安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係
二年前まで杉山だった場所が、広大な麦畑に変身した。
昨秋の播種前に堆肥を厚めに撒いたのと、春になって適度な間隔で雨が降ったことが幸いしたようだ。
二年目にして、この作柄になるとは想定していなかった。

先日の同期会で皇居を見学していた際、東京在住の砂岡さんが「麦の秋っていつだっけ?」と問いかけて
来たので「夏の季語になっているので6~7月です」と得意満面に答えたら、すぐ後ろに俳句の大先生
(山口在住の久光さん。三冊目の句集も評判で、表彰されるとのこと)が立っていたのに気付き、冷や汗
をかいた。
とんだ「釈迦の目の前での説法」になってしまった。
(追記)
翌日、砂岡さんから「当日、俳句の大御所は、皇居東御苑には参加していません。誰だったのでしょうか。」
とメールが届いて驚いた。
誰かと勘違いしたか、或いは、帰りの新幹線でグッスリと眠り続けていたので、その時の「夢」だったのかも
しれない。
ボケ老人の記憶は、とうとう「夢とうつつ」の判別も出来なくなったようだ。
小麦の播種は、播種機を六連式にして畝間の間隔を極力少なくしている。
条件の悪い畑で発生するトラブルとしては
・車輪に土がへばり付いて回転しなくなる。
・目皿の下に種が入り込んで詰まり、目皿が回らなくなる。
・車輪の回転を伝えるチェーンが外れる。
などがある。
以前はトラブル発生の都度パニクッテいたが、今は冷静に対処できるようになった。

心配された雪が降らなかったので、朝食前に一時間ほど播種作業に集中でき、「今日
中に終了する目途がついた」つもりでいた。
ところが、予報が完全に外れ、朝食中に降り出した雨は次第に本格化し、そのまま
「降ったり止んだり」を繰り返す一日となった。
明日晴れたとしても畑は好ましい状態ではないと思われるが、その後の天気を考えると
「強行突破するしかない」かもしれない。
遅れていた小麦の種蒔きが、ようやくスタートした。
天気が不安定になる季節にも関わらず好天が続いたので、この数日がラストチャンス
かもしれない。

雨や雪を一番心配したのが写真の畑で、排水対策で畑の中心に明渠を施したものの湿気が
抜けにくく、播種機の車に湿った土がへばりついて回転を妨げ「蒔き洩らし」を招くこと
が多かった。
一等最初にこの畑を選んだのはそんな「気がかり」があったためだが、予想以上に順調に
蒔き終えることが出来て「ホッ」と胸を撫で下ろした。
小麦の種蒔きを直前に控えながら、二毛作大豆が「是か否か」で揺れた。
その契機は、市野々の二毛作大豆が二年連続して全滅状態となったことにあった。

「二毛作自体に無理があるのではないか?」との疑問が生じ、普及センターの専門家に問い合わせを
したら、「県内では二毛作に挑戦する農家が増えている」とのことだった。
「小麦を全廃して大豆に特化する」ことも検討したが、直ぐに連作障害の問題にブチ当たる。
紆余曲折の末に出した結論は「小麦の作付面積を三分の一」にして、大豆を二年続けたら三年目は
小麦とする「三年周期ローテーション」だった。
小麦や蕎麦を作付けして「手打ちうどんや手打ち蕎麦」を食べるのは就農前からの夢だった。
しかし、その夢は早々についえた。
冬場の農閑期なら「手打ちの時間が確保できるのでは」と期待したのだったが、不本意ながら
「年中暇なしの百姓稼業」となってしまった。

それでも小麦は、枝豆や大豆の連作回避作物として毎年作付けし、農協にも出荷している。
残念ながら「手打ちうどん」は、年に一度作るかどうかのご無沙汰振りだが、スイトンは
食べる機会が多い。
特に、今年の小麦粉は極めて美味で、サトイモ、ネギ、大根、ゴボウ、ニンジンやキノコが
潤沢に入ったスイトンは「絶品」で、高齢を顧みず「腹が割れ裂けんばかり」に暴食している。