つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

李白 2

2009-12-12 | 歴史
 12/1の「李白」を読まれた獣医師の武部様からメールを頂き、ご友人の京都教育大学名誉教授のSさまから「長安一片の月」にも触れてほしいというお言葉がありましたので、当日学んだことに加筆して書き込みます。Sさまも、G大出身ですので亡父の授業を受けて下さったと思います。

 李白の「子夜呉歌」には、春夏秋冬の4首の詩があり、その3首目(秋)の「長安一片の月・・・」が有名です。
 「子夜呉歌」は呉の民歌を元にして、詠まれています。呉の民歌を呉歌といいますが、呉歌は東晋の都があった建業(現在の南京)で作られたものが多かったようです。この詩は子夜という女性が、甘粛省の臨洮へ派遣された夫のために冷たい手で針縫いをして仕立てた綿入れを、駅使に託して送ったことを詠んだもので、夫の安否や健康を気遣って帰還を待ち望む思いが込められた一首です。いつの時代も「銃後の守り」は悲しいものです。 

       子夜呉歌(第3首)
    長 安 一 片 月  長安 一片の月
    萬 戸 檮 衣 聲  万戸 衣を檮つ声
    秋 風 吹 不 盡  秋風 吹いて尽きず
    総 是 玉 関 情  総べて是れ 玉関の情
    何 日 平 胡 虜  いずれの日か 胡廬を平らげて
    良 人 罷 遠 征  良人 遠征を罷めん

訳:長安の夜空にさえる一片の月。八百八町すべての家々から響いてくる砧の音。風はいつまでもいつまでも吹き寄せる。月、砧、秋風、すべて玉門関のあなたを思わせるものばかり。ああ、いつになれば、えびすを平らげて、あなたは遠いいくさから帰れるの。
 写真は、我家の今年のトランペットエンジェル。
コメント (2)
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