shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

コケティッシュ爆弾 (Pt. 2) / 奥村チヨ

2010-03-19 | 昭和歌謡
 今日は「コケティッシュ爆弾」のパート2、ジャケットは裏ジャケの裏(?)に載ってた写真をアップしてみた。昨日書いたようにチヨちゃんは声量、リズム感、歌唱力とも文句なしの実力派シンガーなのだが、時代の流れか、レコード会社の方針か、はたまた事務所の圧力か、セクシーお色気路線へと舵を切り、コケティッシュなフェロモン・シンガーとして一世を風靡することになる。そんなエロ、じゃなかった艶っぽい歌声が満喫できるのが Disc-1 の各トラックだ。
 まずは①②に続く③「くやしいけれど幸せよ」、④「証拠」、そして⑤「甘い生活」へとつながるフェロモン歌謡(?)3連発がたまらない。③は “3部作” に続くシングルで、“だけぇどぉ 今日ぉぉもまたぁぁ~♪” と声を震わせながら歌うなど、お色気路線継続中だ。甘口ソングには辛口の演奏をということだろうか、ここぞという所でバシン!と入るブラッシュのアクセントが効いている。巧いなぁ...(^.^) 絵に描いたような昭和歌謡的なイントロから入る④は囁くような “恋人なんでしょッ♪” の繰り返しが耳に残るチャーミングな曲だが、何と言っても曲間に挿入される彼女のセリフがたまらなくセクシー。とてもじゃないが恥ずかしくってリスニングルームで大音響では聴けない(笑) こっそりヘッドフォンで聴いてニンマリしたい1曲だ。
 私がセクシー路線屈指の隠れ名曲として愛聴しているのが⑤だ。まずは何と言っても曲そのものが良い。いくらチヨちゃんがセクシーに迫っても曲がイマイチではただのスケベ・ソングに堕してしまう。変幻自在のヴォーカルで流れるような美旋律を歌いこなすチヨちゃんに萌え萌えだ。左チャンネルから聞こえてくる涼しげなヴァイブの音色が名曲名演度数を更にアップさせているが、そんなことよりもラストの “やぁさしくぅ~ あっあっ はぁんあっ 引き寄せてぇん♪” と彼女が官能的な声で迫るパートには理性も吹っ飛ぶ。く~っ、たまらん!!! 
 ①②と並ぶ “恋シリーズ3部作” のひとつ、⑨「恋泥棒」は3部作中では一番地味に聞こえるが、彼女の歌い方はきめ細やかな女の情感を見事に描写しており、 “いぃ~ちどぉだけ♪” のラインなんかめちゃくちゃ色っぽい。⑪「あなたが好きなの」は彼女のしっとりした歌声にジャジーなピアノのオブリガートが絡み、哀愁をまき散らすフルートやギターが曲に絶妙な色づけをするという、川口真氏の器楽アレンジが素晴らしい。あまり指摘されないことだが、この頃の歌謡曲ってバックの演奏もアレンジもめっちゃレベルが高いと思う。⑱「嘘でもいいから」は①を裏返しにしたような正統派セクシー路線のナンバーで、彼女の歌い方も①を彷彿とさせるものがある。特に“うぅ~ん 嘘でもいいからぁ~♪” でお色気指数がメーター振り切ってレッド・ゾーンに突入だ。そしてDisc-1 のシメはやはり⑳「恋の奴隷」、今度はスタジオ録音ヴァージョンで萌えて下さいな。
 Disc-2 は①「ごめんね ジロー」、④「云えなかったの」、⑯「赤鼻のトナカイ」といった実に初々しい歌声に、これがあの「恋の奴隷」と同一人物かと愕然としてしまう。そんな中、私が惹かれたのはオックスやテンプターズといった GS の カヴァー⑥「スワンの涙」、⑦「エメラルドの伝説」で、彼女の華奢な身体からは想像もできないくらい声量のあるダイナミックな唱法によってオリジナルとはまた違った魅力に溢れるヴァージョンに仕上がっている。ベンチャーズ歌謡⑧「北国の青い空」では彼女お得意のヴィブラート唱法でスケールの大きなナンバーに昇華されているし、ノリノリのリズム歌謡⑨「砂の慕情」では彼女の音感の良さを再認識させられる。彼女の様々なスタイルが楽しめる見事な選曲だ。彼女の代表作と言われる⑬「終着駅」はアダルトなムード横溢のしっとりした歌唱が楽しめるのだが、私は次の⑭「オー・シャンリゼリゼ」の肩の力の抜けた歌声の方により魅力を感じてしまう。植木等とのデュエット⑮「白日夢」では色っぽいけどフェロモン過剰にならない絶妙なサジ加減の歌声がたまらない(^o^)丿 そしてこの2枚組のラストを飾るのが⑰「愛のさざなみ」。何とまぁニクイ選曲配列だろう!寄せては返す波のようなリズムに乗ったチヨちゃんの歌声が耳に心地良い。
 いやぁ~まいりました(≧▽≦) 彼女こそまさにフェロモン菩薩、こんなんばっかり聴いてたらフヌケになっちゃいそうでコワイが、そうと分かっていてもコレはちょっとやめられない(^o^)丿 その筋系が大好きなご同輩のみなさん、健康のため聴き過ぎには十分注意しましょう。

甘い生活・・・奥村チヨ


スワンの涙 奥村チヨ
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