安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係
「東の山」(通称)の杉林を伐採し、根を引き抜き、整地を終えた大地をトラクターで掘り起こした。
原野状態の休耕田を開墾した経験は有るが、「山を耕す」のは初めてのこと。

固い地面はトラクターをもってしても大きな負担となり低速運転を余儀なくされたが、細い木の根の
切れ端は残っていたものの殆ど気にならず、たま、石や岩が皆無だったことも幸いし初挑戦を無事に
乗り切ることが出来た。

耕起は勿論のこと播種、除草はトラクター、そして収穫はコンバインを使うつもりなので一方向のみで
ない傾斜が気掛かりだったが、「畝の分散が不要」を確認出来たのは大きな成果だった。
東の山の杉林を伐採して整地した結果、半オムスビ山状態の大地が出来上がった。
事前に予測したほどフラットではなかったが、畑としてなら十分に活用出来る。
近場に新たな耕地が出来た意義は大きい。
ただ、一枚板の斜面ではないので、単純に「一方向から耕す」という訳には行かないようだ。
取りあえずトラクターで堆肥散布をしながら「どの方向にどの程度の長さの畝を作るのが効率的か」
を模索することにした。

(傾斜や道幅の多少の微修正は我が家のバックホーで行うことにした。)
豊穣の森が赤いハゲ山になった。
それを目論見通り「緑の大地」に変えられるか否かは、これからの努力如何となる。
転作田で畑作物に挑戦するには排水対策が必須で、就農当初、周囲に側溝を掘り、足りない場合は
真ん中に明渠を設けたりもした。
しかし、それでも湿気を解消できない畑があった。
その原因に今頃になってようやく気付いた。
ポイントは「水は低きに流れる」の原理を愚直に守ることだった。
「何とかの一つ覚え」で側溝や明渠に頼り過ぎたのが良くなかったようだ。
湿地の点在する畑で「小麦の種蒔き」に苦戦しながら、何とか解決策を見い出した。
但し、その「湿地解消策」の実施は来年の小麦収穫後となる。

風の無い午前中、遅れていた二号ハウスの屋根掛けを行った。
これで、ここのホウレンソウは年末商戦に間に合いそうだ。
畑の殆どは転作田なので明渠等で排水対策を施している。
それにも関わらず、排水が上手く行かない畑が何カ所か出現していた。
ここ数年の「雨の多い天気」が影響しているものと思っていたが、実は、明渠が潰れたり埋まったり
して排水機能を果たしていないことが原因だった。
湿地状態の畑に小麦を蒔いても発芽しないことから、急きょバックホーで掘り直しているが、高森の
二枚の畑は来春まで乾く見込みがなさそうだ。
豆の連作回避のため小麦を播種する予定だったが諦めるざるを得なかった。

バックホー作業をしていたら田んぼ一枚隔てた畦道を悠然と狐が歩いていた。
「おーい、どうした」と親しげに声を掛けたら、振り向いたが逃げる様子は無く、田圃の隅で鼠探し
を始めた。
しかし、収穫がないまま10分ほどで姿を消した。
狐の動きをジックリと眺めたのは初めてだが、猫との「狩りの方法の違い」が興味深かった。
堆肥を撒いて耕起し、最後に「小麦の種蒔き」をして秋の畑仕事は完了する。
予報によると雨や雪が降らないのは水曜日まで。
その間に、少なくとも市野々と後山だけは終わらせたいと思っていた。
土が乾くのを待って「午後イチスタート」の予定だったが、
播種機の設置等に時間がかかり「3時スタート」と遅くなってしまった。

なんとか、連結した畑だけは終わらせたかったが、陽が落ちると土が湿気を
帯びて来るので途中で諦めざるを得なかった。