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コード・グリーン

『ネットワーク・ヘゲモニー』より

エネルギー問題、環境問題は、文明の盛衰を左右する問題である。 20世紀の米国文明とは石油に浮かぶ文明であり、そのリスクは時間差を伴って2!世紀のわれわれに影を落としている。 21世紀最初の10年が過ぎたが、われわれは新しい文明の見通しを持つ必要があるだろう。われわれの今後を導くプログラムをデザインするのである。

そもそも、人類の開発が地球環境に影響を与えてしまうのは、その規模が大きくなっているからに他ならない。開発の規模が小規模であれば、地球システムはその影響を飲み込んでしまうことができるだろう。しかし、人類はわずかな期間に急速に人口を増大させてきた。世界の人類がほぼ同じような発展段階にあった紀元前1万年には、世界の人口は500万人である。キリストが生まれた頃には50倍の2億5000万人にふくれあがっている。そして、英国で1760年代から1830年代に産業革命が起こった。産業革命のさなかの1800年に10億人に達し、230年かけて20億人になった。ところが、30億人になるのにはわずか30年しかかからず、40億人になったのはさらに15年後の1975年であった。50億人になったのは12年後の1987年である。

しかし、逆に、デジタル・デバイドが解消されてしまったとき、ITが環境に与えるインパクトは甚大になる。たとえば、北米並みに70%の世界人口がインターネットを利用するようになったとしよう。その数は約46億2488万人である。そうすると現在のインターネット人口の約3.7倍がインターネットにアクセスすることになる。これだけの人口を支えるインフラストラクチャが、今のままのアーキテクチャを保つことは困難であろう。

ITは電力というエネルギー源なくしてはまったく動かない。いうなれば、電力インフラストラクチャは、「レイヤー・ゼロ」のインフラストラクチャである。このレイヤー・ゼロのインフラストラクチャを強固なものにするために、われわれは地球環境を犠牲にすることはできない。そうだとすると、いまだ多くの人が強く意識するに至ってはいないが、効率的で安定的な電力の確保、そしてその革新が、今後のグローバルな課題の一っとなるはずである。

ネットワーク・ヘゲモニーで使われるネットワークは、インターネット、情報通信ネットワークだけではない。物流のネットワーク、金融のネットワーク、さらには電力のネットワークなど、あらゆるネットワークを駆使することになる。今のところ、電力網は各国に閉じられている場合が多い。しかし、国境を越えたエネルギーの融通は今後ますます盛んになる。もともと欧州連合のきっかけとなったのは欧州石炭鉄鋼共同体であった。現在では天然ガスのパイプラインが国境を越えてつながっている。環境問題・エネルギー問題への取り組みがなければ、世界経済は成長が止まりかねない。

グローバルな展開力を持つ覇権国はエネルギー消費国でもある。大洋を越えて行われる戦争はロジスティクスが非常に長くなる。しかし、エネルギー問題と環境問題は覇権システムそのものを根底から変えるインパクトを持つかもしれない。

フリードマンは、世界で一番エネルギーを浪費し、環境を汚染している米国こそが、ETの開発で世界をリードすべきであるとし、そのためのプランを「コード・グリーン」と呼んでいる。「コード・レッド」は「厳戒警報」を意味するが、それをもじって急速なグリーン化への取り組みを「コード・グリーン」と呼んだのだろう。レッシグのいうコード層に対応して考えると興味深い。

これは、大量生産・大量消費というプログラムで作られてきた米国の覇権の転換に他ならない。コード・グリーンの「コード(行動規範)」はプログラムのことに他ならない。米国は覇権を維持するためにゲームのルールを変えようとしている。これまでの成長ゲームではもはや地球環境は破綻せざるを得ない。新しいゲームを創出し、それに勝つことで、米国だけでなく世界に貢献する覇権を作ろうというのがフリードマンの野心である。

ETの発達は、ネットワーク型のヘゲモニーにも影響を与える。物流のネットワークの利用が減り、情報通信ネットワークヘの依存が進む方向になる可能性が高い。フェイスツーフェイスのコミュニケーションが重要なことは誰でも分かるが、ジェット燃料を大量に消費して飛行機を飛ばすよりも、まるで同じ部屋にいるかのようなリアリティのある遠隔ネット会議の方が経済的コストと環境負荷を減らせるかもしれない。
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行動することよりも考えること

お客様関連の展示会

 大きなクルマに100V電源があるんですね。これから、電気をとって、震災の時に助かったという声を聞きました。HIVなら、さらに大きなバッテリーを持っている。スマートグリッドに向かえる。

 展示会を見て回った感想としては、このメーカーは売りっぱなしです。展示も、見せるために、置いてあるだけです。気付かせるだけの主張がされていない。

「あいち環境塾」に書類を出した

 全て、手書きには参った。この20年、手書きはしていません。1.0のボールペンで「環」の字は書けません。

 「あいち環境塾」で言いたいのは、「環境」だけで考えていて、答が出ないということです。これは仕事も一緒です。販売店での仕事を考える、販売店がどう変わっていくかを考えるのに、「販売店」のことだけ、考え、販売店の人に聞いても答にはなりません。

 社会の変化、歴史の変化、ベースとなる数学、図書館のライブラリ機能などを動員して、アナロジーを含めて考えないといけません。

行動することよりも考えること

 それと、行動することが全てではない。今必要なのは、行動することではなく、考えることです。色々な可能性とか偶然を考えることです。その中なら、自分たちの方向、あいちの方向、日本の方向を決めていかないといけない。とかく、環境問題をしているNPOは行動することが主になります。

 ローカルで行動していることが全てみたいなカタチです。それを守るために固執します。環境セミナーを聞いていても、自分たちはこうしている。だから、すごいでしょう。そんなことをやられても、サラリーマンにはマネができません。ローカルの環境でやっているだけですから。

未唯空間仕事編の再編成

 5.8を「社会の中の会社」にします。5.7を「2015年の姿」にします。それに従い、5.5を「今、やること」に特化します。それで仕事編の全体のシナリオを時間軸にあわせます。

 5.4の「販売店の将来」は、社会との販売店に一考察にします。だから、5.8とつなげます。その意味では、5.4はあくまでもアイデアです。現状を求めているが、夢を出しています。それが5.5~5.8のエネルギーになっています。

 5,5、5.7、5.8を組みなおします。5.6の「私の役割」の内、インタープリターについては、5.7のメインに項目として取り上げます。よく見ると、元々、5.8などはラジカルです。サラリーマンレベルははるかに超えています。

 今、見えているものは2015年までにやります。お客様とメーカーとの接続も入れ込みます。機能的には2015年がターゲットです。2011年と2015年の関係はとりあえずは、それぞれの項目の進化にしていきます。あまり、無理言ってもしょうがない。時系列からすると、2011年に取り掛かって、2015年にできているもの。2015年から取り掛かるもの。2011年と2015年の内容は変えていきます。何しろ、進化ですから。2011年はあの4つの項目から始めます。

 ライブラリのところも、衛星配信からの切替とか具体的な大容量コンテンツなどを明確にします。

事務局の概念

 インタープリターはとりあえずは、事務局に入れたが、独立の項目にします。インタープリターを探す、または作り出すことは大仕事ですし、作るという意味では大きな役割を果たします。

 事務局の概念をこの会社が認識するのはもっと先です。2011年では、「事例」から取り掛かります。そんなアプローチなんでしょうね。5.7の「簡単に使える!」は5.5の「事務局」と対比させましょう。

パートナーの資料

 パートナーは昼間の資料を少し指摘しただけで、ガラッと変えてきました。パートナーが良いのは、こういうときがあるから。指摘事項に対しては反発しているけど、資料で応えてくる。その間は甘えてこない。
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