みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

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2018年09月04日 | 士師記

士師記 15章

 気がついてみたら、街路や公園の木々が色づいています。気温も一週間前とはずいぶんと違ってヒンヤリとしてきました。ぜいたくですが、少し寂しさも覚えます。

 15章は、サムソンが妻を他の男に取られたことに怒ってペリシテ人の麦畑やぶどう畑を燃やしてしまう事から、ペリシテ人がユダに向かって陣を敷いたと話が進みます。

 きのうも書きましたが、改めて11節を読みますとこの頃のユダとペリシテ人との関係がわかります。「おまえは、ペリシテ人がわれわれの支配者であることを知らないのか。」このことばは、ユダがいつの間にかペリシテ人の手の中にいて何とも思わないという静けさの中にあったということを表わしています。けれども、この静けさこそ、イスラエルの民にとって深刻なのです。

 ここにはサムソン一人が同胞3,000人から非難を浴びている様子、サムソン一人がペリシテ人1,000人を打ち殺したという記事があります。これまで登場した士師たちは、指導者としてイスラエルを率いて敵と戦いましたが、サムソンはたった一人で戦っているのです。

 サムソンはユダを初めとするイスラエルに、ペリシテは自分たちが陣を敷いて戦うべき相手だということを気づかせるために、神によって遣わされたのです。サムソンがのどが渇いて「死にそうだ」と呼び求めることばに答えて、主が水を与えてくださったことから、主はサムソンをどのようにご覧になっているのだろうか、それは私たちが彼のふるまいに眉をひそめているのとは違う見方をなさっているのかもしれません。


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