東京多摩借地借家人組合

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民事執行法が改正 財産開示手続きで裁判所の出頭拒否すると刑事罰も

2021年09月27日 | 裁判手続き
 今年5月1日から民事執行法が改正された。

 裁判で勝訴しても相手側からお金が支払われず、強制執行の申し立てを行うにも、相手にどんな財産があるのかわからない場合がある。強制執行の申し立てをする際には、債務者のどの財産を対象とするのか特定する必要がある。例えば、①預貯金を差し押さえるのには、債務者の預貯金を取り扱う金融機関名、店舗(支店等)等、②給与を差し押さえるには、債務者の勤務先の名称、所在地等を、③不動産を競売にかけるには、債務者の所有する不動産の所在、地番等、それぞれ申立書に記載する必要がある。

 民事執行法には、債務者を裁判に呼び出し、どんな財産を持っているかを裁判官の前で明らかにさせる手続きがある(財産開示手続)。今回の改正では、この手続きがより使いやすく、強力なものになった。この手続きは強制執行に必要な債務名義(仮執行宣言付判決や執行証書などを含む)を有していれば、その種類を問わず、誰でも申立てが可能となった。また、裁判所から債務者に呼び出しを行い、債務者は裁判所に出頭し、自己の財産に関し開示する陳述を行う。出頭しないと罰則が強化され、6カ月以下の懲役叉は50万以下の罰金が課せられる。

 すでに、家賃滞納で保証会社から財産開示手続きの申し立てをされ、裁判所に呼び出されていた賃借人は期日に出頭しなかったことで警視庁に書類送検された。家賃滞納は注意が必要である。
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家主の代理人と名乗る知らない男から調停申し立て起こされた

2018年11月09日 | 裁判手続き
文京区に住む大原さん(仮名)は家主の代理人と名乗る第三者から調停を起こされた。

 10月30日に東京簡易裁判所隅田庁舎にて行われた。調停に臨んだ大原さんと1問一答した。

Q今回初めての調停ですがどのような心構えで臨むのでしょうか。

A賃貸人ではない全く知らない方から明渡しや家賃増額の調停を起こされるとは思いませんでしたし、困惑している。
直接話し合いになればきっぱり増額も明渡しも関係のない方と話し合うこともありませんのでお断りしますという態度で臨みたいと思う。
※2時間半程の調停が終わり、再び質問した。

Q今回の調停の様子はいかがなものでしたか。
A今回は直接話し合いができず、それぞれ違う部屋に呼ばれ、聞き取りということになった。
 見たことも何もない方から調停を起こされることに怒りを感じ、増額も明渡しも応じないと伝えましたが、納得がいく立ち退き料などが示されれば応じても良いことを伝えた。
 増額はすでに供託していることから拒否した。
※次回調停は12月6日で不調に終わらせたい、家主側の出方を見極め組合と話し合っていきたいとのことであった。

(東京借地借家人新聞より
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『民事訴訟通告書』で架空請求! 連絡すると高額な料金を要求!!

2008年04月28日 | 裁判手続き
◎実施の理由

 PIO-NETに寄せられる架空請求に関する相談件数は、2004年度をピークに年々減少傾向である。しかし、今回、各地の消費生活センターに、「弁護士と販売業者の連名で『民事訴訟通告書』という文書が届いた。通信販売の商品代金が未納なので民事訴訟の手続きをとるという内容だが、身に覚えがない」という相談が多く寄せられている。

 なかには、法律事務所に連絡した相談もあり、「約50万円支払えば訴訟を取り下げる。後日、弁護士費用2万円と商品代金2万円弱を差し引いて、残りは返金する」と言われるケースが多いようである。

 当センターの調べによると、同様の手口の相談は各地のセンターに寄せられており、『民事訴訟通告書』の文面はほぼ同一であった。同一の業者が、一定期間に集中してある一定の地域に送りつけていることがわかってきた。地域によって販売会社名や弁護士名・法律事務所名なども変更しているようである。

 今回の手口の特徴は、(1)短期間にある一定の地域を狙って集中的に送りつけていること、(2)実在しない弁護士名・法律事務所名を騙っていること、(3)連絡すると金銭を要求し、一旦お金を振り込めば訴訟を取り下げて未納の商品代金と弁護士費用2万円を差し引いて後日返金すると約束して振り込ませていることである。

 消費者被害の未然・拡大防止のために注意喚起することとする。




◎相談事例

 男性系サプリメントを購入した際の商品代金が支払われていないという『民事訴訟通告書』という文書が届いた。文書には販売会社名と、その代理人の法律事務所名と連絡先が記されていた。訴訟に関する詳しい内容は法律事務所に連絡するよう記載されていたため電話したところ、「2年前の通信販売の商品代金6,800円が未払いである。再三の請求にも応じないので民事訴訟を起こすことになる。今ならまだ民事訴訟を取り下げることができるので、一旦52万5千円を振り込んでもらえれば、未払いの商品代金6,800円と弁護士費用2万円を差し引いて後日返金する」と言われた。身に覚えはなかったが、当日言われるままに支払った。すると、翌日、電話があり、販売業者が納得していないので、あと45万5千円を振り込むよう連絡があった。約90万円は、後日返金することになる旨の説明をされ、言われたとおり支払った。

(40歳代 男性 給与生活者)




◎消費者へのアドバイス

連絡すると民事訴訟を取り下げるための料金を請求されるおそれがあるので、身に覚えのない場合は、決して連絡しないこと。
もし、連絡を取ってしまい、後日返金するからお金を振り込むように言われても、決して応じないこと。
これ以上の個人情報を知られないようにすること。
もし、間違って振り込んでしまった場合は、早急に警察及び当該金融機関に連絡し、振込先口座の凍結を願い出ること。
身に覚えのない請求を受けた際は、業者に連絡したり、振り込んだりする前に、消費生活センターまでご相談すること。 (国民生活センター)


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敷金を取り戻す方法はどのような手続きがあるか

2008年04月09日 | 裁判手続き
Q 家主さんや管理会社と交渉しましたが、「原状回復費用」がかかったからと敷金を返してくれません。敷金を取り戻すにはどのような手続がありますか。


(A)
1、少額訴訟手続

 簡易裁判所では90万円までの金額の事件を扱っています。うち60万円以下の金額の事件については少額訴訟手続があります。

 訴状を簡裁に提出し、少額訴訟手続をすることに家主(被告)が同意すれば、1回の期日で裁判官が双方の主張と証拠を調べて原則として即日に判決する手続です。

しかし、家主がこの手続に同意しない場合やこの判決に異議申立(原告も当然出せます)をしたときは簡裁での通常の訴訟手続になります。 この手続では、証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐ調べることができるものに限られます。ですから、契約書や補修見積書、明渡時の写真など「自然損耗」であることを立証する資料が乏しく何人もの証人を詳しく調べる必要のあるようなときにはこの手続でするのは困難でしょう。 申立手数料(印紙代)は、請求額が30万円の場合は3,000円です。

2、通常訴訟手続

90万円以下は簡裁、これを超えるときは地裁に通常の裁判を起こすことになります。

3、調停手続

簡易裁判所の調停手続は調停申立(口頭で申立てもできます)をしたうえで、裁判所から連絡のあった調停期日に双方が出席し、調停委員立会の下で話し合いで解決していくことになります。調停の場で、双方の合意ができないときは1か2の手続になります。

4、本人でも訴訟はできるでしょうか

裁判は勿論本人でもできます。しかし、敷金の裁判は既に述べたとおり、

①「自然損耗」も借主の負担とする特約の効力は認められるか
②「自然損耗」とは何か

をめぐって必ずしも判例上明確な決着はついていません。また立証についても、使用前、使用後の写真があって「自然損耗」であることが明らかであるケースは少ないでしょう。 当研究会では皆様の選択で弁護士が代理人として訴訟をするケースと、本人で自ら訴訟することにつき当会のメンバーが相談するとともに訴状等を作成するケースとを考えています。(敷金問題研究会)



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裁判官が違法手続き 口頭弁論を公開せず結審 高裁が差し戻し

2007年10月08日 | 裁判手続き
千葉地裁松戸支部の納谷肇裁判官(53)が、憲法の定める裁判公開の原則に反して、民事訴訟の口頭弁論を公開する手続きを怠ったまま結審し、判決を言い渡していたことが七日分かった。手続きの不備を指摘する原告側が控訴。東京高裁は「手続きは違法」と認定して審理を千葉地裁に差し戻した。千葉地裁は「違法と認定されたことは遺憾」とし、納谷裁判官の処分を検討している。

 東京高裁が五月に言い渡した判決などによると、地主が借地人に賃貸契約の更新料約二百七十万円の支払いを求めた民事訴訟で、納谷裁判官は昨年十二月二十一日、公開された法廷ではない「弁論準備和解室」で、双方の弁護人と弁論準備手続きを行った。

 その後、本来は公開の法廷と表示して口頭弁論をする必要があったが、納谷裁判官はこの手続きを怠り、書記官も同席させないまま同室で口頭弁論を行い、今年一月に請求棄却の判決を言い渡した。千葉地裁での差し戻し審は別の裁判官らが担当し、現在も継続している。



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