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「環境問題を経済学から捉える」

未唯へ。「使える数学」という題名などで、それらしい新刊本が出されているが、ほとんどが学校での算数と数学の焼き直しです。

トポロジストとしては、数学的思考は現実のものであり、環境問題を考えるには欠かせないものを思っています。ローカルとグローバルでの循環とかスパイラルというのは、本来は空間論から出てきている概念です。

数学のすごさを皆に説明したくて、本を探しています。本当は私が書けばいいのですが。金曜日に借りた本に、その候補がありました。『数学で考える』410コジです。その中で、「環境問題を経済学から捉える」という章があります。

「リサイクルというのは、「希少な資源を有効に利用する」ことだから、一見すると社会をより豊かにすることのように思われがちだ。その証拠に、「もったいない」という日本語特有の表現が世界から注目を浴びたことも記憶に新しい。しかし、よくよく考えるとこれは全然自明なことではないのだ。」

「多くの市民は、自分のリサイクルが自分の所得を減らすとは考えていない。経済というのが究極的には物々交換に他ならないから、それは当然です。環境問題を解決する政策を実施する場合には、常に、このような社会不安を回避する方策を対にしなければならないのである。」

「これまでの経済学は、商品が取引される「市場」だけ注目し、生産と消費の関係を分析してきた。高度に発達した経済社会では、市場の外側にも経済のメカニズムが働きうる。それは、「情報の伝播」という形式で働くのである。」

「消費者は、自分たちの環境志向を、購買行動によってシグナルとして企業に発することができる。また、そのシグナルを受け取った企業は、環境配慮型の生産を広報することによって、自社の生産についてのシグナルを消費者に返すことが可能である。このような、市場外、価格外のシグナルの応酬が地球環境を改善する力を持ちうるのである。」

「今後、このようなシグナリングの効果によって、環境は劇的に改善される可能性がある。これは大変明るい未来像である。」

私からすると、まだまだ環境と経済の問題を追い詰めてないけど、ローカルに対して、グローバル、そして循環が現れてきただけでも、持続可能な循環のマトリックスに近づいてきたと思います。これを本格的な数学ロジックに落とすのは私の役割かもしれません。
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