ルカの福音書 20章1−18節
「どこから来たのか知りません。」20章7節
久しぶりに同労の方からのお電話。嬉しくて話が弾み、互いにコロナ下での苦労、そこで生まれる新しい可能性などを分かち合いました。元気をいただいた通話でした。
9月を迎え、「みことばの光」はルカの福音書の終わりの部分を読みます。20章はおそらく火曜日の出来事。その週の金曜日にイエスは十字架につけられますので、4日前にエルサレムの宮で起こった出来事がここには記されています。
イエスご自身はご自分が間もなく十字架で殺されるために捕えられることを知っておられました。その四日前には宮で福音を宣べ伝えておられたのです。少し飛躍があるかもしれませんが、このイエスのお姿からキリスト者に常に、そして最後まで与えられているのは福音を宣べ伝えることなのだと、考えました。
ここでイエスは、宮の管理をしている祭司長たち、そして律法学者たち、長老たちから「何の権威によって」と問われます。これに何と答えるのかで、ここでイエスを捕えようと目論んでいたのかもしれません。しかし、イエスがいつ、どのように、何をするのかは彼らが決めることではなくて、それこそ神の権威によること。そこでイエスは、ヨハネのバプテスマは、天から来たのか、それとも人から出たのかと、逆に彼らに問いかけるのです。たちまち彼らは追い込まれます。どちらを答えても自分たちが困ったことになるということが分かったのは、さすがだと思います。
そして、彼らが振り絞って出した答えは、「…知りません」でした。一生懸命論じ合った結果が、自分たちの立場や評判を守るためには「…知りません」と答えざるをえないというのです。
そして神をではなく人を恐れることによって、彼らは福音そのものであるお方が目の前にいるのに、それを受け入れて救いを得る機会を逃してしまったのです。
主イエスの問いかけには、評判や立場をかなぐり捨てて、素直に答える者であろうと思います。