的規制がなく、悪質な相談が増えています。最近では、家賃の取り立て以外に賃貸住宅の退去後の原状回復請求を管理会社が保証業者に委託する事例も増えています。

1Hさん 30代
 新日本信用保証

・原状回復費用が16万円と高額だったため保留とし、明細を求めたが、管理会社は「見積もりは正しい、何を言われても保証会社に回すだけだから不利なのはあなた」と言われる(明細は最後までもらえず)
・管理会社が保証会社に退去費用を請求。
・保証会社から「1週間以内に払ってください」と連絡あり、今後、部屋を借りるさいの審査に響くと思い、やむなく払う。
・しかし、額に不信を持ったため、大家に「裁判しますよ」と内容証明を送ったところ、12万円が返金された。

2Tさん 50代
エポス保証
・都民住宅を賃貸借契約。
・都に申請し、連帯保証人を2名(母80代、兄60代)立てる
・自分(借主)と兄については源泉徴収票のコピーを提出
・都民住宅の募集には「保証会社可」と書いてあり、必須とは知らなかったので利用するつもりもないし聞きもしなかった
・賃貸借契約の時になって、はじめて保証会社と契約するよう言われ、どうすることもできなかった。内容についての説明は一切なく「カードを作ればポイントが使えますよ」と言われただけ
・都に申請し連帯保証人を2名立てている。都民住宅なのに、なおかつ保証会社に強制加入はひどい。
※保証会社との契約には緊急連絡先(母)を求められた。

3Mさん  全保連
・連帯保証人を立てられないので保証会社と契約。
・「審査の結果、連帯保証人を立ててください」と言われる。
・「知人でもいいから」と言われ、現在は知人になんとかお願いしているが、これでは連帯保証人を立てられない人は住むことができない。

4Sさん 日本セ
ーフティー
・19歳の娘が賃貸借契約する際に父親を連帯保証人とした。
・内覧時の資料には、保証会社必須とは書いておらず「総合的に判断したうえで保証会社を追加で依頼する場合がある」とあった
・不動産屋から「娘さんの年収が低いので、保証会社も付けないといけない」と言われる
・それなら父親名義で契約しますと言ったところ、代理契約は借主が学生に限る、と言われる。しかし父親名義の部屋に娘が住めないなんて、おかしい。
・物件の立地等から、やむなく条件をのんだが、保証会社と契約させられ、さらに保証会社との契約にも連帯保証人(父)を立てさせられた
・結局はじめから保証会社ありきで、いくらであろうと「年収が低い」と言うのだと思う。不本意な契約をさせられている。

その他
・5万8千円の家賃で16万9千円の退去費用を日本セーフティーに請求された。退去時に金額は言われず、まっさらな紙にサインをさせられた。
・配管に問題があったが直してくれないので退去したところ、違約金とハウスクリーニング料、配管(シリンダー?)の修理代まで請求された。請求は「ほっと保証」に回され「さっさと払え」の一点張り。やむなく子どもの奨学金で工面した。管理会社は保証会社から全額を手にしており、保証会社は死にもの狂いで請求してくる。この理不尽なシステムをどうにかできないか。ちなみに現在の住まいも全保連と身内の連帯保証人の二重保証。
・中国籍。外国人専用のGTNという保証会社。契約する時に「出張費」として7千円払わされた。知識がなかったので払ってしまったが、おかしい。
・家賃滞納をしていないのに、オーロラに勝手に鍵を交換させられた。振り込んだ家賃を、家賃回収代行をしていたオーロラが大家に渡しておらず、大家にしてみたら「滞納している」となり、オーロラに退去の手続きを頼んだようだ。被害者はオーロラを告訴するとのこと。

(全国借地借家人新聞より)
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家賃保証会社問題対策班 全借連がツイッターで 保証会社被害の事例収集

2021年07月09日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 ツイッターに「家賃保証会社問題 対策班」を立ち上げました(@zensyakurenhtで検索、フォローしてください)。
 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス=登録された利用者同士が交流できるインターネットのサービス)の良さは、不特定多数の方に活動や意見を広げたり、困っている方を見つけ、こちらから声をかけるなど、これまでの活動だけではつながることのできなかった方と交流できることです。 

 最近は「保証会社の仕組みそのものが理不尽」という声もさることながら、高額な原状回復費用についての相談や意見が相次いで寄せられています。

 多くが、単身者用アパートにもかかわらず十数万円を請求され、借主が了承していないのに管理会社が保証会社に請求してしまう、というケースです。

 「保証会社は満額を管理会社に支払っているため、死にもの狂いで請求してくる」
 「弁護士に相談したが、裁判で争うと弁護士費用の方が高くつくので、払った方が安い、と言われた」  
 「払わないと次回の入居時の審査に響きそうなので、やむなく支払った」
 など、ほとんどの借主が泣き寝入りしています。

 対策班では、さらに声を集め、国交省に申し入れる予定です。 

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大阪高裁が不当判決 保証会社の自力救済条項を適法と判断

2021年04月07日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
賃貸住宅の家賃滞納で、保証会社フォーシーズが借主と結ぶ保証委託契約の中で、家財道具を勝手に処分できると定めた契約条項の差止を求めたNPO法人「消費者機構関西」から提訴された裁判の控訴審判決が3月5日にあり、同社側に一部の条項の差し止めを命じた1審大阪地裁判決を取り消し、NPO法人側の全面敗訴を言い渡しました。同社の契約では、2か月分以上の家賃滞納、連絡が取れない、長期にわたり電気・ガスなどの使用がない等の要件を満たせば物件を明け渡したとみなし、家財道具を処分できると定めています。

保証会社の判断のみで事実上追出し行為を認める判決であり、到底容認できません。NPO法人側は上告を検討しています。
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家賃滞納すると⇒家財道具を勝手に処分できる契約条項は「適法」と判断 大阪高裁

2021年03月06日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_9819.html

家賃を滞納した借り主の家財を無断で処分できるとする契約条項をめぐって、関西の消費者団体が家賃保証会社を訴えた裁判の控訴審
判決で、大阪高裁は条項は適法だと判断しました。
NPO法人「消費者支援機構関西」は2016年、家賃債務保証会社「フォーシーズ」を相手取り、契約条項の差し止めを求めて提訴
しました。訴状などによりますと、「フォーシーズ」は賃貸物件の借り主が家賃を2ヵ月以上滞納したなどの場合、物件を明け渡した
とみて室内の家具や荷物を無断で処分することを可能だとする契約条項などを定めています。2019年の1審・大阪地裁判決は原告
の訴えの一部を認め、条項の差し止めを命じましたが、大阪高裁は5日、家賃の滞納や連絡がとれないなどのいくつかの条件を満たし
ている場合「借り主は物件を住居として使用する意思を失っている可能性が極めて高く、占有権を放棄している」と判断し、1審判決
を取り消して条項は適法としました。判決後の会見で、原告側の代理人弁護士は「本来なら裁判手続きを経て行われる物件の明け渡し
を、契約条項があれば民間会社の判断のみで可能だとする判決。大きな問題がある」「事実上、『追い出し行為』を可能にしてしま
う」と話し、上告を検討しているということです。

家賃滞納者の家財搬出 2審は「追い出し条項あたらず」
https://www.sankei.com/affairs/news/210305/afr2103050031-n1.html

 賃貸住宅の家賃滞納者をめぐり、一定の要件を満たせば物件を明け渡したとみなして家財を処分できると定めた条項は「追い出し条
項」にあたり違法だとしてNPO法人「消費者支援機構関西」(大阪市)が家賃保証会社「フォーシーズ」(東京)に条項の差し止め
を求めた訴訟の控訴審判決が5日、大阪高裁であった。西川知一郎裁判長は、同社側に一部の条項差し止めを命じた1審大阪地裁判決
を取り消し、同NPO側の全面敗訴を言い渡した。
 問題となったのは、同社が借り主らと結ぶ契約の中で、2カ月以上の家賃滞納▽連絡が取れない▽長期にわたり電気、ガスなどの使
用がない▽客観的に見て再び住宅を使用する様子がない-の4要件を満たせば物件を明け渡したとみなし、家財を処分できると定めた
条項。1審判決は、法的手続きを経ずに一方的に家財を搬出できるなどとして条項を違法と判断した。
 だが西川裁判長は判決理由で、4要件を満たす状況では借り主がすでに家財を守る意思を失っている可能性が高く、「占有権が消滅
していると認められる」と指摘。消費者利益の保護を定めた消費者契約法にも反しないと判断した。
 同NPO側の代理人弁護士は「法的手続きを経て慎重に決めるべき明け渡しの判断を業者側に委ねる判決で、不当だ」と述べ、上告
を検討するとした。
 同NPOは一般消費者に代わり訴訟を起こすことができる「適格消費者団体」。同NPOが原告となった追い出し条項をめぐる訴訟
で高裁判決が出たのは今回が初めて。

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家賃債務保証会社を法律で規制せよ 全借連が国土交通省へ要望書提出

2021年01月19日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 賃貸住宅の契約に当たって、連帯保証人がいるのに家賃債務保証会社との契約を強制させられ、保証会社と契約をしないと賃貸住宅を借りることができない。保証会社との契約に際し連帯保証人を要求される等の相談が組合に寄せられている。

 全国借地借家人組合連合会(全借連)では、保証会社の問題について寄せられた相談の実態や問題について、12月10日に国土交通省に要望書を提出した。国交省との懇談には、東借連の細谷会長、高橋事務局長、東借連の組合員、保証会社被害を訴える神奈川県の会社員や大手の不動産仲介会社の社員も参加した。

 国土交通省から住宅局安心居住推進課の田代会長補佐他が出席した。家賃債務保証業者との契約において連帯保証人を求めないこと。貸金業法と同等の取立行為の規制を設けること。国交省に登録していない保証業者の営業を禁じること等5項目の要望事項について、国交省は「家賃債務保証業者の登録制を設け3年が経過する。登録業者は75社にとどまり、現状は登録の周知に努めていきたい。要望事項についてはよく承知している。こうした事情をよく把握していきながら規定の変更等について検討していきたい」と回答した。

 細谷会長は「保証業者は国に登録しなくても家賃債務保証業の営業が自由にでき、悪質な業者が野放しになっている任意の登録制ではなく、法律で規制すべきである」と訴えた。要請には、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員も同席した
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